尾瀬国立公園
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2019年02月05日冬の檜枝岐村の雪かき
尾瀬国立公園 内海 真弓
みなさんこんにちは!
尾瀬国立公園 檜枝岐アクティブレンジャーの細川です.
尾瀬国立公園は10月末から閉山になりましたが、私の拠点は変わらず檜枝岐村にあります。
去年は雪が降り始めたのが遅く11月になって少しずつ降りましたが、やはり例年よりも積雪量は少ないようです。
今回は、檜枝岐自然保護官事務所の除雪について紹介します。
檜枝岐村は尾瀬国立公園に非常に近い場所にあり、尾瀬への入り口と呼ばれることがあります。
豪雪地帯でもあり、一晩で膝上まで積もることもあるので、毎朝の出勤は雪かきから始まります。
この前は事務所の鍵穴が凍ってしまい、大変な思いをしました。
通常、どの家にも灯油ストーブや備え付けストーブがあり、灯油を入れて使用します。排気口が雪で埋もれないように注意しましょう。
檜枝岐自然保護官事務所の裏は川になっており、屋根(斜めになっている)から落ちた雪が川に落ちてくれればいいのですが少しだけ平地になっているので山の様に積もってしまいます。
(事務所裏の様子)
あまりに積もりすぎると、裏側が圧迫されてしまうので危険です。(窓ガラスが割れるかも...)
少ない雪はスコップやダンプという道具で払うことができるのですが、今回は雪山(小さいですが)を相手にしているので「除雪機」という、雪を巻き込み他所に飛ばす頼もしい機械を使います。
(除雪機から雪が飛ばされているのが見えます)
私はまだ除雪機を使い始めて二年目の初心者なので、このように傾けることは難しく慣れている人に任せています。
雪をスコップで崩し、除雪機で除雪し...という作業を何度も行い、少しずつ雪を減らしていきます。
(雪の山を崩す)
ここで注意しなければならないのが、日が当たると屋根の雪が溶けてさらに山の上に落ちてくる可能性があるので、午前中しか作業ができないのです。
特に、除雪初心者は雪の恐ろしさを知らないのでさらに気を付けなければなりません。
ある程度、除雪し終えたら区切りを決めて次の機会に持ち越しましょう。
次の日に事務所裏を見てみると、屋根に積もった雪が溶け落ちまた山を作っていました・・・
(次の日の事務所裏)
雪かきに大切なのは、忍耐と楽しむ心です!
「こんなキレイな塊が掘れた!」
「雪だるま作ろう!」
「良い運動になる!」
など、いろいろ考えて除雪すると楽しいかもしれません。
今度、尾瀬に環境省が所有する施設の除雪を行う予定です。
真っ白な湿原の上を歩くことができる貴重な体験なので楽しみにしています。
皆さんも良い冬をお過ごしください。
2018年09月13日尾瀬サミット2018@檜枝岐村開催
尾瀬国立公園 内海 真弓
みなさん、こんにちは!
