ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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日光国立公園

154件の記事があります。

2015年02月06日氷の世界

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 日光国立公園の季節限定の絶景の一つ、念願の雲竜渓谷の巡視に行ってきました。その見所の雲竜瀑は普段は水量が少なく、それゆえに冬には氷瀑となることで有名な滝です。

 この日は早朝出発し、グッと気温が冷え、それでいて快晴という恵まれた氷瀑日和でした。特殊な場所への巡視ということで、事前準備はよりしっかりと、特に必須アイテムはヘルメットとアイゼン、ピッケル(ストック)でした。不慣れなアイゼンを装着し、複数箇所の渡渉もありましたが、アイゼンのグリップと自分のバランスを信用して、だんだんとコツがつかめてきました。

 そうして足を進めていくと、渓谷の両側に点在していたツララや氷柱が面となり、氷壁として目の前に飛び込んできました。「友不知」と言われる氷壁です。氷の世界の入口かのように堂々と佇んでいます。陽に当たるとキラキラときれいなのですが、陽がよく当たるということは、より溶けやすく崩落する危険な箇所でもあるそうです。

 次の燕岩では、スケールの大きいつららや氷柱、氷壁が続く景色が広がっていました。しかも、なんと氷の滝のような氷柱の裏に回れます!とはいえ、裏に回るということは、つららなどの真下を通ることにもなるので安全第一の上です。壁と床が氷で、また氷の色が幻想的で言葉になりませんでした。







 私たちは、ハーネスやザイルなどの装備があったので安全を確保しながら狭い巻道をトラバースし、奥を目指しました。すると、目の前に真っ直ぐ氷結した壮大な雲竜瀑が現れました。氷瀑でありながら、一部溶けていて水の音も聞こえていました。写真に納めきれない大きさで圧巻でした。
右下に利用者。圧倒的な大きさがわかります。

 当巡視では雲竜氷瀑巡視の経験者との同行ということもあり、つららや氷柱そばのルートは使用しないよう迂回し、安全を確保しながら巡視していました。その間も、気温が上昇して氷が溶け、小さなものから大きなものまで氷塊が落ちる音が渓谷に響いていました。

 他の利用者の方もヘルメットやアイゼン等を装着している方が多く見られましたが、ヘルメットをもっているのに装着しない方、しかも氷塊が落下しているそばのルートを選んで歩いているにも関わらず被る気配がない方も見受けられ、大変危険でした。また、私たちの帰路で行き違う方も見られ、より氷が溶けやすい時間帯の利用者も見られました。気温が高くなると氷が溶け落ちるため、活動する場合は氷が締まっている寒い午前中の方がいいでしょう。その年の気候の傾向により前後するでしょうが、「2月10日を過ぎたら雲竜に入るな」という言われもあるようです。もしかしたら、地球温暖化が問題視されている近年ではその目処すら前倒ししているのが実態かもしれません。
 

 今年度のチャンスは残すところわずかですが、次年度以降など今後トライされる方は、くれぐれも活動時期や時間帯、装備やルートなどに注意して安全第一で、この絶景をお楽しみください。

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2015年02月04日雪上を歩く!

日光国立公園 中野純

いろは坂は天気良し!戦場ヶ原は天気良し!湯元は天気良し!

2月3日は奥日光の広範囲で快晴だったのか、快晴の下で戦場ヶ原周回線と小田代原周回線を巡視しました。

スノーシューを履いて歩きましたが、片足が片足を踏んでしまって何度か転倒してしまいました。ですが、不思議なことに楽しいものです。(笑)

お~っと!これはノウサギの足跡かな。奥日光でノウサギを見たことはありませんが、生息はしているようですね。

                   ノウサギよ。どこへ向かうのだ。               

戦場ヶ原と小田代原は共に積雪50㎝程度といったくらいでしょうか。木道の大部分は積雪に覆われていますが、一部分では積雪に覆われずに木道が裸出している場所もあります。

ここでお願いがあります!

