ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2017年11月

12件の記事があります。

2017年11月30日【富士山がある風景100選】石割山・平尾山・大平山(富士五湖エリア)

富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒

みなさん、こんにちは。1か月前は富士山に初雪が降ったばかりでしたが、すっかり雪化粧して冬の装いです。

今日ご紹介する「富士山がある風景100選」は、石割山・平尾山・大平山です。

この3つの山は山中湖の北側に位置し、気軽に富士山と山中湖の眺望を楽しめる日帰りハイキングコースです。山中湖は富士五湖の中でも富士山に一番近いため、迫力ある富士山が魅力です。

三山を歩く際には、富士山を正面に見ながら歩くことができるので、石割山から平尾山、大平山と東から西に歩くのがお勧めです!


石割山への途中にはパワースポットとして知られている石割神社があり、岩の大きさに圧倒されます!


御神体の岩の隙間を3回通れば幸運が開けると言われています


石割山山頂に到着すると、視界が開け富士山がお出迎えしてくれます!


石割山からの富士山


石割山、平尾山と歩くにつれ、だんだんと富士山が大きくなっていきます。


平尾山からの富士山

富士山を正面に見ながら大平山へ

あずまややベンチのある大平山はランチスポットにぴったりです。


大平山からの富士山


空気が澄んでくる冬は富士山を見るにはとてもいい季節です。

「富士山がある風景100選」の中で冬でも安全に楽しめるスポットをこれから随時紹介していきたいと思いますので、お気に入りの場所を是非見つけてくださいね!


山中湖周辺ハイキング情報:山中湖村HP


【訪れるみなさんへ】
富士五湖エリアはすでにとても寒いです。麓でも朝の最低気温は氷点下となります。
十分な防寒対策と車はスタッドレスタイヤに履き替えてお越しください。

++++++++++++++++++++ "富士山がある風景100選"とは ++++++++++++++++++++++++++
富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100選"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。

http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html

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2017年11月29日ようこそ日本へ!

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

新潟県佐渡市では、佐渡最高峰の金北山で冠雪が確認されました。


<11/16撮影 佐渡市新穂からの金北山>

日本海が荒れる日も増え、冬の到来を感じます。


<11/11撮影 佐渡市真野の海岸を埋める"波の花">

 この日本海に浮かぶ佐渡島は、冬、遠く離れた外国から、海を渡ってやって来た渡り鳥たちの貴重な中継地・越冬地となっています。

 「佐渡と言えばトキ」と、ついトキだけに目が行ってしまいますが、トキがいるということは、言い換えれば、トキが生息できるほど佐渡の自然が豊かだということ。佐渡の自然は、トキだけでなく、多くの渡り鳥たちの命をも支えています。飛び続けて疲れた羽を休め、豊富なエサで体力の回復を図ることができる、渡り鳥たちのオアシスと言えるでしょう。

 現在、たくさんの冬の渡り鳥が飛来している佐渡ですが、先日、珍しい鳥が確認されました。確認された鳥は、コハクチョウというハクチョウの仲間。それだけであれば、佐渡では特段珍しいわけではありませんが、このコハクチョウ、何と「足環」と「ネックバンド」が装着されていました!

<個体識別のための足環とGPSシステムが付いたネックバンドを装着したコハクチョウ>

 写真を確認すると、左脚には、「A45」と記載された赤い足環が、右脚には、「Moscow(モスクワ)」の文字と番号が記載されたメタルリングが装着されていました。

 鳥に標識(足環)をつけて放鳥し、再捕獲することで、渡りルートや寿命などを調べる、「鳥類標識調査」は、世界各地で行われており、このコハクチョウは、ロシアで足環をつけられたようでした。

 日本の鳥の研究機関である、山科鳥類研究所に確認したところ、2017年8月20日にロシアのチャウン湾で標識された成鳥であることが判明しました。このコハクチョウは約4,000kmもの距離を飛んで、佐渡にやって来たことになります。

 ようこそ、日本へ!

 この身ひとつで大陸を渡り、大海原を越えて、遠くロシアからやって来たことが証明されたコハクチョウ。渡り鳥たちが大陸から渡ってきていることは知識として分かってはいましたが、実際にそれが証明されると、「よくぞここまで生きてやって来た!」と、愛おしく感じられました。

 こうした感動を私たちに与え、トキを含む多種多様な生き物の命を支える佐渡の自然が、失われることなく続くことを願ってやみません。

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2017年11月20日~11/7自然観察会~ 無事開催しました!