檜枝岐(ひのえまた)自然保護官事務所の細川です。
今月、9月11日に尾瀬サミットが檜枝岐村の尾瀬沼ヒュッテで開幕しました。
福島、群馬、新潟の3県知事や環境大臣政務官など関係団体の代表者が参加し新・尾瀬ビジョンに基づき尾瀬国立公園の環境保全について意見交換会を行いました。
↑尾瀬サミット2018
前日10日に御池(みいけ)ロッジにて尾瀬国立公園協議会が開催され新・尾瀬ビジョンの案と今後の取組の進め方について話し合いが行われ、合意を得ました。
↑9月10日尾瀬国立公園協議会
新・尾瀬ビジョンは尾瀬の強みを生かしたエコツーリズムやSNSによる情報発信などを柱とし、入山者の減少やニホンジカの食害などの課題に対応するため、日光国立公園と分離独立した2006年に策定したビジョンを12年ぶりに改訂しました。
これは一つの団体だけが取り組む課題ではなく関係団体がそれぞれ尾瀬をより良くするために取り組む課題であるため、みんなの目標が新・尾瀬ビジョンになります。
尾瀬ビジョンが改訂する経緯等少しわかりにくいと思うので時系列で簡単に説明します。
1.2006年尾瀬ビジョン策定&尾瀬国立公園誕生(日光国立公園と分離独立)
2.(入山者の減少やニホンジカの食害等の問題が顕著に見えてくる)
3.2017年尾瀬サミットにてこれからの尾瀬について具体的な対策が必要であると議論(尾瀬ビジョンの改定)
4.2017年から2018年の間に様々な方と意見交換会等を開き新・尾瀬ビジョンの具体的な内容を検討
5.2018年9月10日尾瀬国立公園協議会にて新・尾瀬ビジョン案を発表→関係団体の合意
6.9月11日尾瀬サミット2018にて新・尾瀬ビジョン決定
新・尾瀬ビジョンの行動理念は
「みんなの尾瀬を みんなで守り みんなで楽しむ」
としており、それぞれの言葉に意味があり必要な取組を分けています。
「みんなの尾瀬」
尾瀬の普遍の価値を広く発信し、尾瀬を愛する輪を広げていきましょう
(情報の効果的な発信や現状把握等)
「みんなで守る」
かけがえのない尾瀬をみんなで守り育てしっかりと次世代に引き継いでいきましょう
(歴史・伝統・文化が息づく尾瀬づくりや野生動物との軋轢の解消等)
「みんなで楽しむ」
自然を損なわない楽しみ方を考えながらみんなが訪れたくなる尾瀬にしましょう
(魅力あふれる尾瀬づくりや幅広い楽しみ方の検討等)
↑福島工高山岳部の紹介。燧ヶ岳登山や檜枝岐歌舞伎の化粧体験などについて報告しました。
尾瀬サミットは毎年9月頃に開かれ尾瀬国立公園に面している群馬県、新潟県、福島県で持ち回りをしています。昨年は群馬県片品村で開催され今年は福島県檜枝岐村でした。来年は新潟県で開催されます。県境を越えることは大変だと考えていたのですが、各県の文化、伝統、料理などを味わうことができ身近に気軽に行けるような所であると思えるようになりました。
↑尾瀬サミット2018集合写真
尾瀬はこれから秋シーズンになり紅葉が見頃になります。
雪が降るため1年の内、半分しか入山することができませんが貴重な半年を存分に感じ取りみなさんに発信していきたいと思います。
↑天気はくもりでしたが燧ヶ岳がはっきり見えました。
2018年08月02日アクティブレンジャー写真展 道の駅尾瀬かたしなで開催
尾瀬国立公園 尾池こず江
尾瀬国立公園片品地区では、平成30年7月21日(土)から8月12日(日)まで「道の駅尾瀬かたしな」でアクティブレンジャー写真展を開催しています。
この写真展では、関東地方の国立公園や国指定鳥獣保護区で、自然保護官補佐(アクティブレンジャー)が、日頃の業務を通じて撮影した動植物や四季折々の写真を展示しています。
自然のすばらしさや大切さを伝え、自然保護や国立公園について多くの人に知っていただけたら嬉しく思います。
ぜひ、展示場にあるアンケートのご協力もお願いします。
※「道の駅尾瀬かたしな」は、7月21日(土)に片品村役場の隣にオープンしました。
尾瀬の入り口、片品村の道の駅へ足を運んでみてはいかがでしょうか?
