日光国立公園 日光
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2020年12月21日奥日光での雪上パトロール(NPV)活動です!
日光国立公園 日光 大森健男
皆様こんにちは!日光ARの大森です。
このところの寒さで奥日光では、この時期としては大雪となっています。
そのような雪の季節の日光パークボランティア(NPV)の「雪上パトロール」活動の様子をお知らせします。
奥日光では、冬期はスノーシューやクロスカントリースキーを利用する方が多く、道迷いや湿原への入り込みなどを防ぐため、歩道のコース沿いに赤布やポールなどを設置しています。
この日のパークボランティアの活動は、三本松の展望台や小田代原への林内の歩道での赤布設置などを行いました。
赤布付け・・雪の中での目印です
展望台でのロープの設置
冬期活動(スノーシュー・クロスカントリースキー)の利用者の方への注意標識
天候急変など予期せぬリスクがありますので、十分な情報と装備をお願いします。
また、雪の下には、春を待つ貴重な植物が眠っています。
・・湿原への入り込み、植物の踏みつけはご注意を!
地吹雪の時は、コースの見通し悪くなり要注意です。また凍結した木道や階段も注意が必要です。
◇奥日光地域は、冬期は駐車場やトイレなどが閉鎖されている箇所があり、事前に、HP等で確認していただくようお願いします。
環境省日光湯元ビジターセンターHP
http://www.nikkoyumoto-vc.com/road/toilet.html
◇また、スノーシューやクロスカントリースキーのレンタルもあり、また、冬期のガイドツアーなどのあります。詳しくは日光市観光協会のHPをご覧ください。
http://www.nikko-kankou.org/event/1217/
寒い時期ですので、十分な服装と装備(車も)で、奥日光の冬をお楽しみいただければと思います。
2020年12月10日日光パークボランティア(NPV)活動です!
日光国立公園 大森健男
皆様こんにちは!
奥日光では雪道を歩く機会も多くなり、しっかりと防寒対策をしないとつらくなってきています。湯元温泉の湯気がとても愛おしく感じられる今日この頃です!!
そんな寒い小雪の降る中、戦場ヶ原でパークボランティアの方々と環境省日光国立公園管理事務所の職員による資材運搬作業を実施しました。
戦場ヶ原では昨年の台風により被災した木道の復旧工事を進めていますが、木道を解体した敷板材を再利用して、仮設歩道の「う回路」のぬかるみ対策に活用するものです。
木道や歩道を小車・リアカーで、階段は背負子・肩や手など、ありとあらゆる方法で運搬作業を実施しました。
戦場ヶ原に現れた「ボッカ?」隊 林間学校の子供たちからはご苦労様の声が
木道敷板の解体材・・水分を含んで重いのもあり マンパワーがすべて!
アクティブレンジャーも当然、主力?メンバー
「う回路」は通行止め区間の解消のため林間に作成された仮設歩道で、日光パークボランティア(NPV)の維持管理活動にお世話になっています。
「迂回路ぬかるみ対策などの維持補修活動」
日光パークボランティアは昭和60年(1985年)に設置され、主に奥日光を活動の場として現在58名が登録されています。
国立公園でのゴミ拾いや看板拭きをする清掃活動、動植物の調査、自然ふれあい活動などを通して、魅力的な奥日光の自然を伝えるとともに訪れる方々が気持ちよく国立公園を利用出来るような活動を続けています。
「開花調査活動」・・・旬の花・植物を調査し、ビジターセンター掲示板等に表示して日光の自然を紹介
「外来植物除去作業」
・・暑い夏、オオハンゴンソウやメマツヨイグサなどの抜き取り作業
これから奥日光は雪の季節で、スノーシューやクロスカントリースキーの利用者も多くなり、パークボランティアの活動は赤布付けや利用の指導などの「雪上パトロール」活動が中心となります。
このように四季を通じて奥日光ではNPVが活動しています。
パークボランティアを見かけたら、ぜひお気軽にお声かけください。奥日光が大好きな人たちばかりですので、いろいろな話しが聞けると思います。
2020年11月02日誰の足跡?
