関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
先日、山中湖北側を通る「東海自然歩道」を
巡視のため歩きました。
登りはじめの石割神社駐車場からしばらくは針葉樹林でしたが、
尾根に出たあたりからは落葉樹林帯やススキの群落が
多くなります。
もうすっかり葉が落ちてしまっていますが、
そんな中、紅一点鮮やかな色を見せてくれている木が
あります。
赤い実がとても目立ちます(H24年12月10日撮影)
それが「マユミ」という植物です。
青空に映える「マユミ」(H24年12月10日撮影)
「マユミ」はニシキギ科の植物で、
ニシキギ科は世界中で約800種類、
日本には27種類あります。
(参照:「山渓ハンディ図鑑」シリーズ(山と渓谷社))
この科に属する、ニシキギ・マユミ・ツリバナなどは
実や紅葉がとても美しいので、庭木などにもよく使われます。
「マユミ」は枝が強い上とてもしなるので、
昔はこの枝から弓を作っていたことが名前の由来になっています。
実は最初堅い皮に覆われていて、
熟すと皮が割れてタネが顔を出します。
そのタネはさらに仮種皮という皮に包まれていますが、
それがこのように真っ赤な色をしています。
では、なぜ真っ赤なのでしょうか?
(H24年12月10日撮影)
それはこの色で鳥の目を引き丸ごと飲み込んで
タネを運んでもらうためだそうです。
鳥だけでなく、私たちの目も楽しませてくれる木です。
今年はすでに落葉してしまっていて、紅葉を楽しむことは
できませんでしたが、来年は是非みなさんに美しく色づいた
マユミの葉の写真をお届けしたいと思います。
5~6月にとても地味なお花を咲かせるようなので、
まずは半年後その写真を掲載します。お楽しみに。