ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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日光国立公園

154件の記事があります。

2013年10月25日奥日光紅葉状況

日光国立公園 櫨木 めぐみ

今月半ば、台風のお土産のように男体山や女峰山などの日光連山で初冠雪が見られました(10月17日)。ちなみに台風の影響は国立公園内の歩道等にもあったのですが、一部の木道を横断していた倒木も現在では処理されて通行可能になっておりますのでご安心ください。

日光国立公園は着々と冬に向かっているわけですが、その前に目を楽しませてくれるのが紅葉ですね。まさに今、奥日光地域の紅葉がピークを迎えようとしています。また台風が近づいており天候が崩れて紅葉の葉が落葉する前にと、曇り空の合間にその姿を納めましたのでご覧下さい(10月22日撮影)。






 

 台風の影響もあり不安定な天気が続いておりますが、来週は天候が回復しそうです。
より多くの人が紅葉狩りを楽しめられますように。

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2013年10月10日国立公園・野生生物フォトコレクション【アクティブレンジャー写真展】

日光国立公園 中野純

10月に入って1週間が過ぎ、奥日光では本格的に紅葉前線が到来したようです。

戦場ヶ原周辺では、紅葉する樹木の代表種ともいえるカエデ類をはじめ、ミズナラやズミ等の落葉広葉樹を中心に植物の葉っぱは色彩豊かとなり、多くの人々を魅了しています。

9月末頃からでしょうか、日を重ねる度に色彩豊かな紅葉へ変遷していく様子に気づきました。今年も例年通りであれば、10月中旬頃までは見頃のようです。

奥日光で紅葉狩りを楽しむには絶好の時期ではないでしょうか。

紅葉狩りを満喫した後は、日光湯元ビジターセンターで開催中の「国立公園・野生生物フォトコレクション」に足を運んでみてはいかがでしょうか。

関東地方環境事務所管内には、6つの国立公園(日光・尾瀬・秩父多摩甲斐・小笠原・富士箱根伊豆・南アルプス)と8つの国指定鳥獣保護区〔小佐渡東部(新潟県)・佐潟(新潟県)・福島潟(新潟県)・瓢湖(新潟県)・谷津(千葉県)・鳥島(東京都)・西ノ島(東京都)・小笠原諸島(東京都)〕があります。

そこで働くアクティブレンジャーが、日々の業務の中で撮影した風景や生き物等を写真で幅広く紹介します。アクティブレンジャーが出展した写真であることから、「アクティブレンジャー写真展」とも呼びます。
http://www.env.go.jp/park/nikko/topics/131007a.html

日時:2013年10月5日(土)~10月27日(日)9:00~16:30
場所:日光湯元ビジターセンター内(栃木県日光市湯元)



今週末の奥日光は多くの車や人で混雑することが予想されます。お越しになる際は余裕をもって早めに出発することをお勧めします。

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2013年09月26日秋の幻想的な湿原

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 檜枝岐自然保護官事務所・片品自然保護官事務所のアクティブレンジャーと、尾瀬沼から黒岩山を越え、鬼怒沼湿原へと抜けるルートの合同巡視をしてきました。

 台風一過のおかげか、安定した晴天にも恵まれました。その代わり、いかだのように湿原上の木道が水に浸っていたり、数々のぬかるみに足をとられたり、登山道をふさぐ連続する倒木など台風の爪痕に遭遇しましたが、それだけに巡視する甲斐がありました。

 鬼怒沼湿原に到着した日は、ちょうど中秋の名月の前日でした。ほぼ満月の月は、鏡のような沼の水面に照らし出され、夜を迎えようとしているというのに、更に辺りを明るくするようにさえ感じました。秋の冷え込む空気により、水面に夕靄もできてとても幻想的な景色でした。



 標高約2000mの鬼怒沼湿原からは、尾瀬の燧ヶ岳が北西に臨めます。また、日光白根山のほぼ北にあることから、南を臨めば湿原の木道がそのまま日光白根山へ続いているかのようにも見えます。鬼怒沼湿原の景色だけではなく、山上ならではの景色が楽しめます。


