ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年2月

21件の記事があります。

2019年02月13日佐渡のアクティブ・レンジャーの一日

佐渡 原奈緒子

みなさん、こんにちは 佐渡自然保護官事務所の原です。

▲身を寄せ合って風に耐えるトキ(2018年12月28日撮影)

皆さんはアクティブ・レンジャー(以降AR)と聞くと、どんなイメージを持ちますか?

今日は少し他の地域とは異なる業務を行う、佐渡のAR のお仕事について紹介したいと思います。

・お日さまよりも早起き!

通常の業務は8時30分からですが、週に2回程度、繁殖期(2~6月)には週3回程の頻度で、他の職員や地域のボランティアさんと協力してトキのモニタリングを行います。モニタリングではトキのねぐら出やえさ場の利用状況、足環の判読による個体識別等を行うためトキがねぐら出する時間よりも前にスタンバイします。トキのねぐら出時刻は季節によって異なりますが、大体日の出と同じくらい。

つまり私が家を出るのは日の出前、真っ暗な時間に出勤するのもすっかり慣れてしまいました。

▲6:15頃 朝日が昇り始める頃からトキのねぐら出を待ちます。

・フィールドは里地!足は車!

学生時代、調査で山に行くと登山道で黄緑色の制服を着たレンジャーさんを見かけることがあったので、当時私が持っていたARのイメージは山登りでした。しかし、所変われば業務内容も変わるものです。佐渡のフィールドは小佐渡東部鳥獣保護区を含む全佐渡島内。そして、トキがいる場所、利用する場所は里地が主なので、山登りはめったにありません。それに加えて、トキを観察するときは影響がないように車内から観察するという地域ルールがあるため、モニタリングでの移動手段は車です。車の移動距離は1日で100kmを超えることもありますが、おそらく関東管内で一番歩かないARかもしれません。

▲車内からフィールドスコープを使ってトキの観察をする様子

こんな風に観察していると通りすがりの人に「あそこにトキがいたよ」と

話しかけられることもしばしばあります。

・トキの声がBGM

佐渡自然保護官事務所はトキの順化訓練施設である佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの管理棟内にあります。新潟県の職員であるトキの獣医さんや飼育員さんと同じフロアにいるため、部屋の中には順化訓練・飼育繁殖ケージのモニタリング用モニターがあります。ケージにはマイクもついているため、机で仕事をしているとモニタリング用モニターのスピーカーを介して「コッコッコ、タァーーー」とケージ内のトキの鳴き声を聞くことができます。ここで、トキの様々な声を覚えました。春になると野生下ではほとんど聞くことができない、ふ化直後のヒナの鳴き声も聞くことができます。

▲手前が環境省、奧が新潟県となっていて同じフロアで仕事をしています。

▲獣医さんや飼育員さんはモニターを通して、トキに影響を与えないように観察をします。

・普及啓発業務などその他もろもろ

佐渡のARはモニタリング以外にも、様々な業務を行います。

夏には子ども向けのトキ観察会を開催したり、地元の小学校で行われる生きもの調査にボランティアティーチャーとして参加します。他にも普及啓発グッズの作成やパンフレットの更新なども行います。他にも会計や備品管理、官用車の管理など業務は多岐にわたります。

▲佐渡自然保護官事務所が作成したパンフレットやポスター、エコバック

着任したばかりの頃は、鳥の足環の番号なんて読めるのか?と思っていましたが、周りの方々にも助けられ、足環の識別だけでなく個体ごとの生息域も自然と身につくようになりました。それだけでなく、トキを通して地域の方と交流する機会をたくさん持つことができて、充実した佐渡AR生活を送っています。

また、モニタリング中に職員が撮影したトキの写真は毎週更新しているホームページやツイッターでもご覧頂くことができます。

○放鳥トキ情報 トキの最新情報はこちら

→ http://blog.goo.ne.jp/tokimaster

○公式ツイッター 「佐渡の車窓から」好評連載中!

