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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園 沼津

231件の記事があります。

2021年06月10日富士山の豊かな自然と火山を感じる【富士山自然休養林を歩く】

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

暑い日が続いています。毎年書いている気がしますが6月は紫陽花がキレイな季節ですね。今年は咲き始めが明るい緑で、開花ともに白に変化していく紫陽花を庭で育てています。毎日変化を見るのが楽しみです。

今回は、富士山自然休養林歩道の巡視に行って来ましたので、おすすめの場所をいくつか紹介したいと思います。

静岡県側の富士山開山日は7月10日ですが、現在、御殿場口・須走口・富士宮口の五合目まで車で行くことが出来ます。(開山後はマイカー規制が始まりますのでご注意下さい。詳しい情報は→富士登山オフィシャルサイト

富士山の五合目より山頂へ向かう全ての登山道は閉山期間中ですので入れませんが、開山前のこの時期におすすめのハイキングコースがあります。富士山を眺めながら山麓を歩く富士山自然休養林歩道です。コースによって富士山を感じるスコリアの歩道や、山麓ならではの自然豊かな森の中を歩く歩道、富士山の歴史を感じるスポットなどがあります。コースもご自身の興味がある場所や体力に合わせて考えられるので幅広く楽しめる場所になっています。

おすすめ①二ッ塚

まずは、御殿場口新五合目から1時間程で行ける二ッ塚(双子山)です。名前の通り二ッ塚上塚(上双子山)と、二ッ塚下塚(下双子山)を合わせて二ッ塚(双子山)と呼ばれています。御殿場口新五合目から二ッ塚までは、富士山を正面に眺めながら、これぞ富士山と思わせる砂礫(細かなスコリア)の上を登っていきます。所々砂礫に足を取られ、一歩登っては後ろに戻されるような場所があり、御殿場ルートで富士登山をしようと思っている方には登山道をイメージしやすい場所になっています。

【 登山道からの眺望 】

御殿場口新五合目から二ッ塚までの間に植物は少ないですが、フジハタザオがカラマツの下でひっそりと咲いているのを発見しました。その他にも数は少ないですが、シロバナヘビイチゴやオンタデ、ヤマシャクヤクの花が咲いていました。フジアザミも大きく葉を広げている最中でした。こちらも開花が楽しみです。

【 カラマツとフジハタザオ 】

二ッ塚下塚(下双子山)山頂に登るとご神体の名前が書かれた石碑と鳥居があります。植生がなく遮る物のないので眺めがよく周辺の街や山麓がよく見えます。

【 二ッ塚下塚(下双子山)からの富士山 】

おすすめ②幕岩

案内看板の奥に見えている岩の壁は全て溶岩で出来ています。最下部は約一万年前の噴火の時のもので、最上部は1707年に宝永山が噴火した時のスコリアだと言われています。この辺りは二ッ塚周辺とは違い植物が生い茂り美しい森ですが、足下はやはりスコリアで覆われています。足を止めて歩道脇に目を向けると細かい穴の空いたスコリアに植物が根を張っています。


【 幕岩(まくいわ)


【 歩道脇のスコリア 】

おまけ

おすすめ③須山御胎内(国立公園外)

紹介したコースから少し下った場所に須山御胎内があります。この場所は旧須山口登山道一合目の場所で、鳥居の先の風穴に富士山の神様とされている木花咲耶姫の石像があります。以前の大雨の影響で残念ながら現在は風穴に入ることは出来ませんが、不思議な雰囲気のある場所で、周辺は美しい原生林が広がっています。

【 須山御胎内 】

今回の日記では富士山御殿場口新五合目周辺を紹介しましたが、ハイキングマップの推奨13コースを参考に、初夏の富士山麓の森をご自身の体力、目的に合わせて散策してみてはいかがでしょうか。

*各自、新型コロナ感染症対策をお願いいたします。移動においても各自治体のガイドラインをご確認下さい。

【 ハイキングマップ:富士山自然休養林保護管理協議会HPより抜粋 】

▼富士山自然休養林ハイキングマップ(富士山自然休養保護管理協議会)

http://www.kyuyorin.jp/

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2021年05月19日山頂だけが富士山じゃない! 【富士山自然休養林を歩く】 

富士箱根伊豆国立公園 沼津 刑部美鈴

こんにちは!沼津管理官事務所の刑部です。

今年は早くも梅雨入りし、じめじめした季節がやってきたという感じですね。今年は長梅雨になるなんて予想もありますが、あっという間に夏がきて秋になるような気がします。

夏といえば、沼津管理官事務所では富士山です!

