ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年9月

16件の記事があります。

2018年09月13日尾瀬サミット2018@檜枝岐村開催

尾瀬国立公園 内海 真弓

みなさん、こんにちは!

檜枝岐(ひのえまた)自然保護官事務所の細川です。

今月、9月11日に尾瀬サミットが檜枝岐村の尾瀬沼ヒュッテで開幕しました。

福島、群馬、新潟の3県知事や環境大臣政務官など関係団体の代表者が参加し新・尾瀬ビジョンに基づき尾瀬国立公園の環境保全について意見交換会を行いました。

↑尾瀬サミット2018

前日10日に御池(みいけ)ロッジにて尾瀬国立公園協議会が開催され新・尾瀬ビジョンの案と今後の取組の進め方について話し合いが行われ、合意を得ました。

↑9月10日尾瀬国立公園協議会

新・尾瀬ビジョンは尾瀬の強みを生かしたエコツーリズムやSNSによる情報発信などを柱とし、入山者の減少やニホンジカの食害などの課題に対応するため、日光国立公園と分離独立した2006年に策定したビジョンを12年ぶりに改訂しました。

これは一つの団体だけが取り組む課題ではなく関係団体がそれぞれ尾瀬をより良くするために取り組む課題であるため、みんなの目標が新・尾瀬ビジョンになります。

尾瀬ビジョンが改訂する経緯等少しわかりにくいと思うので時系列で簡単に説明します。

1.2006年尾瀬ビジョン策定&尾瀬国立公園誕生(日光国立公園と分離独立)

2.(入山者の減少やニホンジカの食害等の問題が顕著に見えてくる)

3.2017年尾瀬サミットにてこれからの尾瀬について具体的な対策が必要であると議論(尾瀬ビジョンの改定)

4.2017年から2018年の間に様々な方と意見交換会等を開き新・尾瀬ビジョンの具体的な内容を検討

5.2018年9月10日尾瀬国立公園協議会にて新・尾瀬ビジョン案を発表→関係団体の合意

6.9月11日尾瀬サミット2018にて新・尾瀬ビジョン決定

新・尾瀬ビジョンの行動理念は

「みんなの尾瀬を みんなで守り みんなで楽しむ」

としており、それぞれの言葉に意味があり必要な取組を分けています。

「みんなの尾瀬」

尾瀬の普遍の価値を広く発信し、尾瀬を愛する輪を広げていきましょう

(情報の効果的な発信や現状把握等)

「みんなで守る」

かけがえのない尾瀬をみんなで守り育てしっかりと次世代に引き継いでいきましょう

(歴史・伝統・文化が息づく尾瀬づくりや野生動物との軋轢の解消等)

「みんなで楽しむ」

自然を損なわない楽しみ方を考えながらみんなが訪れたくなる尾瀬にしましょう

(魅力あふれる尾瀬づくりや幅広い楽しみ方の検討等)

↑福島工高山岳部の紹介。燧ヶ岳登山や檜枝岐歌舞伎の化粧体験などについて報告しました。

尾瀬サミットは毎年9月頃に開かれ尾瀬国立公園に面している群馬県、新潟県、福島県で持ち回りをしています。昨年は群馬県片品村で開催され今年は福島県檜枝岐村でした。来年は新潟県で開催されます。県境を越えることは大変だと考えていたのですが、各県の文化、伝統、料理などを味わうことができ身近に気軽に行けるような所であると思えるようになりました。

↑尾瀬サミット2018集合写真

尾瀬はこれから秋シーズンになり紅葉が見頃になります。

雪が降るため1年の内、半分しか入山することができませんが貴重な半年を存分に感じ取りみなさんに発信していきたいと思います。

↑天気はくもりでしたが燧ヶ岳がはっきり見えました。

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2018年09月12日子どもパークレンジャー(箱根地域)第3弾!

