ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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尾瀬国立公園

192件の記事があります。

2014年06月20日白と青とピンク

尾瀬国立公園 服部 恵子


尾瀬ヶ原ではミズバショウの盛りが過ぎ、
今年はワタスゲが当たり年を迎えています。

湿原を白く染めているのがワタスゲの果穂です。

湿原から約2㎝の高さでは、タテヤマリンドウが青く凛々しく咲いています。

ちなみにリンドウ(竜胆)という名前は、
竜の胆嚢ほど苦いことが由来だそうです。
タテヤマリンドウも可愛い容姿とは裏腹に
強烈な苦みを持っているということでしょうか。

そして湿原の中、小さいながらも目立つピンク色の花があります。

ヒメシャクナゲです。
高さ15㎝程ですが、シャクナゲというだけあって歴としたツツジ科の木です。

他にも、湿原にはキジムシロやチングルマ、イワカガミなどが咲いています。
鳩待峠から山ノ鼻に向かう山道では、
ミヤマエンレイソウやシラネアオイ、マイヅルソウなども見られます。

花の宝庫尾瀬に遊びに来てください。

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2014年06月18日台倉高山巡視

尾瀬国立公園 長峯 彩

夏になっても、まだまだ肌寒い檜枝岐からお送りします。
檜枝岐自然保護官事務所の長峯です。

こちらに来てから一年中ほとんど毛布をしまったことがありません。
特に梅雨の間は、日中でも気温が20度ほど。
こちらの涼しい夏に慣れてしまうと、なかなか実家の埼玉には帰れません・・・。

そんな梅雨の合間を縫って、台倉高山に巡視に行ってきました。

台倉高山は、栃木県日光市と福島県檜枝岐村の県境にある2066.7mの山です。
約1700mの地点の馬坂峠まで林道を車で上がり、そこから巡視スタートです。

登山道は木階段が整備されているため、歩きやすくなっています。
登山道沿いには、オサバグサやカニコウモリの群落が見られます。
ちょうどオサバグサの開花のピークだったようで、可憐な白い花を沢山見ることができました。


馬坂峠から一時間ほど登っていくと、三段田代という湿原が現れます。
まだワタスゲの花が咲いたばかり。三段田代はまだ早春といったところでしょうか。

山頂付近でとうとう雨が・・・。
ですが、一瞬の晴れ間から、会津駒ヶ岳をはじめ、燧ヶ岳、至仏山の尾瀬一帯、越後の山々も見ることができました。
残念ながら日光方面は雲に包まれてしまいましたが、快晴であれば日光連山が目の前に見えたことでしょう!

さて、帝釈山・台倉高山では6月23日まで『オサバグサ祭り』を行っています。
期間中、馬坂峠口で特製バッヂを配っているとのことですので、皆さんゲットしてください!


オサバグサ祭り、その他尾瀬国立公園内の山開きの情報については、
尾瀬檜枝岐温泉観光案内所のHPをご覧下さい。
■尾瀬檜枝岐温泉観光案内所HP
http://www.oze-info.jp/eventguide/

また、尾瀬沼ビジターセンターのfacebookでも尾瀬沼を始め、尾瀬の情報をお伝えしています。
■尾瀬沼ビジターセンターfacebook
http://on.fb.me/1uVjrXm


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2014年06月05日会津駒ヶ岳巡視

尾瀬国立公園 長峯 彩

檜枝岐自然保護官事務所の長峯です。
6/2に、会津駒ヶ岳の巡視に行ってきました。

この日、檜枝岐村でも珍しいくらいの暑さの中、ひたすら山頂の雪を目指してあるいていきます。

登りから1時間少し過ぎた頃の水場付近から雪が現れ始め、そこからは雪の上をザクザクと歩きます。


登山道にはマーキングテープがしっかり巻いてあり、踏み跡もあるので迷うことはありません。
気温が高かったためか雪が緩んでおり、何度か足を取られました。
長い爪のアイゼンを持ってくればよかったと若干後悔しました。

樹林帯の切れ間からは日光の山々、樹林帯を抜けて稜線に出ると、燧ヶ岳や至仏山、越後の山々も見えてきます。


小屋が見えてからが、なかなか辛い・・・。ここを登ると山頂までもうすぐ!


