ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園

353件の記事があります。

2020年10月20日実りの季節(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

先日、箱根パークボランティアさんたちの自主研修に同行してきました。

今回は毎年箱根ビジターセンター周辺の湖尻園地で実施している「バリアフリー」観察会の研修です。この観察会は、自然は好きだけれど山に登るには体が少し不自由な方たち、まだ山に登るには体力的に難しい小さな子どもたち、その付き添いの方や保護者の方たちなど、あらゆる人たちに箱根の自然が凝縮された湖尻園地で安心して自然散策を楽しんで欲しいという想いを込めて開催しています。

今年はお客様を招いての実施はしていませんが、この機会を利用して、来年に向けた準備を入念に行いました。ガイドをするパークボランティアさんたちが、自ら車いすに乗ってお客様体験を行い、湖尻園地を回っています。新型コロナ感染症対策下でのガイドの実施方法なども検討しました。

【車いす体験を交互に行いながら、ガイド訓練】

秋らしい花も咲き始めた湖尻園地内。ですが、この日は「実」に目が行く1日でした。今年の山の実りは豊作のようです。

【上左:トチノキの実・上右:ガマズミの実】

【下左:サンショウバラの実(切ってあります)・下右:ツバキの実】

天気が曇りだったので、写真の色が少し暗いですが、晴れているとより鮮やかな色になります。

サンショウバラの実は、ハーブティーで有名な「ローズヒップ」です。ナイフで切ってみると、とてもよい素敵な香りがしました。他にもアケビの実等も観察できました。

そしてこちらはゲンノショウコ。

【左:ゲンノショウコの種がはじけた後・右:ゲンノショウコの花】

ゲンノショウコの実は、触るとサヤがはじけて種を飛ばし、不思議な形になります。植物は季節によって様々に姿を変えます。同じ植物を、四季を通して観察するのもとても面白いです。

紅葉の季節がもうすぐですが、その前に植物たちの「実」にも着目してみてください。「実」は次世代に繋がれる植物たちの命の種です。植物もしっかりと来年に向けた準備をしているようですね。

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2020年10月01日箱根のナラ枯れ

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

10月に入って、秋の気配が強まってきました。各所でススキが黄金色の美しい穂を風になびかせています。仙石原のススキ草原も、まもなく見頃を迎えるでしょう。そんな良い季節ではありますが、今回は箱根の山に起きている悲しい出来事について報告します。それが「ナラ枯れ」です。

2020年9月の箱根(紅葉ではありません)】

日本各地で長く問題となってきたこの現象。神奈川県では近年大変問題視されており、箱根も今年は目立って増えています。原因は「カシノナガキクイムシ」という昆虫が運ぶ、ナラ菌による樹木の枯死です。箱根のナラ枯れは初めて観察されてから今年で4年目になり、特にコナラ・ミズナラなどドングリの実る樹木に被害が多く発生しています。被害発生が古木に多いことも特徴の一つです。

箱根ビジターセンター周辺でも、この夏、ミズナラの大きな木が突然枯死しました。6月までは元気に青々と茂っていた木が、9月にはあっという間に枯れています。

9月に枯死したミズナラ 幹に小さな穴が多数あり、フラスという木くずと虫の糞が混ざった粉が、根元や幹周りに大量に積もる】

ビジターの皆さんが毎年楽しみにしてきたこの木のドングリは、残念ながら今年からは実りません。

でも、枯れ木の足元にはこんな子がいました。


【ミズナラの実生(幼木)】

大木が倒れた後の森には、日が良く差し込み、幼木たちが急速に成長を始めるのです。箱根で増え始めているニホンジカに食べられることなく、強く成長することを願います。

古くはミズナラの古木は、人が切り倒して薪にし、そこに幼木が育つという、自然のサイクルがあったと言われています。今はその循環がなく、カシノナガキクイムシが人の代わりに古木を倒し、幼木の成長を促しているという考え方や、ナラ枯れは5年から8年ほどをピークに終息するとも言われていますが、詳しいことはまだ分かっていません。