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

ご報告が大変遅れました。

先月8月22日に子どもパークレンジャー第3弾「子どもパークレンジャー箱根サマースクール2018~富士箱根伊豆国立公園の成り立ち~」の開催についてご報告いたします。

今回は箱根町が町内在住の小学3年生から6年生までを対象にした「箱根町子ども教室(自然体験)」の一環として開催致しました。

午前中のみのイベントでしたが、地図の上に乗って箱根地域や富士山、伊豆半島や伊豆諸島を探して地形の様子を学んだり、パズルを使って地質年代順に並べてみたりと、遊びながら楽しく学ぶことが出来ました!

↑静岡県全域および富士箱根伊豆国立公園管内が印刷された赤色立体図

↑赤色立体図に乗って箱根地域探し!見つけて外輪山や中央火山群の様子など上から箱根地域を観ることが出来ました。また印刷なのに立体に見えてくるのがとても不思議でした。

↑相原レンジャーによる国立公園の紹介

箱根ビジターセンター内の展示やパンフレットを使って箱根地域以外の場所(伊豆半島や伊豆諸島など)を紹介しました。共通点は「火山」だと紹介すると、子どもたちはとても驚いていました。

↑火山と地震の発生のメカニズムの説明。紙芝居になっているため、どのように噴火するのかとても分かりやすいものでした。

↑地質年代が分かる木製パズル

静岡県ですが、箱根外輪山の西側は静岡県のため、地質年代を把握するのにはうってつけのパズルです。

組み立ててみると国立公園内では伊豆半島が一番古く、次に箱根地域、最も新しいのは富士山というのが分かりました。

↑岩石クイズ

 第2弾でも行った4つの地域(富士山、箱根、伊豆半島、丹沢)の石がどんな特徴があるのか調べながらクイズに答えていくものです。前回も参加してくれたお子さんもいらっしゃいましたが、やはり富士山と箱根が難しいようで、復習となって良かったと喜んでいました。

今年度の子どもパークレンジャーのイベントはこれにて無事終了。参加した子どもたちが将来自然を守る仕事に就いてくれたら嬉しく思います。ご参加いただきありがとうございました。

来年度ももっと楽しいイベントを計画していけたらと思いますのでそのときはまた参加していただけると幸いです。今からどんなお子さんが参加してくれるかな?

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2018年09月11日野呂川広河原インフォメーションセンターの展示をリニューアル!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官の本堂です。

先日、野呂川広河原インフォメーションセンターの展示を新しくしました。

新しく設置した展示

△新しく設置した展示

展示場所は1階と2階を結ぶ階段の壁になります。

展示のようす その1

△展示のようす その1

展示のようす その2

△展示のようす その2

展示のタイトルは「南アルプス国立公園 -アクティブ・レンジャーが見た南アルプスのいろんな顔-」です。南アルプスには珍しい動植物や素晴らしい景色、自然の魅力がたくさんあります。何度登っても毎回違った顔を見せてくれるので全く飽きません!そんな南アルプスが私は大好きです。巡視や防鹿柵などの日々の活動の中で心引かれた風景や動植物を集めました。場所の関係もあり、展示数は多くありませんが、少しでも南アルプスのいろいろな魅力をみなさんに伝わればいいなぁと思います。そして、この自然を守っていきたいと思っていただけると幸いです。

バス・タクシー乗り場、お手洗いがある1階を多くの方が利用されますが、2階に休憩・展示スペースがあることをご存じでしょうか。野呂川広河原インフォメーションセンター2階には南アルプスの自然についての展示や登山道情報、山の雑誌や本が揃っています。また、2階のクマ対策の展示の下にはアンケートを設置してあります。展示に関するご感想やリクエスト、インフォメーションセンターについてのご要望等がございましたら、アンケートにぜひご協力ください。ちょっと休憩したくなったとき、雨が降ってきたとき、自然についてもっと知りたいと思ったときには、ぜひ、野呂川広河原インフォメーションセンターに足を運んでみてください。きっとこれまでよりも違った角度で南アルプスを見ることができるかもしれません。

