ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年6月 5日

2件の記事があります。

2018年06月05日6/2自然観察会「初夏の箱根の滝を巡る」行事報告

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

みなさん、こんにちは

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

先日、箱根ボランティア解説員連絡会主催の行事

「初夏の箱根の滝を巡る」にスタッフとして参加してきました。

その様子をご紹介いたします。

コースは、箱根登山鉄道「小涌谷」駅を出発し、千条(ちすじ)の滝、鷹巣山(標高834m)、飛龍の滝、柱状節理を巡り、畑宿寄木会館まで行く標高差約430m、5.5時間かかる健脚向けのコースです。

 

↑今回のメインである千条の滝(左)と飛龍の滝(右)

9:30 開会

行事担当のパークボランティアさんが司会進行を行い、スケジュール、観察会の内容、班のリーダー・サブリーダーの紹介をしていきます。

↑開会の様子

9:50 観察会スタート

参加者は受付時に伝えられた班にまとまり、移動します。

滝までの移動中はこの時期に見られる花や野鳥の紹介、いくつか眺望が良い場所も通過するので、そこから見える山々の紹介をしていきます。

また、コース一帯はコアジサイやサルナシなどの初夏を代表する花が満開でとても良い香りがに包まれながら進んでいきます。

↑正面に見えるのが明星ヶ岳、夏に「大文字焼」が行われる山です。

↑千条の滝の前で解説するパークボランティア。地元の方で、昔から今までの様子をお話ししてくださいました。

↑コアジサイ。コース上でよく観察できます。カーネーションに似た少し甘い香りがします。

↑深緑の登山道を進んでいきます。明るい場所なので下記の花が観察できました。

↑左よりヒメウツギ、サルナシ、シモツケソウ

↑飛龍の滝。箱根の中では最大級で落差は上段15m、下段25mと二段に分かれているのが特徴です。水量が多く、とても見ごたえがあります。

↑柱状節理(箱根ジオ)。見上げるほど高く、その姿は圧巻です。

15:00 時間通りにゴールである畑宿寄木会館に到着し、解散しました。

みなさん、季節の草木と滝を見られることができ、とても満足されていました。

開催したパークボランティアさんも無事成功してほっとされていました。

このコースはどなたでも行くことが可能で、場所によってはマイカーで近くまで行くことができます。

ただ、石畳や急登、滑りやすい場所が多いため、服装や靴の準備やアクセス方法の確認など

計画を立てられてから訪れるようにしてください。

パークボランティアさんと箱根を歩くと、植物や地学、歴史など様々なことを学ぶことができます。

次回は7月8日(日)「イワタバコを探して 堂ヶ島を歩く」を予定しております。

早川沿いを歩くコースで、早川渓谷の様子やイワタバコの群生を訪れます。

よろしかったらぜひお申し込みください。

↓詳細はコチラ↓

http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html#

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2018年06月05日鳳凰三山の魅力

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

南アルプスの山はそれぞれが異なった特徴を持ち、優れた山容が楽しむことができるのでわたしは大好きです。大好きな南アルプスの山の中で今回は鳳凰三山の魅力についてみなさんにご紹介したいと思います。

オベリスク

△オベリスク

この岩の塊は地蔵ヶ岳にある高さ約20m、通称「オベリスク」と呼ばれる大石柱です。鳳凰三山のシンボルといえるでしょう。明治時代にW・ウェストンが初登攀したことでも知られています。鳳凰三山は薬師岳(2,780m)、観音岳(2,841m)、地蔵ヶ岳(2,764m)の三山から成る山で、日本百名山、山梨百名山に選出されています。

みなさんにご紹介する上でわたしのおすすめポイントを3つにまとめてみました!

■たくさんの高山植物をみることができる

タカネビランジ

△タカネビランジ

鳳凰三山は新・花の百名山にも選出されており、シーズンになるとたくさんの高山植物を見ることができます。標高の変化につれて咲いている花の種類が変わってくるのでどの場所でもお花を楽しむことができます。昨年、ご紹介した北岳で見ることができる高山植物はもちろん、鳳凰三山でしか見ることができない「ホウオウシャジン」があります。また、南アルプスの特産種である「タカネビランジ」も見ることができます。鳳凰三山に咲くタカネビランジは淡いピンク色が特徴です。

■南アルプスの主峰、日本の名峰がお出迎え

薬師岳から見る白峰三山 

△薬師岳から見る白峰三山

観音岳から見る薬師岳・富士山

△観音岳から見る薬師岳・富士山

稜線に出ると白峰三山や甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳はもちろん、富士山や八ヶ岳を一望することができます。また、鳳凰三山の稜線は白っぽい花崗岩の砂地に覆われており、砂浜を歩いているような不思議な気持ちになります。雄大な山々に囲まれ、ハイマツやコケモモ、シャクナゲの緑を楽しみながら砂地の稜線を歩いてみてはいかがでしょうか?

■地蔵ヶ岳直下にあるお地蔵さん

地蔵ヶ岳直下にあるお地蔵さん

△地蔵ヶ岳直下にあるお地蔵さん

なんでこんなところにお地蔵さんが・・・?と思う方も多いかと思います。このお地蔵さんは「子授け地蔵」と呼ばれており、子授けのために登拝した夫婦が、奉られている地蔵1体持ち帰り、子宝を授かれば2体にしてお礼の登拝をするといいます。鳳凰三山登山の歴史は古く、平安時代には修験者が登山しており、江戸時代に編纂された「甲斐国史」では鳳凰三山や北岳について綴られています。鳳凰三山は信仰としての山でも古くから多くの人々に親しまれています。

このように鳳凰三山では、一度の登山で素晴らしい景色や自然を楽しむことができます。また、山岳信仰にふれることもできる魅力いっぱいの山です。南アルプス登山を計画中の方、鳳凰三山はいかがでしょうか。夜叉神峠登山口、青木鉱泉、御座石温泉までマイカーで行くことができるのでアプローチは比較的楽ですが、歩行時間が長いためしっかり計画を立ててください。

★2015年度より「自然大好きクラブ」HP内において、特設ページを設け「山の日」の周知をしています。

今月は南アルプス国立公園の「鳳凰三山」が紹介されてます。

ぜひご覧ください!

→ https://www.env.go.jp/nature/nats/yamano-hi/

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