ただ、これ以上枯死が増えて箱根の森が衰退しないように、出来ることを実施しようと箱根町、神奈川県が対策作業に取り組んでいます。これから伐採消毒作業や予防薬投与の作業が始まった際には、作業の様子を静かに見守って頂けると幸いです。また、箱根町では新たにHPを作成し、ナラ枯れについての情報を公開して、被害の情報提供を呼びかけています。是非ご一読下さい。

★箱根町HP「ナラ枯れ被害が広がっています」★ 

http://www.town.hakone.kanagawa.jp/index.cfm/6,21824,23,html

※林野庁や神奈川県のHPも併せてご参照下さい。

【おまけ】

枯れてしまったミズナラの根元には、時折猛毒のキノコ「カエンダケ」が生えることがあります。触るだけで皮膚がただれるので、見つけても絶対に触らないようにお願いします。

【カエンダケ】

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2020年09月30日2020年の富士山の楽しみ方③「富士山自然休養林ハイキング」

富士箱根伊豆国立公園 義高樹

初秋を迎え、記録的な猛暑に見舞われた静岡も、朝夕はめっきり涼しくなってきました。

今年の夏は暑いばかりでなく、コロナ渦の影響で自粛続きの異例な夏だったと思います。

世界文化遺産であり、日本のシンボルである富士山も、2020年度は残念ながら閉山となりました。

早朝の富士山

そのため「2020年の富士山の楽しみ方②」に引き続き、登らない富士山の楽しみ方をご紹介したいと思います。

ご紹介するのは「富士山自然休養林ハイキング」です。

例年、多くの方々が利用するのは、富士山の五合目から頂上に至る【富士宮】【御殿場】【須走】【吉田】といった主要登山道でしょう。こちらは未だに荒々しい火山噴火の痕跡を見ることができますし、日本一の高みへ到達できる非常に達成感のあるルートです。

しかし、富士山の魅力はそれだけではありません。五合目より下の広大な山麓には自然の宝庫と呼ぶべき原生林が広がっています。主要登山道が閉鎖中であるこの機会に、少し麓へ目を向けて見ませんか。きっと、富士山に対するイメージが変わると思いますよ。

富士山自然休養林のハイキングコースは多くありますが、今回は静岡県裾野市の水ヶ塚公園から御殿庭下までのコースをご紹介します。

下記のサイトではDコースとして紹介されています。

富士山自然休養林ハイキングマップ(富士山自然休養林ハイキングコースご案内)

このコースは、始めは起伏が少なくゆったりとハイキングを満喫することができます。

モコモコです

中盤を過ぎると、少し傾斜がきつくなって木々の密度が減り始めます。

綺麗な広場に出ました

道中ではブナやカラマツを初めとした原生林の豊かさに見入り、綺麗な空気の中で心身ともにリフレッシュすることができます。

まるで森と一体化したような静かな時間を過ごしてみては如何でしょう。

こんな所に可愛いホタルブクロが

これから秋も深まり、ハイキングには最適な季節となります。

なるべく少人数で、飛沫に注意するなどコロナ対策を行ったうえで、富士山が初めての方も、今年登れなくてがっかりしている方も、是非、富士山自然休養林を訪れてみて下さい。

【注意】

御殿庭下より先には宝永山へ至るルートがありますが、今年度は利用することができません。また、富士山の登山道は吉田口を除き麓から閉鎖(吉田口も五合目より先は閉鎖)しておりますので、ハイキングコースから当該地に立ち入ることはご遠慮下さい(主要登山道、宝永山、双子山等への道には注意書きとテープがあるので、指示に従うようにして下さい)。

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2020年09月30日富士山の「初冠雪」と「初雪化粧宣言」

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

こんにちは。富士五湖の小西です。
ここ数日ぐっと寒くなり、本日この秋初のババシャツ着用です。

すでにご存知の方も多いかと思いますが、28日に甲府気象台が富士山の初冠雪を発表しました。

初冠雪の富士山(2020年9月28日朝8時 山中湖パノラマ台より)

ここのところ、お天気のよくない日が続いていて、久々に顔をのぞかせた富士山が白く雪化粧をしていたので
ビックリしました。例年より2日早いということで、特別早かったわけではありませんが、去年の初冠雪が10月22日でしたので

「え、もう?」

という印象でした。

さすが日本一の山なので、初冠雪のニュースは全国的に配信されていましたね。

ところで、実は富士山にはもうひとつ初雪にまつわるものがあるのはご存知でしょうか?

