関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
みなさんこんにちは。
8月ももう終わりですね。
宿題は終わりましたか?
ここ小笠原では、ぼちぼちオガサワラゼミがいっぱい鳴き始めます。
この鳴き声を聞くと秋が来たなーと感じます。
(オガサワラゼミは夏~秋にかけて見られ、その鳴き声は秋によく聞くことができます)
けど、年々セミの鳴き声があまり聞こえなくなってきています。
それはなぜか?
それはグリーンアノールというトカゲが、セミや島中の昆虫を食べつくしているからです。
彼らは口に入るものは何でも食べます。
それゆえ、グリーンアノールがいる父島・母島では希少な昆虫たちの数が減ってきています。
しかし一方、その他の無人島ではまだまだ多くの昆虫が見られます。
環境省では2006年からグリーンアノールが他の島に侵入しないように、港周辺に粘着トラップを使った駆除を行っております。
その結果、港周辺のグリーンアノールは低密度に抑えられ、船やカヤックなどに隠れた侵入の危険性は低くなっています。
また2008年からは、母島の希少な昆虫類が生息する所に保護区を設け、そこではグリーンアノールの侵入を防ぐフェンスを設置しました。
そして、その保護区内のグリーンアノールを排除し、母島本来の生態系を取り戻す対策に取り組んでいます。
皆様も小笠原に来られた際には、父島・母島から他の島に外来種を広げないよう注意して下さい。
ツアーなどでツアー船やカヤックに乗る時は、かばんの中などにグリーンアノールがいないかどうかチェックして下さい。
小笠原にいる昆虫を守るためにご協力をお願い致します。
オガサワラシジミ
オガサワラゼミ
グリーンアノール