関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
巡視の際に見つけた糞(おそらくキツネ)です。それをよく見ると、赤い輪ゴムがあるのがおわかりでしょうか。排泄されたからよかったものの、体内に留まっていたことも確かですし、これ以外の人工物を口に入れている可能性もあります。
あらためて人間の自然への影響について考えさせられてショックでした。そして、今回の巡視のショックは続くのです。
次は、落ちてしまったのか、何かあったのか・・・、園地に丸ごと放置された中身の入ったお弁当。私が拾っているそばで、カラスがじっと見ていました。食べ物を狙っていたのかもしれません。たとえ落ちてしまったのだとしても、このままですと野生動物が人間の食べ物の味を覚えてしまう原因になりかねません。仮に、何かの動物が食べ物などに手を出してくる行為があったとしても、もとを辿れば、落としたゴミや、ゴミ箱に捨てたとしても誘引してしまうような環境だったり、あるいはマナーを知らない人が食べ物を与えたりなど原因があって味を覚えてしまった…という発端は人間側にあることが多いです。
そして、木道沿いのササ藪に投げられていたティッシュ。これも木道沿いに今回は20個近く拾いました。以前にも、鼻血を拭いたと見られるものが道沿いに堂々と点在して捨ててありました。正直いうと、拾う側も特にティッシュの塊はとても抵抗があり、できるものなら拾いたくはありません。ここは、ゴミ箱ではないですよ?トイレでもないですよ?
自然にかえると思ってか、誰か拾うと思ってか、故意に捨てていく感覚はよくわかりません。中には落ちてしまったものもあるでしょう。自然にかえるものとかえらないものもありますし、一見かえりそうなものであってもとても時間もかかり、またここで分解する必要のないもので自然の異物には他なりません。捨てられたものを見て、それをしてもいいと無意識に真似する人もいるかもしれません。ゴミを拾うのは、ありのままの豊かな自然を自然のままに見て利用してほしいから拾うのです。ゴミが無いにこしたことはありません。
夏休みを日光国立公園で過ごそうと足を運んでいただいたのなら、自然のために人のために、より気持ちよく過ごせるようにごみの持ち帰りにご協力をお願いします。