写真展は、食堂側に展示されています。
2018年05月17日尾瀬国立公園 山ノ鼻ビジターセンター開所式
尾瀬国立公園 尾池こず江
5月16日に尾瀬国立公園山ノ鼻ビジターセンターの開所式に参加しました。
とても天気が良く暖かい日差しの中、関係者が集まり尾瀬シーズンの幕開けを祝いました。
尾瀬を安全に楽しんでほしいと関係者からの挨拶があり、また片品自然保護官からも尾瀬についての
お話と挨拶をさせていただきました。
↑開所式の様子
山ノ鼻ビジターセンターは、鳩待峠入山口から1時間くらい歩くのですが、
今回歩いた道のりの様子を少しだけお伝えします。
↑今年は昨年と比べると残雪が少ない至仏山
木道を歩いていると左手に至仏山が見えてきます。
↑木道の様子
今年度は雪が少なく雪解けも早かったため
鳩待峠から山ノ鼻間の木道には残雪が一部ある程度、木道脇の日陰の部分には写真のような残雪がある程度でしたが十分注意して通行しましょう。
(5月2日時点では木道にも雪があり、踏み抜きに注意して歩きました)
↑テンマ沢のミズバショウ
鳩待峠入口から35分くらい歩くとテンマ沢にミズバショウが咲いていました。
この辺りでは美味しそうなミズバショウを食べに熊が出ることがあるそうですので、
朝夕の時間帯は特に気をつけて通行するスポットです。
↑近くで見たミズバショウ
今年は昨年より2週間くらい早く咲いているような感じと言われていますが、尾瀬ヶ原の
ミズバショウの見頃は5月中旬~下旬くらいでしょうか。
写真からではお伝えできないのが残念ですが、鳥のさえずりや川の音を聞きながら
とても心地よい尾瀬でした。ぜひ、尾瀬に来て感じてほしいと思います。
2018年04月23日大清水湿原でのミズバショウ移植作業
尾瀬国立公園 尾池こず江
みなさん、はじめまして。
尾瀬国立公園を担当する片品自然保護官事務所に4月から着任しました尾池です。
直接自然に関わりAR日記から尾瀬の今を伝えていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
事務所のある片品村周辺は、桜が綺麗に咲いております(写真は天王桜)
さて、4月20日(金)に尾瀬国立公園の入山口の一つである大清水湿原でのミズバショウ移植作業に参加し、片品村や地元高校生(尾瀬高校生)等、多くの尾瀬関係者と協力してミズバショウを1千株ほど移植しました。
活動の様子
尾瀬の中は入山口から徒歩で行く必要がありますが、ここ尾瀬国立公園大清水湿原までは車で行くことでき、2010年頃までミズバショウの群生地として開花時期には多くの人が鑑賞に訪れていました。
しかしニホンジカなどの野生動物による食害がすすみ、2011年頃から地元関係者らがミズバショウの移植をするなど群生を復元させる活動を行っています。2年前から尾瀬高校生も参加し、移植作業をしております。
ミズバショウを移植してもシカなどの野生動物によってほぼ食べられてしまうという状況のなか、今年度から村や土地所有者がシカ柵を設置したり木道の整備をしたりと、片品村主体で関係者が連携しながら、「誰でも行ける尾瀬」として大清水湿原再生事業がすすんでおります。
今回の取り組みは、尾瀬に関わる色んな関係者や団体が一緒になって尾瀬を維持していこうという取り組みです。関係者の方々のお話を聞き、また高校生と協力して作業ができたことはとても有意義でした。
尾瀬が抱えている課題や自然環境の保全の難しさをみんなで考えるきっかけにもなり、今回尾瀬高校生1年生の生徒さんたちはまだ入学して間もないですが、人との触れあいや自然を大切にするといった第一歩の活動だったと思います。
最後にネットを周囲に設置し野生動物が侵入しないようにしました。
しっかり根付いて綺麗なミズバショウが咲きますように...。
2018年03月14日雪が残る尾瀬に行きました!