富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈

平成29年11月7日(月)晴天の中、箱根自然に親しむ運動自然観察会が行われました。

箱根自然環境事務所開催担当の行事として、今年度最後の行事となりました。

定員50名のところ応募者70名とたくさんの方からお申込みいただいた、例年人気の行事です。今回はその様子を少しだけお届けします。抽選に外れてしまった方は次回も是非お申込みください。

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*自然観察会情報*

平成29年11月7日(火)

「紅葉の箱根路を訪ねて」

主  催:箱根地域自然に親しむ運動実行委員会

開催担当:環境省 箱根自然環境事務所

コ ― ス:恩賜箱根公園~箱根旧街道杉並木~箱根旧街道石畳~お玉ヶ池~石仏群と歴史館

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開会式の後、最初に「箱根の唄(♪箱根の山は、天下の嶮(けん)~♪)」の解説を聞いて、スタートです。

班毎に歩みを進めていきます。

最初は箱根旧街道杉並木。

約500m続く杉並木の間を箱根パークボランティアの解説と共に歩いて進みます。冷たい風が気持ちよく、横に並ぶ木々は歴史を感じさせてくれます。写真スポットでは、参加者の皆さまもこぞって写真を撮っておられました。良い写真が撮れたでしょうか?

その後しばらくすると、箱根旧街道石畳に差し掛かります。

解説を聞きながら一休憩。石畳は急な上り坂でしたが、皆さん一生懸命登っていきました。そしてつらい石畳を越えると、二子山が見える絶景の場所(お玉観音堂)に到着です!

青空の下、上二子山と下二子山が並んで見えます。

今年度最後の箱根事務所開催担当の自然観察会は、落ち葉が良い音を聞かせてくれる自然観察会でした。紅葉のピークが過ぎたら今度は雪景色のキレイな箱根となります。皆さまも秋冬の箱根に是非いらっしゃってください。温泉もとても気持ちがいいですよ♪

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2017年11月17日湯ノ湖・コカナダモ除去

日光国立公園 番場美奈子

こんにちは。日光国立公園管理事務所の番場です。

日光では事務所の周りでも紅葉が終わりに近づき、奥日光の湯元では雪が舞い始めています。

湯元には、多様な生物が生息しその保存を推進すべき湖として、ラムサール条約湿地に登録されている湯ノ湖があります。

その湯ノ湖では近年、北米原産の外来種の水草コカナダモが繁殖し、その水質悪化等の影響が懸念されており、1998年にコカナダモの除去活動が開始されました。

今年も数日間、栃木県や日光市によって実施され、最終日の11月15日(木)は奥日光清流清湖保全協議会が主催で人力での除去と湖周辺の清掃を行い、日光国立公園管理事務所からも数名が参加しました。

除去は、ボートから碇を投げ込み、それに引っかかった海底のコカナダモを引き上げるという方法で、多くのボートが湖に繰り出しました。水深が浅く水が透き通った湯ノ湖では底にコカナダモがなびいている様子が見え、それをめがけて碇を投げます。

写真1:投げ入れた碇に引っかかったコカナダモを引き上げる

場所によって捕れる量が違い、碇に少し引っかかるだけの時もあれば、抱えるようにボートに引き上げる時もあり、大量のコカナダモを引き上げている様子は、まるで海で漁をしているようでした。

写真2:大量のコカナダモの引き上げ

写真3:コカナダモを載せて岸に戻ったボート

最終日は晴天で風も無く作業には絶好の日で、行政や地元住民、後援の伊藤園の方等、多くの方が参加され、みなさんの交流の機会としても有意義な活動でした。

写真4:晴天の湯の湖

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2017年11月16日那須の外来生物対策~今シーズン最終章~

日光国立公園 吉川 美紀

 みなさんこんにちは。

 那須高原では、着々と冬を迎える準備が始まっています。

 うっすらと雪化粧を始めた那須岳では、11月8日に閉山祭が執り行われ、夏山シーズンを終えた山への感謝の祈りと冬山の安全祈願が行われました。

 那須ロープウェイも11月14日に今年の運行が終了し、12月1日からは登山口駐車場に続く車道も通行止めとなります。

 那須にお越しの際は、目的地の状況や天候をご確認のうえ、適切な装備をご用意ください。

(那須岳閉山祭)

 そんな冬が近づいてきた那須事務所では、今年度の外来生物事業の振り返りと実務者同士の意見交換を目的とした、外来生物対策報告会を開催しました。

 那須甲子・塩原地域で外来生物対策を推進する県、市町村、企業、学校、山岳会、地元ボランティアが集まり、情報や意見を交換し合い、各々の現状を共有しました。

 オオハンゴンソウやウチダザリガニの駆除、農業などに被害を及ぼすクビアカツヤカミキリなど県内へ新たに侵入してきた昆虫、全員抱えている課題や活動の内容は違いますが、「地域の自然を守りたい」という外来生物対策の根本の気持ちは同じです。

 出席者で交流を深めることができ、また来シーズンの外来生物駆除活動に向けて気持ちも新たに取り組んで行きたいと思います。

(外来生物対策報告会)

 さて、今年の外来生物対策活動の振り返りも終わったところで、今年度最後の外来生物対策事業として、今週末開催の「なすビジ秋祭り」にて外来生物普及啓発ブースを出店いたします!