428日より静岡県側の3つの富士山へのアクセス道路が開通となり、開山も710日に迫ってきました。(現在道路は開通しておりますが、79日までは山頂までの登山道は閉鎖しております。また、7月10日からはマイカー規制もございます。ご注意ください。

昨年は残念ながら閉山となっていた富士山も今年は小屋の宿泊を完全予約制にし、5合目で全員に検温の実施(静岡県側)とコロナの感染対策を行いながら例年とは違った形での開山となる予定です。

富士登山に関する情報・注意点は富士登山オフィシャルサイトをご覧ください。

▲三月に巡視に行った毛無山からみた富士山

富士山の開山を前に、富士山自然休養林を楽しんできましたのでそのご紹介です。

富士山自然休養林とは

今回は須走口五合目から小富士に向かうコースをご紹介します。

富士山自然休養林 Jコース

▲小富士遊歩道入り口

須走口五合目登山口の側より遊歩道に入ります。

カラマツやダケカンバの森の中を鳥の鳴き声を聞きながら、ゆっくり植物観察して歩くのもまた普段の山頂を目指す山歩きとは違った楽しみ方がありますよね。

▲ガスがかかっている森も神秘的です

30分程のハイキングで小富士に到着します。

遊歩道もきちんと整備されており、とても歩きやすいです。

▲小富士より富士山を眺める

ふと足下を見てみると、普段何気なく通り過ぎている登山道に新芽が出ていました。

ここに偶然落ちて芽生えたんですね!こんな小さな芽が何十年という歳月をかけて、大きな木になっていくと思うと感慨深い物がありました。登山道に芽吹いていたので、踏まれずに頑張って欲しいなと思いながらその場を離れました。

▲足下を見るとこんな光景も!!

こちらはカラマツの新芽

ブラシの様に葉を広げているところがかわいいですよね!

普段ならあまり気にせず通り過ぎてしまっていましたが、今回は森のいろいろな植物をのんびりと観察してみました。

▲カラマツ

前回私の日記で紹介した西臼塚も新緑と植物観察に素晴らしい時期になりました!こちらも富士山自然休養林のコースの一つで、私の大好きな場所です。

(※最近富士宮市に熊の出没情報が相次いでいます。西臼塚周辺も熊が出没したことがあるようですので、対策を十分とってからお出かけください)

曇っていても、雨が降っていても楽しめる森歩き。是非季節ごとに色々な楽しみ方を見つけてください。

▲西臼塚のご神木 ミズナラ

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2021年05月10日『天城山』の遅い春

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

GWが終わってしまいましたね。私は先日日記で検討していた自転車を購入し、GWは自転車で川沿いを走り海まで行ってきました。いつもは車で通り過ぎてしまう場所に新たな発見があったり、ステキなお店があったり、海を眺めながら本を読んだり。今までのGWにはないのんびりした時間を過ごしました。

さて、今回の日記では4月末の巡視で、天城山の遅い春の光景に感動したので紹介したいと思います。

アクティブ・レンジャーが管内の巡視に行く際は、何らかの目的を持って現地に向かいます。事務所によって目的はさまざまですが、主に登山道の安全確認や標識・看板の確認、倒木の処理や道迷い発生場所の確認、申請のあった工作物の確認など、多岐にわたります。以前紅葉の時期に何度も天城山の八丁池付近で確認する事があり、絶好のタイミングで八丁池の紅葉を日記で紹介しよう!と意気込んでいましたが、行かなかった数日で紅葉した葉があっという間に散ってしまいました。今回はこの逆の事が起こりました!天城山を八丁池に向かって歩いていると、前方に一面の薄ピンクの花が見え、ハッとしました。

街中や標高の低い山ではかなり前に散ってしまったマメザクラが見頃を迎えていました。思いがけないプレゼントをもらったような気持ちになり、また山に魅了されてしまいました。すれ違った登山者の方も美しい光景にしばらくその場から動けず見とれていました。

