2015年6月
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2015年06月29日南アルプス開山祭と長衛祭
南アルプス国立公園 大石佳織
みなさん、こんにちは。
6月27日(土)に、山梨県南アルプス市の広河原で「南アルプス開山祭」が、
長野県伊那市と山梨県南アルプス市にまたがる北沢峠では「第57回長衛祭」が開催
されました。
広河原では「蔓払い(つるはらい)」が行われ、参列者は安全登山を祈願して
払われた蔓の間を通り抜けました。
芦安山岳館の展示によると、「蔓払い」は山の案内人の使命感を表現し
蔓を切り払うことで、悪霊を威嚇・排除し、山の清めを意味するそうです。
私も今シーズンの安全登山を祈願して、払われた蔓の間を通り抜けてきました!
(蔓払いの儀式と蔓の間を潜り抜ける参列者)
北沢峠では、南アルプス北部の登山の歴史に貢献した竹沢長衛翁を偲ぶとともに
今シーズンの安全登山を祈願しました。
(参列者による献花。花は地元伊那市特産のアルストロメリアでした!)
6月25日から南アルプス林道のバスが全線開通し、本格的な夏山シーズンが
始まりました。
みなさん、今の自分の体力や体調と相談しながら、今シーズンも安全に登山を
楽しんでくださいね!
2015年06月27日キタダケソウ開花情報
南アルプス国立公園 大石佳織
みなさん、こんにちは。
6月24日から25日にかけて、北岳へキタダケソウの開花状況確認に
行ってきました。
キタダケソウは、世界でも北岳の山頂付近でしか見ることのできない
希少な固有種です。例年6月中旬から7月上旬にかけて白い花を咲
かせるのですが、今年は積雪が少なかったため開花が早く、すでに
見頃は過ぎていました。
八本歯のコルから北岳山荘へのトラバースルートの中ほどには
まだ花をつけている株がありましたが、よいモデルになってくれ
そうな瑞々しい花をつけた株は見つけられませんでした...。
(キタダケソウ ちょっとくたびれた感じです。 6月24日撮影)
さて、ここで登山者の皆さまにお願いです。
熱心に高山植物の写真を撮られる方も多いかと思いますが、くれぐれも
登山道から外れないようお願いします。
この時期、あまり植物がないように見える場所もありますが、実は小さな
芽生えがあったりします。
登山道からはずれて、お花畑に踏み込むと、小さな芽生えは潰れて植物
が失われてしまいます。
そして地面がむき出しになると、土壌が流出し、まわりの高山植物にも
悪影響を与えてしまうんです。
今回の巡視では、残念ながら踏み込み跡が見られました。
(赤矢印が踏み込み跡。登山道を外れ、キタダケソウの下まで続いています。)
大切な高山植物を未来へ残すためには、皆様のご理解とご協力が
必要です。どうぞよろしくお願いします。
*そのほかの開花情報*
北岳周辺では、ハクサンイチゲが見頃を迎えており、あちこちで楽しむことができます。
八本歯のコル付近ではクロユリが、トラバースルートではミヤマオダマキやミヤマムラサキ、
稜線ではチシマアマナ、ミネズオウ、イワウメ、オヤマノエンドウ、ミヤマシオガマなど多数の
植物が開花しています。
(お花畑の様子 6月25日撮影)
*登山道情報*
大樺沢から八本歯へ向かうルートは雪渓を登る必要があり、雪渓をトラバースする箇所もあります。
また、落石も多く発生しています。雪渓に不慣れな方は、草すべりや右俣のルートを通行するようお願いします。
2015年06月26日H27年度 国立公園・野生動物フォトコレクション@尾瀬
尾瀬国立公園 柳澤美果子
小笠原からスタートした「国立公園・野生動物フォトコレクション- アクティブレンジャー写真展」
はるばる海を越えて、今度は尾瀬にやってきました!