 那須地域でよく見られる外来生物についてアピールするブースで、主にオオハンゴンソウについての紹介、等身大模型を使っての駆除体験、外来生物クイズへの挑戦!といった内容です。イベントでは、学習ブース以外にもクラフト体験や歴史案内ガイド、ツリークライミングや芋煮の振る舞いなど、多くの地元団体さんに色々な那須甲子地域の魅力を紹介していただきます。

 子どもも大人も、那須甲子地域をご存じの方も馴染みのない方も、きっと楽しめるものが見つかるはず!

(なすビジ秋祭り 外来生物ブース)

ぜひ、那須方面にお越しの場合はお立ち寄りください。

多くの方のご来場をお待ちしております!

 日時:11月18日(土)、19日(日) 10:00~15:00

 場所:那須高原ビジターセンター

   (栃木県那須郡那須町湯本207-2/TEL:0287-74-2301) 

 詳細:http://www.nasuheiseinomori.go.jp/vc/event/nasuvisi_akimatsuri

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2017年11月14日国立公園・野生生物フォトコレクションin飯田市

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさんこんにちは!

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1126日(日)まで、長野県の飯田市美術博物館にて「国立公園・野生生物フォトコレクション」を開催しています! 関東地方環境事務所管内で活動するアクティブ・レンジャー達が、国立公園や国指定鳥獣保護区で昨年度撮影した、イチオシの風景や動植物をご紹介します。

国立公園・野生生物フォトコレクションのチラシ

★国立公園・野生生物フォトコレクション(アクティブ・レンジャー写真展)

 開催場所  飯田市美術博物館

 開催期間  平成29年11月9日(木)から11月26日(日)

      【 開館時間 】午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)

      【 休館日 】月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日

 入 場 料  無料 

 飯田市美術博物館ホームページ      http://www.iida-museum.org/

  国立公園・野生生物フォトコレクション http://www.iida-museum.org/8387/

先日、展示の設営をしてきました。

展示のようす  展示のようす

(展示のようす)

美しい景色、人々、植物はもちろん、動物や鳥、昆虫やキノコまで!!アクティブ・レンジャーたちが日々の業務で現地に足を運ぶなかで見つけた、お気に入りの瞬間を展示しています。写真をご覧になって、行ってみたいと思う場所があれば、各国立公園のパンフレットも配布していますので、ぜひお手にとってみてください。この写真展は、今年の4月から関東地方環境事務所管内の国立公園や国指定鳥獣保護区を巡回し、現在展示中の南アルプス会場を含めて、残すところ5か所となりました。行きたかったけどまだ行けていない方、会場の近くにお住まいの方、近くまで遊びに行かれる方。足を運んでみてください!

南アルプス自然保護官事務所からは、「南アルプスとニホンジカ」と題して、南アルプスのお花畑を守るための取り組みやニホンジカの生態について展示をしています。

南アルプスとニホンジカについての展示

(南アルプスとニホンジカについての展示)

また、飯田市美術博物館では、1224日(日)まで企画展「世界最南端のライチョウがすむ 南アルプス」が開催中です。雄大な南アルプスの山々を背景にした見事なバードカービング(野鳥彫刻)のライチョウ、南アルプスに産する多様な昆虫の標本や、美しい高山植物の写真などが展示されています。展示説明会や講演会などのイベントも数多く開催されていますので、南アルプスのことをもっともっと知りたい!という方はぜひ、ご覧ください。

詳細は、飯田市美術博物館ホームページ(http://www.iida-museum.org/)内、

企画展「世界最南端のライチョウがすむ 南アルプス」をご覧ください。

みなさんのお越しをお待ちしております!!

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2017年11月09日10/29 マイマイイベントを開催!!

小笠原国立公園 荻野裕太

皆さん、こんにちは!小笠原ARの荻野です。

10月29日に小笠原世界遺産センターにてマイマイ(カタツムリ)イベントを開催いたしました。

写真 小笠原世界遺産センター正面玄関 welcomeボード

小学生以上を対象に小笠原固有のマイマイについて楽しく知ってもらおうと、

体験型の募集プログラムと誰でも参加できるセルフガイドコーナーを設置しました。

今回は20名弱の参加があった「募集型イベント」について紹介します!

