2015年6月
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2015年06月12日甲武信ヶ岳~三国峠巡視
秩父多摩甲斐国立公園 野崎 拓
こんにちは。
6月10日~11日に毛木場~甲武信ヶ岳~十文字峠~三国峠の巡視に行ってきました。
甲武信ヶ岳は苔むした樹林が印象的な山なのですが、梅雨に入るまで雨がほとんど降っていなかったために、今回は苔に水分がなくパサパサしていました。これからの雨に期待です。
今回稜線を歩いていると、稜線を境にして天気が違うことに驚きました。
甲武信ヶ岳~三国峠の稜線は長野県と埼玉県の県境になっているのですが、長野側は乾燥していて晴れ間が覗いていたのに対し、埼玉側は厚い雲に覆われて一面真っ白でした。
雲がかかっている左側が埼玉県、右側が長野県
稜線は岩場も多く滑りやすいのですが、午後になる頃には埼玉から流れてきた雲に尾根は覆われてしまいました。歩いている途中で雨に降られなくて助かりました。
見頃だった花の状況です。
毛木場駐車場周辺(左:レンゲツツジ 右:ベニバナイチヤクソウ)
甲武信ヶ岳山頂周辺(左:ミツバオウレン 右:ヒメイワカガミ)
2015年06月12日一面
日光国立公園 櫨木 めぐみ
交通規制がかかっていて低公害バスや徒歩、もしくは遊覧船からでないと行けない1002号線。その奥には小田代原、西ノ湖、千手ヶ浜などの自然が保全されています。
その千手ヶ浜はこの時期、たくさんの利用者で溢れています。そのお目当てが...
そう、クリンソウです。
クリンソウで覆われた一面のピンクや紫、白色は確かにきれいでした。ただ、それよりも普段のこの辺りの静かな姿を知っているためか、山間の奥地とは思えない人の多さに圧倒されてしまいました。そして、このクリンソウはというと...
ご覧のとおりクリンソウ専用の防鹿柵に囲まれております。このあたりは、シカが群れをなして生息する場所でもあるのです。
クリンソウ柵の外はというと、青々とした緑。なんて豊かな自然がひろがっているのだろう!と思われるかも知れませんが、よくその緑色を見ると同じ種類の植物でこちらも一面覆われているのです。
その代表格として、マルバダケブキ、シロヨメナ、キオン、イケマ...これらは、シカの忌避植物です。しかし、かつてはこんな単一な姿ではなかったようです。シカも食べ物の好き嫌いがあるわけですが、彼らも今のような嫌いなものに囲まれるのもあまり嬉しくないでしょうね。しかし、そうせざるを得ない状況や環境になったとも言えるのではないかと思います。
千手ヶ浜から西の林内へ足をのばすと、ひっそりと西ノ湖が佇んでいます。私が訪れたこの時期は、だいぶ干上がっていました。西ノ湖は独立した湖で、降水量により貯水量が左右されるのですが、いかにここのところ雨が少なかったがわかります。しかし水分を多く含む湖の土壌。そのため、ここにもそこら中にシカの足跡が...。そして、西ノ湖の周りの防鹿柵により行き場がなく、ハイカーの中に登場せざるをえなくなったシカもいました。
柵や交通規制などの保全等により保たれている自然の豊かさはありますが、偏りがあるのも事実です。一面だけでなく多面的にみること、バランスをとることの難しさなど、そんなことを改めて再確認した巡視でした。
2015年06月12日再び陸続き!期間限定スポット in 河口湖
富士箱根伊豆国立公園 富士五湖 小西 美緒
梅雨に入り、富士山がなかなかすっきり見えない日々が続いていますが、
富士登山シーズンまであと3週間を切り、地元では様々な準備が着々と進んでいます。
今日は期間限定の観光スポットをご紹介します。
2013年3月にもご紹介しましたが、河口湖にある浮島が2年振りに陸続きになり
歩いて渡れるようになりました。
2年振りに陸続きになりました!(2015年6月11日撮影)
浮島には富士河口湖町指定の文化財である「六角堂」が建てられています。
浮島に建つ六角堂(2015年6月11日撮影)
陸続きになる度に「富士山の噴火の兆候では?」と心配される方がいらっしゃいますが、
ここ数か月の降水量が少なく、また例年より富士山や御坂山系の積雪も少なかったことが
原因と考えられていますのでご安心下さい。
フナの産卵場所が干上がってしまうことも懸念されてはいますが、
梅雨に入り雨の日も続いていますのでじきに再び元の島に戻ると思います。
富士五湖地区にいらした際は、是非、期間限定の自然現象を楽しんでください!