→ https://twitter.com/kankyoshosado01?s=09

▲おまけ 朝日でとき色になった大佐渡の山

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2019年02月12日【小笠原】近自然工法

小笠原国立公園 玉井徹

こんにちは

2月も半ばですが、小笠原は日差しが強く日焼け日和です。

先日、母島に行ってきました。

母島はさらに暖かいですね、半袖半ズボンで過ごせる陽気でした。

ボニンブルーの海と母島の属島、島独特の雰囲気が流れ、

時折、クジラがジャンプし海面に体を打ち付ける音が聞こえます。

実はこの景色、最近までは

外来樹木の高木に遮られていましたが

外来樹木を伐採し、きれいな眺めを確保することができました。

この場所は新夕日ヶ丘自然再生区という場所で、

きれいな夕日を見ることができます。

しかし、現場は斜度があり赤土で非常に歩きづらいです....

そこで今回はこの場所で道の補修、再整備をしに来ました。

近自然工法と呼ばれる技術を応用し、さっそく道作り!

講師の指導の下、ボランティアスタッフも含め6,7名で行いました。

【近自然工法とは】

講師の方の話では、スイスで生まれた河川工事技術がモデルとなっており、

「生態系の根幹となる生き物たちが住める環境を復元すること」

が目標ということでした。

歩きやすいだけでなく、その土地に馴染んでいく道作りです。

基礎となる枠を作り、地形に合わせて作っていきます。

暑いながらも、クジラのジャンプした音に癒やされながら作業を進め、

かなり形になってきました!

遊歩道を補修、再整備することで、

より島民の方々に利用していただけたらと思います。

玉井

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2019年02月12日ニホンジカ対策ワーキンググループ会議が行われました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1月31日(木)に南アルプス市内にて「南アルプス自然環境保全活用連携協議会 ニホンジカ対策ワーキンググループ会議」が開催されました。関係市町村、県、国、研究機関、地権者等を交えて南アルプス国立公園とその周辺のニホンジカ対策に関する意見交換を行いました。       

会議のようす

△会議のようす

南アルプスでは、高山の生態系を保全するために高山植物に悪影響を与えるニホンジカへの対策が実施されています。国や県、市町村が役割分担しながら、モニタリング、植生保護、シカ捕獲、普及啓発等に取り組んできました。この会議は、各機関で情報を共有することによって、効率的・効果的な取り組みを実施するために開催されています。

南アルプス周辺におけるニホンジカ対策の流れは以下のようになっています。

ニホンジカ対策ワーキンググループ設置及び南アルプスニホンジカ対策方針策定の経緯

△ニホンジカ対策ワーキンググループ設置及び南アルプスニホンジカ対策方針策定の経緯

(クリックしていただくと大きな画像で見ることができます)

現在、南アルプス周辺で実施されているニホンジカ対策は、南アルプスニホンジカ対策方針のもとに位置づけられています。ニホンジカ対策方針は平成29年5月に南アルプス自然環境保全活用連携協議会(南アルプスユネスコエコパークの管理運営組織)において策定され、ニホンジカ対策ワーキンググループにおいて情報共有、方針の更新が行われます。

現在、環境省で行っているニホンジカ対策は、1.防鹿柵の設置、2.土壌流出防止のための伏工、3.南アルプス国立公園内での捕獲です。2.土壌流出防止のための伏工は主に塩見岳で行われており、今年度の作業時には昨年度設置したマットから植物が生育しているのが確認できました!!

昨年度設置した伏工マットから植物が!

△昨年度設置したマットから植物が!(色が濃いマットは今年度設置したもの)

伏工したからといってすぐに成果が出るわけではありません。時間がかかる地道な作業ではありますが、徐々に元の姿へ回復して欲しいと願っています。

高山のニホンジカ問題は遠くの問題としてとらえられがちですが、人の暮らす町が里山、そして高山へつながっているように、ニホンジカも農村から低山、そして高山へと広がっていきます。増えすぎたニホンジカが日本全国で生態系や農林業、わたしたちの生活にまで深刻な影響を及ぼしています。皆さんも、ニホンジカを見かけたとき、山に登ったとき、ふとしたときに南アルプスのお花畑とニホンジカを思い出してみてください。

