関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
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アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
すっかり秋です!
さて、先日、南アルプスの南部にある塩見岳で行われた
植生復元活動に参加してきました。
塩見岳の東峰直下の斜面は、昭和50年代には豊かなお花畑が
広がっていたそうです。しかし、現在は写真のとおり、ほとんど
植物は生育していません。
「昔はお花畑だったんだよ」と教えてもらわなければ、私は
「もともと植物のない場所なんだ」と思っていたはず…。
ここも増えすぎたニホンジカが原因で環境が変わってしまった
場所のひとつです。ニホンジカが高山植物を食べ、地面がむき
出しになったために雨などで土が流れ出すようになってしまい
ました。
このため、南アルプス高山植物保護ボランティアネットワーク
のみなさんが中心となって、植生を復元するための活動をして
います。
今回は、土の流出を防ぐためのマットを敷設する作業を行いました。
すっかり植物がなくなり、むき出しになった斜面にマットを敷設
していきます。
こちらは昨年までに敷設されたマットです。
少しだけ植物が芽生えているのがわかりますか?
もとの状態はまだまだ先ですが、芽生えを見ると嬉しくなりますね。
昔の様子を記録してくれていた人がいて、その人が記録を伝えて
くれたから、昔を知らない人も以前との変化を知ることができる
んだなぁと、今回もつくづく感じました。
私も「現在」の様子をきちんと記録に残し、伝えていけたらなと
思っています。