ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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日光国立公園

147件の記事があります。

2014年09月02日大人も子供も外来生物駆除活動!

日光国立公園 吉川 美紀

ただいま那須は秋を迎え始めています。
那須岳にはリンドウが咲き始め、夏から飛び回っていたアキアカネたちは真っ赤になってやっと赤とんぼらしくなりました。もう少ししたら山の木々も色づき始め、いっそう秋らしさが深まるでしょう。

さて、そんな秋が来る前に咲く黄色い花、特定外来生物・オオハンゴンソウの駆除活動を8月30日に行いました。
サッポロビール株式会社那須工場さんが主催する、社会貢献活動として開催されたイベントで外来生物駆除活動にご協力いただき、私は講師として参加しました。
イベントのテーマは「生物多様性保全活動について」です。
まずは那須高原ビジターセンターにて、「生物多様性」と「外来生物」について勉強していただきました。

(AR吉川レクチャー中)
今回のレクチャーで生物多様性って聞いたことはあるけどどういうこと?外来生物は何で駆除するの?といったみなさんの「?」を少しでも解消できた(ならいいなぁ)と思います。ぜひ周囲にもその知識を自慢して、教えてあげてください!

勉強会の後は、外に出て実際に駆除活動開始です。今回は八幡つつじ園地にて駆除活動を行いました。ツツジに紛れたオオハンゴンソウを、大人も子供も一緒になって引っこ抜いていきます。オオハンゴンソウは黄色い大きな花が咲いているととても見つけやすいので、子供たちにもすぐに見つけることができて立派な戦力となってくれました。

(駆除活動中)
1時間程の作業でしたが、推定約8000本のオオハンゴンソウを駆除できました!
作業前は辺り一面黄色い花が咲いていたオオハンゴンソウ畑が、作業後には元のツツジの園地に…!積み上がった駆除成果物と周囲を見て、みなさん思わず「おぉ…」とこぼしてしまうほどの成果があげられました。

(駆除したオオハンゴンソウと一緒に集合写真)
ぜひ今回参加して頂いたみなさんには、これからも自分の身近な自然に何が起きているのかを観察し続けて頂きたいと思います。

これからも、今回のイベントを始め、自分の周りの自然について学べる機会をお手伝いして行きたいと思います!ぜひ、みなさんも自分たちが生きる自然について考えてみませんか?

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2014年08月07日オオハンゴンソウ等外来植物除去作戦!

日光国立公園 中野純

奥日光地域の生態系に大きな影響を及ぼす要因の一つとして、特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウをはじめとした外来植物の定着、繁茂が挙げられます。

下に示した写真は1971年(43年前)と2014年(今年)に小田代原で撮影された風景写真です。


1971年8月 写真:吉原博司



2014年8月

「昔は黄色のお花がいっぱいでキレイだなぁ~」っと思っている場合ではありません!
この黄色のお花をつけた植物がオオハンゴンソウなのです。

オオハンゴンソウは外来植物の中でも、草原や湿原、森林の中にどんどん入り込んでゆき、もともとの生態系(在来の生態系)を大きく変えてしまう場合があり、こうした種は「侵略的な外来種」と呼ばれています。

1971年当時は小田代原だけではなく、奥日光の広範囲でオオハンゴンソウが繁茂していました。1976年より様々な団体やボランティアの協力のもと、オオハンゴンソウの駆除作業が始まり、今では写真のとおり黄色い花をつけたオオハンゴンソウは見られなくなりました。
しかし、多くの外来植物は繁殖力が強く、継続的に駆除作業を行う必要があることから、今でも「オオハンゴンソウ等外来植物除去作戦」として駆除作業が続けられています。
今年は8月10日(日)に実施する予定ですので、ぜひご参加ください。
詳細はこちら↓
http://www.city.nikko.lg.jp/nikko-kankou/kankou/nikko/event/documents/20140810.pdf



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2014年07月31日人間の忘れもの

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 まずは、写真から。


 巡視の際に見つけた糞(おそらくキツネ)です。それをよく見ると、赤い輪ゴムがあるのがおわかりでしょうか。排泄されたからよかったものの、体内に留まっていたことも確かですし、これ以外の人工物を口に入れている可能性もあります。
あらためて人間の自然への影響について考えさせられてショックでした。そして、今回の巡視のショックは続くのです。