登山道では鳥たちのさえずりが聞こえていました。音声を録音して聞いて欲しいほどで、気温の低い山にやっと訪れた春を喜んでいるようでした。

見晴台では八丁池と真っ白な富士山、南アルプスの山々が見えました。後1ヶ月もすれば深緑に囲まれた八丁池が見られそうです。


そして縦走路からは、ブナやヒメシャラの奥に富士山が見えます。落葉している期間限定の風景です。

ブナの枝には黄緑色の新芽がまばらについています。枝を緑色に染めるのももうすぐでしょう。(*富士山が見つけられなかった方はクリック拡大)

沖縄・奄美地方が梅雨入りして今年は梅雨入りが早そうです。梅雨の雨で山が潤い季節が夏へと進んでいきます。アセビが満開の天城山も、巡視の時まだ蕾だったアマギシャクナゲが開花し、八丁池ではモリアオガエルの産卵も始まります。森が賑やかになるのが今から楽しみです。

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2021年04月27日春の訪れ 東海自然歩道

富士箱根伊豆国立公園 沼津 刑部美鈴

こんにちは!沼津管理官事務所の刑部です。

今年は全国的に桜の開花が早く、富士山地域でも例年より早く桜が咲きました。あっという間に春が来て終わっていくような感じがしますが、桜が咲いているのを見ると毎年四季のはっきりした国にいることの素晴らしさを感じます。

春は里だけでなく山にも桜にツツジ、新緑と色鮮やかな季節で山に登るのが楽しくなる季節ですね。ふと足下や上を見上げると普段気づかなかった物に目がいく楽しい季節でもあり、花粉がなければ一段と素晴らしい季節だと思います。

【今回ご紹介する東海自然歩道の豆桜】

今回は東海自然歩道と、そこからもアクセスできる竜ヶ岳をご紹介しようと思います。

東海自然歩道とは→http://www.tokai-walk.jp/about.html

東海自然歩道は自然に触れ、貴重な文化財に出会うことを条件に選定された総延長1697.2 kmにも及ぶ長距離自然歩道です。

今回ご紹介する場所は東海自然歩道の一部で山梨県と静岡県の県境に位置している青丸で

囲ってある場所です。

▲資料:東海自然歩道連絡協会公式HPより抜粋 (http://www.tokai-walk.jp/)

所処このような木橋や階段が有り整備された登山道になっていて、アップダウンはほとんどありません。

景色を見ながら歩く、というよりは林の中を歩くといった方がイメージに近く森林浴を楽しめます。

▲所処新芽が出ており春を感じました

東海自然歩道から外れ、端足峠に向かい登山道を上がっていくと竜ヶ岳につきます。

竜ヶ岳は1485mの静岡県と山梨県の県境にある山で時期によってはダイヤモンド富士が見られます。途中笹の登山道を上がりますが、端足峠まで上がってしまえば景色を見ながら歩くこともできますし、山頂からの富士山の眺めや南アルプスの眺めは非常に美しいです。

【竜ヶ岳山頂より】

竜ヶ岳は山梨県の本栖湖側からも登山道が有り、そちらからも登ることができます。体力に自信のない方は歩行時間が短くなるので、本栖湖側から上がってみるのもよいかもしれません。

【竜ヶ岳山頂手前より南アルプス】

なかなかコロナの影響で自由に移動することもはばかられるようになっていますが、是非山だけでなく、街で咲く花や通勤路の足下の草花からも春を感じてみてください!

▲カタクリ

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2021年04月22日『伊豆半島』は開花ラッシュ

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

外出が気持ちいい季節になりましたね。最近は自転車に興味があり色んな方から情報を聞いて購入を検討しているところです。各地で自転車専用のレーンなどが多く整備されているので、色んな場所を走ってみたいです。

今年度最初の巡視は、金冠山周辺に行って来ました。歩道の入口でウグイスが鳴いていました。この日は自宅でもウグイスの声が外から聞こえていたので、何となく姿が見られるのではないかと思い声のする方を見上げてみると姿を確認することが出来ました!さえずりが聞こえてもなかなか姿を見る事が出来ないので嬉しかったです。


【 金冠山山頂 】

昨年同じ時期に日記で紹介したマメザクラは散り始めていて、歩道が薄ピンク色の絨毯になっていました。時折り吹く風で桜吹雪が舞い、満開の桜もキレイですがこの時期の桜も素敵だなと思いました。少し前の山とは全然違い山全体にたくさんの色が増えています。