展示設置を行った日の野呂川広河原インフォメーションセンターから見た北岳は真っ白でした・・・

9月10日の広河原から見た北岳

910日の広河原から見た北岳

このあと大雨が降り、気温がぐっと下がって寒くなりました。街ではまだ半袖でもちょうどいいくらいですが、山ではもう長袖、もしくはフリースがちょうどいいくらいです。朝晩冷え込みが激しいのでフリース等の防寒着が必須です。北岳の登山道で一定期間、通行止めになる区間もあります。詳しくはこちらをご覧ください。 →  http://www.minami-alpskankou.jp/cat15/ 連休が続きますが、安全に無理をしない登山を心がけましょう。

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2018年09月10日尾瀬から奥鬼怒湿原へ(前編)

日光国立公園 太田祐司

みなさん、こんにちは!

日光国立公園の太田です。

少し前のことになりますが、7月中旬に、檜枝岐自然保護官事務所の2名と日光国立公園管理事務所の2名、計4名で、尾瀬沼-黒岩山-奥鬼怒湿原-大清水の巡視を行いました。

尾瀬国立公園と日光国立公園は黒岩山-四郎岳の稜線で接していますが、黒岩山へは尾瀬側からも日光側からもそれなりに遠く、登山道も倒木が多く、営業小屋は無くなかなか巡視に出かけにくい地域です。

奥鬼怒湿原の避難小屋を利用して、福島・栃木・群馬3県にまたがる尾瀬・日光国立公園の最奥部を1泊2日で巡視・調査しようという計画です。

前日に尾瀬沼に入り、朝6時半から行動開始します。尾瀬沼を取り巻く樹林帯を抜けると、湿原に出ます。

【小淵沢田代】

小淵沢田代です。標高約1800mで尾瀬ヶ原より約400m高所にあります。木道は狭く、沈下のため水を被る箇所もありますが、人の訪れの少ない静かな湿原です。

小淵沢田代を過ぎると、また樹林帯に入ります。これから辿る登山道は、オオシラビソを主体にした静かな樹林を抜ける道です。登山道は標高1800m-2000mの間で急な登り下りの少ない、しかし展望がほとんど無い、人によってはツマラナイとも言える道を辿ります。

【樹林帯の道】

登山者の少ないコースだけに、野生動物の痕跡は多く登山道にはシカの足跡が多く見られました。

尾瀬沼を出て5時間を越えるころ黒岩山への分岐につきます。黒岩山は福島・群馬・栃木3県の県境に位置する山で、尾瀬と日光国立公園の境界にもなる山です。

【黒岩山分岐の標識】

このあたりでは、尾瀬で見られるような立派な標識は無く、薄い鉄板に手書きペイントで仕上げ、倒木に打ち付けたもので落葉が積もれば隠れてしまいそうです。分岐から1時間程度はかかり、先を急ぐ我々は山頂は断念することにしました。

黒岩山を過ぎると、いよいよ倒木が多い地域です。

【倒木地帯】

オオシラビソのおそらく風倒木が非常に多く見られます。一部は切断されていますが、跨いだり潜ったりする箇所もあります。

【倒木のトンネルを潜る】

12日の重いザックなので、かがむように潜る箇所は結構つらいですが、トンネルような面白い場所もあります。倒木地帯は踏み跡が輻輳している箇所もありますが、周辺にはピンクテープが大体ついていますので、注意深く探して見てください。

尾瀬地域でも最近はシカが湿原植物を食害したり、湿原を踏み荒らしたりという被害が出ていますが、尾瀬や奥日光から遠く離れたこのあたりでも、シカの植生への影響が見られます。

【カニコウモリの植生】

オオシラビソ樹林の下草は、シカの忌避するシダ植物やカニコウモリが多く見られ、広葉樹の稚樹は少ない様に感じました。

このあと、小松湿原の水場で各自2Lの水を背負い、今夜の宿泊箇所の奥鬼怒湿原を目指しました。その報告は、次回報告します。

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2018年09月06日八幡つつじ園地でオオハンゴンソウを駆除!

