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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

【小笠原】夏に咲く涼しげな花

2020年08月28日
小笠原

みなさん、こんにちは。小笠原の近藤です。

内地では連日記録的な暑さが続いているようですね。

小笠原も暑い日が続いており、毎日アイスが欠かせません。

さて、今回は先日巡視を行ったこちらの植物をご紹介したいと思います。

白い4枚の花びらが特徴的なこの花は、「ムニンノボタン」です。可憐な感じが可愛らしいですね。

まれに花びらが5枚の場合もあるそうです。いつか見つけてみたいと思います。

▲ムニンノボタン -ノボタン科ノボタン属-

父島だけに生息する固有種で、環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠA類に入っています。

絶滅危惧ⅠA類は「ごく近い将来における野生での絶滅の可能性が極めて高いもの」をいいます。

絶滅から守るため、種の保存法に基づく保護増殖事業※の対象にもなっています。

生育地は、林縁や台風で大木が倒れるなどして光が差し込むようになったギャップと言われる場所です。

夏のギャップでの巡視は人間には暑いです・・・

▲ムニンノボタンの生育地

ちなみに、母島にはハハジマノボタンが、北硫黄島にはイオウノボタンがあります。

ハハジマノボタンの花びらは淡い赤紫色、イオウノボタンは紫色だそうです。

どちらもムニンノボタンより花びらは一枚多く、5枚です。

次回母島でハハジマノボタンの花に出会えたら、またアクティブレンジャー日記でお伝えします。

▲巡視した夜明山から見た景色。暑さも吹き飛びます

※保護増殖事業とは

国内希少野生動植物種のうち、その個体の繁殖の促進、生息地の整備等の事業の推進をする必要がある場合は、保護増殖事業計画を策定し、実施しています。