独特の香りがして足を止めると、シキミの花が咲いていました。お花を見てもピンとこないかもしれませんが、仏前やお墓参りに持っていく植物としてスーパーなどの生花コーナーで見かけたことがあると思います。シキミは花や実に猛毒があります。「悪しき実」の「あ」が取れてこの名前が付いたという説があります。

【 樒(シキミ)の花 】

椿も見頃を迎えていました。

【 椿 】

散っていないマメザクラを見つけるのも楽しかったです。

【 マメザクラ 】

【 金冠山~真城(さなぎ)峠間の眺望(2021.4.7撮影)

そして、山肌はまだパッチワークになっていました。この時期限定の色合いなので毎年楽しみにしていますが、少しずつずれて咲く桜が今年は一気に開花したのか、いつにも増してどの山も見事なパッチワークでした。これから初夏に向けて山がさらに鮮やかに彩ります。歩道脇の野草も咲き始めていて季節の移り変わりを実感した巡視になりました。

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2021年03月22日富士箱根伊豆国立公園『沼津管理官事務所』の紹介

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

あっという間に3月も後半ですね。最近は巡視の服装も身軽になり、気持ちがいいです。今日出勤途中にソメイヨシノが咲き始めているのを見かけました。春は旅立ちやスタートの季節ですね。桜が満開になるのを待ちわびながら、私も何か始めてみようと思います。

さて、令和2年度最後の日記は沼津管理官事務所の紹介をしたいと思います。

ご存じの方もいると思いますが、富士箱根伊豆国立公園の中には、箱根・富士五湖・下田・伊豆諸島・沼津と5つの事務所があります。沼津は富士山頂と、富士山の静岡県側、伊豆半島の北側、箱根地域の静岡県側の海から山まで広く管轄しています。よく間違われるのが、富士山の管理をしているので事務所が富士山にあると思われてか、富士山開山中に「今日の富士山の天気はどうですか?」と言う電話がかかってきたりします。(富士山の事を知りたいときは、ぜひ富士登山オフィシャルサイトで確認して下さい)

国立公園の管理をしているので自然の中に事務所があるイメージですが、沼津管理官事務所は静岡県沼津市の沼津合同庁舎の中に事務所があり、周辺にはどんなお店もあるような街の中にあります。現在、事務所にはレンジャー1名と、アクティブ・レンジャー2名が在籍しています。私は主に伊豆半島地域を担当していますが、時々、富士山地域の巡視に行くと伊豆半島とは違う魅力や発見があり、同じ沼津エリアの中でも、気温や植生、地質などが違い巡視範囲が広い大変さもありますが、伊豆半島地域、富士山地域と毎回新鮮に感じられ楽しいです。

先週、沼津管理官事務所・富士山地域担当の刑部アクティブ・レンジャーと静岡県富士宮市と山梨県の県境にある毛無山の巡視に行きましたが、山頂付近はかなり積雪がありました。ここ数日沼津市内は最高気温が20度前後の日が続いていて、伊豆半島もかなり暖かいので久しぶりの雪を見てはしゃいでしまいました。

【 毛無山山頂付近の登山道の様子 】登山道の確認をする刑部アクティブ・レンジャー

【 毛無山富士山展望台から 】パラグライダーを楽しんでいる人がいました。(クリックで拡大)

*毛無山登山は山頂付近の日当たりのいい場所は積雪が少ないですが、それ以外の場所は軽アイゼン程度は必要です。登り始めは全く雪がなく山頂付近から急に積雪がありますので、天気のいい日でも装備をお忘れなく安全登山をお願いします。

最後に今年度巡視中に見かけた虹の写真を2枚紹介します。


【 矢筈山登山道より 】正面に富士山と右下から虹(クリックで拡大)

この日は天気がコロコロと変わり一日中不安定な天気でしたが、山の面白さを感じられた1日でした。


【 白糸の滝 】丁度滝に太陽光が当たり写真右側に虹が出ていました。(クリックで拡大)

令和2年度もたくさんの巡視を行いました。コロナ禍で皆さんに「沼津地域に来て下さい。」となかなか言えない時期が続き歯がゆい気持ちでしたが、こんな時だから気がつけたこともたくさんあり自然の大切さを改めて感じた年でもありました。来年度も引き続き沼津地域の魅力をお知らせしていきたいと思いますので、楽しみにしていて下さい。