国立公園・野生動物フォトコレクションポスター(尾瀬) .pdf
開催場所:見晴地区 環境省見晴休憩所(am8時~pm5時)
開催期間:平成27年6月25日(木) ~7月21日(火)
※開催期間はヘリの運航状況によって、変更になる可能性があります。
写真展会場の様子
ミズバショウのシーズンは終わりましたが、尾瀬では小さくも可憐な花々が咲いています。
初夏の花たちを探しがてら、ぜひ写真展もご覧下さい♪
ハクサンチドリ
池塘に一輪咲くホゼコウホネ
イトトンボの仲間が仲良く止まっていました。
そして・・・写真展設置に向かう途中、山ノ鼻付近でツキノワグマに遭遇しました。
クマを見かけたら、安易に近づかず、その場から静かに遠ざかりましょう。
大声を出すなどクマに対して威嚇したり、写真の撮影等はクマを刺激するため危険です。
事故に発展しないように、正しい対処法を理解することが大切です。
詳しくはこちら↓
尾瀬保護材団ホームページ https://www.oze-fnd.or.jp/ozd/br/
2015年06月25日箱根地区パークボランティアの勉強会開催♪
富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈
6月20日(土)に箱根地区パークボランティアに対する
平成27年度第1回パークボランティア研修
「見つけて、調べて、伝える-植物図鑑の使い方と自然情報の使い方-」が開催されました。
今回は、神奈川県立 生命の星・地球博物館
http://nh.kanagawa-museum.jp/index.html
の大西亘学芸員を講師としてお招きし
箱根ビジターセンター周辺の樹木や草花の見分け方を御教授頂きました。
箱根地区パークボランティアの皆さまにも、箱根に訪れる方達にも注目が高い
植物の講義を1日かけてしっかりと楽しく学んで頂きました!
室内の講義では、植物の見分け方のポイントや観察した情報の発信方法を学びました。
野外では、実際に樹木や草花を観察しながら図鑑を検索する実習を行いました。
すでに知っている「ヤマボウシ」や「ヒメシャラ」「ヒメジョオン」も
実際に図鑑で調べる時には、葉の付き方、葉の形、常緑か落葉か等、
たくさん確認する必要があります。
見慣れた植物でも図鑑で調べようとすると大変ですね!
皆さんルーペを使い、小さな花の細部をしっかりと調べたり
図鑑やメモ帳を片手に熱心に講義を聞いていました!
今後の活動に生かせる内容がたくさんあり、
パークボランティアの皆さんも「また受講したい!」と
興味がより深まったようです。
今後も、パークボランティアの皆さんと一緒に
箱根に訪れる皆さまに、箱根の『魅力』をより伝えていきたいと思います!!
2015年06月23日巣立ち後の幼鳥たちの様子
佐渡 近藤陽子
皆様、こんにちは。
佐渡では、6月19日に最後のペア1組において、ヒナ2羽の巣立ちを確認し、今期の繁殖期終了を迎えました。
今年野生下で誕生した幼鳥には、A23からA32の識別用の足環が装着されている個体と、足環のない個体がいます。幼鳥たちの嘴は成鳥に比べると短く、顔は黄色で、目の虹彩が成鳥のようにオレンジ色ではなく黒みを帯び、クリクリッとした可愛らしい目をしています。佐渡島内各地で彼らの元気な様子が確認されています。
<水田で探餌するNo.A23 巣立ちして約一ヶ月、営巣地から約20km離れた地点で観察された>
<こちらの様子をうかがうNo.A25>
<あぜで休息するNo.A27>
<枯れ木にとまるNo.A28>
<羽ばたきの練習をするNo.A32>
だんだん自力で餌を採れるようになってきた幼鳥たち。今後もこの元気な姿を観察し続けていけますように。
2015年06月23日那須岳登山は雷にご用心!
日光国立公園 吉川 美紀
先週、那須連山主脈縦走線の巡視に行ってきました!
