2015年5月11日
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2015年05月11日野生下のトキの今期最初のヒナ誕生・ヒナへの足環装着
佐渡 近藤陽子
皆様、こんにちは。
4月24日(金)、ついに野生下のトキの今期最初のヒナが誕生しました!!その後、続々とヒナがふ化し、5月8日(金)現在、12羽のヒナが確認されています。
<No.86とヒナ2羽>
5月8日(金)からは、ヒナへの足環装着も始まりました。
一羽ごとに異なる番号や色の足環を付けそれを識別することによって、野生トキ全体の個体数把握、雌雄や年齢の把握、個体の行動追跡などが可能となるため、足環装着は大変重要な作業となります。5月は、ふ化から20日程度の適齢になったヒナから順次、足環を装着していきます。ヒナの巣立ちまでは、まだまだ時間がかかりますが、今後、この新しく足環を装着された野生下生まれの個体を識別できる日がとても楽しみです。何事もなく、無事にヒナが巣立つことを願うばかりです。
おまけ
モニタリング業務中に出会う渡り鳥たち
<紋付きを着ているようなジョウビタキ(4月8日撮影)>
<水田にたたずむマナヅル(4月16日撮影)>
<ピンク色の長い脚がチャームポイント、セイタカシギ(4月23日撮影)>
ゴールデンウィーク期間中の日光は、暖かい日が続いたこともあってか、外国人を含む多くの観光客で賑わっていました。
東 照宮などのある日光山内でも見渡す限り人だらけ。改めて国際的観光地日光に住んでいるんだなぁと実感しました。
そんなゴールデンウィーク明けの5月9日(土)、奥日光湯元及び光徳沼周辺で、日光パークボランティアの研修会を行いました。
今回の研修会のテーマは「日光の両生類」。
日光地区に生息するカエル類やサンショウウオ類の歴史的背景や生理生態的特性、分布状況などについて学びました。
講師は、栃木県立博物館で主に両生類を専門分野とする林先生。
林先生のおもしろおかしく且つ高度な専門的知見をわかりやすく表現した巧みな解説にボランティア一同惹きつけられました。
午前中は湯元ビジターセンターで聴講し、午後は、光徳沼および御沢橋高架下付近の水たまりで観察。オタマジャクシを発見しじっくり観察しました。
水たまりで泳ぐオタマジャクシを観察
オタマジャクシの群れ
真っ黒いオタマジャクシの群れとしか認識していませんでしたが、林先生から2種類のオタマジャクシが混在していることを教えていただき、改めて観察すると、体の大きさや色が異なる個体がいることに気がつきました。
左がヤマアカガエル、右がアズマヒキガエルのオタマジャクシ
専門家にはパッと見で分かるようです。(笑)
奥日光地域では、ごく普通に見かけるカエルですが、今まで意識して観察したことはなく、"見えてはいるけれど、本質的に見ていない"自分に気づきました。
また、観察していて不思議と感じたのは、大勢の人間に囲まれ、がやがやと騒々しくてもオタマジャクシは優雅に泳いでおり、特段の変化が見られなかったことです。成体のカエルならきっと慌てて動き回ったことでしょう。
そんなオタマジャクシですが、サンショウウオなどの捕食者に追われる時は必死で逃げるそうです。本能で"命の危機"を察知するのでしょう。
これから先、日光では、様々な動植物の活動が活発になってゆきますが、今回の経験を活かし、しっかりと見ることを意識したいと思います。