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2019年02月07日尾瀬国立公園 片品村の冬

尾瀬国立公園 尾池こず江

 新年を迎えたと思ったらあっという間にもう2月ですね。尾瀬国立公園片品自然保護官事務所の尾池です。立春が過ぎると暦の上では「春」に入りますが、尾瀬ではまだまだ数メートルの雪に覆われています。10月末頃にビジターセンターがクローズしてから、5月中旬頃の山開きまでほとんど人が入らない冬山となります。約半年もの間静かな尾瀬では、雪の下で植物が眠っています。5月中旬以降雪解けとともにミズバショウやザゼンソウが顔を出し尾瀬シーズンの始まりを感じることができます。とても待ち遠しいですね。

冬季中は片品村戸倉~鳩待峠間は通行止めになります。

 尾瀬に入る機会も減りなかなか尾瀬の現地がお伝えできないのですが、オフシーズンでも片品自然保護官事務所では会議や様々な調整、データの集計など来年度に向けての準備等がたくさんあります。今回は片品自然保護官事務所付近の様子や尾瀬に関わる出来事等をお伝えしたいと思います。

尾瀬国立公園のもう一つの事務所、檜枝岐のアクティブレンジャーも書いていますが、こちら片品の事務所でも積雪があると除雪作業がとても大変です。年末年始に体に蓄えたモノをやっつけようと除雪で体を動かしつつ、流行りのインフルエンザにも負けずにこの冬を乗り切ろうと頑張っています。

事務所付近の様子(一晩で40㎝程積もった雪)

 さて、年末年始頃の出来事になりますが、1217()に群馬県立尾瀬尾瀬高等学校(通称、尾瀬高)へ出向き保護官が「日本の国立公園における自然保護官の役割」という内容の講座を行いました。尾瀬高には自然環境科があり、校外実習で尾瀬に入り調査等もしています。昨年の夏にはシカのライトセンサス調査や植生調査にも同行させていただきました。また環境大臣政務官の尾瀬現地調査の際には意見交換会にも出席していただき、尾瀬に関わることの多い学校でもあります。この講座の最後には、生徒や先生からも積極的に質問があり、とても貴重な経験だったと感じています。

講座の様子

 また、1220()には尾瀬国立公園適正利用の推進に関する小委員会があり、尾瀬全体を視野に入れた適正利用の促進に関する議論がありました。今年に入ってからは、122()に「尾瀬国立公園シカ協議会」が開催されました。尾瀬のシカ問題は尾瀬地域だけでなく、周辺との連携を強化しながら対策をしていく必要があり、県をまたいで広域に移動するシカの対策を各主体が積極的に取り組みがされています。様々な観点からの取組発表や有識者の先生がたからのお話を聞き、シカ対策の重要性をさらに感じました。また、片品自然保護官事務所ではアクティブレンジャーがシカの移動経路にセンサーカメラを設置し、毎年データを収集し経年変化を見ています。シカを相手に状況の変化に応じて対応していかなければならないということもあり、なるべく多くの情報を把握できるよう続けていくべきだと思っています。

尾瀬国立公園シカ協議会の様子

会議が多い冬ですが、尾瀬の生き物達にまた会えるのを楽しみに準備していきたいと思います。

まだまだ寒い日が続きますが、みなさん風邪など引かないようにお過ごしください。

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2019年02月06日【活動報告】子どもパークレンジャー@神津島

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 椋本 真里奈

120日、神津島にて子どもパークレンジャーイベント「黒曜石をお菓子で学ぼう。」が開催されました。

「子どもパークレンジャー」とは、自然保護の大切さや自然との付き合い方など豊かな人間性を育むことを目的として、環境省レンジャーと一緒に自然観察や自然解説による自然環境学習などを小・中学生に体験してもらうプログラムです。

