ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年5月17日

2件の記事があります。

2018年05月17日尾瀬国立公園 山ノ鼻ビジターセンター開所式

尾瀬国立公園 尾池こず江

5月16日に尾瀬国立公園山ノ鼻ビジターセンターの開所式に参加しました。

とても天気が良く暖かい日差しの中、関係者が集まり尾瀬シーズンの幕開けを祝いました。

尾瀬を安全に楽しんでほしいと関係者からの挨拶があり、また片品自然保護官からも尾瀬についての

お話と挨拶をさせていただきました。

↑開所式の様子

山ノ鼻ビジターセンターは、鳩待峠入山口から1時間くらい歩くのですが、

今回歩いた道のりの様子を少しだけお伝えします。

↑今年は昨年と比べると残雪が少ない至仏山

木道を歩いていると左手に至仏山が見えてきます。

↑木道の様子

今年度は雪が少なく雪解けも早かったため

鳩待峠から山ノ鼻間の木道には残雪が一部ある程度、木道脇の日陰の部分には写真のような残雪がある程度でしたが十分注意して通行しましょう。

(5月2日時点では木道にも雪があり、踏み抜きに注意して歩きました)

↑テンマ沢のミズバショウ

鳩待峠入口から35分くらい歩くとテンマ沢にミズバショウが咲いていました。

この辺りでは美味しそうなミズバショウを食べに熊が出ることがあるそうですので、

朝夕の時間帯は特に気をつけて通行するスポットです。

↑近くで見たミズバショウ

今年は昨年より2週間くらい早く咲いているような感じと言われていますが、尾瀬ヶ原の

ミズバショウの見頃は5月中旬~下旬くらいでしょうか。

写真からではお伝えできないのが残念ですが、鳥のさえずりや川の音を聞きながら

とても心地よい尾瀬でした。ぜひ、尾瀬に来て感じてほしいと思います。

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2018年05月17日佐渡の春は島ならではの春

佐渡 原奈緒子

みなさん、こんにちは

佐渡ではカッコウが鳴き始めて、佐渡の短い春はあっという間に過ぎていったようです。

トキたちは繁殖期の真最中。ふ化が始まり、生まれたばかりの黒い顔のヒナが確認されています。


ヒナの顔は黒く、灰色の羽毛に包まれており、親鳥とは特徴が異なります。しかし、生まれた時からくちばしの先はピンク色をしていて、トキの面影があります。

▲左:ヒナ3羽に給餌する親(5月10日撮影)      ▲くちばしの先に注目!

一方、山では雪解けと共に一斉に春植物が花を咲かせていました。

佐渡にはタヌキより大きなほ乳類が生息していないため、シカ食害がないことも豊かな春植物を楽しめる理由の一つです。

▲上段:フクジュソウ、キクザキイチゲ、カタクリ

下段:様々な色形の雪割草(オオミスミソウ)

車道沿いにもいたるところに春植物の代表格であるカタクリの群生地があります。

よ~くみると違和感が、、、

葉っぱに注目です。わかりましたか?

なんと、佐渡のほとんどのカタクリは葉に斑が入っていません。

▲佐渡のカタクリ(斑なし)        ▲長野県で撮影したカタクリ(斑あり)

のっぺりとした黄緑色が太陽に照らされてきらきら光る様子がまだ雪が残る殺風景な山の景色を華やかにさせます。カタクリを見れば、このしっとりした感触を確かめずにはいられません。(カタクリは花を咲かせるまでに8年もかかると言われています。やっと咲かせた命を傷つけないように優しく扱いましょう。)

これは元々斑なしの個体が佐渡に入って、分布を広げたからとも言われています。

他にもこれからが見頃のホタルブクロは紅紫色と白色の2色がありますが、佐渡で見られるのは白色ばかり。これも白花の個体群が佐渡にあったために、全島的に白色が生育していると言われています。

鳥や人のように自由に行き来できない植物は佐渡で島ならではの分布をしています。

野生のトキが最後に生息していた佐渡島には四季を通して豊かな自然があり、人の生活するすぐそばで自然にふれあうことができます。これからの時期は海岸線にトビシマカンゾウの黄色が目立ちます。穏やかな夏の佐渡に足を運んでみませんか。

▲大野亀のトビシマカンゾウ(2017年5月27日)

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