 次は、落ちてしまったのか、何かあったのか・・・、園地に丸ごと放置された中身の入ったお弁当。私が拾っているそばで、カラスがじっと見ていました。食べ物を狙っていたのかもしれません。たとえ落ちてしまったのだとしても、このままですと野生動物が人間の食べ物の味を覚えてしまう原因になりかねません。仮に、何かの動物が食べ物などに手を出してくる行為があったとしても、もとを辿れば、落としたゴミや、ゴミ箱に捨てたとしても誘引してしまうような環境だったり、あるいはマナーを知らない人が食べ物を与えたりなど原因があって味を覚えてしまった…という発端は人間側にあることが多いです。



 そして、木道沿いのササ藪に投げられていたティッシュ。これも木道沿いに今回は20個近く拾いました。以前にも、鼻血を拭いたと見られるものが道沿いに堂々と点在して捨ててありました。正直いうと、拾う側も特にティッシュの塊はとても抵抗があり、できるものなら拾いたくはありません。ここは、ゴミ箱ではないですよ?トイレでもないですよ?

 自然にかえると思ってか、誰か拾うと思ってか、故意に捨てていく感覚はよくわかりません。中には落ちてしまったものもあるでしょう。自然にかえるものとかえらないものもありますし、一見かえりそうなものであってもとても時間もかかり、またここで分解する必要のないもので自然の異物には他なりません。捨てられたものを見て、それをしてもいいと無意識に真似する人もいるかもしれません。ゴミを拾うのは、ありのままの豊かな自然を自然のままに見て利用してほしいから拾うのです。ゴミが無いにこしたことはありません。

 夏休みを日光国立公園で過ごそうと足を運んでいただいたのなら、自然のために人のために、より気持ちよく過ごせるようにごみの持ち帰りにご協力をお願いします。

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2014年07月28日地元の高校生たちと外来生物駆除活動!

日光国立公園 吉川 美紀

先週の木曜日に、栃木県立那須高校の生徒が参加する那須町清掃ボランティア活動が実施され、当事務所もイベントのお手伝いとして参加しました。
この活動は、地元への社会貢献を目的に生徒の中から有志を募って続けられている行事で、那須平成の森が開園した年からは環境省が実施している日光国立公園内での外来生物駆除活動にも協力していただいています。
外来生物とは何か、なぜ駆除するのかということを事前の講義や活動を通して伝えられるように、また、生徒たちが地元のために働いたと思えるような活動にできるように、お手伝いさせてもらいました。

活動当日は40人ほどの生徒が参加してくれて、一緒に道路脇を歩きながら外来植物を探しました。本日メインの駆除対象は特定外来生物のオオハンゴンソウです。
生徒たちは事前の講義を思い出しながら「ハルジオンも外来生物だったよね?」「オオハンゴンソウは葉っぱの裏が見分けるポイントだったはず」などと口にしながら歩いていました。

(駆除活動中)

まだオオハンゴンソウは花が咲いていなくて見分けるのは大変だったと思いますが、みんな葉をよく見て判別してくれていました。現在のオオハンゴンソウは2m近くの高さになるものもいて、絶好調に成長してしまっています。

(AR吉川とオオハンゴンソウ、身長同じくらい)

サポートメンバーとして、普段定期的に開催している外来種駆除活動にご協力いただいている地元の方々も参加してくださいました。生徒たちは実物のオオハンゴンソウを見ながら、判別の仕方や地下茎の仕組みについて教わりました。

(実物のオオハンゴンソウを見ながらレクチャー中)

この那須高校との外来種駆除活動は今年で4年目となり、毎年同じ場所で開催しています。活動初年度に比べてオオハンゴンソウの駆除株数はずいぶんと減ってきており、駆除活動の効果が実感できるようになってきました。「オオハンゴンソウあんまり無かったね」という声が聞こえましたが、それが今までの皆さんの活動の成果なんです。
那須高校のみなさん、今年もおつかれさまでした!

これからも地域の皆さんと共に、那須の自然を守る活動を続けていきたいと思います。
継続は力なり!外来生物がいなくなるその日まで、私たちの活動は終わりません!