詳しくはこちら>>> https://www.env.go.jp/kids/gokan/jpr/about/index.html

今回のテーマは、「黒曜石(こくようせき)」。

神津島は、日本有数の黒曜石の産地です。

火山岩の一種である黒曜石は半透明な黒色で、割れ口がガラスのように鋭いため矢じりなどの石器の材料にされていました。

神津島産の黒曜石が旧石器時代(約38000年前)に静岡県へ流入していることが確認されており、これは世界最古級だと言われています。

神津島・砂糠山(さぬかやま)の黒曜石の層

島の宝のひとつである黒曜石について学ぶ前に、まずは環境省下田管理官事務所の中田レンジャーが、国立公園についてお話ししました。

「国が遊具を建てた公園のことじゃなかったんだね」との声もありました。

国立公園とは「日本の代表とも言える傑出した自然の風景地」であり、自分たちの住む神津島がそれにふさわしいと認められた場所だということ、気付いてもらえたのではないでしょうか。

みんなで地図を広げて、日本の国立公園の場所と数を確認します。

次の講師はジオガシ旅行団(https://www.geogashi.com/)の鈴木美智子先生です。

当団体はお菓子を通じて大地(ジオ)に親しむ機会を提供する社会活動を行っており、その一環として「風景を切り取ってお菓子にする」ことでその地形が持つストーリーを楽しく学ぶ「ジオガシキッチン教室」を全国各地で開催しております。

今回イベントでは、黒曜石について出前教室をしていただきました。

座学で黒曜石について学んだ後、黒曜石そっくりのキャンディーを作りながら内容をおさらいします。

飴は黒曜石の性質によく似ていて、再現するのにうってつけだそうです。

まずはフライパンで砂糖をじっくり熱し、ドロドロに溶けたら竹炭の粉末を混ぜて黒い色を付けます。

ムラのないよう、よく混ぜて・・・

型に流し込んで冷やし固めます。

黒曜石は、粘性の高いマグマが高温高圧の状態から急速に冷やされてできたものです。これはマグマが黒曜石に変身している段階なんですね。

冷え固まってできた黒曜石の板を、古代人の気分で叩いて割ってみました。

打製石器作りを再現です。


さあ、ここで問題です。

できあがった黒曜石キャンディは、AとBのどちらでしょうか??

正解は...

A

Bは本物の黒曜石です。)

黒曜石を割った際に断面が同心円の波紋状になる「貝殻状断口」も綺麗に浮かび上がっています。

(写真には上手に写りませんでしたが)刃物のように薄く鋭く割れた部分は透明に透けており、まるで本物の黒曜石です!

味はもちろん甘く美味しく、座学の内容を楽しくおさらいできました。

参加者の皆さんが持ち帰ったたくさんの黒曜石キャンディーは、イベントのエピソードとともに手渡しで島内の子ども達へと広まっているそうです。

また、今回イベントでは、神津島ネイチャークラブの中村親夫さんが神津島の黒曜石についてお話してくれました。

神津島の属島である恩馳島(おんばせじま)で採れる黒曜石はとても質が良く、当記事の冒頭に写真を載せた砂糠山のものよりも斑晶が少なく真っ黒で、鋭利にきらめいた石器が作れるそうです。石器時代には、今で言うダイヤモンドのような価値があったのだとか!

同じ神津島の中でも場所によって質が変わってくるのですね。

※恩馳島は、カンムリウミスズメの重要な繁殖地として国立公園特別保護地区に指定されており、現在は黒曜石を含む土石の採取は禁止されていますのでご注意下さい。※

伊豆諸島地域では、神津島以外の島でも個性ある地形・地質が見られます。

こういった活動を通して、地域の方々と一緒にその魅力を再発見していきたいと思います!

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2019年02月05日あなたも南アルプスライチョウサポーターになってみませんか?