尾瀬国立公園 細川有希
みなさん、こんにちは。
尾瀬檜枝岐自然保護官事務所の細川です。
尾瀬は冬期間に入るため去年の11月に山小屋の人が降り、ずっと無人の状態でした。
今年の2月頃から山小屋の方が屋根の雪を降ろすため、少しずつ入ってくるようになっています。
今回は、環境省の施設である尾瀬沼のビジターセンターや公衆トイレなどの雪下ろしを行いました。
まず、檜枝岐村のスキー場からヘリで尾瀬沼に向かいます。
(2018/3/13 檜枝岐温泉スキー場)
ヘリに乗るのは2回目ですが、普段見られない高い所からの風景は新鮮でとてもキレイでした。
檜枝岐村からまっすぐ燧ヶ岳方面を目指して約10分程の旅です。
(2018/3/13 正面に見える赤丸が燧ヶ岳)
会津駒ヶ岳も冬期間は山小屋が閉まっていますが、雪山を登ってからスキーで下りる「山スキー」に訪れる人もいらっしゃいます。
(2018/3/13 見晴地区の山小屋)
見晴の湿原も雪を被り雪原になっています。
ここもまた、山小屋の方が雪下ろしのためにヘリでいらっしゃっています。
(2018/3/13 尾瀬沼ビジターセンター裏側)
尾瀬沼に着きました!
尾瀬沼にはいくつもの環境省が所管している施設があります。
雪の影響で壊れたりしていないか、除雪方法等を業者と相談します。
ビジターセンターは除雪の際は、ちょうど雪が積もって出入りしやすいので正面ではなく裏口2階から入ります。
屋根に積もっている雪はてっぺんから切り分けるように落とします。
(2018/3/13 尾瀬沼宿舎)
雪は2mほど積もっており、地元の方からすると今年は雪の量が非常に少なく溶けるのも早いだろうとのことでした。
雪が少ないと花の開花や動物達が例年よりも早く出てくる可能性があります。
一方で雪が早く溶けることによって雪の下で栄養を蓄えるはずだった植物が蓄えられず十分な姿で芽吹くことができないこともあります。
(2018/3/13 長蔵小屋付近から撮影した燧ヶ岳)
少しずつ春に向けて人も山も準備を始めています。
毎年、違う景色を見せてくれる尾瀬は今年はどんな美しい自然を見せてくれるでしょうか。
楽しみです!
2017年09月06日尾瀬の記念日とこれから
尾瀬国立公園 柳澤美果子
みなさん、こんにちは。
突然ですが、尾瀬の誕生日はいつかご存じですか?
尾瀬は2007年8月30日に日光国立公園から分離・独立し、新たに会津駒ヶ岳・田代・帝釈山を編入し
「尾瀬国立公園」として誕生しました。
ということは・・そう!今年は尾瀬国立公園が策定されて10周年という記念すべき年なのです。
毎年、尾瀬の誕生日に合わせて、尾瀬保護財団主催の【尾瀬サミット】が開催されています。
尾瀬サミットには群馬、福島、新潟の3県知事をはじめ尾瀬関係者が集まり、尾瀬の課題等について
意見発表を行います。
今回は「尾瀬の未来を考える」をテーマに2部構成で行われました。
サミットの第1部では、これからの尾瀬の担い手である若い世代から「尾瀬を楽しみ守る」をテーマに
意見発表が行われました。
意見交換する尾瀬高校生と尾瀬学校参加者
そして、サミットの中で尾瀬国立公園10周年記念式典が行われました。
10周年を記念して作られたあるものが、幕の中でスタンバイ。
除幕をして現れたのは・・
じゃーん!
尾瀬をイメージした緑のだるまが登場!!
だるまの右目に3県知事や笹川環境大臣政務官等々、関係者が発・守・楽・合の文字を書き込み、
墨入れを行いました。
【合】の文字を書き込む笹川政務官
それぞれの文字には以下の想いが込められています。
発:尾瀬のさらなる発展と関係機関による情報の発信を行う
守:これからも尾瀬の貴重な自然をみんなで守り、後世に引き継いでいく
楽:これからも多くの方々に尾瀬を訪れてもらい、楽しんで欲しい
合:尾瀬に関わる関係者の力を合わせて、みんなに愛される尾瀬をつくっていく
目入れされただるまは、山ノ鼻ビジターセンター、尾瀬沼ビジターセンターに展示されます。
そしてだるまには10年後の尾瀬への思いを書き込むことが出来ます!
ぜひ、尾瀬へ行って、尾瀬への熱い思いを書き込んでみてはいかがでしょう?