日光国立公園 日光 池田理恵
こんにちは。
日光国立公園管理事務所の池田です。
奥日光の小滝-泉門池の湯川沿い歩道は現在、通行止めになっていて、
その迂回路が西側の広葉樹林の中を開設されています。
10月初旬の朝9時頃、その迂回路を歩きました。
落ちたドングリを眺めながら歩いていると・・・・・・
ぬかるみの中に早速足跡を発見!
分かりますでしょうか?
蹄が2つ、平行に並んでいます。
奥日光でこの足跡といえば・・・・・・ニホンジカです。
戦場ヶ原周辺は、湿原の植物がシカに食べられるのを防ぐためにシカ柵で囲われているのですが、柵の中でうろついているシカがいますね。
さらに歩いて行くと・・・
あっ!これは!
5本指に縦に長い肉球といえば・・・・・・クマの後足ですね!
あまりにもくっきり残っていたので、感動してしまい、計測するのを忘れてしまったのですが、だいたい長さ15cm、幅10cm 程だったと思います。
よく見てみると、右上に毛の跡も付いています
クマの足跡は前足と後足の形が違い、後足は人間と同様にかかとが地面につくので、前足よりも縦長の形になります。
【クマの前足】
迂回路はぬかるんでいる場所が数箇所あり、歩きにくい歩道ではありますが、そのぬかるみには動物の痕跡がはっきり残っていることがあります。
昼間に人間が通った場所を、夜間は動物が利用しているのだと実感できます。
もし迂回路を通る時は動物の足跡を探しながら歩いてみるのも面白いですよ。
また、冬になり雪が積もるときれいな足跡を見ることができます。
雪上の足跡コレクションが揃ったら、このアクティブレンジャー日記にてご紹介したいと思います。
戦場ヶ原周辺を歩く際は歩道上の案内看板を確認していただきますようお願いいたします。
湯元ビジターセンターのHPでも歩道などの状況を確認できます。
〈歩道・道路状況〉 http://www.nikkoyumoto-vc.com/road/
〈戦場ヶ原通行止め・迂回路お知らせ〉 http://www.nikkoyumoto-vc.com/new/oshirase_d.html?0:2262
2020年08月24日奥日光のクマと果実
日光国立公園 日光 池田理恵
初めまして。
日光国立公園管理事務所の池田です。
8月11日、戦場ヶ原を巡視していたら、ツキノワグマに遭遇しました。
ガサッと音がした方向を見ると、10m先にな体長1mほどのクマが木の根元から湿原の方に走り去っていきました。
一瞬の出来事だったため、クマの動きを見ていることしかできませんでした。
クマスプレーなど身を守る物を持っていなかったため、こちらに向かって来なかったのは幸いでした。
ところで、人の多い戦場ヶ原でクマは何をしていたのでしょうか?
木登りをしている最中に人間に気づき、あわてて木から下りてきたところだったのでしょうか。
樹形や場所を考えると、近くにあった木はズミの可能性が高いです。
〈ズミの花〉6月頃に開花
今の時期は青リンゴのような果実がついており、11月にかけて段々と赤くなっていきます。
〈ズミの果実〉
図鑑で調べてみると、ズミの漢字表記は「染み」と「酸実」のふたつがありました。
「染み」は樹皮を染料としたことから、と書かれています。
「酸実」は文字通り、食べると酸っぱいからでしょうか。
クマはそんなズミの果実を食べていたのかもしれません。
戦場ヶ原にはズミ以外にも可愛らしい果実を見ることができます。
〈ミヤマザクラの果実〉
〈ニッコウナツグミの果実〉
これからの季節は果実が増えていき、クマや鳥などの大切な食べ物となります。
戦場ヶ原周辺はクマの目撃情報が多く寄せられています。
クマなどの野生動物の生活圏に人間がお邪魔していることを忘れずに、気をつけて歩きたいですね。
奥日光のクマ出没情報は【湯元ビジターセンターHP】から確認することができます。
2020年06月18日奥日光に「初夏」が来た!!