  
 鬼怒沼湿原は、草紅葉の季節を迎えております。
肌寒くなる季節でもありますので、防寒着や山への装備を忘れずにお出かけ下さい。


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2013年09月13日初秋の滝見

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 日光は、「日光四十八滝(あるいは七十二滝)」といわれるほどに滝が多いところです。その数ある滝の中でも、戦場ヶ原から北側へ歩いて30分程度のところにある「湯滝」をご紹介します。

湯滝(正面・南側からの姿)

 湯滝は、湯ノ湖から岸壁を流れ落ちる滝です。ちなみに、湯滝はお湯ではなく、水です。湯滝の岸壁は、湯川の流れをせき止めて湯ノ湖を形成した三岳の溶岩流によるもので、そこを滑り落ちるその光景は、滝下からみると迫力がありますが、少し離れて見ても清涼感が漂って、また違った印象を受けます。これから紅葉で色づく秋には、また違う顔をみせてくれるでしょう。

 その湯滝から、戦場ヶ原寄りに約15分歩くと、小滝があります。湯滝の迫力とは打って変わって、小滝は名のごとく小さい滝ではあるのですが、風情を感じさせます。周りに落葉広葉樹があることから、ここもまた紅葉の時期が楽しみです。

趣のある小滝

湯滝や小滝を見て回るだけなら30分程度あれば周回できます。木道沿いにはカツラの木があり、今の時期、その落葉からは甘い香り(マルトールというカラメルの香りと同じ主要成分)がして、滝見と甘い香りに癒やされながらの散策もできるはずです。

カツラの葉

 なお、湯滝観爆台は平成25年9月より更新工事を実施しておりますが、歩道から湯滝を観瀑することができますので安心してお越し下さい(http://www.pref.tochigi.lg.jp/d51/documents/kannbakudaikoukikakutei.pdf)。

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2013年08月30日秋めいてきました。

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 戦場ヶ原は、夏を彩っていたホザキシモツケやノアザミの花々が終盤を迎え、ズミやグミなどの果実が実り、秋の花々へとバトンを渡すように いつの間にか秋めいていました。



夏の日差しを浴びて青々としていた植物の葉が、同じ緑色でも少しずつ秋の色をまとおうとしている中、目をひいたのはリンドウ科の植物でした。

エゾリンドウ。

凛とまっすぐに空に向かう姿と、その深い青色に目が奪われます。

続いて、同じくリンドウ科のアケボノソウ。

斑点がある独特の花びらに目をひかれますが、その斑点が本当に気をひかせたいのはムシです。アケボノソウの花びらには、密腺(黄緑色の斑点)があり、観察していると、それに誘われたアリなどのムシが寄ってくることでしょう。


ほかにも、ヒメシジミお気に入りのアキノキリンソウやウメバチソウなども咲いており、木道沿いに観察できます。

日光といえば紅葉が有名ですが、静かに秋の気配を感じるこの季節もお勧めです。

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2013年08月14日日光パークボランティア活動【外来植物除去活動】

日光国立公園 中野純

8月8日、日光パークボランティア(略してNPV)と環境省 日光自然環境事務所による外来植物除去活動を行いました。ここ数日は事務所がある表日光は雨がよく降っていたため、中止になるのではないかと思っていましたが、本日の奥日光は晴れ空で気持ち良かったです。



ホザキシモツケと男体山
この時期の戦場ヶ原湿原でとても目立つ植物です。


今回の活動場所は、戦場ヶ原湿原を縦断した国道120線の東に位置する湯導管コースです。湯導管とは、日光湯元温泉から中宮祠方面に温泉を運ぶために造られた配管で、戦場ヶ原湿原を縦断するように設置されました。



外来植物を探すNPV
カラマツやヤナギ類が特に繁茂しています。

お目当てのオオハンゴンソウは数体しか花期を迎えていませんでした。この時期は多くの植物が繁茂しており、オオハンゴンソウは花期を迎えないと見つけるのが困難です。
一方で、ホザキシモツケやハクサンフウロ、コオニユリ等といった多くの在来植物の花がよく目立ちます。色とりどりでキレイだなぁ~っとよく見ると、ヒメジョオン類やマツヨイグサ類、フランスギク等の外来植物が混生していました。

ありがたい(?)ことに湯導管コースはルート上から手の届く範囲で多くの外来植物を除去できるため、除去後は充実感にたっぷり満たされます。


除去した外来植物
NPVの皆さんお疲れ様でした!

