トピックス(2016年4月〜2017年3月)

2016年07月29日

小笠原諸島兄島における殺鼠剤空中散布について

平成28年7月29日(金)

環境省関東地方環境事務所
国立公園課
直通:048-600-0816
世界自然遺産専門官 千田 智基

小笠原自然保護官事務所
直通:04998-2-7174
首席自然保護官 尼子 直輝

兄島は、世界自然遺産である小笠原諸島の中でも、固有の生態系が良好な状態で残る無人島ですが、近年、外来種であるクマネズミにより、世界遺産の重要な価値の一つである固有の陸産貝類(カタツムリ)が顕著に食害され、絶滅の危機に瀕している種もあります。
環境省は、これまで陸産貝類の保全エリアを定め、かごわなやベイトステーション(殺鼠剤を入れた箱)の設置によるネズミ対策を行ってきましたが、これらの手法による保全対策の効果には限界があるため、兄島全域で対策を進めるために、ヘリコプターを用いた殺鼠剤の空中散布を8月に実施します。 殺鼠剤の散布に当たり、環境影響等を最小限にする様々な措置を取るほか、観光利用の多い季節であるため、利用者への配慮を行いつつ、保全対策を進めていきます。

環境省では、平成27年3月から一年間をかけ、「小笠原諸島ネズミ対策検証委員会」において、環境省が過去に実施した殺鼠剤空中散布の検証や、殺鼠剤の毒性に関する試験等を行いました。その結果を踏まえ、絶滅の危機にある兄島の陸産貝類(カタツムリ)の保全を図るため、「兄島陸産貝類保全プロジェクト会議」において、ネズミ食害を防ぐ方策を議論し、兄島陸産貝類保全プロジェクト実施計画を立案しました。
上記の専門家による検討と並行して、現地において地域連絡会議や意見交換会を開催し、地域住民の意見を反映させて実施計画を策定しています。
この実施計画に沿い、8月に以下のように殺鼠剤の空中散布によるネズミ駆除を実施します。

平成28年度兄島陸産貝類保全プロジェクト実施計画(PDF2,588KB)

平成28年度兄島陸産貝類保全プロジェクト実施計画概要版(PDF1,479KB)

保全的目標

・ネズミ食害による陸産貝類の危機的状況を早急に脱し、駆除2年後には兄島全域での生息状況を概ね良好な水準まで回復させ、可能な限りそれを維持する。

・種間相互作用を踏まえ、その他の保全対象(小型海鳥や固有植物等)や非標的種(ハト・ノスリ・コウモリ等)への影響を最小限とし、その後良好な水準に回復させる。

技術的目標

・現行手法で実行可能な対策手法を組み込みつつ、洋上流出防止策の強化を行うことで、ネズミを効果的に駆除し、長期にわたって低密度状態を維持する

・実行可能な非標的種への環境影響緩和策(ミティゲーション)を対策に組みこむ

・ネズミの生息が再確認されることに備え、予防的措置を行う。

・根絶にむけた技術改善の検討を進める。

・地元の合意形成を図りながら事業を実施する。

殺鼠剤空中散布の概要

●散布時期 平成28年8月6日~8月22日(予備日含む)

●対象地域 兄島、人丸島、瓢箪島及びその周辺の離岩礁

●散布方法 兄島内3エリア及び人丸島・瓢箪島に3回ずつ散布

  • ヘリコプターによるスローパック剤の空中散布
  • ベイトステーション又はドローンによる補足散布

●洋上回収 万一洋上流出した殺鼠剤の回収のため、散布している海岸に5隻の船が待機

●その他 以下のモニタリングや環境配慮等を実施

  • 土壌、陸水・海水の事前事後の殺鼠剤残留成分モニタリング
  • 散布状況及びネズミ生息状況モニタリング
  • 非標的種への影響モニタリング
  • 非標的種への環境影響の追加検証
  • 兄島の淡水水系及びハンミョウ生息裸地からのスローパック剤除去
  • 兄島におけるアカガシラカラスバト一時捕獲・飼育・散布後の放鳥
  • 父島の海岸における漂着スローパック剤の見回り・回収

兄島・人丸島・瓢箪島の海岸及びその近くの海域利用者へのお願い

  • 兄島・人丸島・瓢箪島の海岸を3区分に分け、日替わりで散布します。
  • 兄島の南西側の海岸及び人丸島・瓢箪島では、朝8:20-10:00に散布することとします。散布日の散布時間の上陸は御遠慮願います。
  • 海の利用には特に制限はありませんが、上記の時間には散布エリアの周辺では騒音や風等の影響が予想されます。
  • 兄島の北東側の海岸では、散布日は定めますが、散布時間は定めておりません。
  • 散布の暫定スケジュールは、別添の「小笠原自然情報センターだより第13号(PDF1,277KB)」を御参照下さい。スケジュールの変更は、アクティブレンジャー日記[関東地区](http://kanto.env.go.jp/blog/ogasawara/index.html)に掲出予定です。
  • 殺鼠剤の洋上流出を防ぐ措置を取りますが、散布後、父島の海岸にも殺鼠剤が打ち上がる可能性があります。万一、洋上流出している、又は父島の浜に打ち上げられている殺鼠剤を見つけた場合には、環境省にお知らせ頂き、小さなお子様やペットが誤って口にしないようお気をつけ願います。
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