最初に、参加者にマイマイワークブックをプレゼントしました。

ワークブックはイベントを体験しながら書き込めるシートになっており

生態クイズや生態観察などに役立つポイントもたくさん盛り込んであります。

写真 ワークブック

では、ここで募集型イベントの内容をより深くご紹介します。

まず、導入では「マイマイ」ってどのような生き物なのか?について、

私が実際に巨大マイマイになりきって、手足等が使えない状況はどのような感じなのか

巨大マイマイになって再現してみました。実際に体験するとなかなか殻が重たくゆっくりしか進めません。

なかなか進まない姿を参加者が見て、殻の重さや動きの難しさなどを感じてくれたのではないでしょうか。

写真 なりきり巨大マイマイ

次に生態観察とクイズを実施しました。

生態観察では地面に住むマイマイや木の上に住むマイマイが、それぞれ種ごとに殻の形や模様などが違うことをルーペや顕微鏡を使って観察しました。

また、クイズを通してマイマイが卵を産む部分はどこか?等々の普段あまり知られていないマイマイの生態の不思議に触れることができ、皆さん興味津々の様子でした。

写真 マイマイ生態観察 

写真 マイマイクイズ

最後にマイマイが小笠原にたどり着いて現在に至るまでの様子をわかりやすく紙芝居の

読み聞かせで紹介しました。マイマイの飼育スタッフが作成した暖かみのある手作り紙芝居で、

プログラムで学んだことの振り返りを和やかに終えることができたと思います。

写真 紙芝居「父島のカタマイマイ」

今後も遺産センターならではのプログラムを開催していきたいと思います。

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2017年11月08日島のススキ野とその由縁

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 椋本 真里奈

近頃は日が短くなり、空の色も寒々としてきましたね。

年中暖かいと思われがちな伊豆大島も、すでに冬の気配がしています。

現在、大島ではハチジョウススキ(別名:ハチジョウガヤ)が見頃です。

今回はこのススキの紹介と併せて、大島の植生の特徴を簡単に解説したいと思います。

過去の記事ですでにガクアジサイやオオバエゴノキなどの島嶼種を紹介したことはありますが、大島の植物がどうして独特なのか、今更ながら説明させてください。

大島の植生に影響するのは大きく分けて3つの環境条件だと言われています。

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【 1 】 火山活動

前の記事でも紹介した通り、大島は活火山島です。

約25,000年間に渡って噴火を繰り返して、大島の大地は異なる時代に噴出した溶岩の層になっています。

(地層大切断面)

溶岩の荒原にはまず地衣類(藻類と共生している菌類の仲間)が生え、次にハチジョウイタドリ、ハチジョウススキといった順番に自然草原ができます。

その過程を経てオオバヤシャブシなどの落葉樹林になり、最終的にスダジイなどの照葉樹林に至りますが、現在三原山東側の一部ではハチジョウススキ→オオバヤシャブシの段階が見られます。

10/26 新火口展望台より三原山とハチジョウススキ)

ちなみに三宅島でも、2000年噴火の火山ガスにより森が失われたところに現在はハチジョウススキが広がっています。

2 】潮風

一般的に、海浜植物は潮風の影響を受けやすいため背の低いものが多いです。

しかし、内陸でも比較的強い風の吹く島という環境において、大島の植物は本州の近縁なものと比べて葉っぱが大きく厚い傾向があります。

大島では、植生の発達とともに大型の植物が内陸から海岸へと移ってきました。

高さがなんと約2mもあるハチジョウススキもその1つです。

葉も厚く葉幅が広く、冬でも枯れないのが特徴です。

ハチジョウススキが影を作り、強い日光が必要な海浜植物(オオシマハイネズなど)を枯らしてしまうので、大島公園海岸遊歩道では意図的に抜き取っているそうです。


(サンセットパームラインにて)

しかし、海岸型に茎が太くなった頑健なハチジョウススキも潮風にかかればこの通り。内陸のものに比べて覇気がありませんね。

3 】隔離

海に囲まれた環境から自然的な動物の出入りがほとんどなく、大島には長い間植物を食べるほ乳類(ウサギなど)があまり生息していませんでした。

身を守る必要がないため、ハチジョウススキはトゲが退化したと考えられています。

それどころか葉っぱのざらつきすらなくなり光沢があります。平和ボケでしょうか。

ちなみに、利島以南の伊豆諸島では花のほとんどない季節があるため授粉に重要なハチの一種が生息しておらず、そこに生息する別種のハチに適応して花の形が浅くなったり花期が変化したりしています。

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以上の3点は自然の要因ですが、もちろん有人島である限りそこに暮らす人々の活動も影響してきます。

例えば、林業や農業など。かつて酪農が盛んで「ホルスタイン島」とも呼ばれた大島では、牛の飼葉用として畑でハチジョウススキを栽培していた過去もあるそうです。

ありふれた植物に見えていたものも、そうなった由縁を聞いてみると面白く感じませんか。

知れば知るほど伊豆諸島は宝島!