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2014年07月11日ツキノワグマの生息地

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 今の時期、戦場ヶ原周辺ではノハナショウブやハクサンフウロの花など彩り豊かで、平日であっても観光客や団体利用者で賑わいを見せています。それだけ大勢の人もいて、また動植物の動きも活発な時期となると、自ずとある野生動物の目撃情報も出てきます。その動物とはクマのことで、このあたりで言う“クマ”は「ツキノワグマ」のことです。

 巡視中、公園利用者からよく耳にするのが、「クマが出たのですか!?」と驚きを交えたフレーズです。日光国立公園は、もともとツキノワグマの生息地なので「出る」ものではなく「いる」ものです。彼らの生息地に、木道や遊歩道を設け、人間側がクマの生息地にお邪魔する形なのです。国立公園を含めた自然公園は、都市公園とは異なり、自然の風景地をそのまま利用してつくられた公園ですから。
 ちなみに、クマが「いる」ということは、諸説ありますがツキノワグマはアンブレラ種とも言われ、それだけ豊かな自然があるという指標でもあるそうです。だから、皆さんも訪れたくなるような自然豊かで魅力的な地でもあるのだと思います。

 クマの注意喚起の看板の中には、注意の意識を促すために牙がむきだしで、一見すると人間を積極的に襲うかのように捉えられるものも少なくありません。本来、ツキノワグマはおとなしい性格で、雑食性ですが植物を主食とする野生動物です。とはいえ、体長は成獣ともなると110~150cm、体重は80~120kg、木登りが得意なため長く鋭いツメをもち、走れば時速40kmものスピードがあるそうです。
それだけ人間との体格や性質の違いがあるので、それが人間もクマも望まぬ形で出遭ってしまえば、事態によっては事故になってしまうことも確かです。
 そのような事態を避けるためにクマが未然に注意をするということは無理なので、人間側がツキノワグマの生態を知っておくことが大事であり、人間側が注意をして出遭わないよう努めることが、互いにとって最善です。それが、彼らの生息地を利用する私たちのマナーのように思います。

 これからの時期、クマは、花や実、昆虫などを目当てに活発に活動しています。無我夢中になって採食していたり、移動していたり、また好奇心旺盛な仔グマもいることでしょう。その場合、母グマが必ず近くにいるので一番要注意です。また近年の傾向として、人間を警戒しないクマも中にはいるようです。「子連れ」・「人の接近に気づかず突発的に遭遇した場合」は、驚いて仔グマや自分を守るために攻撃行動をとるということがあります(クマも人間も同じですね)。

 やはり、お互いのために、遭わないことが一番の得策です。事前に、最寄りのビジターセンターや情報センターで最新の目撃情報を確認し、どのような対応をしたらいいかご確認の上、お出かけください。

◆奥日光クマ目撃情報(日光湯元ビジターセンター)
http://www.bes.or.jp/nikko/vc/osirase/kuma/mokugeki.html

◇日光湯元ビジターセンター http://www.bes.or.jp/nikko/vc/
◇赤沼自然情報センター(日光自然博物館) http://nikkonsm-akanuma.blog.ocn.ne.jp/about.html

◆環境省「クマに注意!」https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-4a/kids/full.pdf


この掲示物を見たら、最近この付近で目撃された場所ということです。ご注意ください!



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2014年06月30日大峠~三本槍岳巡視

日光国立公園 吉川 美紀

先週、日光国立公園の福島県側、大峠から三本槍岳登山道の巡視に行ってきました。
大峠分岐から尾根をつたって三本槍岳山頂を目指しました。
この日はしばらくぶりに天気に恵まれ、尾根からの眺めは最高!
下郷町を一望し、沼原調整池を眺め、鏡ヶ沼を見下ろし、三本槍岳山頂からは茶臼岳も拝めました。
まさに稜線の巡視日和!