さらに、このだるまには10年後の尾瀬サミットで、もう片方の目入れを行う予定です。
第2部では、尾瀬を「守る」ために、尾瀬を「楽しむ」ために、
そしてこれからの尾瀬はどうあるべきかについて意見発表が行われました。
尾瀬では、ニホンジカによる湿原植生や生態系への影響、入山者数の減少や一極集中等
様々な課題があり、それに対する意見がありました。
尾瀬を取り巻く課題を解決していくために何をすべきか、そして、これから先の尾瀬を
どんな尾瀬にしていきたいか。
それを明確にし、共有するため、尾瀬10周年を節目に尾瀬ビジョンの改定を進めています。
今回のサミットで出た意見はもちろん、尾瀬にかかわる「みんな」の意見を広く聞き取りながら
尾瀬ビジョンを改訂し、来年度のサミットでの公表を目指します。
(尾瀬ビジョンの詳細はこちら)
そして、10年後の20周年記念の日、少しでもみんなが想い描く尾瀬の姿に近づけるよう、
だるまに書き入れた想いを胸に、関係機関で力を合わせながら、
ひとつひとつの課題に取り組んでいきたいと強く思わされた10周年記念でした。
2017年09月06日檜枝岐村100周年の節目
尾瀬国立公園 細川有希
みなさん、こんにちは!
檜枝岐村村政独立100周年を迎え4日に式典が催されました!
式典には村民や会津地方の首長ら約250人が出席し、星光祥村長はあいさつで「村民が厳しい状況を克服し、100年続いた村をつくったように、さらに100年続く基礎をつくっていきたい」と式辞を述べられ、来賓の鈴木副知事や渡部元衆議院副議長が祝辞を送られました。
(祝辞を述べる星光祥村長)
星村長が村に貢献した書家の故丹治思郷さんの妻幸子さん、東京檜枝岐会の会長平野健さん、檜枝岐歌舞伎を受け継ぐ座長の星長一さんらに感謝状を贈りました。
(檜枝岐歌舞伎「一之谷嫩軍記 須磨浦の段」)
式典後の昼食会では千葉ノ家花駒座が演じる檜枝岐歌舞伎の記念講演があり、出席者を魅了させました。
檜枝岐村は1889年の市町村制施行で伊南、大川村との組合村となり、1917年に組合村から独立し、
今年、2月1日に独立100周年を迎えています。
(檜枝岐村の歴史展示)
先月、8月30日(尾瀬の日)には「道の駅尾瀬檜枝岐」が村の北側玄関口にオープンしました。
案内所やレストランや土産物店、曲げ輪など工芸品を扱う木工品展示販売所で村の観光活性化に繋げていきます。
尾瀬国立公園に非常に近い、檜枝岐村ですが尾瀬サミットや村政100周年などで知名度がさらに上がることでしょう!
尾瀬国立公園だけでなく、秘境と呼ばれる檜枝岐村の雰囲気を感じながら尾瀬の大自然を満喫してみるのも良いのではないでしょうか。
ぜひ、お越しください!
2017年07月18日春は萌え 夏は緑に
尾瀬国立公園 細川有希
皆さん、こんにちは!
