ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2020年3月 9日

3件の記事があります。

2020年03月09日男体山を眺めてみよう!

日光国立公園 日光 村田麻理沙

みなさん、こんにちは。

日光国立公園管理事務所の村田です。

今回は、眺める場所によって、さまざまな表情をみせる

男体山の魅力を紹介したいと思います。

今回は、冬でも男体山を身近に感じることができるスポットを選んでみました。

まず、1の明智平からの眺めです。

左側の大きい山が男体山です。

このような眺めは、ロープウェイからも見ることができます。

次に、2の中禅寺湖畔、歌ヶ浜からの眺めです。

1の明智平からの眺めとは、形も雪の量も違いますよね。

この日は、「しぶき氷」を見ることができました。

「しぶき氷」とは、氷点下の環境で強い風にあおられた湖水の波しぶきが

樹木などに氷結して付着する現象です。

最後に、3の戦場ヶ原からの眺めです。

先ほどの2箇所からの眺めとは、また違いますよね。

この撮影日の前日は、日光市では大雪警報がでていましたが、

この日の日当たりのよい木道では、雪が無い状態でした。

ベンチに座って、男体山をゆっくり眺めることができます。

春の訪れはもう少しでしょうか。。

ページ先頭へ↑

2020年03月09日この足跡は誰??

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

雪が積もった登山道を歩いていると動物の足跡を見かけることがあると思います。土や落ち葉が見えている時期は足跡の識別がとても難しいですが、雪の上ではとても分かりやすくなります。今回は南アルプス山域で見られた足跡をセンサーカメラに写る足跡の持ち主とともに解説します。積雪量が少なくて動物の足跡なんてもう見られない!という場所もあるかと思いますが、、、お付き合いいただけると幸いです。

さて、クイズです!これは誰の足跡でしょうか?一列になってまるでモデルさんのような歩き方ですね。

答えはキツネです!

なぜ一直線の足跡がつくのでしょう?そのワケは、前足をついたところに後ろ足を重ねてつくため、前足の足跡は後ろ足の足跡で消されてしまうからなのです!!駆け足の場合は前足と後ろ足が対に並びます。足跡によってそのときの状況が分かりますね。

次はこちらです。『分かるよ!』という方が多いかと思います。こちらもキツネのように一直線に足跡が付いています。



みなさんご存じの通り、ノウサギです。

小さい足跡が前足、細長い足跡が後ろ足です。ノウサギは後ろ足が前に出る足跡が特徴的です。前足をついた後に後ろ足を広げて前に出るので、後ろ足が前に出ちゃうのです。にしても後ろ足、細長く大きいですね。リスも同じような足跡をつけます。先日、山で人生初のノウサギを見ました。あちらのほうが私よりも先に気づいたようですぐ逃げてしまいましたが、野生のウサギを見ることができて嬉しい気持ちになりました♪

最後はこの足跡!南アルプス山域に限らず、よく見かけるこの足跡。最近では昼夜問わず見られる動物になってきました。

ニホンジカです。

カモシカと似ているので区別がしづらいですが、カモシカは先端が若干丸みおびています。子鹿だと足跡の大きさは一回りほど小さくなります。個体数がキツネやノウサギよりも圧倒的に多いので、足跡は雪の上でなくても土の上や水たまりが乾いた泥の上でもよく見られます。

他にも南アルプス山域にはたくさんの動物が生息しています。四足歩行する動物だけでなく、鳥類の可愛らしい小さな足跡もまれに見ることができます。足跡の向きを観察すると登っているのか、下っているのかが分かり、その動物の生活のようすが見えてきます。よ~く注目して観察してみてください!!

ページ先頭へ↑

2020年03月09日野生下で生きる

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。

 佐渡自然保護官事務所の近藤です。

 佐渡自然保護官事務所では、関係機関や地域の方々とともに、一度絶滅したトキをもう一度日本の空に帰す取り組みを行っています。

 取り組みの一環として、年に2回、日本各地の飼育施設で誕生し育ったトキを放す「放鳥」を佐渡で行っています。(※)

<ケージから佐渡の空へ飛び立つトキ>

 放鳥されたトキとその子孫は、私たちアクティブ・レンジャーを含むモニタリングチームによって日々観察され、こうした観察から得られたトキの生存率や繁殖成績など様々なデータは、より良い野生復帰の取り組みへと活かされています。

 このように、佐渡のアクティブ・レンジャーの主な仕事は、野生下トキの観察です。日々観察を続けていると、記憶に残りやすいトキが出てきます。

 今回は、身体的特徴があるため記憶に残りやすいトキ2羽をご紹介します。

■No.179

 No.179は2012年佐渡トキ保護センター生まれのオスで、私たちの事務所がある新穂(にいぼ)地区で頻繁に確認されています。No.179は、2016年9月から原因不明の左眼の白濁が確認されています。最初は大変心配しましたが、その後の観察で生活に大きな支障がないことが分かり、私たちも一安心です。ちなみにNo.179はメスにモテます。これはあくまでもモニタリングチームの私見ですが、眼の白濁はモテ要素の阻害にはならないようです。

<No.179>

■No.B01

 No.B01は2017年佐渡の野生下(新穂地区)で生まれたメスで、現在は主に両津(りょうつ)地区で確認されています。No.B01は2018年6月に、なんと、上くちばしが3分の1も欠損しているのが確認されました。その後も2019年1月には左腹部に血痕があるのが確認され、観察している私たちをヒヤヒヤさせましたが、継続して生存が確認され、腹部の血痕も美しいとき色の羽に生えかわり、しっかりエサもとれているようです。

<左から2枚:上くちばし欠損、一番右:左腹部の血痕>

No.B01は野生下生まれの個体なので、誕生した時からモニタリングチームによって観察されています。

<左から、B01の親鳥ときょうだい、B01ときょうだい2羽、B01の足環装着の様子>

 野生下には様々な危険があり、命を落とす個体もいます。私たちが日頃見かけるトキたちも、こうした危険を乗り越えて今があります。トキを観察する際は、そんなことを心に留め、温かい気持ちで見ていただけると嬉しいです。

※トキ保護増殖事業計画に基づき、環境変動や高病原性鳥インフルエンザ等の感染症に備えるため、佐渡トキ保護センターの他に国内5カ所でトキの分散飼育が行われています。(飼育地:佐渡市トキふれあいプラザ、長岡市トキ分散飼育センター、いしかわ動物園、多摩動物公園、出雲市トキ分散飼育センター)

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