日光国立公園 日光 大森健男
皆様こんにちは!日光のアクティブレンジャーの大森です。
ようやく奥日光もミズナラの新緑とエゾハルゼミの大合唱の時期となりました。
奥日光の中禅寺湖畔の様子についてお伝えします。
中禅寺湖の西方に周囲約1.5kmの小さな湖「西ノ湖」があります。かつては中禅寺湖の一部でしたが、長い年月を経て、切り離された遺留湖(いりゅうこ)です。
流入する大きな川がなく、季節によって水位の変化が大きい湖です。このため湖畔にはヤチダモの林がみられます。
「西ノ湖とヤチダモ 静かな神秘的な湖です!ハルニレやミズナラの巨木林も見られます。」
西ノ湖から千手ヶ浜方面へ足を運ぶと、平坦な湖畔沿いの道には、ミズナラの林が続き、森の中は、エゾハルゼミの鳴き声が響いています。
「明るいミズナラの林」
林床は、ニホンジカの不嗜好植物のマルバダケブキが一面に広がっています。
お気づきかもしれませんが、先ほどの西ノ湖の写真でも下層植生が衰退しています。
奥日光では、シカの食害や湿原などの貴重な植生を保全するため、平成13年に戦場ヶ原など国立公園特別保護地区を含む面積980ha、総延長約17kmのシカ侵入防止柵を設置しています。
ニホンジカによる被害などの状況については、別の機会に報告いたしますが、シカによる森林植生の破壊が深刻となってきています。
湖畔の様子の続きですが・・森を抜けると、抜けるような空と湖が現れます。
「中禅寺湖千手ヶ浜より北岸・男体山のながめ」
「千手ヶ浜のクリンソウ」
千手ヶ浜ではクリンソウの群落が広がります。写真は先週の様子ですがちょうど見頃でした。
例年ですと多くの方が訪れる人気スポットですが、現在は西ノ湖・千手ヶ浜方面への赤沼からの低公害バスが運休中です。
また、中禅寺湖周回線歩道の北岸の工事も行われており、通行止めとなっています。
こちらの方面へのアクセス情報にはご注意願います。
「戦場ヶ原 ワタスゲとズミ」
本年は、ズミやワタスゲの当たり年?だったそうで、今はズミの見頃は過ぎてしまいましたが、これからはワタスゲとレンゲツツジの白とオレンジ色の共演が見られます。
これからの季節、自然の移り変わりが楽しみな奥日光です。
日光湯元ビジターセンターも6月1日より開館となりましたが、今後の状況により、変更することもありますのでご注意願います。
また、昨年の台風等の被害でところどころ歩道の通行止め箇所があります。
奥日光にお越しの際は、関係HP等でご確認をお願いします。
○奥日光の歩道の状況について
・日光湯元ビジターセンターHP http://www.nikkoyumoto-vc.com/
○中禅寺湖周回線歩道の状況について
・栃木県県西環境森林事務所HP
http://www.pref.tochigi.lg.jp/d51/documents/syuukaisenn.pdf
○低公害バスの運行について
・日光自然博物館HP https://www.nikko-nsm.co.jp/
2020年03月09日男体山を眺めてみよう!