それは麓の富士吉田市が発表する「初雪化粧宣言」です。

気象庁が発表する「初冠雪」というのは、直線距離で35kmほど離れている甲府市にある「甲府気象台」から目視で確認できて初めて「初冠雪」となります。ただ、それだけ離れているので、麓の町からは富士山が見えていても甲府からは見えないということもよくあります。

そのために、富士吉田市が麓から目視で雪を確認した際に、独自の「初雪化粧宣言」を出しています。こちらは全国的にはニュースになっていないかもしれないですね。

今年の「初雪化粧宣言」は4連休中の9月21日でした。

富士山"初雪化粧"宣言(富士吉田市 報道発表)
https://www.city.fujiyoshida.yamanashi.jp/div/teian/pdf/200921kisya.pdf

外国人にも人気のスポット新倉山浅間公園より(9月21日7時撮影 山梨県富士吉田市提供)

見えますか???アップにすると・・・・・

山頂付近にわずかに雪が・・・(9月21日撮影 山梨県富士吉田市提供)

本当に粉砂糖を振りかけたようにわずかな降雪だったのと、朝早くしか富士山が見えていなかったため、見逃してしまいました。

麓の人間にとっては富士山があること自体が「日常」ですが、こうやって日々富士山をチェックすることも地元の人にとっては何気ない「日常」なのかな、と思いました。

28日に降った雪もほぼ消えましたが、こうやって少しずつ季節が進んで行きますね。これから紅葉が楽しみです!

皆さんも新型コロナ対策をしっかりした上で遊びにいらしてください!


新型コロナに関連する情報



山梨県では、安心してお店や宿を利用していただくために、県が定めた感染症予防対策の基準を遵守している施設(宿泊、飲食など)について「グリーンゾーン認証制度」を導入しています。
https://greenzone-ninsho.jp/

また、グリーンゾーン認証された宿に宿泊する際には割引(1泊あたり最大5000円)を受けることができる「やまなしグリーン・ゾーン宿泊割り」を実施しています。(Go toキャンペーンとの併用可)

独自の割引制度を実施している自治体は多いですが、対象が地元民のみというところが多いです。この割引は誰でも利用できてお得です!
https://yamanashi-syukuhakuwari.com/


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2020年09月29日2020年の富士山の楽しみ方②「腰切塚」

富士箱根伊豆国立公園 箱根 高木俊哉

AR日記をご覧の皆様、こんにちは。

箱根事務所の高木です。

タイトルでいきなり②を紹介してしまい、①はどこだ?!と疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

実はこちらは富士登山オフィシャルサイト内の日記と連動した内容になっており、普段は箱根で仕事をしていますが富士山についての日記も書いています。

では、前回の楽しみ方①「御中道」に続き、今回も閉山された中での富士山の楽しみ方をご紹介していきます。
今回は、「腰切塚」(こしきりづか)です。

▲腰切塚位置図

・水ヶ塚公園のすぐ西に位置しており、アクセスは公園駐車場までが便利です。

腰切塚は、富士山南麓に位置する側火山であり、国の指定を受けた富士山自然休養林の一部でもあります。
休養林内には、13ものハイキングコースがあり(現在、富士山閉山に伴い、利用不可のコースがございます)
緑豊かな自然と多様な生物の営みを感じることができるでしょう。

コースとしてはとても短く、頂上の展望台までの往復で約30分のコースです。
今の時期は木々が日光を遮ってくれるおかげで、涼しい日陰の中をゆっくりとハイキングを楽しむことができます。
また、頂上を一周できる「お鉢巡り」のコースもありますので、(景色は全く異なりますが)プチ富士登山体験を楽しむことができおススメです。

▲展望台の様子

・道中、様々な生物の姿を楽しむことができます。

▲フジアザミとカラスアゲハ

・どっしりとしたフジアザミの頭花がとても印象的です。

▲コース沿いに生えるキノコ

・ツチカブリでしょうか。ふと、逆さまに富士山のシルエットが見える気がしました。

そして、展望台からは迫力のある富士山を望むことができます。

▲腰切塚展望台からの富士山眺望

・(2020年9月4日撮影)