(三本槍岳山頂から見た茶臼岳)
画面真ん中の岩肌むき出しな茶色い山が茶臼岳です。
他の山々と一緒に見ると、やはり全く緑の見えない茶臼岳は異質ですね。

そして、大峠~三本槍岳間の稜線は展望もさることながら、足下にも見所が!
小さな花たちがそこら中に咲き誇っていて、歩道の脇は小さなお花畑状態です。
景色を見ながら、足下も見て、背伸びして写真撮って、屈んで写真撮って…大忙しでした。
もちろん登山道のチェックもしながらですよ(笑)。


(左上から時計回りにイワカガミ、ハクサンチドリ、ウラジロヨウラク、アカモノ)
この他にも、クルマムグラやカラマツソウも確認しました。

景色と花を楽しんだ後、三本槍岳山頂から鏡ヶ沼方面へ下山。
鏡ヶ沼には今回の巡視で密かに楽しみにしていたモリアオガエルが…!
そこかしこにいるじゃありませんか!


(モリアオガエルのペア)
思わず地面に這いつくばって間近で観察、カメラのシャッターを連写してしまいました。

今回の巡視で確認した、登山道の状況や生きものの情報などは、那須高原ビジターセンターで配信しています。ササや低木が茂っていて足下が見えにくい場所や、急な斜面を下りるような歩道もあるので十分ご注意ください。
登山の際は事前の情報収集と装備の確認をお忘れ無く!
時期の生きもの情報を仕入れていくと、よりいっそうその場所を楽しめると思いますよ。

↓那須高原ビジターセンター↓
http://www.nasuheiseinomori.go.jp/vc/

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2014年06月23日希少種コウシンソウ!

日光国立公園 中野純

6月20日(金)、庚申山に自生する食虫植物コウシンソウの現況把握を目的として日光国立公園の南西に位置する庚申山を巡視しました。

このコウシンソウは、栃木県と群馬県(日光山中)にのみ自生し、また、環境省や栃木県の絶滅危惧種に指定されている希少且つ絶滅が危惧される植物です。さらに、庚申山の本種自生地は、その代表的なものとして特に価値が高いことから文化庁の特別天然記念物にも指定されています。

さて、休憩を入れながら歩き続けること約3時間、ありました!コウシンソウです!



コウシンソウ群生 元気そうに咲いていました。

急峻な岩壁に数十株ほどのコウシンソウを確認できました。若干花色は薄かったですが、開花の時期を迎えていました。

花をよく観察していると、スミレと似ていることに気づきました。スミレと親戚な関係ですかね。



花拡大 スミレっぽい?

生育状況は例年同様とのことです。

ただ、近年はコウシンソウ目当ての登山者によって、本種自生地周辺の植生が踏み荒らされたり、盗採を疑わせる痕跡が目につくようになってきました。



剥がされた岩壁のコケ

コウシンソウの見頃は今月いっぱいまでとのことです。

これからコウシンソウを見に行く方は、しっかりとした登山用の装備をしましょう。そしてコウシンソウを見つけた場合は、そっと見守るよう心がけましょう。

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2014年06月09日那須岳より思わぬお土産

日光国立公園 吉川 美紀

5月末に那須岳登山道の巡視に行ってきました。
目標は三本槍岳の山頂だったのですが、途中で小雨が降り出してしまいました。
進行方向の山頂が真っ黒な雲で覆われ始め、これは嫌な空だなーと思っていたら雷まで鳴り始める始末。

(進行方向がどんどん真っ暗になっていきます…)

とどめには進行方向から来た登山者の方から”ひょう”が降り始めたよ、と情報を頂いたので途中で引き返して下山することを決断しました。

下山コースは予定になかった道を降りたのですが、そこには嬉しい発見が!
なんと歩道の脇にミネザクラが満開でした。

(目の前に薄ピンク色の花が!)
巡視の目的は果たせなかったけれど、代わりに良いお土産をもらった気分です。
無茶をせず、早めの決断を下したご褒美でしょうか(笑)。

天気予報が晴天でも、山の天気は変わりやすく急変することもあります。山頂は雷雨だったのに、麓まで下りてきたらまぶしいくらいの晴天だったということもあります。
登山の際にはくれぐれも無理をせず、途中で引き返す勇気をお持ちください。
もしかしたら、思わぬお土産をもらえるかもしれませんよ!