晴れた日には絶対迷わないようなこの道も、天候の悪い日にはホワイトアウトしやすくとても迷いやすくなるそうですので、注意が必要です。

『広葉樹が針葉樹に譲るあたりから、残雪がきれぎれに現れ、やがて雪はベッタリ続いて木立も疎らになり、前面に眼のさめるような景色が現れた。会津駒ヶ岳の全容である。』
とは、深田久弥 日本百名山『会津駒ヶ岳』の一説。

深田久弥が会津駒に登ったのは、昭和11年(1936年)6月だったそうですが、78年経った今でも小説に書かれた風景が見られるとは感慨深いです。
6月下旬の雪解け後も楽しみにしながら下山しました。

残雪に覆われていますが、現在中門岳まで登山可能です。
また、竜ノ門の滝は雪解け水の為、現在通行不可となっています。

今年度の会津駒ヶ岳の山開きは、7/5(土)です。
詳細については、
■尾瀬檜枝岐温泉観光案内所HPhttp://www.oze-info.jp/eventguide/
をご覧下さい。

今年度、会津駒ですでに2度山岳救助が発生しています。
登山は十分な装備の上、無理のない計画をお願いします。

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2014年05月29日尾瀬沼の状況

尾瀬国立公園 長峯 彩

檜枝岐自然保護官事務所の長峯です。
ヘリでの荷揚げ作業も終わり、尾瀬がようやく開山しました。


この日を待たれていた方、大変多いのではないかと思います。
檜枝岐自然保護官事務所も冬の静かな雰囲気とは一転し、慌ただしくなる時期に突入しました。

さて、現在の尾瀬沼までのルートの状況ですが、沼山峠付近はまだ雪があります。
林内には雪の重みで曲がっている樹木や枝が多数があり、急に枝が跳ね上がる場合がありますので、付近を通る場合は注意して通行して下さい。

特にこれからは雪で木道が滑ったり、踏み抜きの多い時期になってきます。
今の時期は雪によるケガが多い時期ですので、くれぐれも慎重に通行してください。
雪で滑るのが心配な方は、簡易アイゼンなどを携行したほうがよいかもしれません。


大江湿原まで出れば、木道上に雪はありません。
雪が無いところでは木道を痛めてしまうため、アイゼンは脱いで頂くようお願いします。

尾瀬沼ではミズバショウやリュウキンカが咲き出していました。
まだまだニッコウキスゲは芽が出たばかりです。
今年はどんな花が多く咲くか楽しみです。

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2014年05月28日尾瀬開山

尾瀬国立公園 服部 恵子

先週の21日(水)に尾瀬の開山祭が行われました。
開山祭では、神事やくす玉開披、音楽の演奏会などが催されました。


私は、開山祭が終わってからそのまま大清水より入山して尾瀬沼に宿泊し、
翌日尾瀬ヶ原へと抜けて鳩待峠より下山しました。

尾瀬ヶ原ではすでにミズバショウがたくさん顔を出していますが、
尾瀬ヶ原より標高200m程高い尾瀬沼周囲でも
雪解けの早い場所でミズバショウが咲いていました。

その他2日間の行程の中で、ショウジョウバカマやワタスゲ、
ザゼンソウなどを見つけることができました。

日当たりのよい湿原では木道上に雪が残っているところは少ないですが、
湿原まで向かう林内の登山道にはまだ雪が残っています。


雪解け水で濡れた木道は滑りやすく、
また、踏抜き等の危険もありますので、
時間に余裕をもった行程でゆっくり楽しめるようお出かけください。

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2014年05月08日尾瀬沼

尾瀬国立公園 長峯 彩

檜枝岐自然保護官事務所の長峯です。

沼山峠までの除雪が終了したということで、4月30日に今年度初の尾瀬沼へ向かいました。


ブナ平の芽吹きはまだまだこれから

今年度は例年よりも残雪が多いとのことでしたが、雪解けと共に大江川が出てきていました。

そろそろ踏み抜きそう・・・


大江湿原の看板はそろそろ頭がでてきたところ


※なお、一般の方は沼山峠までの通行規制が解除されるまで入山できません。尾瀬周辺の道路状況についての情報は、各ページをご覧下さい。

尾瀬保護財団http://www.oze-fnd.or.jp/main/access/access1/toukiheisa2013.html
尾瀬檜枝岐温泉観光案内所http://www.oze-info.jp/traffic/
会津バスhttp://www.aizubus.com/osrs_dtl.php?app_forward=PcOsrsDtlDispAction&hisn_no=122


檜枝岐村では山桜のピークが過ぎ、ブナが芽吹いてきました。
尾瀬にもどんどん春が近づいていますね。

しかし、暖かくなってきたからと言って油断は禁物です!
GWの5月4日には会津駒ヶ岳で2件の山岳事故が発生しています。
暖かくなって雪が緩み、大変滑りやすくなっていますので、これから入山される方は装備や天気、体力と相談した上で、無理の無い登山をお願い致します。

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2014年04月16日大清水登山口

尾瀬国立公園 服部 恵子


4月18日(金)午前10時に
大清水へと続く戸倉のゲートがいよいよ冬期通行止め解除になります。
冬期通行止め解除を前に大清水~一ノ瀬の積雪状況を確認してきました。

