ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年3月12日

2件の記事があります。

2019年03月12日野呂川広河原インフォメーションセンターってどんなところ?

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

日記に何度も登場している¨広河原¨という地名。南アルプス北部の玄関口にもなっており、登山シーズンには多くの登山者で賑わいます。広河原には「野呂川広河原インフォメーションセンター」という環境省直轄施設があります。1度も足を運んだことがない方のために、「野呂川広河原インフォメーションセンター」をご紹介したいと思います。

野呂川広河原インフォメーションセンター外観

この建物の住所は『〒400-0241 山梨県南アルプス市芦安芦倉野呂川入1685番地』です。この住所をナビに入力すればいつでも行けるんだね。と思われた方!残念ながら自家用車でいつでも行ける場所ではありません。

6月下旬から11月上旬までの限られた期間のみ夜叉神峠登山口、奈良田、戸台口から広河原までのバスやジャンボタクシーの通行が可能です。終日マイカー規制の区間に指定されており、一般車両の通行ができません。野呂川広河原インフォメーションセンターにお越しになるには、限られた期間内に交通機関を利用しなければなりません。

野呂川広河原インフォメーションセンターは1階にトイレやロッカーコーナー、バスチケット売り場があり、2階には登山届けポスト、売店、山や自然についての文庫、南アルプスについての展示があります。

野呂川広河原インフォメーションセンターでの展示

△野呂川広河原インフォメーションセンターでの展示

ライチョウ保護やニホンジカ対策の取り組み、クマに出会ったときの対策、アクティブ・レンジャーが見た南アルプスの景色の展示を行っています。バスの待ち時間や2階に立ち寄った際は、ぜひご覧ください。

広河原からは日本で2番目に高い北岳を近くで見ることができます!野呂川広河原インフォメーションセンターから北岳登山口の吊り橋に向かう途中で見ることができるので、登山をされない方でも北岳を見ることができます。新緑の時期と紅葉の時期では見え方ががらりと変わります。

左:新緑が鮮やかな5月の様子 右:広河原の紅葉と冠雪した北岳

△左:5月の北岳 右:10月の北岳

年によって雪の付き方や紅葉の色づき方は異なるので、何度来ても楽しむことができます。

野呂川広河原インフォメーションセンターの川の向こうには広河原園地と呼ばれる場所があります。木道もあるので、歩きやすいです。園地にある大きなカツラの木はやまなしの森林100選に「広河原のカツラ」として選出されています。花のシーズンには標高1,500m付近で咲く花を楽しむこともできます。

左:ピンク色のシモツケソウ 右:樹林の下に群落を作るニリンソウ

△左:シモツケソウ 右:ニリンソウ

他にも黄色や紫色の花が咲きます。広河原散策をしながら探してみてはいかがでしょうか。

夜叉神峠登山口、奈良田、戸台口のどの場所からでも広河原までは最低1時間ほど。時間はかかってしまいますが、都会で感じることのできない豊かな自然を楽しむことができます。来シーズン、ぜひ野呂川広河原インフォメーションセンターへお越しください!

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2019年03月12日尾瀬の未来図 新・尾瀬ビジョンについて

尾瀬国立公園 細川有希

みなさん、こんにちは。

檜枝岐自然保護官事務所の細川です。

3月4日(月)に関東地方環境事務所にて「第17回尾瀬国立公園協議会」が開催されました。

(会議の様子)

多数の機関から構成される会議で、尾瀬を取り巻く行政機関や財団、観光協会等32の関係機関と委員で成り立っています。

それらが一同に集まり、年に一度尾瀬の現状と将来に向けた進め方を提示し意見交換を行う貴重な場が事務局を環境省とする尾瀬国立公園協議会になります。

尾瀬国立公園協議会は平成18年に取りまとめられた初期「尾瀬ビジョン」の進行促進を目的として平成19年度に発足しました。(尾瀬が日光から分離独立した年)

平成18年と平成31年現在では自然環境や尾瀬周辺の社会情勢の変化が著しいため、将来を見据えたビジョンへ改定すべく「これからの尾瀬が目指す姿と方向性」を示した「新・尾瀬ビジョン」に改訂しました。


今回の会議では主に「新・尾瀬ビジョン」の今後の進行に向けた議論を展開させました。

(新・尾瀬ビジョンの仕組み)

みなさんは、新・尾瀬ビジョンについてご存じでしょうか?

みんなの尾瀬を みんなで守り みんなで楽しむ」を行動理念に置きながら、みんなで力を合わせることで、尾瀬の生きものや利用者、尾瀬とともに生きる地域人々、「みんなに愛され続ける尾瀬」を目指していきます。

「みんな」とは「あなた」を始め「これから尾瀬と関わっていく人」までが含まれます。尾瀬が目指す姿を実現するためにはこれまで以上に個人や団体・企業などもそれぞれができることを考え、みんなで協力していくことが不可欠です。

「みんなの尾瀬」とは、

外国人が利用しやすい環境や学校が尾瀬での環境教育の推進を図ること、メディアとの連携による情報発信、山小屋やビジターセンターなど現場の声を対策に活かす仕組みの構築など愛される尾瀬づくりの輪を広げていくことを意味しています。

「みんなで守る」とは、

ニホンジカによるニッコウキスゲなどの被害の低減と植生回復に向けた取組や、歴史・伝統・文化の発掘と再認識、人の活動が与える自然への負荷の最小限化など自然豊かな尾瀬を次世代に引き継いでいくことを意味しています。

「みんなで楽しむ」とは、

尾瀬ならではの楽しみ方の検討・意見交換や、朝夕・星空など泊まらないと体験できない魅力の発信、携帯電話やドローン、冬期利用についてのルールの検討など自然を損なわない楽しみ方を考えながら、みんなが訪れたくなる尾瀬にしていくことを意味しています。

以上で説明したものは新・尾瀬ビジョンの一部ですが、少しでも多くの方に尾瀬に関わっていただけることを望んでいます。

尾瀬が目指す姿とはあなたや次世代を担う子どもたちにとって、20年後の尾瀬がどうあってほしいか考えた未来図です。

新・尾瀬ビジョンが今回初めて冊子となり初めての方でも見やすく理解しやすい内容になっています。その表紙と背表紙を飾るのが檜枝岐村や片品村、湯ノ谷小学校の子どもたちが描いた20年後の尾瀬のイラストです!

(子どもたちが考える20年後の尾瀬)

私は2年前に尾瀬国立公園に来るまでは、尾瀬のことは何も知りませんでしたが、檜枝岐村に住み人々がどう尾瀬と向き合って暮らしているか様々な現場で見ることができました。皆、一生懸命に尾瀬について考えており私も新・尾瀬ビジョンの一員として将来を見据えた取組に参加したいと思います。

新・尾瀬ビジョンは概要版として正本されています。

PDFで見られますので詳しくはこちらからどうぞ!

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

新・尾瀬ビジョンの概要.pdf

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