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2021年03月18日富士山が見える場所

富士箱根伊豆国立公園 沼津 刑部美鈴

こんにちは!沼津管理官事務所の刑部です。

最近は花粉症のため、巡視中も杉林の中を歩くのがつらくなってきました。

帰りの車の中で鼻水と目のかゆさに襲われています。花粉の少なかった昨年に比べて、今年は例年通りらしいですが、昨年が少なかっただけに今年がひどく感じられてしまうのは私だけでしょうか。

今回は富士山の絶景が見られる場所をいくつかご紹介します。

【長者ヶ岳】

変わった名前の山ですが、山頂からは富士山と田貫湖の眺めが美しいです。

▲長者ヶ岳山頂より 富士山と田貫湖

春になると長者ヶ岳から天子ヶ岳にかけて、ゴヨウツツジ(シロヤシオ)がきれいに咲くので、のんびりと富士山を見ながらのハイキングも気持ちがよいですね。

長者ヶ岳の山頂へは田貫湖北バンガローサイト駐車場から約2時間半程度です。東海自然歩道の一部を通り山頂に向かいます。登山道の下部は植林の杉や檜の林ですが、上部にいくに従ってブナやミズナラなどの自然木が目立つようになってきます。


▲北バンガローサイト駐車場 ここからも富士山が!

東海自然歩道とは↓

http://www.tokai-walk.jp/about.html

長者ヶ岳の山頂まで歩くのはちょっと大変という方は、田貫湖からでも富士山がきれいに見られます。風がなければこんな風に田貫湖に移る逆さ富士も!

▲田貫湖から見える逆さ富士

休暇村富士の前にあるデッキ付近にはスロープもあるので、車椅子の方でも気兼ねなく散策にきてこの風景を楽しむことができます。ここからの景色も富士山がある風景100選に選ばれています。

富士山がある風景100選とは↓

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html 

独立峰というのはやはり目がいきますし、存在感も大きいですね。

その中でもとりわけ富士山というのは日本一の標高のある山というだけあり、近くで見ると、ものすごい迫力があります。国内外からシーズン中に多くの人が富士山を目指すというのもわかる気がします。

田貫湖には国設の自然学校第1号として2000年にオープンした田貫湖ふれあい自然塾もあり、自然を身近に感じられる場所です。

▲ 田貫湖ふれあい自然塾

田貫湖ふれあい自然塾↓

http://www.tanuki-ko.gr.jp/facility/index.html

▲ ブナの実

長者ヶ岳の山頂でこんなものを見つけました。

ブナの実です。秋に落ちた実が残っていました。熊も大好きなブナの実ですが、人間が食べてもおいしいです。こんな小さな実を熊がきれいに食べるなんてなかなか器用だなあといつも感心してしまいます。ブナの実は6年程の周期で豊作になるといわれています。

ブナは戦後、資材としては腐りやすく役に立たない木として大量伐採され、杉や檜の植林に姿を変えてしまったりもしましたが、森に住む動物たちにとっては貴重な食料を提供し、命をつないでいくものなのですよね。

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2021年02月25日冬の西臼塚と白糸の滝

富士箱根伊豆国立公園 沼津 刑部美鈴

こんにちは!沼津管理官事務所の刑部と申します。

2月より富士箱根伊豆のアクティブレンジャーに就任いたしました。これから地元でもある静岡県で、富士箱根伊豆国立公園の魅力を発信していけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

ここのところ暖かい日が続き河津桜も満開とのニュースが届きました。各地で春一番も吹き春ももうすぐかなと思いきや、また寒くなる予報ですね。沼津は雪が降ることは滅多にないようですが、風がものすごく強く、同じ静岡県内から引っ越してきましたが風の強さに毎日びっくりしています。

今回は、富士山周辺を巡ってきました。

【西臼塚】

ミツマタと富士山

西臼塚は富士宮口五合目へつながる富士山スカイライン周遊区間の途中にある、小さな側火山です。冬は葉が落ちているので、周りの山の景色を見るにはもってこいの季節ですね。上の写真の植物はミツマタです。枝が三つに分かれるところから名前の由来が来ていますが、ミツマタは紙幣や和紙の材料としても使われています。もう少しで黄色のきれいな花を咲かせてくれそうです。