写真中央はもちろん富士山の頂上ですが、そこからすぐ右にあるピークが宝永山、やや見切れてしまっていますが上二子山、そして下二子山と続く景色を楽しむことができます。

本来、登る楽しみがあったはずの日本最高峰の山ではありますが、
この機会に一歩引いて御山体の姿を改めて観察し、自分好みのシルエットを見つけてみては如何でしょうか。

【参考情報】

今回ご紹介したハイキングコースの情報は以下からご覧ください。

コースの詳細、ご利用上の注意について
※一部立ち入り禁止区間がございますので、情報をご確認ください

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2020年09月07日『滑沢渓谷』で森林浴

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

最近は、夕暮れ時に吹く風の涼しさに少し秋を感じる日があります。とは言うものの、日中の暑さはまだまだ厳しい沼津です。

前回、夏でも涼しい「浄蓮の滝」を紹介しましたが、今回はどの季節に行っても森と清流の美しさに目を奪われ、癒し効果抜群の「滑沢渓谷」を紹介したいと思います。

滑沢渓谷は、天城峠の北側にある苔と樹木に包まれた渓谷です。谷を埋め立てた安山岩の上を流れる清流が、長い年月をかけて岩肌を削り滑らかで美しい一枚岩を作りました。渓谷沿いにはわさび田があり、スジグロシロチョウが舞っている姿を目にします。この場所は井上靖の「猟銃」のモチーフになった場所で、滑沢橋を渡ると林道の入口に井上靖文学碑があります。そして、渓谷沿いにある太郎杉歩道と林道を上流へ進んでいくと、天然記念物の樹齢推定450年の巨木「太郎杉」まで行く事ができます。(※歩道を進むと最終的に林道と合流するので、林道のみを進んでも太郎杉まで行く事ができます。)

【 滑沢渓谷 】

林道の途中には滑沢火山の噴火によって出来たバームクーヘンのような、火山性の土石流の地層を見ることが出来ます。渓谷だけでなくこの辺り一帯が溶岩台地の森だと感じられます。

【 バームクーヘンのような地層 】

林道をしばらく進むと右側に木製階段が見えてきます。階段の先にあるのが「太郎杉」です。昭和39年に静岡県の天然記念物に指定され、樹齢はおよそ450年、高さは53メートルと天城周辺では一番大きい杉です。枝ぶりも立派で、雨の多いこの場所に何百年も生き続けていると思うと感慨深いです。

【 太郎杉 】

下の写真は「竜姿(りゅうし)の滝」です。滑沢川と本谷川が合流した場所にあります。滝の左側の岩が、川に入った竜が体をひねり鼻先を滝の方へ向けているように見えるということで、この名前がついたそうです。渓谷の水の透明度を感じられ、春夏は新緑、秋は紅葉も美しい場所です。


【 竜姿の滝 】

新緑、紅葉、冬には年に数回見られる雪の滑沢渓谷も楽しむ事が出来ます。どの季節に行っても忘れられない景色が広がっています。水のせせらぎ、風の音、木漏れ日、森の空気をたくさん体に吸収し、暑い夏で少し疲れた体を森林浴で癒やして下さい。

▼静岡県伊豆市に来訪される方へのお願い

【新型コロナウイルス感染防止対策について(伊豆市)】

http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?c1=12&c2=2&pid=5228

▼伊豆市観光情報サイト

http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?pid=2511

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2020年09月02日箱根の植物発見(8月)

