関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
日中は、五色沼北側にある植生保護柵内で林業センターが実施するシラネアオイ調査に参加しました。シカの食害が目立ち始めた平成5年、シラネアオイの群生地だったこのエリアにも柵が設置され、食害防止だけではなく人工培養したシラネアオイの移植活動も続けられてきたそうです。今回は、その経過観察を目的に柵内に設置してある調査区のシラネアオイの数や大きさなどを計測しました。柵外ではあまり見られないシラネアオイが、柵内では足の踏み場に困るほどにその生息を確認できました。ただ、それでも柵内にシカの糞や食痕も見られたので、積雪による柵解除期間中の食害か、あるいは柵内へ侵入したかということが考えられそうです。
夜間には、白根山のシカの生息状況把握のためのライトセンサス調査(2013年6月12日中野AR日記 参照)を実施しました。ライトセンサスを実施するには厳しい条件の濃霧と強風の中、第1回目は1頭を確認しました。しばらくして霧も晴れ、第2回目には計17頭確認しました。前回の調査よりも確認頭数が多いという結果が得られ、夏期の生息状況を確認することができました。
ちなみに、移動中、人馴れしたシカと遭遇しました。
シカは、自ら距離を縮め、しばらくの間私たちの周りにいました。人馴れした経緯は不明ですが、過去に人に近づくことで何か利点があったのでその行動を示したのでしょう。人間側としても、距離を縮められるとその表情が鮮明に見えて愛らしく感じられるのですが、しかし、野生動物なのでヒトとの境界線は必要です。もし、このように人馴れしてしまったシカが現れても、決して食べ物など与えないようにして、人間側から距離を保って下さい。