ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年10月30日

2件の記事があります。

2019年10月30日ノスタルジックな秋の日に

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさま、こんにちは。タンスから出したセーターの匂いに懐かしさを感じる齋田です。

特定の匂いを嗅いだときに遠い昔のような心もちがするのは、なんだか不思議な感覚ですね。

この季節は、どこからともなく漂う金木犀の香りに、いつかの記憶がよみがえる方も多いのではないでしょうか。

さて、今回はそんな懐かしさを感じる伊豆半島西海岸の夕日をご紹介します。

残念ながらこの日記からは秋の匂いを共有することはできませんが、写真を通じて、美しい景色から感じる懐かしさや伊豆半島の魅力をお伝えできれば嬉しく思います。

一つ目にご紹介するのは、西伊豆町の大田子海岸から見える夕日です。

【西伊豆町 大田子海岸より望む夕日】

燃えるような夕日が、うるんだ赤い硝子球のように海の果てに沈んでいく様子は、言葉ではとても言い表すことの出来ない程に情緒的です。

また、夕日の橙色とは対照的な、地平線に浮かぶ島々からなるどこまでも黒い陰影がとても美しく感じられます。

写真では大きな一つの島のように見えますが、「男島」や「女島」、「メガネッチョ(通称)」等の複数の島々から構成されています。

二つ目にご紹介するのは、西伊豆町の黄金崎から見える夕日です。

【西伊豆町 黄金崎より望む夕日】

西に傾いた日の光を受けてその名の通り黄金色に移りゆく岩肌は、静岡県の天然記念物に指定されています。

また、この写真からは富士山を確認することができませんが、代表的な展望地として環境省の「富士山がある風景100選」にも選定されています。

洪波洋々と広がる海はもちろんのこと、夕日や富士山の他に、馬の頭にそっくりの岩壁「馬ロック」もそびえ立つ、見どころ盛りだくさんの人気スポットです。

伊豆半島西海岸の夕日はいかがでしたか?

懐古の情に浸りがちな秋の季節に、是非一度、伊豆半島の真っ赤な夕日を眺めにお越し下さい。

日記の写真では伝わらない、夕日のあたたかさや潮風のやわらかさ、波の音、浜辺の湿った匂いが、あなたを「遠い日の思い出」に連れ戻してくれることと思います。

また、夕日の見える場所はまだまだたくさんありますので、ご家族やご友人と一緒に自分たちだけの夕日スポットを見つけて、新しい「遠い日の思い出」をつくってみるのも楽しいかもしれませんね。

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2019年10月30日荒川岳の防鹿柵撤去作業

本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

104日から6日にかけて静岡県ボランティアネットワーク、特種東海フォレストのみなさんと荒川岳防鹿柵撤去作業へ行ってきました。荒川岳は南アルプスの南部、静岡県に位置する山です。東岳(悪沢岳)、中岳、前岳の3つの山を総称し、「荒川三山」と呼ばれています。中でも東岳(悪沢岳)は標高3,141m、日本で6番目に高い山です。

荒川岳には西カール底に2箇所、前岳南東斜面に1カ所防鹿柵を設置しています。西カール底、前岳南東斜面と聞くと「どこだろう?」と思う方が多いかと思いますが、前岳・中岳分岐と荒川小屋の間にあります。この2カ所は荒川岳の重要な景観を構成している場所であることから、お花畑を守るために平成23年度より設置しています。夏季の立ち上げ作業の記事はコチラから!

西カール底の作業のようすです。写真をクリックし、拡大して見てみると小さく人が写っているのが分かります。ご覧のとおり、とても広大な現場です。

¨こんなところにシカがくるの?¨と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実際に防鹿柵のすぐ脇にニホンジカの足跡が確認されました。ニホンジカ以外にもクマの糞があったりと、動物が生息している、できる場所であるということを感じさせられました。

今回の撤去作業は、1.ポール先端に固定されているネットを外す、2.ポールを外す、3.ポール及びネットが雪崩等で流されないように紐で縛るという3つの作業です。3人から4人1組に分かれて作業をします。

立ち上げ作業時に設置した登山道を横切るように設置されている防鹿柵のドアも無事、撤去されました。設置時は傾かないようにきつく固定するなどの微調整をしながらでしたが、撤去時はあっという間に撤去されました。

シーズン中、柵内の高山植物は綺麗に花を咲かせることができたようで、登山者のみなさんの「開けたら閉める」の徹底をのおかげです。ご協力、ありがとうございました!作業時は晴天が続き、富士山や赤石岳を眺めながら作業を進めることができました。

今回の作業に参加された方の中にはこの防鹿柵作業が始まった当初から参加されているベテランさんもいらっしゃいますが、今年度は初参加の方も多くいらっしゃいました。実は、このようにボランティアを募って活動を行っている山域は少なく、他山域に比べて活動が進んでいるといわれています。参加者の中には東京都や神奈川県、福島県や石川県から参加されている方もいらっしゃいます。荒川岳の作業だけでなく、三伏峠、塩見岳、茶臼岳、聖岳で行われています。アクティブ・レンジャー日記を通して、活動に参加するきっかけになれば幸いです。

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