※6月14日(日)に富士山五合目までの自転車レース「Mt.富士ヒルクライム」が開催されます。
そのため、富士山五合目までの有料道路「富士スバルライン」は午前3時~午後1時45分まで、
富士北麓公園周辺道路は午前6時30分~午後1時45分まで通行止めになります。ご注意ください。
2015年06月10日今だからこそ知りたい、伝えたい。「箱根ジオミュージアムコーナー」
富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈
2014年4月にオープンし、火山の不思議や箱根の歴史、自然の魅力を伝える
「箱根ジオミュージアム」
http://www.hakone-geomuseum.jp/
が現在大涌谷周辺の立ち入り規制により臨時休館しているため、
箱根ビジターセンター(http://www.mmjp.or.jp/HakoneVisitorCenter/)にて
パネル展示やスライドショーで箱根火山の情報をお伝えしています。
中では、箱根火山形成の歴史や、水蒸気爆発の展示パネル、図書コーナーがあり、
体験コーナーでは火山灰などを実際に顕微鏡で観察することも出来ます。
さらに、スライドショー等の一角では「大涌谷の今」を流しており、
現在立入りができない大涌谷の状況を確認することができます。
箱根にお越しの際には、お立ち寄りください。
2015年06月09日那須の自然情報~今年も「あの植物」が...!~
日光国立公園 廣瀬勇二
5/8に開山祭が行われ本格的な登山シーズンに入った那須よりお知らせです。
6月に入りようやく毎年雪が残る登山道からも全ての雪がなくなりました。これから那須岳は雷が多い季節になりますので、事前の情報収集や準備は万全に!引き返す勇気を持って登山をお楽しみください。
また、今年は季節の移り変わりが例年に比べ1週間以上早く、新緑は深緑に変わり、ヤマツツジやシロヤシオ、ミネザクラ、シャクナゲは開花を終えました。
現在はサラサドウダンやウラジロヨウラクなどのちょっと変わったツツジや、山に小さく差し色を入れてくれるイワカガミなどを楽しむことができます。
(イワカガミ 茶臼岳にて撮影)
最新の自然情報については、那須高原ビジターセンターなどでチェック!
■那須高原ビジターセンター
http://www.nasuheiseinomori.go.jp/vc/
■那須平成の森
http://www.nasuheiseinomori.go.jp/
さて、色々な生きものが活動を始める陽気となり、当事務所とも関わりの深い「あの植物」も芽吹いてすくすくと成長を始めました。
(「あの植物」の今の姿)
そう、特定外来生物の「オオハンゴンソウ」です!
(わかった方は相当マニアックです。ぜひ駆除活動に力を貸してください!)
今年度も、5月末から地元のボランティアさんや地元企業の方にご協力いただき駆除活動を開始しました。毎年駆除活動を行っている場所では年々駆除数が減少してきており、活動の成果が実感できるようになってきています!
(右:ビジターセンターにて開会式・左:駆除活動の様子)
外来生物対策で最も大切なことは継続することです。那須の外来生物対策は「那須の元々ある自然を守りたい」という思いを持った地元の方々のご協力に支えられています。この活動は5~9月の間、月1回行っています。
当事務所の活動に興味のある方、日光国立公園那須甲子・塩原地域にて外来生物を見かけた方は 那須自然保護官事務所 までご連絡ください。
さぁ、覚悟しろオオハンゴンソウたち!今年もいっぱい引っこ抜くぞ!
2015年06月09日ゴミ持ち帰り運動
尾瀬国立公園 柳澤美果子
先週末の6月6日、ゴミ持ち帰り運動の呼びかけキャンペーンに参加してきました。
鳩待峠の様子
尾瀬はゴミ持ち帰り運動の発祥の地と言われています。
以前、尾瀬にはゴミ箱が設置されていましたが、その周りはゴミで溢れていたそうです。
昭和47年から、関係機関によってゴミ箱が撤去され、登山口でゴミの持ち帰りを呼びかけたのが
ゴミ持ち帰り運動のはじまりです。
今では、この運動も全国に広がり、尾瀬ではゴミをほとんど見かけなくなりました。
しかし!時々あるのが・・ポケットから気づかぬ内に落ちてしまった飴の袋などの「うっかりゴミ」や
休憩時の「置き忘れ」です。悪意はなくても、これも立派なゴミになってしまいます。
ゴミの管理や身の回りの点検にも気をつけましょう。
ゴミ持ち帰り運動は年間を通して実施中です!美しい尾瀬を守るためには、一人一人の心がけが大切です。
また、ミズバショウシーズンの休日のこの日、大勢の方が、鳩待峠から尾瀬ヶ原に入山しました。
渋滞する登山道
山ノ鼻の公衆トイレ前には長蛇の列ができ、トイレ待ちに40分もかかる程!