例年は大清水から一ノ瀬の手前にかけての登山道は除雪されていませんが、
今年は除雪されています。

登山道脇にはまだ1m以上の積雪があり、
登山道上には雪解け水がとうとうと流れています。

一ノ瀬から先は、まだどっさりとした雪に覆われています。

左上の写真は7月の一ノ瀬休憩所の様子です。
右上の写真が4月15日(火)の一ノ瀬休憩所の様子です。
まだ軒近くまで雪が積もっていることが分かります。

大清水へ向かう道路の冬期通行止めが解除されても、
尾瀬沼へと続く登山道はまだ雪の中です。
土地勘のある方でも迷いやすく、
一昨年、開山前に入山されて亡くなられた方もいます。
安易な考えでの登山は絶対におやめください。

ちなみに大清水湿原はというと、
水の流れがある所の周囲では土が見えていて、
他は数十㎝からそれ以上の雪に覆われている状況です。



鳩待峠へと続く道路の冬期通行止めは、
4月24日(金)午前10時に解除予定です。
大清水とお間違えの無いようにお気を付け下さい。

※冬期通行止め情報の詳細は『沼田土木事務所 TEL0278-24-5511』に
お問い合わせください。

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2014年03月11日尾瀬国立公園地域力育成シンポジウム@片品村

尾瀬国立公園 服部 恵子


昨日(3月10日)、(公財)尾瀬保護財団主催の『尾瀬国立公園地域力育成シンポジウム』が開催されました。
環境省の平成25年度尾瀬国立公園利用適正化推進事業委託業務の一環です。

このシンポジウムは主に地元の方を対象として、
尾瀬国立公園及びその周辺地域の資源・魅力等を活用しながら、
持続的に発展できる地域の総合力(地域力)の育成を目指して開催されました。

小雪の舞い踊る中、
尾瀬高校の生徒さんや尾瀬のガイドさんなど
尾瀬と片品村に携わる多くの方々が集いました。



まずは、観光地域づくりプラットフォーム推進機構の会長や
立教大学観光部の兼任講師を務められている清水愼一先生から、
各地の事例を紹介しながら地域力育成における問題点を浮き彫りにして、
地元が主体となり地域を盛り上げていくための仕組みなどが講演されました。



その後、尾瀬ガイド協会さんや片品村振興公社さん、会場に集まった方々などから
各自の取り組みが発表され、今後の展望について語り合われました。

地域力を育成するには、
まず観光業を生業とする方、農家さん、NPO法人など
地元の人々が連携することが非常に重要であることが伝わりました。

尾瀬を含む片品村に伝わる歴史や自然を生かして、
さらなる発展をとげることを願います。

3月13日(木)には、
同様のシンポジムウムが檜枝岐村役場で行われます。
詳しくは尾瀬保護財団のホームページ(http://www.oze-fnd.or.jp/)より、
ホーム>イベント>イベント全般をご覧ください。

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2014年03月06日春はすぐそこ・・・?

尾瀬国立公園 長峯 彩

檜枝岐自然保護官事務所の長峯です。

だんだん雪がみぞれ混じりの重たい雪になってきて、道路の路面も見える日が増えてきました。

もうそろそろ春なんだな~と思っていました。

が!


【昨日全部溶けたのに・・・】


【ホワイトアウトする駐車場】

まだまだ冬でした。東北の冬は長い・・・。

今年の冬は、自家用車が雪のトラブルに見舞われる事が多く、本日もやってしまいました。

ドアノブの破壊。

みなさんも、凍って張り付いた車のドアは無理矢理空けないようご注意下さい!

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2014年01月24日尾瀬グルメ

尾瀬国立公園 服部 恵子


現在、片品の事務所がある辺りでは夜は-5℃くらいまで気温が下がり、
雪が降ったり降らなかったりという状況です。
しかし去年に比べると雪は少なく、
メインの道路にはほとんど雪がありません。

新年1回目の更新は、
尾瀬での食事についてご紹介したいと思います。

山小屋の食事と言えば、
多くの方は富士山の山小屋でいただくような
カレーをイメージされるのではないでしょうか?
しかし、尾瀬の山小屋は違います!


ご覧のような食事が食べられるのです!
各山小屋によってメニューや味付けも違います。
是非、お気に入りの山小屋を探してみてください。

そしてなんと、
ケーキが食べられる所もあります!


※当然仕事中には食べていません。

他にも、おでんや花豆ソフトクリーム、甘酒などが売っていたりします。

食材の運搬は、ヘリコプターや
100㎏近くの荷物を背負って歩く歩荷さんが行っています。
観光地として、当たり前のようにおいしい食事を食べたり、
水道を使ったりしていますが、そこは標高1400~1600m。
ライフラインや施設の維持管理も市街地とは事情が違います。

当たり前のようで当たり前でない。
山の上の特別な尾瀬グルメをご賞味ください。


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