富士箱根伊豆国立公園 下田
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2016年09月29日歴史の刻まれた島
富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光
伊豆半島の下田市にある恵比須島を紹介いたします。
(2016/09/27 恵比須島入り口)
この日は、気温28℃で天気がよく、暑かったのでシュノーケリングや磯遊びをしている方がいました。
海水はとても透明度が高く、小魚が泳いでいるのが橋の上からでも見えました。
ゆっくり歩いても、10分前後で1周できてしまう小さな島です。
島の周囲には波に浸食されて、平らになった磯があります。
(2016/09/27 恵比須島 南側の磯)
島には1周できる遊歩道が設置されておりますが、潮の満ち引きの具合で一部水没し、回れない場合もあります。今回は満潮近くの時間に行ってしまったため、1周することはできませんでした。
恵比須島は、神様に祈りを捧げる際に使用したと思われる土器が出土したり、かがり火の跡が見つかったことから古墳時代から奈良・平安時代にかけて海の神々を祀っていた島と考えられています。
江戸時代になると火山灰によってできた柔らかく加工しやすい岩は、切り出して石材として使われていたようです。
(2016/09/27 恵比須島 南側)
この跡も、昔採石してできたのかもしれないです。
小さな島でしたが、伊豆の歴史がたくさん詰まった島でした。
2016年09月26日自然がつくる芸術
富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光
今回は、伊豆半島の南に位置する下田の田牛サンドスキー場と竜宮窟をご紹介します。
(2016/9/21 田牛サンドスキー場)
これが田牛サンドスキー場です。巨大な砂の山は、想像以上に高く、上に登って下を見下ろすとちょっと怖いくらいです。この砂の山は海風が吹き上げた砂でできており、傾斜の角度は、いつでも30度。
安息角というもので、砂が崩れないギリギリの角度です。ここの場合は30度が安定で保たれているそうです。近くに斜面30度とだけ書かれた看板が立っていました。
(2016/09/21 竜宮窟)
サンドスキー場の隣にあるのが、竜宮窟です。
海によって削られて、洞窟ができ、天井が落ちて、このような状態になったそうです。
そしてこの竜宮窟は、上から覗くと
(2016/09/21 竜宮窟)
ハート型になっています。
自然は、なかなかオシャレなものつくりますね。
2016年09月13日天城山 上り御幸歩道巡視
富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光
天城山の上り御幸歩道の巡視に行きました。
最近雨が多かったので登山道の状況確認です。
上り御幸歩道で八丁池に向かい、下り御幸歩道で帰ってくるルートです。
(2016/09/09 上り御幸歩道)
何カ所か、雨の影響で土が流れて、足場の狭いところがありました。
歩く際は、十分に気をつけてください。
(2016/09/09 八丁池)
「天城の瞳」と呼ばれる八丁池は、ずれた断層のくぼみに水が溜まってできました。
雨の後は、池が増水して、歩道まで水が上がることがあるので注意してください。
昔は、凍った池をスケートリンクとして利用していたのですが今は行っていません。
(2016/09/09 下り御幸歩道)
帰りの下り御幸歩道は、アセビの木でできたトンネルを通ります。
アセビは馬酔木と書きます。読んで字のごとく、食べると馬を酔わすほどの毒を持っています。
アセビは、鹿や虫にも食べられません。動物は、毒があるって知っているんですね。
食べなければ害はないそうなので、安心して通ってください。
2016年09月07日火山の足跡
富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光
初めまして。
9月から下田自然保護官事務所に着任しました吉川と申します。
今回は、須崎御用邸で有名な下田市の須崎・爪木崎灯台の西側にある俵磯をご紹介します。
伊豆半島は、約1000万年前に火山が本島にぶつかりできた半島で、火山が作り出す自然を見ることができます。
(2016/09/07 俵磯 柱状節理)
柱状→柱のような、節理→規則正しい割れ
溶岩が冷え固まる際、均等に収縮してひび割れ、このような状態になります。
(2016/09/07 俵磯 柱状節理 上から撮影)
上から見るとクッキーみたいです。
(2016/09/07 俵磯 柱状節理)
おそらく柱状節理の一部
こういった岩が俵みたいだから俵磯になったそうです。
伊豆半島の玄武岩は、江戸城の石垣に使われていたのですが、ここ爪木崎の柱状節理の岩は、この風景を残すために使われなかったそうです。
(2016/09/07 俵磯)
最後に柱状節理のとなりに、ひょっこり立っている岩、何に見えますか?
プレーリードッグらしいです...
ご覧になる際は、足場の悪いところも多かったのでお気をつけください。
今回は、河津七滝と旧天城トンネルをご紹介いたします。
河津七滝は、大滝、出合滝、かに滝、初景滝、へび滝、えび滝、釜滝の七つの滝があります。
ここでは、「滝(たき)」→「たる、だる」と読みます。水が垂れる「垂水(たるみ)」という言葉からこの読み方になったそうです。
初景滝 「踊子と私」
川端康成の小説「伊豆の踊子」の「踊り子と私」の銅像がある初景滝や水しぶきをあげてダイナミックに流れる釜滝などそれぞれ違った表情を持っていて、とても美しい風景を見せてくれます。
釜滝
天気の良い日には、虹が見られるかもしれません。
これからの季節はきれいな紅葉と滝を楽しむことができます。
旧天城トンネル(天城山隧道)
河津七滝から車で20分ほどのところにあるのが、旧天城トンネル(天城山隧道)です。100年以上前、明治時代に造られたトンネルで、今でも車の通行ができる現役です。石造りのトンネルとしては、日本で最も古く、国の重要文化財に指定されています。
このトンネルは、幽霊が出るという噂があります。実際に歩いてみると思った以上に長く、上からは水がぽたぽた落ちてきました。明かりはありますが薄暗く、自分の足音が響き渡ります。とりあえず今回、幽霊はでなかったです。みなさん安心して利用してください。