2017年10月23日
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2017年10月23日日光国立公園ファムトリップ
日光国立公園 高橋祐子
こんにちは。日光国立公園管理事務所の高橋です。
今、国立公園では多くの方にもっと安全に、もっと快適に利用してもらうべく、いろいろなことに取り組んでいます。例えば遊歩道案内板の多言語化、様々な国から来てくれる利用者へのおもてなし改善や情報の一元化などなどです。今日はそんな中に開催された外国人旅行者の拡大を目的とした現地視察旅行(=ファムトリップ)の様子をご紹介します。
外国人観光関係者に日光国立公園で実際に食や自然を体験してもらい、どのようにふれあいや楽しみ方を提供していくのがよいか、改善するために行われました。今回のツアーコンテンツは、中禅寺湖でのスタンドアップパドルやサイクリング、森の中でのトレッキングにアウトドアランチなど。
そして日光を満喫した後には、ホテルにチェックインして意見交換会です。私たちにとってはこれが仕事の本番です。外国人目線の意見を余すことなく抽出し、今後の方向性を考えるための基礎知識や考え方を収集します。
東照宮や華厳の滝などで有名な日光エリアですが、そのもう少し奥にもこんなに自然や文化に触れ合える場所がたくさんあり、ただ訪れるだけでは決して気付くことのない素敵な場所があります。紅葉時期には混雑のイメージがある日光エリアですが、長く滞在して地域の良さを教えてくれる人達と話すことができたら、今までとは違った一面が見えてきます。
世界遺産の日光の社寺を目の当たりに感動した後は、ぜひ日光の自然や歴史のさらに奥にも目を向けてみてください!国籍問わず素敵な何かが見つかることと思います。
皆様、こんにちは。
新潟県佐渡市では、朝晩冷え込むようになりました。
トキたちも、年に一度の羽の生え変わりの時期を迎え、美しい「とき色」が目立つ季節となりました。
佐渡各地で稲刈りも終盤に差し掛かった10月17日(火)、「順化ケージ」で稲刈りを行いました。
佐渡自然保護官事務所がある施設内には、「順化ケージ」という、敷地面積80m×50m、高さ15mの巨大なケージがあります。
<順化ケージ正面>
ここでは、放鳥したトキたちが自然界で生きていけるよう、飛翔/採餌能力・社会性などを身につけるための訓練を行います。そのため、ケージ内は、実際の佐渡の里地里山の環境を再現した棚田も作られています。この棚田では、例年、実際に米作りを行っており、田植えをする人間の姿をトキに学んでもらうほか、田植え直後の稲をトキが踏んでしまうことで起こる稲踏み被害の実態調査も行っています。
<順化ケージ内部 8/19撮影>
9/22日に今年の放鳥が終了し、トキがいなくなった順化ケージで、飼育トキを担当している新潟県佐渡トキ保護センターの職員の方々と一緒に稲刈りを行いました。
<順化ケージ内棚田での稲刈りの様子>
順化ケージ内には、カエルやバッタなど、トキのエサとなる生物もたくさんいました。トキを頂点とする小さな生態系ができており、自然に近い環境であることが分かります。
順化ケージでの稲刈りは、手刈りで行います。鎌を使っての稲刈りは初めて。水田の生き物を間近で目にする良い機会でした。トキの足跡やくちばし跡が稲の根元に集中しており、水生生物がどこにたくさんいたかが、よくわかりました。
<稲の根元にトキのくちばし跡の穴が集中しています>
放鳥されたトキたちも、この棚田で学んだ経験を野外で活かし、力強く生きていってくれることを願います。