戦場ヶ原周回線や小田代原周回線などの木道が整備されているコースを歩かれる際は、木道が裸出した部分はスノーシューを脱いでから通るようにご協力ください。

スノーシューのアイゼンによって木道を傷つけることが判明し、さらに傷が増えれば木道の耐用年数が短くなる恐れがあります。


                     無数の点状の傷跡

また、コース外を意図的に歩く利用者が見受けられます。

コース外を歩くと必然的に足跡が残されるため、コース外へ続く足跡に後続の利用者が誘導されて道に迷う危険性があります。さらには足跡が増えるに伴い誘導されやすい状況も増すので悪循環に陥る可能性があります。

そして、雪の下には春を待つ植物達がたくさんいます。植生保護の観点からもコース外を歩かないように重ねてご協力お願いいたします。

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2015年01月19日那須の動物・雪の中!

日光国立公園 吉川 美紀

2015年が始まってからもう半月が経ちました。

本年もよろしくお願いいたします。

 

那須では12月半ばから雪が降り、スキー場も開園してスノースポーツが楽しめるようになりました。那須平成の森でもスノーシューでの散策をお楽しみ頂けます!雪上の動物の足跡を探しながら、まっ白で静かな森の中を満喫してみてください。ウサギの足跡を追いかけて、迷子にならないようご注意くださいね。

 

さて、こんな一面銀世界に棲む動物たちは、いったいどうしているのでしょうか?平成の森内に設置してあるセンサーカメラの画像を少しご紹介したいと思います。

(那須平成の森内には、ほ乳類のモニタリング調査用にセンサーカメラを複数設置しています。平成の森は、全域でクマやキツネやウサギが確認される自然度の高い場所なのです。)

 

今回センサーカメラに写っていたのはウサギです!

 

 


 

 


 

(2015/1/10撮影 ノウサギ)

雪の上にいるウサギと言えば、やはりまっ白なイメージですよね。

 


  

 


 

  

(2014/12/28撮影 ノウサギ)

あれ?下の写真のウサギは冬なのに茶色いままですね?こんなに雪が積もって寒そうなのに、まだ夏毛のままなんでしょうか?


 

いえいえ、実は全てのノウサギが冬になったらまっ白に変化するわけではないのです。冬になると白く変化するのはトウホクノウサギと言って、主に雪の降る地域に生息しています。冬になっても茶色いままなのはキュウシュウノウサギと言って雪はあまり降らない地域に生息しています。

野生動物たちは棲んでいる土地に適応して、変化しているのですね!


 

那須平成の森には、冬の時期白いウサギと茶色いウサギ両方が棲んでいます。

雪上にウサギの足跡を見つけたら、このウサギは何色だったのかな?と想像してみると楽しみ方が広がるかもしれません!

 

●那須平成の森HP↓●

http://www.nasuheiseinomori.go.jp/

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2014年12月08日那須の動物・冬準備!

日光国立公園 吉川 美紀

先月那須岳では閉山祭が行われ、那須には本格的な冬がやってきています。
茶臼岳は真っ白に冠雪し、那須平成の森では地面を歩くとザクザクといい音をさせる立派な霜柱ができるようになりました。


(12/8ビジターセンターから撮影した茶臼岳)

そんな寒さが厳しくなってきた那須では、動物たちが冬の準備をしています。
突然ですが、みなさんはヤマネという動物をご存じでしょうか?
ヤマネとは「山鼠」と書くネズミの仲間です。
ニホンヤマネは数百万年前から日本に棲んでいる「生きた化石」と呼ばれる日本固有種で、国の天然記念物に指定されています。ほ乳類には珍しくしっかりした冬眠をするのが特徴で、半年近く冬眠し、その期間エサは食べません。
※冬眠する動物としてはツキノワグマが有名ですが、実は冬眠期間中もときどき起きて食事をしています。