富士箱根伊豆国立公園 高木俊哉

AR日記をご覧の皆様、こんにちは。

箱根事務所の高木です。

今回は、8月の巡視の中で見つけた目を引く植物たちの紹介をしていこうと思います。

ツチアケビ

まずは、ツチアケビです。

初めてこの植物を見たときは、真っ赤な唐辛子かウインナーかのような姿にとても驚きました。

箱根では、広葉樹林のうっそうとした環境で目にする印象です。

真っ赤な部分は果実で、結実する前は対照的にやや地味な黄色い花を見ることが出来ます。

ヤマユリ

次に、ヤマユリです。

花の直径は20㎝程の大きさにもなり、箱根地域でも道路沿いや登山道など比較的多くの場所で目につきます。

高さも1m程になるので、とても目立ちますね。

花も真っ白な色に淡い黄色い線がとても綺麗です。

ヤマホタルブクロ

最後に、ヤマホタルブクロです。

ホタルブクロの変種で、花の色がやや濃いことや「がく」の間の反り返りがないことで同定できるようです。

花びらが分かれていない合弁花で、ふっくらとしていて可愛げがある花です。

箱根では、登山道沿いや道路沿いでも見ることができます。

箱根地域では、これから秋に向けて、夏とは違ったさまざまな植物を見ることが出来ると思います。

ぜひ涼しい箱根で、3密には気をつけつつ秋を堪能してみてください。

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2020年08月31日2020年の富士山の楽しみ方①「御中道」

富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒

まだまだ暑い日が続きますが、夏の短い富士五湖エリアでは、例年であれば富士山の夏の山じまいのお祭りである日本三大奇祭の「吉田の火祭り」(毎年8月26日・27日開催)の時期が過ぎ(今年は新型コロナウィルスの影響で中止になってしまいました、)、秋の気配を感じ始めています。

ススキやトンボも目立つようになってきました

(山中湖パノラマ台周辺 2020年8月29日撮影)

富士山が「閉山」という前代未聞の夏でしたが、そんな2020年の富士山の楽しみ方をご紹介したいと思います。

ご紹介するのは「御中道」です。

御中道は富士山を信仰する「富士講」の修行の道としても使われていた五合目付近を一周する約25kmの古道で、富士山に3回登った経験のある人しか巡ることが許されなかった、とも言われています。途中崩落し危険な箇所もあるため、現在では富士スバルライン五合目~御庭までの約2.5kmが通行可能です。

今年は2300m付近にあるこの御中道が山頂に一番近づくことのできる歩道です!!

森林限界より上に向かって行く山頂までの登山道と比べ、四季折々様々な植物を見ることができ、いつも

『今日はどんな植物に出会えるかな?』

とワクワクします。

最近はコケモモの実が赤くなりつつあります(採取は禁じられています)。また、溶岩や雪崩の跡、火口など富士山の自然を存分に感じられる私が大好きなルートです。アップダウンも少なく気軽にハイキングを楽しめます。

赤く色づいたコケモモの実

10月上旬頃からは紅葉が楽しめるようになります。特に例年10月中旬~下旬頃、カラマツが黄金に染まる景色は必見です。

初冠雪の富士山と黄金色に染まったカラマツ(2017年10月26日撮影)

モデルコース①


もう少し歩きたいという方は、モデルコース①のアレンジで、三合目のバス停で下り、精進口登山道をスバルライン五合目まで歩く(約120分)コースをプラスし、17:08のバスで下山というのもおすすめです。

なお、9月10日まで運行している富士山パーキングと五合目間を往復しているシャトルバスについては途中乗降ができないようですのでご注意ください。

また、上記モデルプランのバスの時刻については9月10日までのダイヤのため、変更になる可能性がありますので、最新情報は下記HPにてご確認ください。

富士急行バス(富士山駅・河口湖駅~富士山五合目 [富士スバルライン五合目]) 

【参考情報】

 奥庭・御中道トレッキングマップ(鳴沢村)[PDF 1.86MB].pdf


*御中道 標識設置工事のお知らせ*

環境省では9月中旬より御中道に標識工事を実施いたします。工事に伴う通行止め等はございませんが、工事期間中ご迷惑をおかけいたします。ご理解とご協力をお願いいたします。

設置後は植物や自然についての解説が充実します。より富士山のことを知りながら散策ができるようになると思いますので、お楽しみに!

富士登山オフィシャルサイト(御中道工事のお知らせ)


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2020年08月28日白浜巡視清掃

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

お盆は過ぎたというのに、日本列島各所で酷暑が続いていますね。

それでも、箱根事務所は室内にいると涼しく、扇風機でこの夏を過ごしています。

さて、箱根には芦ノ湖という湖があり、その湖畔に「白浜」という場所があるのをご存じでしょうか。

【芦ノ湖 白浜】

【白浜看板】

芦ノ湖西岸コース散策路の近くにあり、休憩するには素敵な水辺です。

対岸の駒ヶ岳という山を、きれいに見ることが出来ます。

カヌーのアクティビティに地元の観光ガイドさんたちが利用していたりもします。

先日はこの白浜の清掃に行ってきました。

BBQゴミの放置が全国で問題となっている昨今、この白浜でも出てしまいました...。

【置き去りのごみ】

BBQのごみ以外にも、釣りの道具が放置されていました。

(この糸に絡んだり、針を飲み込んだりして、水鳥が命を落としてしまいます。)

