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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

北岳で見ることができる高山植物を紹介します!

2017年07月24日
南アルプス国立公園

みなさん、こんにちは。南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

7月も半ばを過ぎ、北岳ではキタダケソウの花が終わりを迎えています。キタダケソウは、世界中で北岳でしか見ることができない貴重な高山植物(固有種)です。例年は北岳の開山前に盛りを過ぎてしまうのですが、今年は雪が多く、キタダケソウの開花期が遅くなったので、たくさんの方がキタダケソウを見ることができたのではないでしょうか。キタダケソウの花は終わりましたが、北岳のお花畑はこれから見頃を迎えます。

そこで、今回は北岳で見られる高山植物をいくつかみなさんにご紹介します。

1つ目は大樺沢ルートで見つけた『ミヤマカラマツ』です。

大樺沢ルートで見つけたカラマツソウ

ミヤマは深山に生える、という意味で、高山植物によく見られます。カラマツの名は、花の形がカラマツの葉に似ていることから付けられたそうです。葉はのこぎりの歯のようにぎざぎざ(鋸歯状)になっています。モミジカラマツというよく似た植物もありますが、その名の通り、葉がモミジの葉のよう(掌状)になっています。どちらか分からなくなってしまったときは、葉の形をよく見て見極めてください!

2つ目は白根御池小屋から二股分岐に向かって進んだルートで見つけた『ミヤマキンポウゲ』です。

白根御池小屋から二股分岐に向かって進んだルートで見つけたミヤマキンポウゲ

花は小さめですが、金色で光沢があり可愛らしい花です。漢字だと「深山金鳳花」と書かれます。

なんだか、かっこいいですよね。このミヤマキンポウゲは白根御池小屋から北岳へ向かう草すべりルートでも見ることができます。花期が7月中なのであと少ししか見ることはできませんが、ぜひ探してみてください。

見たことがある!という方もいらっしゃるかと思いますが、3つ目に紹介するのは『シナノキンバイ』です。

ミヤマキンポウゲと同じくキンポウゲ科の植物なので、姿がよく似ていますね。

二股分岐で見つけたシナノキンバイ

花そのものが大きく、鮮やかな黄色が綺麗ですよね。黄色い花はほかにもいくつかありますが、シナノキンバイの鮮やかな黄色は一際目立ちます。花期も8月中旬までと長く、二股分岐で群生を見ることができるので、二股経由で登られる方はぜひ見つけてください。

ほかにも北岳ではたくさんの高山植物がみなさんを出迎えてくれます。

北岳には、世界中で北岳にしかない固有種がいくつもあります。高山植物は、短い生育期間や、強風・低温といった厳しい環境条件に耐えながら、非常に長い時間をかけて成長し、花を咲かせます。そのようなぎりぎりの環境で育つ植物は、踏みつけなどの攪乱に非常に弱く、ダメージから回復するにはとても長い時間がかかります。そこでみなさんにお願いです!!登山道から離れた場所に綺麗な花が咲いているのを見つけたときには、登山道から外れずに楽しむようにしてください。お花畑へ踏み込むと、植物が踏みつぶされ、貴重なお花畑が失われてしまいます。踏みつけが続くとやがて植物は枯れ、むき出しになった地面から土壌が流れ出し、その場所にはもう植物が生えなくなってしまいます。そのようなことにならないためにも、登山者ひとりひとりの自然を思うやさしい心で、これからも北岳の自然を、南アルプスの山々の自然を守っていきましょう!