さて、那須平成の森には鳥類や小動物調査用に巣箱を設置しているのですが、先週巡視中にその巣箱の中を確認してみるとなんと!眠っているヤマネに出会うことができました!
巣箱のふたを開けてみてもあまり反応せず眠ったままです。


(巣箱の中のヤマネ。ふたを開けたときに少し動かしてしまったようです...ごめんね)

ヤマネに詳しい那須平成の森のスタッフによると、「冬眠しているときはもっと体をしっかり丸めています。きっとまだ仮冬眠中で暖かい日には起きているのでしょう。」ということでした。
実はヤマネにとって、このような巣箱は冬本番の厳しい寒さの中で冬眠するには寒いらしく、樹洞など、より暖かい場所を好むのだそうです。もしかしたらこのヤマネも、巣箱で仮冬眠をした後、暖かい日にもっと冬ごもりに適した場所を探しに行くつもりだったのかもしれません。

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こんなかわいいヤマネの棲む那須のビジターセンターでは、今月下旬から毛糸でヤマネを作るイベントが開催されます。ぜひご参加ください!


「簡単!毛糸でぽんぽんヤマネをつくってみよう」
開催期間:12月20日(土)~1月13日(月)
詳細は↓
●那須高原ビジターセンターHP●
http://www.nasuheiseinomori.go.jp/vc/

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2014年11月14日冠雪

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 私の通勤路は、往路では日光連山を正面にして、山に向かっていくように進みます。昨日、そのいつもの風景の中に「おっ!」と目についた変化がありました。
 それは、男体山の冠雪です。初冠雪なのかどうか定かではありませんが、少なくとも私にとっては、今冬の男体山をはじめとする日光連山の初冠雪でした。

 この冠雪は、これから完全に雪化粧をまとっていく前のわずかな期間に見られる姿でもあります。せっかくなので男体山の冠雪姿をいくつか撮影しました。撮影位置によって印象が異なって見える白い冠をつけた男体山の姿もあわせてご覧ください。


左上)いろは坂下より。丸みを帯びた山頂が白くなっています。    
右上)いろは坂上部の明智平から。
左下)竜頭の滝付近より。冠雪の様子がはっきり見えます。
右下)光徳沼より。シャープな印象の男体山。奥の尾根に冠雪が見えます。

 明智平からは、筑波山も見えました。冬の澄んだ空気のおかげですね。空気が澄んで、眺望がよくなる季節です。防寒対策さえしっかりすれば、紅葉シーズン後の落ち着いた日光もおすすめです。

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2014年10月31日冬の便り

日光国立公園 櫨木 めぐみ

28日、巡視のため戦場ヶ原へ向かいました。道中、いつもは穏やかな中禅寺湖が、まるで海のように波立ち、また遠方に見えるはずの日光白根山は暗雲の中でした。

荒々しく白波たつ中禅寺湖

戦場ヶ原近くの駐車場に着き、車から降りるやいなや、痛いような寒さと強風におそわれました。最近の奥日光は、朝方や夕方が冷えても陽がさせば日中は薄着でも暖かいくらいだったのですが、その日は一転して冬本番の寒さを感じ、ありったけの防寒具をまとって巡視を開始しました。

風花と雪

それもそのはず。写真の通り、この日、戦場ヶ原は晴れ間をのぞかせながらも不安定な天気で風花が舞い、寒さが和らぐことはありませんでした。実はこの日、日光白根山は初冠雪で、その影響で戦場ヶ原より少し標高の高い日光湯元では、一時、風花で歩道などが白く染まっていたようです。ちなみに、晴れた空の中に雪が桜のように舞い落ちる様子を風花といいますが、栃木弁ではその現象を「ふっかけ」と言うようです。このふっかけ(風花)は、冬の到来を告げる便りのようでした。

奥日光の冬到来の兆しとともに、紅葉もいろは坂を下ってきており、当事務所周辺でもピークを迎えつつあります。紅葉シーズンでお馴染みのいろは坂の渋滞も下り坂になってくる時期でしょうか。晩秋の奥日光へお出かけになる際は、防寒着をしっかり備えてお越しください。

中禅寺湖付近の様子 と 紅葉シーズンのいろは坂

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2014年10月06日奥日光の秋の風物詩はやっぱりこれ!