白浜は、国立公園の特別地域に指定されており、このような地域では自然公園法により、

テント設営には事前に許可を得る必要があります。(宿泊を目的としたテント設営は禁止です。)

また、火気の使用もBBQを含めて禁止となっています。

ですが、この白浜では最近そのような利用が増えているようです。

全部禁止と看板を設置したら、このような利用は無くなるのでしょうか?

でもそのような看板だらけの白浜は、果たして美しいといえるのでしょうか?

そして、本当にゴミの放置をやめてもらえるのでしょうか?

使う人たちのマナーが問われます。

美しい自然を保全しながらの使用を、皆さんに心がけてもらえると嬉しいです。

掃除をし終えると、ご褒美のようにカワセミが飛んできてくれました。

これはうれしい!芦ノ湖に喜んでもらえた気分です。

【カワセミ】

今後も定期的に、巡視清掃をしていきます。

自然の中で遊んだ後は、お弁当も水筒も、持ってきたものすべてを必ず持ち帰ってください。

何かを持ち込むのではなく、そこにある自然そのものを堪能してはいかがでしょうか。

きれいな白浜を、きれいなままで、誰もがずっと利用できますように。

マナーを守って自然と上手に付き合い、喜びや感動を分けてもらいましょう。

【清掃後の白浜】

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2020年08月21日今崎海岸 三宅島(伊豆諸島地域)

富士箱根伊豆国立公園 竹下実生

こんにちは。伊豆諸島管理官事務所の竹下です。

暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

7月上旬、梅雨の合間を縫って三宅島へ行きました。

気づけば一ヶ月以上経ってしまいましたが、巡視中に撮影した三宅島の景色を紹介したいと思います。

今崎海岸の海食洞

▲今崎海岸

今崎海岸は、三宅島の西側、阿古地区にある、溶岩流でできた海岸です。

写真右側の岬の下に、ぽっかりと穴が空いているのが見えるでしょうか。

長い年月の間に波が溶岩を削ってできた、アーチ状の海食洞です。

溶岩流を覆う植生とハマカンゾウ

▲溶岩流を覆う植生とハマカンゾウ

陸側へ目を向けると、溶岩流の上にたくさんのハマカンゾウが咲いていました。

こうして少しずつ、植生に覆われていくのだな、と感じます。

さて、ここでクイズです。

溶岩流でできている今崎海岸ですが、この溶岩流が実際に火口から流れ出したのは、今から何年前でしょうか?波の浸食や、植生の回復の度合いをヒントに考えてみてください。

①約20年前

②約80年前

③約400年前

答え:③約400年前

1643年(江戸時代)、今崎海岸の背後の火口で噴火が起き、大量の溶岩が流れ出して今崎海岸ができました。この時の噴火口は現在も残っていて、「コシキの穴」と呼ばれています。三宅島観光協会のホームページから写真を見ることができます。気になった方は、ぜひ検索してみてください。

【三宅島の観光情報】

三宅島観光協会

https://www.miyakejima.gr.jp/

・新型コロナウイルス感染症対策に関する情報 ※三宅島観光協会提供

新型コロナウイルス感染症に関する情報(三宅島観光協会提供)

三宅島における新型コロナウイルス感染症に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。

https://www.miyakejima.gr.jp/info/covid-19_information/

【三宅島の自然の情報】

アカコッコからの手紙 三宅島自然ふれあいセンターアカコッコ館

http://park10.wakwak.com/~miyakejima/

【ご注意ください】

令和2年5月25日に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が解除となりました。伊豆諸島では、自治体ごとに来島のガイドラインを掲げ、島内での感染拡大防止への協力を求めています(令和2年8月20日現在)。伊豆諸島へ旅行を計画されている方は、自治体のホームページで来島のガイドラインをよく読み、最新の情報を必ず確認してください。

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