ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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小笠原国立公園 小笠原

257件の記事があります。

2008年11月28日アホウドリの季節

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

いよいよアホウドリ移住の時期が近づいてきました。
現在、アホウドリの繁殖地は伊豆鳥島と尖閣諸島のみです。
しかし現在の繁殖地では、噴火の危険性などあり、また絶滅に瀕してしまう可能性があります。
そこで、環境省・文部科学省・農林水産省で「アホウドリ保護増殖事業計画」を策定し、小笠原諸島聟島を再び繁殖地にしよう!としています。

昨年度から山階鳥類研究所・環境省・米国魚類野生生物局と共同で、聟島への再導入計画を進めています。
昨年度は、鳥島から10羽聟島へ移住させ人工飼育をし無事10羽巣立つことができました。
また今年度も鳥島から15羽聟島へ移住させ人工飼育します。

先日はその前準備として、聟島にデコイ(模型)とアホウドリの声が入った音声装置を設置しに行きました。
もうすでに、クロアシアホウドリやコアホウドリがいました。
早くその中にアホウドリも混ざって欲しいですね。

写真はクロアシアホウドリ


また、東京お台場・船の科学館でアホウドリの写真展・講演会がございます。

未来へはばたけ、アホウドリたち~写真展~
日時:2008年11月15日(土)~2008年2月1日(日)月曜休館
   12月28日~1月1日休館
場所:東京お台場・船の科学館3階マリタイムサルーン

※写真展は無料ですが、入館料が必要です。
 大人¥700、18歳以下¥400

講演会
『鳥島アホウドリ調査100回記念講演会 アホウドリ:未来への飛び立ち』
日時:平成20年12月20日(土)14:00~16:00
場所:船の科学館 本館

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2008年11月10日またまたイベントのお知らせ

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

今回は小笠原で行われるイベントのお知らせです。
お得な情報がありますよ。

●全国エコツーリズム大会in小笠原
 ~小笠原のエコツーリズムの明日を考える~

大会に集まる多様な参加者により、「小笠原のエコツアーの今」を検証し、議論し、「小笠原のエコツーリズムの明日」への道しるべを明らかにすることで、小笠原や各地におけるエコツーリズムの振興を図る。

詳細は下記URLを参照して下さい。
http://www.ogasawara40th.com/event/in_3.html
(↓PDF)
http://www.ogasawara40th.com/images/%E5%8F%82%E5%8A%A0%E6%A1%88%E5%86%85%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%95.pdf

簡単に説明しますと、みんなでエコツアーを体験して、今後の小笠原のエコツーリズムについて話あおうということです。
1日目、2日目とエコツアーを体験して頂き、
2日目夜、3日目と各テーマにそった分科会を行います。

何がお得かって言うと
・エコツアー1日目の午後、夜、2日目のツアー代
・3日目の昼食代、交流会参加費
・資料代等
が、1万円で参加できるのです!!

例えば、1日目2ダイブ、夜にナイトツアー、2日目に3ダイブして、分科会に参加して1万円なのです!
(ツアー内容は、ダイビングだけでなく沢山ございます。また内容は、各ガイドサービスによって異なります。)

全工程を含んだパッケージツアーもございます。
ぜひこの機会に小笠原へお越し下さい。
皆様の参加をお待ちしております。

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2008年11月05日イベントのお知らせ

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

内地で行われる小笠原関連のイベントのお知らせです。

●アカガシラカラスバト特別展「あかぽっぽ祭」
会期:11月1日~11月30日
   10:00~16:00
会場:上野動物園西園ズーポケット

世界に40羽しかいない、かつ小笠原にしかいないアカガシラカラスバト(通称あかぽっぽ)の保護と繁殖へ

の取組みを紹介する展示です。
詳しくは下記のサイトをご覧下さい。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=ueno&link_num=10116


●小笠原シンポジウム
日時:11月29日13:00~17:00
場所:多摩動物公園ウォッチングセンター内動物ホール
内容:
・小笠原の自然を再生する-「グリーンアノール」の防除を中心に
・オガサワラシジミを飼う
・あかぽっぽを守ること
・アカガシラカラスバトを飼う
・総合討論

こちらは申込制となっております。締切は11月18日
詳しくは下記のサイトをご覧下さい。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=tama&link_num=10179


●アイランダー2008
日時:11月22日・23日
   10:00~18:00(23日は17:00まで)
場所:池袋サンシャインシティ文化会館2F展示ホールD

全国の島々が集まり情報発信や交流を行う祭典です。
詳しくは下記のサイトをご覧下さい。
http://www.i-lander.com/index2008.html

いずれも東京での開催ですが、皆様のご来場をお待ちしております

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2008年10月29日愛くるしい者たち

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

皆さんこんにちは。
小笠原も急に寒くなり、もうTシャツ一着ではキツくなってきました。
(まだTシャツかよっ)
今回も、小笠原でよく見られる鯨類の紹介です。


ミナミハンドウイルカ(ハクジラ亜目マイルカ科ハンドウイルカ属)