日光国立公園 日光 村田麻理沙
みなさん、こんにちは。
日光国立公園管理事務所の村田です。
今回は、眺める場所によって、さまざまな表情をみせる
男体山の魅力を紹介したいと思います。
今回は、冬でも男体山を身近に感じることができるスポットを選んでみました。
まず、1の明智平からの眺めです。
左側の大きい山が男体山です。
このような眺めは、ロープウェイからも見ることができます。
次に、2の中禅寺湖畔、歌ヶ浜からの眺めです。
1の明智平からの眺めとは、形も雪の量も違いますよね。
この日は、「しぶき氷」を見ることができました。
「しぶき氷」とは、氷点下の環境で強い風にあおられた湖水の波しぶきが
樹木などに氷結して付着する現象です。
最後に、3の戦場ヶ原からの眺めです。
先ほどの2箇所からの眺めとは、また違いますよね。
この撮影日の前日は、日光市では大雪警報がでていましたが、
この日の日当たりのよい木道では、雪が無い状態でした。
ベンチに座って、男体山をゆっくり眺めることができます。
春の訪れはもう少しでしょうか。。
皆様こんにちは!日光国立公園管理事務所ARの大森です。
2月の奥日光は、雪が降ったり暖かくなったり、時には地吹雪がまったりと目まぐるしく変わり、気温の変化もいろいろです。
このような時期の奥日光の自然や冬の楽しみ方をご紹介します。
中禅寺湖から見るまっ白な「日光白根山」
◇中禅寺湖畔
冬は激しい風が吹き荒れ湖面に白波が立つ日が多いのですが、ふと風が吹かない日が訪れます。このような日は、湖面が鏡のようになり思わず足を止めて湖面を見入ってしまいます。
湖面に映った「半月山」・・手前は湖畔プロムナード
半月山は中禅寺湖南岸に位置し、春にはアカヤシオのピンクの花が咲き、男体山と中禅寺湖が一緒に望めるビュースポットです。半月山周辺は、地質的には奥日光ではもっとも古く後期白亜紀から古第三紀の地質だそうです。足元を見ると・・恐竜がいたころの地質と思うと考え深いです・・そんなことを思いながらのグリーンシーズンのハイキングも楽しそうですね!
◇三本松駐車場
冬季オープンしている駐車場で公衆トイレもあります。クロスカントリースキーやスノーシューのレンタルもあります。
バードウオッチングにはおすすめの場所です。去年の夏はズミの当たり年だったのでズミの実をついばむヒレンジャクなどの群れも見られることもあります。
三本松駐車場とバードウオッチング
◇光徳駐車場周辺
光徳はクロスカントリースキーやスノーシューで楽しむ方も多いところです。静かな雪の光徳沼や牧場などを散策するのも楽しいですね!
クロスカントリーを楽しむ人たち
幼稚園生の雪遊び・・斜面を滑り降りて・・楽しみ方はいろいろです。
◇湯元スノシューコース
湯元は積雪量もあり、パウダースノーの中を歩けることが魅力です。3つのスノーシューコースが整備され、それぞれコース標識にそって自分のペースで歩くといろいろな発見があると思います。
「金精の森」コース
コース案内板が要所に設置されています。「小峠コース」と「石楠花平コース」の分岐。
スノーシューなどのレンタルは日光湯元ビジターセンターで。こちらではコースの情報や冬の楽しみ方のアドバイスもあります。
※日光湯元ビジターセンター & コース案内図
http://www.nikkoyumoto-vc.com/hiking/winter.html
雪の季節に訪れることのできる蓼の湖(たでのうみ)・・神秘的です。
まだまだ寒い季節が続きます。風が強いと見通しが悪くなる時もあります。冬の奥日光を楽しむには、十分な装備と暖かい服装で、時間に余裕をもってお越しいただくのが一番です。
また、奥日光へ行かずにも日光が楽しめる耳寄りな情報です。
現在、宇都宮市にある栃木県立博物館で「ちょっとディープな日光の自然ガイド」と題した、企画展が3月28日(日)まで開催されています。名前のとおり奥日光の自然の魅力をわかりやすく深く紹介しています。 詳細は下記のとおりです。
http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/kikaku/20210116nikko/index.html
「ちょっとディープな日光の自然ガイド」企画展
・・・奥日光の動物たちが一斉に出迎えてくれます。
とてもまとまった展示内容(ちょっとディープなところもありますが)です。一見の価値はあります。
展示内容が集約されているガイドブック(図録)も販売されているようですので、興味のある方はぜひ一読して奥日光に出向かれると新たな発見があるでしょう!