事前の準備も万全に!
↓那須高原ビジターセンターでも登山道情報を発信しています。
http://www.nasuheiseinomori.go.jp/vc/

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2014年06月06日戦場ヶ原の色々

日光国立公園 櫨木 めぐみ

当事務所では、日光国立公園の戦場ヶ原周回線歩道の利用者を把握するため、赤沼分岐と北戦場ヶ原に登山者カウンターを設置して利用者数の自動計測を実施しています(5月~11月)。そのデータの回収作業のため、戦場ヶ原を巡視してきました。

登山者カウンター 計測中なのでこの前では立ち止まらないでくださいね。

戦場ヶ原周辺の木々は、緑色がだんだんと濃くなってきており、湿原も全体的に緑色になってきています。この時期、その緑色の中に遠目でもわかる白色や淡いピンク色が見られます。
その色の正体の一つは、ズミです。歩道沿いでは頭上をズミの蕾や花が覆いはじめています。ズミはバラ科リンゴ属で、蕾は確かにバラに似たようにも見え、濃いピンク色です。それが開花するに連れて白色へと変わるので、今はそのグラデーションが楽しめる時期でもあります。真っ白なズミのお花見のピークは間近です。

左から順に蕾から開花❀

もう一つは、ワタスゲの果穂です。湿原には白い絨毯のようなワタスゲの綿毛がホワホワと風にゆれていました。レンゲツツジの花はまだ見られませんでしたが、あともう少しすると白いワタスゲとオレンジ色のレンゲツツジとのコラボレーションが見られます。

ワタスゲに癒やされます

戦場ヶ原を横断する国道沿いからもワタスゲの果穂やズミの花が見られます。とはいえ、脇見運転はもちろん、路上駐車をしての撮影は危険ですので駐車場にとめて歩道からゆっくり観察してください。この時期、歩道から見られる花はピンク色のヒメシャクナゲやミヤマウグイスカグラ、紅紫色のトウゴクミツバツツジ、白色や青紫色のスミレ科、黄色いミツバツチグリやクロミノウグイスカグラなどいろいろな色が満載です。梅雨入りのお花見にいかがですか。

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2014年05月30日鳴虫山巡視

日光国立公園 櫨木 めぐみ

昨日、登山口が事務所から徒歩圏内にある鳴虫山の巡視に行ってきました。鳴虫山は、日光市街地に近い1104mの山で、駅からのアクセスもよく、日光市観光協会などでハイキングコース(上級)としても紹介されている日帰り登山の山です。

今回は、駅寄り東側の登山口からスタート。夏のような陽射しで巡視日和かと思いきや、登りはじめて間もなく日光連山の山々が黒い雲に覆われ、その奥で雷鳴が轟いていました。様子を見ていましたが、黒い雲はそのまま南下して奇跡的に天気を持ち越しました。

曇天の中(左:矢印部分)から午後顔を出した女峰山(右)
 
鳴虫山という名から虫に由来があるのかと思いましたが、聞こえてくるのはツツドリやカラ類の鳴き声くらい。調べると、この山に雲がかかると雨になることから“泣き虫山”と呼ばれ、転じて鳴虫山となったようです。この日の巡視中は、山に雲がかからなかったようですね。

鳴虫山は、天候に恵まれれば日光市街や日光連山の展望がよく、春にはカタクリやツツジ科、秋には紅葉が楽しめるそうです。今回、ツツジの最盛期には一足遅かったようですが、緑がきれいな時期でわずかに残っていたヤマツツジが緑の中で際立っていました。登山道は、ほぼ稜線を境に南側に人工林、北側に落葉広葉樹林が広がっており、森の違いが面白いほど明白に観察できます(特に東側から山頂付近)。ただ、この登山道は傾斜がきつい箇所もあり、道のコンディションがいいとはいえない箇所もあります。

ヤマツツジ(左上)、稜線は森の境界線(右上)、傾斜の様子(下)

鳴虫山は、ハイキングコースという設定やアクセスの良さから手軽さもアピールの1つのようですが、靴などの装備、体調、天候(雨天時、雨天後はおすすめしません)、時間配分など「登山」と思って備えをした方がいいコースという印象を受けました。特に鳴虫山山頂から西側のコースは、急傾斜な上に岩や砂礫、粘土質の土が露出し、晴れていても滑りやすいのでご注意ください。そこを抜けると、清涼感漂う憾満ヶ淵(かんまんがふち)や化け地蔵で有名な慈雲寺へと通ずるルートでもあり、無理なく山行に望めば日帰り登山としては十分に楽しめるコースの山です。

憾満ヶ淵(左)と化け地蔵(右)

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