大島だけでなく、その他7つの有人島にもぜひ足を運んでください!

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2017年11月07日【富士山がある風景100選】仁科峠(伊豆半島エリア)

富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光

今回は『富士山がある風景100選』に選ばれた伊豆半島の仁科峠をご紹介します。

(仁科峠展望台からの眺望)

 

仁科峠は、天城峠から西に延びたハイキングコース伊豆山稜線歩道の中間に位置しています。

風が強いため、背の高い木が少なく、笹に覆われた峠です。

 

(仁科峠 笹と歩道)

 

伊豆山稜線歩道を歩いてくることもできますが、自信がない方はツーリングやドライブで人気な西伊豆スカイラインを通り、仁科峠駐車場からも展望地点へアクセスすることが出来ます。

駐車場から展望台までは少し坂を登らなければなりませんが、背丈ほどの笹に囲まれた道を歩くのも楽しいですし、見上げると空がとても広く感じられます。

 

(仁科峠 西伊豆の街と駿河湾)

 

登りきったところにある展望台からは、360°視界を遮るものがなく、富士山だけではなく、伊豆の山々や眼下に駿河湾等を望む絶景を楽しめます。

一斉に笹の葉がなびいた時の音や辺りを一望できる開放感がとても心地よい展望台です。

 

(仁科峠 富士山) 

これからの季節、富士山に雪が積もれば、また違った風景が見られると思います。

 

++++++++++"富士山がある風景100選"とは ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100選"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。
http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html
http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html


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2017年11月07日塩見岳で高山植物保護作業を行いました

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

事務所がある芦安は晴れていても気温が低く、ストーブが必需品になっています。夜にはシカの鳴き声が聞こえてきて、秋の深まりを感じます。

南アルプスのそこここで見られるニホンジカへの対策は、先日ご紹介した防鹿柵(ぼうろくさく)や個体数調整(捕獲)だけではありません。シカが食べ尽くしたために植生が失われ(裸地化)、土壌浸食が起きた場所では植物の生育が難しく、防鹿柵だけでは効果があまり期待できません。そういった場所では、伏工(カバーによる斜面の保護)といった方法がとられます。

10月7日から109日にかけ、環境省事業として、塩見岳で南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの方々と伏工を行いました。

かつて塩見岳東側斜面には、シナノキンバイやハクサンイチゲなど数多くの高山植物が咲くお花畑がありました。ですが、ニホンジカの採食圧や踏圧により徐々に植生の変化が進み、やがてシカの好まない植物すら減って山肌が露出するありさまとなっています。

塩見岳東側斜面の植生の変化(1979年から2009年)

(塩見岳東側斜面 左:増澤武弘氏撮影 右:鵜飼一博氏撮影)

植生が消失して裸地化が進み、土壌浸食が起きてしまうと、植生の自然回復は困難になります。植生を回復させるためには、まず土壌浸食を食い止め、植物が生育する基盤をつくらなければなりません。この場所では、植生回復及び土壌浸食防止を目的として、2009年(平成21年)から毎年、ヤシマットの敷設が行われています。

塩見小屋をベースに、午前・午後の2回、切り分けたマットを運搬。運んだマットをお花畑内の裸地部分に敷き、四隅や途中部分に張りピンを木槌で打ち、シュロ縄で固定をします。この作業を2回繰り返し、マットを二重に敷きます。マットを二重に設置するのは、霜の防止のためです。最後に押さえの石を置いて完成です。

1回目の作業の様子

(1回目の作業の様子)

施工箇所

(施工箇所)

マットで覆うことによって土が流れにくくなるだけでなく、霜や厳しい風を防ぐことで、飛んできた種が芽を出し育ちやすくなるようにしています。一般的な伏工では牧草や肥料を配合した化学繊維資材が使われることも多いのですが、この作業では、高山の自然環境に配慮して、外来種の混入防止のため高温処理した生分解性のヤシマットを使用しています。時間はかかりますが、いつかはこの場所にも緑と、そしてお花が戻ってきてほしいですね。

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