ヒメジョオン類、マツヨイグサ類、フランスギクを大袋4袋、計約15㎏の成果物となりました。景観的にはこれらの外来植物はいなくなりました。

ですが、奥日光では多くの外来植物が生育しています。局所的に外来植物を完全に除去しても周囲から種子の供給が整っている以上、また外来植物が生えてくるでしょう。

環境省・NPVと外来植物の戦いは長い年月に及びそうです。

ここで告知があります!

昭和51年度より、毎年恒例の「オオハンゴンソウ等外来植物除去作戦」が今年度も行われます!

日 時:8月17日(土)9時00分/集合・受付 9時45分/開会式 12時00分/解散(作業時間10時00分~12時00分)
場 所:日光湯元スキー場周辺、湯ノ湖畔など
申込先:日光湯元ビジターセンター TEL0288-62-2321/FAX0288-62-2378

詳細は上記の日光湯元ビジターセンターに問い合わせるか、又は以下のURLをクリックして下さい!

http://www.city.nikko.lg.jp/nikko-kankou/kankou/nikko/event/documents/oohangonsouchirashi.pdf#search='%EF%BC%A8%EF%BC%92%EF%BC%95%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%82%A6%E7%AD%89%E9%99%A4%E5%8E%BB%E4%BD%9C%E6%88%A6+%E7%92%B0%E5%A2%83%E7%9C%81'

たくさんの応募をお待ちしております!

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2013年07月26日白根山での調査

日光国立公園 櫨木 めぐみ

先日、栃木県林業センターおよび栃木県の職員の方々と、白根山でのライトセンサスおよびシラネアオイの合同調査をしてきました。

日中は、五色沼北側にある植生保護柵内で林業センターが実施するシラネアオイ調査に参加しました。シカの食害が目立ち始めた平成5年、シラネアオイの群生地だったこのエリアにも柵が設置され、食害防止だけではなく人工培養したシラネアオイの移植活動も続けられてきたそうです。今回は、その経過観察を目的に柵内に設置してある調査区のシラネアオイの数や大きさなどを計測しました。柵外ではあまり見られないシラネアオイが、柵内では足の踏み場に困るほどにその生息を確認できました。ただ、それでも柵内にシカの糞や食痕も見られたので、積雪による柵解除期間中の食害か、あるいは柵内へ侵入したかということが考えられそうです。




夜間には、白根山のシカの生息状況把握のためのライトセンサス調査(2013年6月12日中野AR日記 参照)を実施しました。ライトセンサスを実施するには厳しい条件の濃霧と強風の中、第1回目は1頭を確認しました。しばらくして霧も晴れ、第2回目には計17頭確認しました。前回の調査よりも確認頭数が多いという結果が得られ、夏期の生息状況を確認することができました。

ちなみに、移動中、人馴れしたシカと遭遇しました。

シカは、自ら距離を縮め、しばらくの間私たちの周りにいました。人馴れした経緯は不明ですが、過去に人に近づくことで何か利点があったのでその行動を示したのでしょう。人間側としても、距離を縮められるとその表情が鮮明に見えて愛らしく感じられるのですが、しかし、野生動物なのでヒトとの境界線は必要です。もし、このように人馴れしてしまったシカが現れても、決して食べ物など与えないようにして、人間側から距離を保って下さい。

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2013年07月12日日光清掃登山活動

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 先日、栃木山岳連盟主催の第40回山岳自然保護の集い【日光清掃登山】活動に参加してきました。私たち日光自然環境事務所チームは、三岳を周回する湯元光徳線を今回のルートとして設定しました。このルートはいくつかの見所があり、ほとんど樹林帯の中を歩くので夏には涼しいハイキングコースです。

 日光湯元から出発すると、はじめにコメツガやアスナロの樹林帯を歩きます。その樹林帯を突き進むと、木々の間からエメラルドグリーンが見えてきます。




 その色の正体は、刈込湖です。於呂倶羅山と三岳に挟まれたこの湖は、水際まで行けることもでき、また湖越しに山王帽子山と太郎山も臨めます。刈込湖に並行して歩くと、隣接する切込湖が見えてきます。両湖とも、周りに人工物が全くない森の中にひっそりと佇む湖です。

