2020年9月 2日
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2020年09月02日箱根の植物発見(8月)
富士箱根伊豆国立公園 高木俊哉
AR日記をご覧の皆様、こんにちは。
箱根事務所の高木です。
今回は、8月の巡視の中で見つけた目を引く植物たちの紹介をしていこうと思います。
まずは、ツチアケビです。
初めてこの植物を見たときは、真っ赤な唐辛子かウインナーかのような姿にとても驚きました。
箱根では、広葉樹林のうっそうとした環境で目にする印象です。
真っ赤な部分は果実で、結実する前は対照的にやや地味な黄色い花を見ることが出来ます。
次に、ヤマユリです。
花の直径は20㎝程の大きさにもなり、箱根地域でも道路沿いや登山道など比較的多くの場所で目につきます。
高さも1m程になるので、とても目立ちますね。
花も真っ白な色に淡い黄色い線がとても綺麗です。
最後に、ヤマホタルブクロです。
ホタルブクロの変種で、花の色がやや濃いことや「がく」の間の反り返りがないことで同定できるようです。
花びらが分かれていない合弁花で、ふっくらとしていて可愛げがある花です。
箱根では、登山道沿いや道路沿いでも見ることができます。
箱根地域では、これから秋に向けて、夏とは違ったさまざまな植物を見ることが出来ると思います。
ぜひ涼しい箱根で、3密には気をつけつつ秋を堪能してみてください。
こんにちは、日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。
8月は暑い日が続きましたが、那須連山では既に秋の花々が見頃を迎えようとしています。
▲光を浴びるカリヤスモドキと茶臼岳 ▲道端に咲くオヤマリンドウ
(いずれも8月28日撮影)
さて、今回は那須平成の森で実施している中型・大型哺乳類調査のお話の第3回目です。
第1回:平成の森に生息している哺乳類たち
第2回:何頭いるかな?
1. ○○○○○と○○○○が急増中!
まずは下の折れ線グラフをご覧ください。
▲那須平成の森で確認された哺乳類の出現数の経年変化
ニホンジカとイノシシの急激な増加が一目瞭然です!
那須平成の森ではニホンジカがH27~H30にかけて毎年約1.5倍ずつ増加、なんとH30~R1にかけては約1.8倍も増加しています。イノシシはおおよそ2年ごとに倍増する傾向がみられています。
2. ニホンジカが増えると。。。
樹皮剥ぎによって樹木が枯死してしまったり、林床植生が食べ尽くされてしまったりする恐れがあります。
右下の写真は、那須平成の森から直線距離で25km南西に位置する塩原地域の林床の様子です。塩原地区ではここ10年間で林床植生が激変してしまったそうです。那須地域でもこのままニホンジカが増加していけば、林床から植生が失われてしまうかもしれません。
▲樹皮剥ぎ(那須平成の森) ▲林床植生の衰退(塩原地域)
3. イノシシが増えると。。。
地下茎を食べるために掘り起こすので、地面の荒廃が目立っていきます。
▲イノシシによる掘り起こしの様子(左図は那須平成の森、右図は那須平成の森近くにある八幡園地)
森林の生態系を守るために私たちに何ができるのか、考えさせられます。