漢字で書くと南半道海豚。
英語で書くとIndian Ocean Bottlenose Dolphin。
昔はハンドウイルカの亜種とされてました。
しかし、現在ではマイルカ科スジイルカ属ではないかといわれています。

ちなみに、ハンドウイルカのお腹は真白、
ミナミハンドウイルカは成熟するとお腹に斑点が現れ、
タイセイヨウマダライルカ(スジイルカ属)は成熟すると全身に斑点が現れます。

小笠原では沿岸域でミナミハンドウイルカよく見られ、外洋域でハンドウイルカが見られます。
ミナミハンドウイルカ(2m~3m)のほうがハンドウイルカ(2m~4m)よりやや小柄です。

ミナミハンドウイルカは船や人に慣れていて、ドルフィンスイムの対象になっています。
水中で一緒に泳いだり、一緒にぐるぐる回ったり遊んでくれたりします。
私も一度、イルカと貝殻でキャッチボールをしたことがあります!

イルカと一緒に泳ぐコツは、
・手を使って泳がない。(急に手が伸びてくるとイルカはビックリして逃げてしまいます)
・海に入るときにはそ~と入る。(飛び込んだら、その音でイルカはビックリして逃げてしまいます)
・イルカとアイコンタクトする。(目を見ればイルカが遊ぶ気満々なのか、ほっといてほしいのかよくわかります。)

ほかにもいろいろあると思いますが、私は以上のようなことを気にかけて泳いでいます。
決して触ろうとしてはいけません!
彼らの家にお邪魔する謙虚な気持ちをもてば、イルカも歓迎してくれることでしょう。

ちなみに嘘か本当かわかりませんが、派手な色のビキニをきた女性によく寄ってくるとか…

ミナミハンドウイルカ

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2008年10月20日芸達者な者たち

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

皆さんこんにちは。
以前の日記で、他の地区は紅葉の話題云々…と書きましたが、
小笠原でも紅葉する樹木はあります。
それはモモタマナという木。
でもモモタマナが紅葉したから秋だな~という感じではないです。
3月頃にも紅くなりますので。
さて、今回も海の哺乳類のご紹介です。

ハシナガイルカ(ハクジラ亜目マイルカ科スジイルカ属)
漢字で書くと嘴長海豚。その名の通り「くちばし」が長いです。
英語で書くとSpinner Dolphin。その名の通りしばしばスピンします。
ハシナガのスピンジャンプは、水族館で見るどのイルカのジャンプより美しく華麗です。

体長は2m前後。
背中から濃い灰色、側面は灰色、お腹は白色と3色に分かれていて、数十~数百頭の群れで行動します。
日中は沿岸域で睡眠をし、夕方になると餌を取りに沖へ行きます。
睡眠といっても人間のような熟睡はしません。
半休睡眠と言って、右脳と左脳を交互に休めています。
(この能力が欲しいものです。。。)

ハシナガイルカはドルフィンスイム向きではなくウォッチング向きです。
たまーにドルフィンスイムをしますが、ミナミハンドウイルカと違って人間に近寄ったり遊んではくれません。でも数百頭の群れを水中から見るのは圧巻ですよ。
基本的には船の上からウォッチングします。
その名の通りスピンジャンプやいろんなジャンプをして楽しませてくれます。
船の舳先について並走(泳)してくれたり、船の引き波に乗って波乗りもしたりします。

小笠原のBonin Blueの海という舞台でショーをするハシナガイルカ。
彼らのショーは毎回違うので、何度観ても楽しめますよ!


ハシナガイルカ

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2008年10月17日イベントのお知らせ

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

内地での小笠原関係のイベントのお知らせです。

『東京再発見!観光と産業フェア」ご案内 ~東京の島々(小笠原・伊豆諸島)・多摩・23区の観光と技と味~』

日時:10月25日(土)10:00~17:00
   10月26日(日)10:00~16:00
場所:東京都立産業貿易センター 台東館(htp://www.sanbo.metro.tokyo.jp/access/access_tai.html)

小笠原諸島、伊豆諸島等の「海洋ゾーン」、公園、庭園、美術館等の「23区ゾーン」、山と渓谷、レジャー施設等の「多摩ゾーン」の三つに分けて「東京の観光と産業」にスポットを当てます。各ゾーンでは地場物産品、伝統工芸品等のゾーンを代表する「もの」や「サービス」を紹介するとともに販売を行う予定です。
海洋ゾーンでは、特に小笠原諸島を特集します!

