2020年6月11日
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2020年06月11日#STAYHOME シカから守る大江湿原の柵設置
尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希
尾瀬国立公園 檜枝岐自然保護官事務所の細川です。
尾瀬や檜枝岐も今週辺りから日差しが強い日が続き、初夏を感じる季節になりました。
6月10日に尾瀬沼の近くにある大江湿原のシカ柵を設置しに行きました。
ニホンジカが大江湿原内のニッコウキスゲなどの芽を食べてしまうため、平成26年度から全長3.5㎞の柵を設置しています。毎年、一般のボランティアを集めて設置作業に取り組んでいましたが、今年は感染防止のため関係者のみの設置となりました。
△柵設置作業の様子
約3mの金網をロープに引っかけ、紐で結ぶという作業を繰り返し、湿原を囲う柵を作ります。
設置後もシカの移動する10月頃まで定期的に巡回し、柵が壊れていないか、隙間がないかなどを確認します。
昨年は、数年に一度のニッコウキスゲの群生が見られ黄色一色に染まる大江湿原が非常に美しく感動しました。
今年も旬の7月から8月にかけて、たくさんのニッコウキスゲが見たいですね。
△昨年の大江湿原
【お知らせ】尾瀬への入山自粛について(2020.6.11現在)
https://www.oze-fnd.or.jp/archives/99378/
-----「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」について-----
利用者の皆様におかれましては、入山自粛へご理解・ご協力いただきありがとうございます。
尾瀬では「#STAYHOME」の取組に賛同し、「#STAYHOME おうちで国立公園を楽しもう!プロジェクト」を実施しています。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛により、国立公園を訪れていただくことができない状況の中で、来訪を楽しみにされていた方に向けて、また、収束後に国立公園の美しい自然や文化を満喫したいと思っている多くの方に向けて、国立公園の魅力をインターネット上で広く情報発信することを進めていきます。
2020年06月11日石仏群と千条の滝 (箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
5月下旬になり、神奈川県の緊急事態宣言が解除されました。
箱根館内の登山自粛願いも解除となり、梅雨の時期を目前に、少しずつですがハイカーが戻ってきています。
実際の状況把握も兼ねて、巡視を行いました。
【「石仏群と歴史館」⇒「鷹巣山」⇒「小涌谷駅」 片道約6km程度のルート】
このコースの見どころは、鎌倉時代の遺跡「石仏群」です。
元箱根石仏群として国重要文化財にも指定されています。
富士箱根伊豆国立公園の中でも、箱根独特の景観です。
【磨崖仏二十五菩薩(西側)】
この石仏群周辺は、箱根を通過する国道1号線(旧東海道)沿いで最も標高が高く、寒くて風が強い場所です。そして、700年ほど前の鎌倉時代から旅人が往来する旅路でありながら、当時は周囲から噴煙が上がり、噴石も転がる荒野でした。箱根越えで最も過酷な場所「地獄」と呼ばれたそうです。その地獄を、旅人が無事通り抜けられるようにと、祈りを込めて噴石に石仏が彫られ、今もその姿を眺めることが出来ています。
ありがたい石仏です。
コロナ禍の中で、早くこの混乱が治まりますようにと、ついお祈りしてしまいました。
実は国道沿いにもあるのですが、意外と気が付かず皆さん通過しています。
【国道1号線沿いからも見える、磨崖仏二十五菩薩(東側)】
巡視は平日だった為、まだ人出は少なかったですが、途中数組のハイカーさんたちとすれ違いました。
それぞれ少人数で、皆さん気を使いながらのハイキングを心掛けているようです。
少しお話をした、よく箱根を訪れるというハイカーさん。
写真をとってもいいよ!と言われ、背中をパシャリ。
緑が本当に気持ちよさそうでした。
【鷹巣山山頂付近】
このコースのもう一つの見どころが「千条の滝」です。
【千条の滝】
昨年の台風被害で壊れた部分は修復され、今はとてもきれいです。
滝も美しいのですが、その上に大きなイタヤカエデの木が立派に育っていて、これがまた素敵。
【コゴメウツギ】
道中はコゴメウツギのかわいらしい花も、至るところで咲いていました。
まもなく梅雨、そして夏の盛りがやってきます。
箱根の山々は新たな季節に向けて、また変化をしていくのでしょう。
楽しみですね。
湖尻にある箱根ビジターセンターは、6月1日より開館しました。
駐車場も使えるようになっています。
ただし、状況が変わった際には変更がありえます。
まだまだ安心せずに、ソーシャルディスタンスと手洗いうがいを心掛けていきましょう。
箱根を訪れる際には情報を確認してからお越し下さい。
「湖尻」にある箱根ビジターセンターHP →http://hakonevc.sunnyday.jp/
今後の親しむ運動イベント情報 →http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html
2020年06月11日オオルリ来島 大島(伊豆諸島地域)
富士箱根伊豆国立公園 竹下実生
こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。
蒸し暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
大島でも、気温と共に湿度が少しずつ高くなりはじめました。大島で春~夏に吹く南西の風が湿気を運んできて、三原山の山頂部は雲や霧に覆われることが多くなってきました。
さて、先日の巡視で林の中を歩いていると、どこからか清涼感のあるきれいなさえずりが聞こえてきました。これはもしや・・・と立ち止まって探してみると・・・いました!オオルリです!