日光国立公園 中野純

10月4日(土)、日光パークボランティア活動「清掃パトロール」に同行して戦場ヶ原に行きました。
8時50分頃に赤沼駐車場に着く予定でしたが、既に満車状態で入れそうになかったため、少し離れた三本松駐車場に向かいました。想定内ではありましたが、三本松駐車場も同様にほぼ満車状態でした。駐車スペースをしばらく探し続け、なんとか1台分の駐車スペースを確保できました。
紅葉時期で土曜日ということもあり、奥日光を訪れた多くの方々で両駐車場は朝早くからほぼ満車だったようです。紅葉の集客効果はすごいですね。

戦場ヶ原では、ミズナラの黄葉やツタウルシの紅葉、その他様々な植物が色とりどりに葉を変色させていました。
眺めていると、まるで心が洗濯されたかのように気持ちがスッキリします。


湯川沿いの紅葉


清掃パトロールの様子

ただ、残念なことに木道沿いではゴミがよく目立ち、また、タバコの吸い殻や空き缶などの意図的に捨てられたと思われるゴミも落ちています。
日光パークボランティアでは、清掃パトロールとして戦場ヶ原や小田代原等でのゴミ拾いを長年続けており、最初の頃に比べれば拾うゴミの量は減っていますが、それでもなかなかゴミは無くなりません。
ゴミが無くなる日はまだまだ先になるでしょうが、日光パークボランティア活動のゴミ拾いも根気強く続けていければと思います。

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2014年09月02日大人も子供も外来生物駆除活動!

日光国立公園 吉川 美紀

ただいま那須は秋を迎え始めています。
那須岳にはリンドウが咲き始め、夏から飛び回っていたアキアカネたちは真っ赤になってやっと赤とんぼらしくなりました。もう少ししたら山の木々も色づき始め、いっそう秋らしさが深まるでしょう。

さて、そんな秋が来る前に咲く黄色い花、特定外来生物・オオハンゴンソウの駆除活動を8月30日に行いました。
サッポロビール株式会社那須工場さんが主催する、社会貢献活動として開催されたイベントで外来生物駆除活動にご協力いただき、私は講師として参加しました。
イベントのテーマは「生物多様性保全活動について」です。
まずは那須高原ビジターセンターにて、「生物多様性」と「外来生物」について勉強していただきました。

(AR吉川レクチャー中)
今回のレクチャーで生物多様性って聞いたことはあるけどどういうこと?外来生物は何で駆除するの?といったみなさんの「?」を少しでも解消できた(ならいいなぁ)と思います。ぜひ周囲にもその知識を自慢して、教えてあげてください!

勉強会の後は、外に出て実際に駆除活動開始です。今回は八幡つつじ園地にて駆除活動を行いました。ツツジに紛れたオオハンゴンソウを、大人も子供も一緒になって引っこ抜いていきます。オオハンゴンソウは黄色い大きな花が咲いているととても見つけやすいので、子供たちにもすぐに見つけることができて立派な戦力となってくれました。

(駆除活動中)
1時間程の作業でしたが、推定約8000本のオオハンゴンソウを駆除できました!
作業前は辺り一面黄色い花が咲いていたオオハンゴンソウ畑が、作業後には元のツツジの園地に…!積み上がった駆除成果物と周囲を見て、みなさん思わず「おぉ…」とこぼしてしまうほどの成果があげられました。

(駆除したオオハンゴンソウと一緒に集合写真)
ぜひ今回参加して頂いたみなさんには、これからも自分の身近な自然に何が起きているのかを観察し続けて頂きたいと思います。

これからも、今回のイベントを始め、自分の周りの自然について学べる機会をお手伝いして行きたいと思います!ぜひ、みなさんも自分たちが生きる自然について考えてみませんか?