西臼塚にはブナ、ミズナラ、カエデなどの落葉樹の森も広がっています。現在ブナ広場方面などに通り抜けする道は通ることができませんが、それでも落葉樹の森が十分楽しめます。ブナの新緑の頃に訪れると、緑がきれいでしょうね!熊の出没注意の看板が至る所にあり、目撃情報もあるので熊鈴やラジオを携帯するなど対策は万全にされてからお出かけください。

「富士山自然休養林ハイキングマップ」http://www.kyuyorin.jp/

(西臼塚はLコースになります)

西臼塚山頂のご神木 ミズナラの木

【白糸の滝】

幾つもの滝が岩壁から流れ出てる様子が写真からご覧いただけるかと思いますが、実は白糸の滝は層の境目からわき出している富士山からの湧水なんです。岩壁には2つの異なる層があり、上の層は水をよく通す層、下の層は水を通さない層で、その境目の岩壁からわき出している水が白糸の滝になります。その数は大小合わせると数百にもなるのだそう。国の名勝及び天然記念物に指定されているというのも納得できますね。車いすの方でも楽しんでいただけるように白糸の滝が望める展望台や、スロープもあります。

            

     富士山を望むスロープ            滝見橋の展望台から

白糸の滝を見ることのできる展望台は全部で3つあります。どこから見る白糸の滝もまた違った角度から見られるのですが、個人的には富士山と白糸の滝が一緒に見える展望台が写真スポットとしてオススメです。そこからの富士山と白糸の滝は、富士山がある風景100選に選ばれています。

「関東地方環境事務所 富士箱根伊豆国立公園 富士山がある風景100選ページ」http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html

富士山と白糸の滝 

写真好きな方なら季節を変えて、四季折々の白糸の滝を撮ってみるのもよいかもしれません。滝に日が当たるお昼頃の時間に行くのがオススメです。2020年に富士宮市が園地の整備を行っており、ゆったりと自然を楽しみながら休憩できるスポットもあります。ちょっとしたお散歩でもリフレッシュできますよ。

2020年きれいに整備された富士山・白糸ノ滝テラス

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2021年02月22日【富士山がある風景100選】(富士山地域)どの場所で見る『富士山』が好きですか?

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

ここ数日風の強い日が続いて庭で育てている植物の鉢が飛ばされていないか心配ばかりしています。外に出したまま植木を守るいい風対策があったら教えて欲しいです。

先日、富士山地域の巡視に行ってきました。富士山周辺を巡視した時、場所によって富士山の見え方が違い面白かったので、富士箱根伊豆国立公園指定80周年を記念して国立公園内および周辺地域の代表的な眺望地を選定した"富士山がある風景100選"(以下、"100選")の選定場所でいくつかご紹介したいと思います。

まずは「田貫湖」です。毎年4月と8月の約1週間、条件を満たした日にダイヤモンド富士が見られる場所としても有名な田貫湖は、周回歩道が整備されていて富士山を見ながらお散歩が楽しめます。田貫湖から富士山までの直線距離は約15㎞でとっても近いです。風がなく湖面に波が立っていなければ逆さ富士を見る事ができます。雲や太陽の高さなどによって表情を変える幻想的な風景が見られる場所です。


【 ダイヤモンド富士(田貫湖周回歩道より撮影) 】


【 逆さ富士(田貫湖展望デッキより撮影) 】

次は「朝霧さわやかパーキング」です。国道139号線の静岡県と山梨県の県境付近にあるこのパーキングからは、開けた牧草地の目の前に圧倒的存在感の富士山を見る事が出来ます。時間帯によっては牛が草を食む姿や、のんびりくつろぐ姿の後ろに富士山といった風景を見ることも。トイレも完備されたパーキングですので、雄大な富士山を眺めながらの休憩におすすめです。大沢崩れや富士山頂の測候所が肉眼で確認出来ます。昨年の12月末はまだ富士山に雪がなく遠くからでは見る事の出来ない荒々しい山肌に圧倒されました。


【 積雪のない富士山(2020/12/23撮影) 】

最後は「西臼塚駐車場」です。西臼塚は富士山周辺ある寄生火山や側火山と呼ばれる場所の1つで、周辺の桜や紅葉が美しく、ハイキングコースがあり火口の縁まで行く事が出来ます。(現在火口の縁まで行けますが、ハイキングコース内に立入禁止箇所がありますのでご注意下さい。)富士山スカイラインの富士宮口五合目入口にほど近いこの場所は、本当に富士山の近くでしか見る事の出来ない姿の富士山を見る事が出来ます。