また、小林天心氏による講演会「世界遺産候補地小笠原とエコツーリズム」も行われます。

日時:平成20年10月26日(日)10:00~11:30
会場:産業貿易センター台東館 8階区民会館会議室

こちらも合わせてご参加下さい。

さらに会場ではお楽しみ抽選会があります。
気になる商品は…
・太平洋フェリー「きそ」で航く「お正月の旅・小笠原4泊5日」1組 2名様
・おがさわら丸 2等往復乗船券
・東京サマーランド フリーパスポート券
・ヴァンテアン東京湾クルーズ乗船券
・その他記念品多数

皆様のご来場をお待ちしております。

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2008年10月15日抹香鯨

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

10月も半ばに入り他の地区の日記を読んでいると紅葉の写真が多いですが、小笠原はまだまだ秋にはなってません!

10月の小笠原は水温も高く、海も穏やかで(台風が来なければ)、人も少なく、穴場の時期なのです。
さすがに冬に近づいてくると海も荒れやすくなってくるので、今のうちに外洋に出かけてきました。
今日紹介するのは小笠原の外洋に住む動物です。


マッコウクジラ(ハクジラ亜目マッコウクジラ科)
体長は雄18m、雌11m。
体重は雄45t、雌15t。
北極から南極まで世界中の海洋に分布していて、だいたい深海域(水深1000m以上)に多くいます。
雄は世界中回遊していますが、雌と子供は何頭かの集団を作って暖かい地域で回遊しています。
小笠原は世界でも珍しく、マッコウクジラが定住しているのです。
ですので1年中ウォッチングできます!(冬は海が荒れているのでベストシーズンは春~秋)

マッコウクジラの特徴は
バスみたいに大きい体、その1/3ほどは頭。
頭部左側に噴気孔(ブローホール、つまり鼻)があり、そこから斜め45°にブロー(潮吹き)します。
潮吹きといっても、実際潮をを吹いているわけではありません。
これは、高い圧力で噴き出した息が、外へ出ると急激に圧力が下がることにより温度が下がって息に含まれる水分が霧状になって(白くなって)出てきます。
つまり、寒いところで息をすると白く見える現象と同じことです。
一度、間近でブローを見ましたが、、、臭いです(xx)

またマッコウクジラは潜水の名手です。
海面で何回か呼吸をしたあと、尾びれを上げて深く潜ります。
一度潜ったら1時間弱潜りっぱなしで、その深度1000~3000mまで潜っていることがわかっています。
深海に潜ってダイオウイカなどを捕食しています。
一度、間近で潜る瞬間を見たら糞をしていきました。
衝撃的な臭さです(xx)

この前、偶然にも水中で出会いました。
とても威厳があり、威圧感を感じました。
あまりにも一瞬の出来事でしたので上手く写真は撮れなかったですがご覧下さい。

子供のマッコウクジラ、左隅に写っているのは大人のマッコウクジラの頭

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2008年10月08日珍魚

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

ここ最近の小笠原は雷豪雨が激しいです。
家出て2秒でずぶ濡れ。。。

今回は海の中の固有種を紹介します。

オビシメ(スズキ目ブダイ科)
ご覧の通り、黄色いラインが帯を締めているように見えたからオビシメと名付けられたました。
1993年に名前が決まるまでナンヨウブダイの色彩変異種とされていました。
小笠原の固有種と言っていますが、八丈島でもみられるみたいです。
まだまだ生態や分布について不明なことが多い魚です。

生息数も少なく、神経質で、水深20mぐらいにいるので近寄りがたい魚です。
この写真は10mぐらいのところにいたので近寄って撮ることができました。

実は他の色の帯を締めてる魚もいたりして…


オビシメ

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2008年10月03日秋の花 Part3

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

今年も残すところあと3か月。
でも、小笠原はまだまだ海日和です!(台風が来なければ…)
まだまだ日差しが強いです!

今回も秋の花シリーズ

アサヒエビネ(ラン科エビネ属)
絶滅危惧ⅠA類(CR)
ごく近い将来に絶滅する危険性が極めて高い種

花の時期は8~9月頃
漢字で書くと「旭海老根」
旭とは父島にある旭山からちなんでます。
その名の通り旭山にあったのですが、野生のものは旭山になくなってしまいました。
現在は植栽をし旭山遊歩道沿いに咲いているのが見られます。
私個人的にはこの花が好きです。

アサヒエビネ

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2008年09月26日秋の花 Part2

小笠原国立公園 小笠原 沼田伸一

オガサワラゼミの鳴き声が聞こえてきて秋になってきたな~と感じてきたこの頃です。
(小笠原ではセミが鳴き始めたら秋なのです)
今回もまた秋の花をご紹介します。

ムニンセンニンソウ(キンポウゲ科センニンソウ属)
絶滅危惧Ⅱ類(VU)
花の時期は9月頃
つる性の多年草です

漢字で書くと「無人仙人草」
果実についているひも状の白い毛が仙人の髭に見えたのでしょうか。

島名は「ドクヅル」
葉や茎の汁に触れるとかぶれるので気をつけて下さい。


ムニンセンニンソウ

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