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2014年08月07日オオハンゴンソウ等外来植物除去作戦!

日光国立公園 中野純

奥日光地域の生態系に大きな影響を及ぼす要因の一つとして、特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウをはじめとした外来植物の定着、繁茂が挙げられます。

下に示した写真は1971年(43年前)と2014年(今年)に小田代原で撮影された風景写真です。


1971年8月 写真:吉原博司



2014年8月

「昔は黄色のお花がいっぱいでキレイだなぁ~」っと思っている場合ではありません!
この黄色のお花をつけた植物がオオハンゴンソウなのです。

オオハンゴンソウは外来植物の中でも、草原や湿原、森林の中にどんどん入り込んでゆき、もともとの生態系(在来の生態系)を大きく変えてしまう場合があり、こうした種は「侵略的な外来種」と呼ばれています。

1971年当時は小田代原だけではなく、奥日光の広範囲でオオハンゴンソウが繁茂していました。1976年より様々な団体やボランティアの協力のもと、オオハンゴンソウの駆除作業が始まり、今では写真のとおり黄色い花をつけたオオハンゴンソウは見られなくなりました。
しかし、多くの外来植物は繁殖力が強く、継続的に駆除作業を行う必要があることから、今でも「オオハンゴンソウ等外来植物除去作戦」として駆除作業が続けられています。
今年は8月10日(日)に実施する予定ですので、ぜひご参加ください。
詳細はこちら↓
http://www.city.nikko.lg.jp/nikko-kankou/kankou/nikko/event/documents/20140810.pdf



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2014年07月31日人間の忘れもの

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 まずは、写真から。


 巡視の際に見つけた糞(おそらくキツネ)です。それをよく見ると、赤い輪ゴムがあるのがおわかりでしょうか。排泄されたからよかったものの、体内に留まっていたことも確かですし、これ以外の人工物を口に入れている可能性もあります。
あらためて人間の自然への影響について考えさせられてショックでした。そして、今回の巡視のショックは続くのです。



 次は、落ちてしまったのか、何かあったのか・・・、園地に丸ごと放置された中身の入ったお弁当。私が拾っているそばで、カラスがじっと見ていました。食べ物を狙っていたのかもしれません。たとえ落ちてしまったのだとしても、このままですと野生動物が人間の食べ物の味を覚えてしまう原因になりかねません。仮に、何かの動物が食べ物などに手を出してくる行為があったとしても、もとを辿れば、落としたゴミや、ゴミ箱に捨てたとしても誘引してしまうような環境だったり、あるいはマナーを知らない人が食べ物を与えたりなど原因があって味を覚えてしまった…という発端は人間側にあることが多いです。



 そして、木道沿いのササ藪に投げられていたティッシュ。これも木道沿いに今回は20個近く拾いました。以前にも、鼻血を拭いたと見られるものが道沿いに堂々と点在して捨ててありました。正直いうと、拾う側も特にティッシュの塊はとても抵抗があり、できるものなら拾いたくはありません。ここは、ゴミ箱ではないですよ?トイレでもないですよ?

 自然にかえると思ってか、誰か拾うと思ってか、故意に捨てていく感覚はよくわかりません。中には落ちてしまったものもあるでしょう。自然にかえるものとかえらないものもありますし、一見かえりそうなものであってもとても時間もかかり、またここで分解する必要のないもので自然の異物には他なりません。捨てられたものを見て、それをしてもいいと無意識に真似する人もいるかもしれません。ゴミを拾うのは、ありのままの豊かな自然を自然のままに見て利用してほしいから拾うのです。ゴミが無いにこしたことはありません。

 夏休みを日光国立公園で過ごそうと足を運んでいただいたのなら、自然のために人のために、より気持ちよく過ごせるようにごみの持ち帰りにご協力をお願いします。

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