ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2013年12月18日

3件の記事があります。

2013年12月18日不法投棄撲滅月間

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

12月は「不法投棄撲滅月間」ということで、12月上旬に実施された不法投棄防止統一パトロールに参加しました。
普段から地元の方々がパトロールをして不法投棄防止や投棄物の発見に努めて下さっているので、今回のパトロールでは特に異常(投棄現場や投棄物発見)はありませんでした。

パトロールでは、不法投棄されやすい場所を重点的に見て回ります。
不法投棄されやすい場所は、やはり写真のような車通り・人通りが少ない細い道が多いです。

「不法投棄=悪いこと」という心理が働くからこそ、このような場所を探して投棄するのだな~と、改めて感じました。

現在、不法投棄されたり投棄されやすいような場所には、ロープを張って看板を設置するなどの対策を講じています。


今後もパトロールなどの活動は日々続けられますが、不法投棄は個々人の意識が大切です。
自然環境保全を始め、様々な観点からも安易に投棄することを考えず、適切な処理をしていただきますようお願い致します。

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2013年12月18日カタツムリを守る意味

小笠原国立公園 小笠原 吉留光一

今日は東京の天気予報に雪マークがありましたね。
もう街は冬一色ではないでしょうか?
僕は最近、カタマイマイの調査に同行させて頂いています。
そこで今回は、小笠原諸島「父島」の現状について少し触れてみたいと思います。

さて、突然ですが「カタツムリを守る」と聞いて皆さんはどう思われますか?
カタツムリと聞いてもあまりピンと来ないのではないでしょうか。
ましてや「守る」と言われても不思議に思われるかもしれません。
しかし、小笠原の世界遺産にとってカタツムリは無くてはならない存在なのです。

「現在進行形の生物進化」-大陸から遠く離れた小笠原諸島では、
そこにたどり着いた生物たちが独自の進化を遂げてきました。
中でも陸産貝類は100種以上が存在し、その内90%を固有種が占めます。
特にカタマイマイはその象徴とも言える種で、木の上から落ち葉の下まで、様々な場所に適応して進化をしてきました。
そしてその進化は現在でも続いていると言われています。
生物進化の過程を示し、現在も進化しているカタツムリ
小笠原の世界遺産にとってカタツムリは重要な価値を持っているのです!


父島の固有種であるチチジマカタマイマイ

しかし、実はもう父島にカタマイマイはほとんど残っていません。
かろうじて残っている数カ所も、数年後にはいなくなるだろうと考えられます。
その一番の原因は外来種のニューギニアヤリガタリクウズムシです。
これは陸棲のプラナリアで、主に陸貝を捕食します。
しかも一度侵入を許すとそこにいる陸産貝類を食べ尽くし、
繁殖力の弱い固有種はこのプラナリアに対抗できません。


陸産貝類を食べ尽くすニューギニアヤリガタリクウズムシ

現在のところ、ニューギニアヤリガタリクウズムシの駆除に有効な手段はありません。
父島のカタマイマイに纏わり付く「絶滅」の二文字は非常に現実味を帯びてきているのです。
環境省ではカタマイマイの残る地域で、柵による防衛を検討していますが、
今はただ侵入を防ぐことしか出来ません。
父島のカタマイマイは今、「絶滅」との戦いの最前線にいるのです。


飼育下のチチジマカタマイマイ

絶滅した生物はもう元には戻りません。
そして私たちは今預かっている「世界遺産小笠原」は、
未来の世代に引き継がなければなりません。
だから僕らは「カタツムリを守る」のです。

いつか父島でカタマイマイが普通に見られる日が来ることを信じて

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2013年12月18日道の駅にて

富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒

富士山麓はすっかり秋から冬になりました。

冬の間は凍結、雪等の影響で巡視できる場所も
限られてきてしまうので、事務所での業務が
多くなりますが、12月7日(土)は道の駅で行われた
秋から冬になるこの時期だからこその
「富士山麓古タイヤ不法投棄防止キャンペーン」
に参加してきました。



当日約40人が参加しました(2013年12月7日撮影)


富士北麓には、民間企業と行政が一体となり
富士山麓の不法投棄を抑止するための
「富士山麓環境美化推進ネットワーク」が設置されていて、
バス、タクシー等の運輸業を始めとした一般企業、
旅館組合、NPO団体など数多くの団体が構成メンバーになっています。
富士五湖自然保護官事務所もその一員です。
今回はそのメンバーにて「道の駅富士吉田」と「道の駅なるさわ」
でキャンペーンを行いました。


自動車整備振興会の「てんけんくん」「せいびちゃん」も
お手伝いしてくれました(2013年12月7日撮影)


何故「この時期だからこそ」かと言いますと、
富士北麓は積雪はそれほどありませんが
寒さが厳しく道路が凍結しますので、スタッドレスタイヤは必須です。
ちょうど今がタイヤの交換時期ですが、残念ながら中には
交換後の古タイヤを不法投棄する人がいるのです。


過去の清掃活動で発見されたタイヤ(2013年11月1日撮影)


そのため、道の駅を利用する方々に古タイヤの不法投棄防止への
ご協力をお願いしました。

私達や山梨県の富士山レンジャーを始めとした行政が
パトロールを行ったり、富士山麓環境美化推進ネットワークメンバー
の方々も監視に協力をしてくれていますが、
広大な富士山麓に目を配るには一人でも多くの
“監視の目”が必要です。

このような違法行為をする人はごくごく一部ではありますが、
不法投棄をする人がいるという現実、不法投棄が違法行為である事を
皆さんに知っていただいた上で、不法投棄がゼロになり
今まで以上に美しい富士山麓になるように
皆さんと力を合せて行きたいです。
ご協力をお願いいたします!


<山梨県内で不法投棄を発見した際の連絡先・注意点など(山梨県HP)>
http://www.pref.yamanashi.jp/kankyo-sb/fuhoutouki/tuuhou.html

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