2017年6月 8日
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2017年06月08日第16回放鳥と佐渡の鳥事情
佐渡 原奈緒子
みなさま、こんにちは。
カエルの鳴く声がよりいっそう騒がしくなり、梅雨が近づいてきましたね。
佐渡では6月2日に第16回放鳥が行われました。トキの放鳥の取り組みは日本で絶滅してしまったトキを再び佐渡の空に戻すために、2008年から進められています。これまで15回にわたって、のべ252羽のトキを放鳥しています。
▲飛翔するNo.288(飛翔時の個体識別のためにアニマルマーカーで着色されています)
▲飛翔するNo.293
前日までの初夏の陽気とは打って変わり、暴風吹き荒れる天気の中での放鳥でしたが、3日かけて無事に全18羽が佐渡の空に飛び立ちました。
今回の放鳥個体を含めると、佐渡島内の野生下に生息するトキは212羽(6月8日現在)となりました。
→放鳥結果の詳細は「放鳥トキ情報」をご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/tokimaster/e/87113d220a0ded9dc8c9cc36bb08719d
さて、皆さんは佐渡といえばなにをイメージしますか。
トキのイメージが強い佐渡ですが、実は非常に多くの種類の鳥を観察できる島なのです。
今回は、トキ以外の鳥について紹介したいと思います。
Qこの鳥はなんでしょうか
答えはウミネコです。
カモメの仲間で日本では北海道から九州にかけて見ることができます。
ウミネコの大きな特徴のひとつはその顔にあります。
眼の周りの赤いリングがわかりますか。なんとも鋭い顔つきです。
そして、もうひとつの特徴として、尾羽に黒い帯があります(下の写真をご覧ください)。カモメの仲間は見分けるのが難しいとよく言われますが、ウミネコはこの2つの特徴を知っていれば、判断できます。皆さんもカモメを見つけた際にはぜひ気にしてみてください。
▲畦で休息するウミネコ
一般的にウミネコは海辺で魚や甲殻類などを食べますが、佐渡では海辺だけでなく、なんと田んぼに現れます(最初の2枚の写真も田植え前の水田です)。ミャーミャーと鳴きながら水田にポチャリと着水するのを見たときは、なぜここに!?と驚きましたが、今ではすっかり見慣れてしまいました。潮の満ち引きの関係で干潟のない環境や、トキの生息地整備のため、餌資源である生きものを増やす田んぼづくりに力を入れている佐渡ならではの鳥事情です。田んぼではトキの餌でもある、ドジョウやおたまじゃくし、ケラなどを食べているのでしょうか。今度は田んぼで何を食べているかも観察してみます。
みなさん、こんにちは!小笠原ARの荻野裕太です。
6月8日(木)、父島の固有カタツムリを安全地帯に移送する救出作業(緊急捕獲)を行ってきました。
なぜ、カタツムリを緊急捕獲する必要があるのかというと...
小笠原諸島はほかの陸地と一度も繋がったことがない「海洋島」です。
海洋島では偶然にたどり着いたわずかな生き物や植物が独自の進化を遂げて、
現在の小笠原諸島に暮らす生き物達が暮らしています。
その小笠原諸島に暮らす代表的な生き物が「カタツムリ」です。
写真 チチジマカタマイマイ
しかし、残念ながら外来種のプラナリア(ニューギニアヤリガタリクウズムシなど)
によって固有種のカタツムリが激減しています。
どうにかして、外来種の脅威に負けないよう、
プラナリアの侵入を防ぐ柵内に引っ越しをさせています。
今回、どのようにカタツムリを引っ越しさせているのかご紹介します。
先程のチチジマカタマイマイはどんな場所に暮らしていると思いますか?
実は大きな落ち葉が積もって水分が豊富な腐葉土がある場所にいます。
実際に探してみるとなかなか見つからずに一苦労です。
写真 カタツムリ捜索風景
見つけたカタツムリ達は、殻に番号タグを付着して柵内に移します。
写真 左 番号付け作業 / 右 番号付け後のカタツムリ
定期的にモニタリングをして、柵内で元気に暮らしているか、確認しています。
父島固有のカタツムリをいつまでも残していきたいと思います。