▲枝の上でさえずるオオルリ(成鳥・雄)
オオルリは夏鳥で、繁殖のために東南アジアから日本へ渡ってきます。
はるばる東南アジアから、どのようなルートで大島まで渡ってくるのでしょうか。とても気になります。
大島では5月上旬頃からさえずりが聞こえていました。
夏の間にオオルリを写真に撮りたいと思い、さえずりを聞く度にカメラを構えて姿を探していましたが、なかなか見つけることができずにいました。すぐ近くからさえずりが聞こえているのに、瑠璃色と白色の体が薄暗い林の中に意外と上手く溶け込んで、どうしても姿が見えないのです。
▲そっと反対側へ移動してカメラを向けても、こちらをちらちら見ながらさえずり続けていた
今回出会ったオオルリは、比較的開けた場所の低い枝でさえずっていたので、すぐに見つけることができました。おまけに、かなり長い時間留まっていたので、ゆっくりと撮影することができました。
あとで図鑑を見てみると、繁殖期のオオルリは縄張りを持っていて、その周りにはいくつかの見張り場兼さえずり場があり、雄は一定時間さえずっては移動する、と書いてありました。このオオルリも、縄張りを守るための仕事をしていたのかもしれません。
蒸し暑い日でも、オオルリのきれいなさえずりを聞くと、すっと涼しい風が吹いたような気持ちになります。皆さんの周りにも、オオルリは来ているでしょうか?
【ご注意ください】
令和2年5月25日に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が解除となりましたが、伊豆諸島では、自治体ごとに来島自粛の継続、緩和などの対応が異なっている状況です(6月10日時点)。伊豆諸島へ旅行を計画されている方は、自治体のホームページで現在の自粛状況や渡航の条件などを必ず確認してください。
大島町 https://town.oshima.tokyo.jp/soshiki/seisaku/mayor-news11.html
利島村 http://www.toshimamura.org/news/1568
神津島村 https://vill.kouzushima.tokyo.jp/
三宅村 https://www.vill.miyake.tokyo.jp/
皆さんこんにちは。
佐渡自然保護官事務所の菅野です。
あっという間に6月ですね。夜は涼しくても、日中は蒸し暑く感じる事が多くなってきたので、そろそろ半袖のレンジャー服を着ようか、長袖のままでいようか毎日迷ってしまう今日この頃です。
▲見ごろを迎えたトビシマカンゾウの花
そんな中、6月5日に第22回トキ放鳥が行われました!
通常であれば、放鳥の日はモニタリングボランティアの方々と共に、放鳥されたトキの様子を観察します。
しかし、今回は新型コロナウイルス感染症対策のため、環境省職員等の少人数で見守りました。
新規放鳥されたトキは今年の3月12日から「順化ケージ」と呼ばれる、佐渡の里山を模した大きな施設の中で順化訓練を受け、野外で生きていくために必要な「飛翔」や「採餌」などの能力を身につけてきました。
トキたちが約3か月間過ごした順化ケージの扉を開けるのは朝の6時。
▲放鳥口を開きます
トキ保護センターの職員が放鳥口を開き、放鳥口付近の池にドジョウを給餌します。
その後は誰も順化ケージには近寄らず、管理棟内のモニターでトキの様子を見守ります。
どんな風にトキたちは飛び立つのでしょうか?
放鳥口付近に設置したカメラの画像でお見せしたいと思います!
▲放鳥口付近の池に給餌されたドジョウを食べに集まるトキ
▲何かの拍子に・・・
▲飛び立った!
私は野外で放鳥トキを観察する役割だったので、後でビデオの映像を見たのですが、何がきっかけで飛び立つのか全くわかりません。
もしもトキと話すことができたら「あの時、何がきっかけで飛んだの?」と聞いてみたいものです。
今回は順化ケージでソフトリリース方式による放鳥を行いました。トキが自ら順化ケージの外に出るのを待つため、放鳥終了までかかる時間や日数はわかりません。
前回のソフトリリース方式による放鳥では、放鳥初日に1羽だけ順化ケージ内に残ってしまい、翌日まで延びてしまいました。
ところが、今回は6時に扉を解放してから9時52分までに全羽が飛び立ったのです!
放鳥されたトキは順化ケージ周辺を飛翔したり、木にとまったりしており、特に事故等は確認されませんでした。
▲飛翔する放鳥トキNo.402
今のところ新規放鳥トキは順化ケージ周辺で見られることが多いですが、これからどのような動きをしていくのか、楽しみです!