先週、御池駐車場から裏燧林道を通って尾瀬ヶ原(見晴)に行きました。
御池から出発してすぐにコバイケイソウの群落に出会いました。
(コバイケイソウ)
この植物には実は毒があり、毎年誤食事故のニュースがあります。ボリューム感のある若芽はおいしそうに見えますが、絶対食べないようにしましょう。
上田代付近ではヒメシャクナゲのちいさな群落がいくつかありました。
実はヒメシャクナゲはツツジの仲間で常緑小低木であり「木」です。よく見ると木の質感があるのが分かります。
(ヒメシャクナゲ)
今回もやはり雨で木道が沈んでいたり滑りやすくなっている箇所が非常に多かったです。
私も無理に木道を歩こうとして3回転びました...こういう場合は無理せず歩くことが一番です。
(ゴゼンタチバナ)
白い花に見えるものは、ミズバショウと同じように葉が変化した「ほう」と呼ばれる部分です。
花は真ん中の淡緑色の部分になり、赤い実が5~8個ほど成ります。
(ズミ)
温泉小屋付近から尾瀬ヶ原(見晴)に行く途中で、何度か見かけます。
季節遅れのサクラを見ているような感覚で春に戻ったような気がします6月上旬~下旬に花を見せてくれます。
(ワタスゲ)
尾瀬沼もそうですが、尾瀬ヶ原もワタスゲが時期を迎えています。
ふわふわ感はまだ十分ではないですが、もう少し経てばふわっふわになるでしょう。
夏本場に向けてさまざまな植物の花が顔を出してきています。
夏でも夜は寒くなるので、上着を持ってきましょう。
尾瀬を安全に楽しんでください。
新年を迎えたと思ったらあっという間にもう2月ですね。尾瀬国立公園片品自然保護官事務所の尾池です。立春が過ぎると暦の上では「春」に入りますが、尾瀬ではまだまだ数メートルの雪に覆われています。10月末頃にビジターセンターがクローズしてから、5月中旬頃の山開きまでほとんど人が入らない冬山となります。約半年もの間静かな尾瀬では、雪の下で植物が眠っています。5月中旬以降雪解けとともにミズバショウやザゼンソウが顔を出し尾瀬シーズンの始まりを感じることができます。とても待ち遠しいですね。
冬季中は片品村戸倉~鳩待峠間は通行止めになります。
尾瀬に入る機会も減りなかなか尾瀬の現地がお伝えできないのですが、オフシーズンでも片品自然保護官事務所では会議や様々な調整、データの集計など来年度に向けての準備等がたくさんあります。今回は片品自然保護官事務所付近の様子や尾瀬に関わる出来事等をお伝えしたいと思います。
尾瀬国立公園のもう一つの事務所、檜枝岐のアクティブレンジャーも書いていますが、こちら片品の事務所でも積雪があると除雪作業がとても大変です。年末年始に体に蓄えたモノをやっつけようと除雪で体を動かしつつ、流行りのインフルエンザにも負けずにこの冬を乗り切ろうと頑張っています。
事務所付近の様子(一晩で40㎝程積もった雪)
さて、年末年始頃の出来事になりますが、12月17日(月)に群馬県立尾瀬尾瀬高等学校(通称、尾瀬高)へ出向き保護官が「日本の国立公園における自然保護官の役割」という内容の講座を行いました。尾瀬高には自然環境科があり、校外実習で尾瀬に入り調査等もしています。昨年の夏にはシカのライトセンサス調査や植生調査にも同行させていただきました。また環境大臣政務官の尾瀬現地調査の際には意見交換会にも出席していただき、尾瀬に関わることの多い学校でもあります。この講座の最後には、生徒や先生からも積極的に質問があり、とても貴重な経験だったと感じています。
講座の様子
また、12月20日(月)には尾瀬国立公園適正利用の推進に関する小委員会があり、尾瀬全体を視野に入れた適正利用の促進に関する議論がありました。今年に入ってからは、1月22日(火)に「尾瀬国立公園シカ協議会」が開催されました。尾瀬のシカ問題は尾瀬地域だけでなく、周辺との連携を強化しながら対策をしていく必要があり、県をまたいで広域に移動するシカの対策を各主体が積極的に取り組みがされています。様々な観点からの取組発表や有識者の先生がたからのお話を聞き、シカ対策の重要性をさらに感じました。また、片品自然保護官事務所ではアクティブレンジャーがシカの移動経路にセンサーカメラを設置し、毎年データを収集し経年変化を見ています。シカを相手に状況の変化に応じて対応していかなければならないということもあり、なるべく多くの情報を把握できるよう続けていくべきだと思っています。
尾瀬国立公園シカ協議会の様子
会議が多い冬ですが、尾瀬の生き物達にまた会えるのを楽しみに準備していきたいと思います。
まだまだ寒い日が続きますが、みなさん風邪など引かないようにお過ごしください。