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

事務所がある芦安は1月31日18時ごろから降った雪によって、あたり一面真っ白になりました。事務所前にある大きな木についた雪が綺麗でした。

太陽に照らされてきらきら輝く雪(2月1日撮影)

△太陽に照らされてきらきら輝く雪(2月1日撮影)

今は先日の雨によってほぼ完全に雪が溶けてしまったので、残念ながら雪化粧を楽しむことができません。道路上も凍っている場所はほとんどなく、安全に走行できます。積雪時は山の神ゲートから通行止めになってしまい、夜叉神峠までの道路が通行止めになっていましたが、昨日(4日)に解除されたので、通行は可能ですが、落石などには十分お気を付けください。

さて、2月24日(日)に山梨県北杜市で「南アルプスイチョウサポーター養成講座」を行われます。

ライチョウの特徴などが描かれたチラシ

クリックすると大きな画像で見ることができます

「南アルプスライチョウサポーター養成講座」

日 時:平成31年2月24日(日) 13:30から16:00

会 場:甲斐駒センターせせらぎ(住所:山梨県北杜市武川町牧原1243)

受講料:無料

※受講される場合は申し込みが必要です。申し込み締め切りは2月12日までです!

 詳しくはこちらをご覧ください。 → https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/5289.html

信州大学名誉教授である中村浩志先生による「南アルプスのライチョウの現状について」や横浜国立大学研究員である若松伸彦先生による「ユネスコエコパークの取り組みについて」、受講後の取り組みについての講座が行われます。養成講座受講者には南アルプスライチョウサポーターハンドブックとピンバッチが配布されます。また、ライチョウに関する情報をメールで受け取ることもできますよ!

ライチョウ親子の後ろ姿

△ライチョウ親子の後ろ姿

南アルプスが最南限であるライチョウは1980年代には約3,000羽と推定されていましたが、2000年には約1,700羽まで減ってしまっています。天敵による捕食の危険性や生息環境の変化によって絶滅が心配されています。

これまで年に何カ所かの会場で行われてきた南アルプスライチョウサポーター養成講座ですが、今回の講座が最後だそうです。あなたも南アルプスのライチョウを見守るライチョウサポーターになってみませんか?

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2019年02月05日冬の檜枝岐村の雪かき

尾瀬国立公園 内海 真弓

みなさんこんにちは!

尾瀬国立公園 檜枝岐アクティブレンジャーの細川です.

尾瀬国立公園は10月末から閉山になりましたが、私の拠点は変わらず檜枝岐村にあります。

去年は雪が降り始めたのが遅く11月になって少しずつ降りましたが、やはり例年よりも積雪量は少ないようです。

今回は、檜枝岐自然保護官事務所の除雪について紹介します。

檜枝岐村は尾瀬国立公園に非常に近い場所にあり、尾瀬への入り口と呼ばれることがあります。

豪雪地帯でもあり、一晩で膝上まで積もることもあるので、毎朝の出勤は雪かきから始まります。

この前は事務所の鍵穴が凍ってしまい、大変な思いをしました。

通常、どの家にも灯油ストーブや備え付けストーブがあり、灯油を入れて使用します。排気口が雪で埋もれないように注意しましょう。

檜枝岐自然保護官事務所の裏は川になっており、屋根(斜めになっている)から落ちた雪が川に落ちてくれればいいのですが少しだけ平地になっているので山の様に積もってしまいます。

(事務所裏の様子)

あまりに積もりすぎると、裏側が圧迫されてしまうので危険です。(窓ガラスが割れるかも...)

少ない雪はスコップやダンプという道具で払うことができるのですが、今回は雪山(小さいですが)を相手にしているので「除雪機」という、雪を巻き込み他所に飛ばす頼もしい機械を使います。

(除雪機から雪が飛ばされているのが見えます)

私はまだ除雪機を使い始めて二年目の初心者なので、このように傾けることは難しく慣れている人に任せています。

雪をスコップで崩し、除雪機で除雪し...という作業を何度も行い、少しずつ雪を減らしていきます。

(雪の山を崩す)

ここで注意しなければならないのが、日が当たると屋根の雪が溶けてさらに山の上に落ちてくる可能性があるので、午前中しか作業ができないのです。

特に、除雪初心者は雪の恐ろしさを知らないのでさらに気を付けなければなりません。

ある程度、除雪し終えたら区切りを決めて次の機会に持ち越しましょう。

次の日に事務所裏を見てみると、屋根に積もった雪が溶け落ちまた山を作っていました・・・

(次の日の事務所裏)

雪かきに大切なのは、忍耐と楽しむ心です!