茶臼岳~大白森山までの縦走線は現在環境省の管理となっており、時々この登山道や施設の状況を確認しています。
今回はこの栃木県と福島県にまたがるロングコースの南側半分(茶臼岳~朝日岳~三本槍岳)を、今月中にはさらに北側半分(三本槍岳~甲子山~甲子峠)を予定しています。
最近は不安定な天気が続き、巡視当日も夕方から雨の予報が出ていました。那須岳の、特に三本槍岳は雷雲の通り道であるため「大気状態が不安定」と予報される日は雷注意の日なのです。
まぁ今回はそんなに帰りが遅くならないだろうし、雨が降る前に行っちゃいましょう!...という甘い考えが危ないのでした。
那須岳では花のシーズンが始まりました。今はイワカガミやアカモノといった小さな花から、ウラジロヨウラクやサラサドウダンといった変わったツツジが満開です。
(左上から時計回りに白いイワカガミ、アカモノ、ウラジロヨウラク、ベニサラサドウダン)
登山道の状況を確認しながら、手入れできる部分は処理しながら順調に進んで行きます...が、昼過ぎ頃、雨が降ってきてしまいました。
空模様が怪しくなったのは三本槍岳山頂。この周辺は稜線上のルートしかなく、エスケープルートもありません。
そしてとうとう雷の音が聞こえ始めてしまいました。これは稜線上にいるのはまずい!急いでとにかく尾根から脱出するために降りよう!そしたら大粒のひょうが降ってきた!
雷鳴とひょうに追いかけられながら大急ぎで下山。稜線から離れ鏡ヶ沼まで降りてきたら少し天候が落ち着いてきて一息つけました。モリアオガエルの声が安心します...。
(今の時期の鏡ヶ沼はモリアオガエルの卵がたくさん)
今回は悪天候を想定して雨具等を装備していたこと、何度も通ったことがある知った道であったおかげでスムーズな回避行動が取れました。しかしこれが知らない道だったら?霧で何も見えなかったら?雷が近くに落ちていたら?
悪天候の登山は危険がいっぱいだということを身をもって実感しました。
事前の準備、情報収集は怠らず!
引き返す勇気を持って!
もしもの際のエスケープルートの確認はしっかりと!
安全で楽しい登山をしましょう!
↓那須高原ビジターセンターでも登山道情報を発信しています↓
2015年06月19日茶ノ木平巡視
日光国立公園 櫨木 めぐみ
先日、茶ノ木平を巡視してきました。明智平ロープウェイからのスタート。この日いろは坂の下は晴れていたのですが、坂を上るごとに曇天に...。しかし、なんとか天気がもち、ポスターや観光雑誌で見る華厳の滝と中禅寺湖のショットを拝むことができました。さすが、日本三大瀑布の一つ、遠くからでも迫力がありました。
途中、足下には咲き始めのギンリョウソウ、シカの痕跡(足跡や糞、樹皮剥ぎ)、そして踏み固められたであろう歩道上の土から出てきたばかりのセミの幼虫と遭遇しました。また、戦場ヶ原周辺の森ではあまり見かけないブナ林も広がっていました。
それらを通過した先、茶ノ木平にはササ原が広がっていました。茶ノ木平は、かつて自然植物園があったようで、そこに繋がる中禅寺湖温泉ロープウェイもあったようです。なお、常設されている看板の中には、旧い情報のままの地図を掲載したものもありますのでご注意下さい。
また、道中、歩道と送電線巡視路が交差している箇所がいくつかありました。私たちが片道切符だったこともあり、ロープウェイの方が道迷い防止の地図を渡してくれたのですが、確かに迷いやすい道でした。もらった地図も参考に、持参した地図と道標を確認しながら、足を進めたものです。
今回の巡視中、一時霧がかることがあったのですが、そのように天候により道中をはばまれることや、現地の地図情報が旧いこともあります。そのため、これから登山や自然散策にむく季節になりますが、お出かけの際は地図を持参し、また地図はできるだけ最新のものをご利用下さい。
2015年06月16日登山者カウンター設置しました。
南アルプス国立公園 大石佳織
みなさん、こんにちは。
今年も15日から長野県側の南アルプス林道バスが全線開通し、いよいよ山の季節がはじまりました!
