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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

トキ野生復帰事業の普及啓発

2020年11月06日
佐渡

 皆様、こんにちは。

 佐渡自然保護官事務所の近藤です。

 佐渡では朝晩冷え込む日が多くなりました。山々の紅葉が深まり、見頃を迎えています。


<野生復帰ステーションの木々も色づき始めました>

 さて、私が勤務する佐渡自然保護官事務所では、学校などから見学依頼があった場合に、トキ野生復帰についての解説や施設案内を行っています。

 佐渡自然保護官事務所は、佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションという施設内にあります。ここでは、私たち佐渡自然保護官事務所と野生復帰ステーションの新潟県の職員さんとが同じ部屋で仕事をしており、見学者の対応は環境省と新潟県が協力して行うことがよくあります。その場合、新潟県はトキの飼育・繁殖・順化訓練に関する話を、私たちは野生下のトキに関する話をしています。

<手前が佐渡自然保護官事務所、奥が新潟県。新潟県側には野生復帰ステーションで飼育されているトキの様子が映し出されたモニターが並んでいます。>

 今回は、先月対応した佐渡島内の3つの学校への解説・案内の様子を紹介します。

1.佐渡高校2年生

<順化ケージ内で新潟県の獣医師からトキの訓練について説明を受ける生徒>

 新潟県職員とアクティブ・レンジャーがトキの野生復帰の取り組みのレクチャーを行い、野生復帰ステーション内、※順化ケージ、※※トキのテラスなどの施設を案内しました。

※順化ケージ

トキが野生下で生きていくために必要な飛翔能力、採餌能力、社会性などを身につけるために訓練を行う、佐渡の里山環境を再現した大型のケージ。野生復帰ステーションの敷地内にあります。

※※トキのテラス

野生下に再導入したトキを適切に観察できるとともに、トキが生息する佐渡島の自然豊かな里地里山等を展望できる施設。野生復帰ステーション管理棟から徒歩5分ほどの場所にあります。

2.新穂(にいぼ)中学校1年生

<トキのテラスのピロティで解説をしている様子>

 アクティブ・レンジャーがトキのテラスでトキの野生復帰の取り組みについて解説しました。

3.新穂小学校3年生

<新潟県の獣医師が児童からのインタビューに答える様子>

 新潟県職員とアクティブ・レンジャーが野生復帰の取り組みのレクチャーを行い、順化ケージを案内して、児童からのトキのプロとしてのインタビューに答えました。

 トキの野生復帰は、「トキの飼育・繁殖」、「生息環境の整備」、「社会環境の整備」など、様々な側面から様々な人々が関わって進められています。トキを放鳥しても生息環境が整っていなければ、地域の方の理解がなければ、野生復帰は実現しません。

 トキの野生復帰の普及啓発を通して、佐渡の豊かな自然環境に目を向け、故郷を大切に思う心が、佐渡の未来を担う子供たちに育まれてくれると嬉しいです。