ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2010年1月20日

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2010年01月20日松の樹幹注入作業

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

1月16日、「城ヶ崎海岸の松と自然環境を守る会」の方々が毎年行っている、マツノザイセンチュウ防除のための樹幹注入作業に参加しました。
城ヶ崎海岸は富士箱根伊豆国立公園内にあり、松林の景観が美しい観光地としても有名な場所で多くの方が訪れます。しかし、マツノザイセンチュウの感染による松枯れが進み、「このままでは城ヶ崎海岸の松がなくなってしまう」と、「城ヶ崎海岸の松と自然環境を守る会」のみなさんが保護活動を始めました。
会のみなさんがボランティアで松を守り始めて、今年で9回目の樹幹注入作業となります。

この日は朝6時半に城ヶ崎海岸に集合し、準備体操をしてから現場に移動して、早速作業開始となりました。
私は今回が初めての参加だったので、樹木医の先生に基本的なことから作業の手順まで、しっかり教えていただきました。
こんなに朝早くから作業を始めるわけは、松に陽が当たって葉の気孔が開いて蒸散が始まった時、松は薬剤を吸収しやすくなるので、それまでに薬剤をきちんとセットしなければならいからです。
松に薬剤を注入する時の1番良い条件は「晴天・微風・気温10度以下」なのだそうです。
こんな風に教えていただくと、松を守るための作業に心がこもります。

樹木医の先生や会の方々が、前もって樹幹注入を行う松を見定めて印を付ける作業をされていたので、この日はドリルで穴を開け、樹幹注入用のボトルを木に装着し、薬剤を注入、そして注入中の見回り、注入終了後にボトルの取り外し、注入後の処理という一連の作業をしました。
この作業を完璧にやらないと、せっかく注入した薬剤の効き目が落ちて、マツノザイセンチュウに感染してしまうのです。
1度感染してしまうと、松の木を救う手だてはないと聞いて、作業に力が入りました。

みなさんと一緒に作業をしながら感じた、みなさんの松と地元に対する愛情に、頭の下がる思いでした。


ドリルで穴を開けます。

薬剤を注入中です。

取り外した後、専用の粘土で穴を埋めて終了です。

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