「こんなキレイな塊が掘れた!」

「雪だるま作ろう!」

「良い運動になる!」

など、いろいろ考えて除雪すると楽しいかもしれません。

今度、尾瀬に環境省が所有する施設の除雪を行う予定です。

真っ白な湿原の上を歩くことができる貴重な体験なので楽しみにしています。

皆さんも良い冬をお過ごしください。

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2019年02月04日箱根の夜空(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

 みなさん、夜の箱根に来たことはありますでしょうか?

箱根地域は神奈川県内屈指の星空観察地。箱根町のほとんどが森林に覆われているため、とてもキレイな星空が観察できます。冬場は特に湿気が少なく、空気が澄んでいるためオススメです。

【元箱根港】写真に写すと、御殿場市街の明るさで富士山が写ります。

【仙石原ススキ草原】

【湖尻周辺】

夜間の箱根は気温が氷点下を下回りますが、その分感動的な星空が観察できます。ぜひ夜の箱根にお越しになってみてはいかがでしょうか?

また環境省では、星空観察を通じて光害(ひかりがい)や大気汚染等に気づき、環境保全の重要性について関心を深めていただくこと、また、良好な大気環境や美しい星空を地域資源(観光や教育)としても活用していただくことを目指し、星空観察を推進しています。(環境省HPより引用)

1月26日(土)~2月8日(金)の期間で【平成30年度冬の星空観察調査】を呼びかけておりますので、ぜひ、ご参加ください!(https://www.env.go.jp/air/life/hoshizorakansatsu/index.html

※星空観察時は、十分な防寒対策をして観察してください。

また、路面凍結等による転倒、交通事故に十分お気を付けください。

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2019年02月01日【速報】箱根の積雪情報(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

昨晩より、メディア各局がこぞって箱根の降雪および積雪情報を報道されていましたね。

箱根地域は、一般道路だけでも標高差が約900m以上ある急峻な地形です。

そのため、箱根湯本地域(標高約100m)では積雪はなく、宮城野地区、小涌谷地区(標高約500m)以上から積雪が道路脇に目立ち始め、仙石原地区(約標高650m)以上からは一面銀世界が広がっています。

当事務所のある湖尻地区の積雪は約10cm。森林内に入ると積雪が15~20cmある場所もありました。

〈湖尻地区の積雪の様子〉

 

【(左)箱根ビジターセンター前/(右)事務所周辺道路の様子】

【花の広場】

【散策路の様子1】

【散策路の様子2】

【アトリ(冬鳥)】積雪のため、採食地探しに奮闘中でした。

周辺道路は主要道路を中心に除雪されていますが、路面凍結などによるスリップ事故が多発しています。

景色はとてもキレイでお越しいただきたいのですが、ご無理なさらない方が良いかもしれません。

もし、コチラへお越しの際は、必ず冬用タイヤの装着もしくはタイヤチェーンをご持参の上、お気を付けてお越しください。

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2019年02月01日丹波山村の秘湯 三条の湯

秩父多摩甲斐国立公園 野崎 拓

皆さんこんにちは。

奥多摩はこの時期にしては暖かく、場所によっては花の開花や花粉の飛散も始まっているようです。

今回は、先週巡視の際に立ち寄った三条の湯についてご紹介します。

三条の湯は、山梨県丹波山村の雲取山中腹(標高1103)に位置しています。

山小屋ですが温泉があり、入浴のみの利用もできます。

三条の湯まで最も利用される登山道は林道歩きが長いですが、周囲はカエデ等の落葉広葉樹が多く、特に新緑や紅葉の時期が綺麗です。


(後山林道11/8撮影)


冬場の景色も面白く、林道歩きのため気軽に自然観察ができます。

巡視当日はアトリの群れやニホンザルが見られ、三条の湯までの沢沿いの道では結氷箇所が多く見られました。


登山者が多いのは春から秋ですが、三条の湯は温泉があるため冬場もオススメです。

雲取山や飛龍山への登山の際は、三条の湯で疲れを癒してみてはいかがでしょうか。


(雲取山へ向かう途中にある三条ダルミからの景色)

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