【 西臼塚駐車場より撮影 】

写真を見て、いかがでしょうか?いつもと変わらない富士山だと思った方は、写真を全体的にもう一度眺めてみて下さい。写真中央の右の方に雪をかぶった膨らみがあると思います。富士山本体から離れて見えているのでピンとこなかった方が多いかもしれませんが、その膨らみが宝永山です。近くで見るとかなり離れています。

【 伊豆スカイラインの滝知山展望台より撮影 】

上の写真は富士宮市内からではなく、宝永山を正面から見る事の出来る"100選"の選定場所の1つ静岡県熱海市にある「伊豆スカイライン滝知山展望台」から撮影した富士山です。正面から見ると富士山本体と一体化しているように見えます。


【 "富士山がある風景100選"(富士山西麓・南麓位置図抜粋) 】

同じ富士宮市内でも、富士山麓をぐるっと回ると場所によって富士山の見え方が全然違い、色々な場所から見比べてみたくなりました。イラストで見る富士山ともまた違った印象の富士山もあったと思います。みなさんはどの場所で見る富士山が好きですか?これから春になり富士山と桜の共演も楽しみですね。「2月23日は富士山の日」です。どんなことでもいいので富士山の事を考えたり、知ってもらえたら嬉しいです。

++++++"富士山がある風景100選"とは ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。

http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html

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2021年01月15日今年の『富士山』は白くない!?

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

2021年がスタートして半月が過ぎました。お正月太りが未だに解消されず何とかしなくてはと思っていますが、冬は新作スイーツの誘惑が多く困ります。おいしい物にはかないません。

さて、昨年末ニュースなどで何度か取り上げられていましたが、年明けも引き続き富士山の積雪が少なく、今年は静岡県側から雪化粧の富士山がなかなか見られません。今週は最強寒波が猛威を振るい各地で大雪を降らせました。沼津管内では富士宮の田貫湖が結氷したり、裾野市の十里木や伊豆の天城山では積雪がありました。そんな翌日伊豆半島西側の海岸線から今日こそ真っ白な富士山を見られるか!?と巡視に出掛けましたが、白くない?かすかに雪は積もっていますが、あきらかに少ないです。昨年末から朝早い時間は少し積もっていても日中には山肌が見えるくらい雪は溶けてしまい、夕方には夏の富士山かと思うほどです。

2020.1.9(恋人岬にて撮影) 】


2021.1.13(恋人岬にて撮影) 】

同じ時期の2枚目の写真を比べると、今年の写真は山頂の辺りも山肌が見えるのが分かります。気象データで過去の気温を調べると昨年は暖冬でしたが、今年は例年並みです。暖冬の昨年でも雪化粧しているので原因は気温ではなさそうです。静岡県の富士山周辺(御殿場、富士、富士宮市(白糸))の12月の降水量を見ると記録的に少なく中でも富士宮(白糸)観測地点では平年比8%とほとんど雨が降っていないことになります。富士山での観測はされていないので麓の降水量ですが、雪のない富士山を見ると昨年末からの雨量が少なく冠雪に影響していそうです。


2021.1.14 (沼津合同庁舎より撮影) 】

巡視の翌日、沼津管理官事務所がある合同庁舎より富士山を見ると更に雪が溶けていました。手前の愛鷹山で麓の辺りは見えませんが山頂辺りに雪は肉眼で確認出来ません。帰宅時に別の場所から見ると麓の雪もほとんど確認出来ませんでした。富士山に降った雨や雪は、どのくらいで湧き水になるのでしょうか?諸説ありますが数年~15年くらいと言われています。いつかの湧き水が気になります。今年の富士山が真っ白に雪化粧する日がいつになるのか見守りたいと思います。

おまけ

恋人岬では土肥桜が咲き始めています。現在三分咲きくらいです。

菜の花に混じってひまわりも咲いていました。

しばらく自粛生活が続きなかなか出掛けられませんが、日記を見て季節や自然を感じてもらえるよう今年も沼津管理官事務所管内の情報を発信していきますのでよろしくお願いいたします。

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