林道バスが北沢峠まで入るようになると、徒歩で広河原へ下り、南アルプス最高峰北岳(3,193m)を
目指す方もちらほら現れます。
そこで先週、北岳への主要ルート上に登山者カウンターを設置してきました。
どのくらいの方が、どの季節の、どの時間に大樺沢ルートや白根御池ルートを利用しているのかを
把握するために、毎年設置しているものです。
設置中の様子です。
登山者カウンターはセンサーの前を通過するものの数をカウントするだけで、撮影等はしていません。
だから、髪が乱れていても気にせず前を通過してくださって大丈夫です。
ただ、立ち止まったり、複数の人が同時に通過したりすると上手くカウントできないことがあるので
登山者カウンターの前を通過するときは、配慮いただけると幸いです。
みなさまのご協力をどうぞよろしくお願いします。
今回、広河原付近で出会った植物を少し紹介します。
これはオドリコソウ。
「踊り子」とかわいい名前なのですが、私にはどうしてもお化けに見えてしまいます。
こちらはマイヅルソウ。
山では比較的よく見かける花で、見慣れた植物だと思っていたのですが、近くで見て新しい発見がありました。
花はこんなに透き通った白だったんですね。
自然はいつでも新しい発見があって楽しいです。
みなさんも国立公園に足を運んで、自分なりの自然発見を楽しみませんか?
2015年06月16日箱根の滝巡り
富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城
6月6日(土)に「初夏の箱根の滝を巡る」をテーマに箱根ボランティア解説員連絡会主催の自然観察会が行われました。
当日はあいにくの小雨模様でしたが多くの参加者たちにお越しいただきました。
小涌谷駅をスタートしてしばらく歩くと最初に出てきたのは千条(ちすじ)の滝です。
この滝は高さ約3m、幅25mの滝で、幾筋にも水が流れ落ちる様はとても優雅です。7月頃になると蛍も飛び交うようです。
今回の、小涌谷駅から畑宿寄木会館までの鷹巣山(たかのすやま)を越えるコースは比較的高低差があり、お昼まではひたすら登っていきます。
そんな中、心を癒してくれたのは雨に似合うコアジサイや、
色鮮やかなモミジイチゴなどでした。
鷹巣山(たかのすやま)山頂で昼食をとり、今度はひたすら下っていくとようやく飛龍(ひりゅう)の滝に着きました。
この滝は神奈川県最大級で上段15m、下段25mにもなる荒々しい印象の滝です。その姿が龍の飛揚に似ていることからその名がつけられました。前日の雨の影響もあるのでしょうか、かなり迫力がありました。
飛龍(ひりゅう)の滝を後にしてさらに下っていき柱状節理という、溶岩が固まった際にできる奇妙な模様を観察して観察会終了です。
参加者の方の感想では思った以上に大きかった飛龍(ひりゅう)の滝がよかったとの声が多かったです。
写真では伝えきれないこの迫力、ぜひご自身の目でお確かめください。
7月も近くなり、小笠原は『夏始めましたっ!』というくらい、暑い日々が続いています。
そんな中、今回は海岸清掃に行ってきました。
普段なかなか上陸しない無人島の浜。
上陸しないというより上陸しづらい浜には、漂着ごみが溜まっています。
でも、人間が上陸しづらくても、ウミガメにとっては貴重な産卵場所。
そのウミガメの産卵場所を守るために海岸清掃を行っています。
大きいものから小さいものまで、何でこんなものが流れているんだ?と様々な漂着ごみがあります。
中には危険な毒薬(らしき物)などありますので、皆さんビーチコーミングする際には気をつけて下さい。
海岸がキレイになると、気分も清々しくなりますね!
しかし、日焼け止めを忘れた私は、日に焼けすぎて数日苦しむ羽目になりました。。。