 さらに足を進めると、急に開けた空間にでます。


 涸沼です。ここは、その名のごとく沼の跡地で、そして大きな窪地です。私はまだ見たことがないのですが、紅葉の頃には、すり鉢状の地形のため、山の方からではなく下の方から色づくそうです。今の時期は、レンゲツツジが楽しめますよ。

 そんなルートの景観を楽しみつつ、ゴミ拾いの作業をしました。全体を通して、大きな目立つゴミはあまり見られませんでしたが、利用者の飲食時に無意識にゴミとなってしまったような小さなゴミが多いように感じました。他には、時代を感じるデザインの空き缶が主でした(まだペットボトル等が普及していない頃の手軽な飲料だったからでしょうか)。買い物袋1つ分のゴミの量にはなりましたが、故意に置いていったようなゴミは見当たらず、きれいなルートでした。今回のような活動や利用者の方の意識による産物ですね。
 私たちは、巡視の際にはゴミ袋を持参しており、今後も地道にゴミ拾いを心がけます。みなさんも、引き続きゴミの持ち帰りなどにご協力をお願いします。

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2013年06月28日赤外線センサーカメラ調査実施中

日光国立公園 櫨木 めぐみ

日光国立公園日光地区では、4月末より赤外線センサーカメラ調査を実施しています。



このカメラは、動物の熱を感知して自動撮影ができ、また夜間の撮影も可能なものです。当調査では、このカメラをシカの移動経路として高頻度に利用されている可能性がある5つの箇所に1台ずつ設置して、シカの土地利用頻度についてモニタリングするというものです。

既に各箇所で約2ヶ月分の撮影データがあり、その集計をしつつ、カメラのデータ回収や点検をしています。5箇所という限られた場所ではありますが、設置場所の植生条件や地形により撮影枚数やシカの性別など傾向に違いが見られるように感じます。
とはいえ、まだ調査途中。引き続き、調査を実施します!また何かありましたらご報告します。

時に、カメラ目線のシカも。

時に、ツキノワグマも。

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2013年06月12日シカ ライトセンサス in 白根山

日光国立公園 中野純

8日から9日にかけて、白根山で行われたシカの生息等調査に同行しました。

まずは、宿泊先の山小屋に向けて出発!標高2000mまではロープウェイで行けました。
楽に標高2000mまで登れます。


写真 頂上は2500mを超える白根山。

途中、シカを発見しました。エサ?を探しているようで、他にも数頭を確認できました。人に少し慣れているようで、あるシカでは、人に気づいても逃げる素振りはせず、逆に自ら近づいてきました。いずれは奈良公園で見られるシカのようになるのではないでしょうか。

さて、山小屋に着き、日が暮れたところで目的のライトセンサスを始めました!

ここでのライトセンサスとは、夜間に決められたルートを強力なライトで照らしながらシカを見つける調査です。シカの眼にライトの光が照らされるとピカッと反射する性質を利用して見つけます。

残念?ながら数頭しか確認できませんでした。予想では十数頭以上は確認できるはずでした。おそらく、今年は残雪が多いことで確認数が少なかったのではないかとのことでした。

翌朝、山小屋から白根山の頂上に向けて出発しました。


写真 山頂付近から撮影。ん~これはすばらしい。

ところで、下の写真は山頂付近に広がっていた裸地です。今は裸地ですが、昔はたくさんの高山植物が生育していたそうです。


写真 石がゴロゴロしている裸地。

これはシカによる採食が原因といわれています。

写真の場所に生育していた高山植物は、生物が生きていく上で過酷な標高2000mを超える環境に適応できていても、シカによる採食圧の耐性は低かったということでしょうか。

シカによる影響が及ぶ以前の高山植物のお花畑がまた見られるといいですね。

それにしても、標高2500m付近にまでシカが進出していることにちょっと驚きです。シカは本来、平野が生息地であったといわれています。ですが、平野は人間の主な活動地であった為、高山帯にまでシカは追いやられたということでしょうか。そうであれば、高山植物群落の衰退は、高山帯にまでシカを追いやった人間も関係しているのでしょうか。

次回の白根山で行われるライトセンサスは夏頃に予定されています。もし、同行できれば
また報告したいと思います。お楽しみに!


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