日光国立公園 ケラーダスティン龍太郎

皆さん初めまして。こんにちは。

日光国立公園 那須管理官事務所 ケラー ダスティン 龍太郎と申します。

今年の3月から着任しました。

大分期間が空いての初投稿となってしまいましたが、よろしくお願いいたします。

さて、早速ですが、皆さんはオオハンゴンソウという植物を知っていますか?

オオハンゴンソウは、黄色い花を咲かせるとても背が高いキク科の多年草です。

そして、特定外来生物に指定されています。

特定外来生物とは:https://www.env.go.jp/nature/intro/1law/outline.html

(詳しく載っているのでチェックしてみてくださいね。)

オオハンゴンソウ。上の写真のように大群落を作ることも。

那須管理官事務所は、このオオハンゴンソウには特別な想いがあります。

那須には八幡つつじ園地という、花の咲く季節には4種類のツツジが一面に咲く園地があります。

ツツジが咲いた八幡つつじ園地

しかし、この八幡つつじ園地も、夏の終わり頃になると園地内のあちらこちらでオオハンゴンソウが黄色い花を咲かせます。

そこで、8/25に那須町とサッポロビール(株)那須工場共催の外来植物駆除活動に、協力という形で所員4名で参加してきました!

私は今回の活動の事前レクチャーをしました。(外来種とは何かと、那須管理官事務所の活動を知ってもらうもの)

そして駆除活動本番。総勢30名ほどで約一時間オオハンゴンソウをひたすら抜きました、、、

結果、こんなにたくさんのオオハンゴンソウを駆除することが出来ました!!(2tトラックにいっぱい!)

写真には写っていませんが、実は真ん中の写真の山と同じくらいのオオハンゴンソウの山がもう一つあります。

皆さんのご協力のおかげで多くのオオハンゴンソウを駆除することが出来ました。

このような活動を続けていけば、園地のオオハンゴンソウも徐々に数を減らしていくことが出来ると思います。

これを読んでくださった皆さんも、もし近所の道端などで見かけたとき等は試しに1、2本でも抜いてみてくださいね!

ケラー

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2018年09月04日南アルプスとニホンジカ

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

いきなりですが、問題です!これはなんの動物の足跡でしょうか?

何らかの動物の足跡

ヒントは4つ足で、オスには角が生えています。山に行くと時々見ることができる動物です。答えは・・・この動物です!

ニホンジカ

そうです、ニホンジカです。

そもそもニホンジカってどんな動物なのでしょう。基本情報をまとめてみました。

□体長:130から140cm

□体重:40から90kg

□夏毛:オスメスともに茶褐色

□冬毛:オスは濃茶色、メスは灰褐色

□寿命:オスは10から12才、メスは15から20才

コバイケイソウを食べるニホンジカ(平成26年(2014)撮影)

△コバイケイソウを食べるニホンジカ(平成26年(2014)撮影)

■食べ物は主に草です。葉や実、落ち葉、樹皮など植物ならたいていのものは食べてしまいます。最近では、毒があり、シカは食べないとされているコバイケイソウやトリカブトをも食べてしまう個体も出てきています。

■なわばりを持たず、群れで生息します。気に入った場所があるとしばらく滞在する習性があり、周辺の植物を食べ尽くしてしまうことがあります。

■メスは生まれて1才半で大人になり、生まれた次の年(2才)から出産します。毎年1頭ずつ出産することがふつうとされていて、高齢になっても出産率は低下しないと言われています。

■シカの足はとても健脚で、数kmから数十kmも移動することができます。南アルプスに出現するニホンジカは夏に高山・亜高山帯へ登り、冬の間は寒さを避けるために標高の低いところへ移動します。

