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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

堅果類の豊凶調査

2017年08月31日
日光国立公園 太田祐司

みなさん、こんにちは!

日光も8月は雨が続き、夏はどこに行ったか?梅雨が戻ったか?というような天気が続きました。奥日光では8月も下旬となり晩夏というか初秋という雰囲気になっています。

今年の夏の奥日光は、クマの出没が多く小田代原でも木道脇のカラマツがクマ矧ぎに会うという事件がありました。秋に向けて、クマの動向はどうなるかと気になるところです。

 

【小田代原木道脇のカラマツのクマ矧ぎ】

秋にクマのメインの食物となる堅果類の豊凶調査(ドングリの結実状況調査)に参加しましたので報告します。栃木県では林業センターが県内を4地区に分けて、堅果類(ミズナラ・コナラ・クリ)の豊凶調査を実施しています。今回は奥日光の調査として林業センターのM研究員に指導を受けて、戦場ヶ原周辺のミズナラの結実調査を行いました。

方法は調査対象木から任意で枝先の3箇所を選び、そこに木の枠を当てて枠内のドングリの数をカウントするというやり方です。

【ミズナラの枝先に木枠を当てる】

対象木はほとんどが20mを越える大きな木です。その枝先のドングリ数をカウントするために、測竿(樹高測定用の伸縮するプラスチックの竿12mの長さ)の先に、20cm×50cmの木の枠をぶら下げて、枝先に当てます。枠内のドングリ数を双眼鏡を使って数えるというものです。結実がカウントしやすいように、測竿を使用して(先にカギをつけます)枝を下向きに引っ張ることも必要です。3,4人の調査員が必要で、測竿が柔らかくて安定せず、測竿を持つ二人が技術体力腕力のいる作業です。

【木枠を当ててドングリ数のカウント】

全部で9本のミズナラを調査しましたが、ほとんどの枝先で結実が見られず。今年も奥日光のミズナラは凶作のようです。ドングリ類が凶作ですと、クマの出没は晩秋まで続くことが知られており、気の抜けない秋になりそうです。

【千手が浜のマルバダケブキとカラスアゲハ】

とはいえ、奥日光は秋の花が咲き始めています。千手が浜ではマルバダケブキやキオンが花盛りです。紅葉前の秋の花々を見に来てください。