■角はオスジカのみ付いています。角は毎年春先に付け根から脱角し、生え変わります。最初は血管が通った柔らかい皮を被った「袋角」。秋には血管が通らなくなり、硬い骨質の角になります。秋には硬くなった角を木に擦りつけて研ぐ行動が見られます。

南アルプスでは平成10年頃から稜線付近に現れるニホンジカが急激に増え、お花畑での食害が大きな問題になっています。なぜ、増えてしまったのでしょう。大きな原因の一つとして、私たち人間がニホンジカを捕らなくなったため、個体数が増え、生息域を里山から高山帯へ拡げているといわれています。

ニホンジカによる影響は花だけではありません。樹木や土壌にも大きな影響が見られています。

樹皮が食べられてしまったハイマツ

△樹皮が食べられてしまったハイマツ

裸地化が進んでしまった塩見岳(手前の灰色の部分は過年度に設置した土壌流出防止マット)

△裸地化が進んでしまった塩見岳(手前の灰色の部分は過年度に設置した土壌流出防止マット)

写真のハイマツのように樹皮が食べられてしまった樹木は水分と養分を全体に運ぶことができなくなり、最終的には枯れてしまいます。オスジカが角を研ぐために行う行動によっても樹皮が剥がされてしまいます。塩見岳山頂直下にもかつてお花畑が拡がっていましたが、採食圧や踏圧により平成18年頃からヨモギやイネ科が優先するお花畑に変化し、平成21年には裸地化が進むほど景観が変化してしまいました。

南アルプス自然保護官事務所では県や市町村、民間団体と協力しながらシカ対策を行っています。これまでの日記でも取り上げてきましたが、どのような取り組みを行っているかご紹介したいと思います。

対策1 防鹿柵の設置

防鹿柵設置のようす

△防鹿柵設置のようす

ニホンジカに植物を食べられてしまうのを防ぐために設置される柵のことを防鹿柵といいます。南アルプスには1年を通して設置されている柵、夏季のみ設置されている柵、背が低い柵の3パターンの柵が設置されています。柵は1度立てて終わりではなく、維持管理の作業が毎年必要になります。南アルプスでは冬季にかなりの積雪があるため、斜面に柵を設置したままにしておくとひしゃげて使い物にならなくなってしまいます。このため、1年を通して設置してある柵は毎年メンテナンスを行います。また、夏季のみ設置されている柵は夏に立ち上げ、秋に撤去作業が行われます。柵で囲った場所、囲ってない場所で比較すると、草丈や見られる種類に大きな差が見られます。かつてのお花畑には戻っていませんが、徐々に回復してきている場所もあります。

対策2 土壌流出防止

土壌流出防止のため、マットで覆う作業のようす

△土壌流出防止のため、マットで覆う作業のようす

ニホンジカによる食圧や踏圧によって、地面がむき出しの状態になると雨風や雪解けによって土が流されてしまいます。土が流れてしまうのを防ぐために植物の繊維で作ったマットで地面を覆う対策を行っています。マットで覆うことで土壌が流れにくくなるほか、地面の温度変化が穏やかになり、飛んできた種から芽が出やすくなる効果もあります。

対策3 捕獲

南アルプスのニホンジカ問題を根本的に解決するためにはニホンジカの捕獲も重要です。南アルプス国立公園内の林道沿いや山麓など周辺地域では、林野庁や県、市町村が捕獲を実施しています。捕った命を無駄にしないで活用するため、南アルプス山麓(山梨県早川町、北杜市、長野県伊那市、大鹿村)ではジビエ料理として提供したり、肉や加工品を販売しているお店もあります。

ニホンジカ増加の原因は捕獲者の減少以外にもさまざまですが、地球温暖化によって昔よりも冬季が寒くなくなっていることや積雪量が少なくなっていることで命を落とすシカが減ったことも個体数の増加につながっていると考えられています。地球温暖化や環境問題について考え、行動することも大切です。現在の自然や景観を回復して後世に残せるように、そしてニホンジカとの共存ができる環境になってほしいと思います。

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