今週末も、登山道やトイレの混雑が予想されます。
事前に鳩待峠でトイレを済ませる、時間に余裕を持って行動するなど、対策をとりましょう。
また、休日は入山者が集中するので、平日に入山を計画するのがおすすめです。
そして、いよいよ梅雨に入りました。
雨の日や雨上がりなど、木道がぬれていると大変滑りやすく、転倒、怪我が多発しています。
尾瀬では、靴底がやや柔らかく、溝が深い靴が適しています。事前に現地の情報や安全対策を確認し、
ぬれた木道、石畳の上などは十分気をつけて慎重に歩いて下さい。
尾瀬保護財団HP https://www.oze-fnd.or.jp/ozb/b-ss/
2015年06月04日箱根地区パークボランティア第7期生認定!
富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈
環境省では国立公園において、
自然観察会などの解説活動や美化清掃、動植物の保護、利用施設の簡単な維持補修など、
自然環境の保護と国立公園の適正かつ快適な利用の推進に寄与することを目的としている
パークボランティアを置いています。
パークボランティアの募集は不定期に行われており、
富士箱根伊豆国立公園箱根地区では、第7期生として平成26年に募集をかけたところ、
26名の方が応募してくださいました。
認定されるまでは、実技や、
講義などの養成研修をいくつも受けて頂きます。
そして、平成27年度5月30日(土)に
箱根地区パークボランティアの第7期研修生が養成研修を終了し、
新たなメンバーとして認定されました!
現在箱根地区では92名もの方が活動を行っています、(平成27年6月現在)
富士箱根伊豆国立公園箱根地区に訪れる方に、
より楽しんで頂けるよう、箱根に詳しい案内人が一緒に歩いて説明いたします。
ぜひ、開催される自然観察会などにお越しください!
箱根ビジターセンターのホームページでも
http://www.mmjp.or.jp/HakoneVisitorCenter/
【箱根パークボランティア情報】や自然観察会の情報が掲載されておりますので、
確認してみてください!
2015年06月02日カモシカさん、こんにちは。
南アルプス国立公園 大石佳織
こんにちは。
今朝、とっても素敵な来訪者がありました。
事務所で作業中、ふと顔を上げて窓の外を見たところ、駐車場脇にカモシカが!
お出かけされるご近所の方を、興味深そうに眺めていました。
よく見ると右の角が折れています。
カモシカは縄張り争いや滑落などで角が折れてしまうことがあるそうです。
この個体も厳しい自然を生き抜いているんですね。
ご近所さんが出かけていくのを見届けた後、駐車場裏の草を少しかじって、
ゆったりとした足どりで山に戻っていきました。
南アルプスではたびたびカモシカにお目にかかっていますが、いつもとても穏やかで
見ているとのんびりした気分になります。
南アルプス北部、北沢峠(長野県側)ではカモシカがよく出没するスポットがあり
ます。運がいいと林道バスの車窓から観察することができます(バスの運転手さんは
カモシカを見つけると徐行してくださいます)。
南アルプスでカモシカに出会ったら、彼らが醸し出すおっとりとした空気を
感じてみてくださいね。
■林道バスの運行開始予定
長野県側:6月15日から開通予定
詳細はコチラ(伊那市HP)
山梨県側:6月25日から開通予定
時刻表、マイカー規制情報など詳細はコチラ(山梨県HP)
6月13日(土)に箱根ビジターセンター周辺の
バリアフリー路を歩きながら自然観察を行う
「箱根地域自然に親しむ運動:新緑の箱根でわくわく体験」が
環境省の主催で開催されました。
天気も良く自然の中を、5km程の緩やかな道を5時間でゆっくりと
歩きながら昆虫や植物を観察しました。
今回の自然観察会では、ジンガサハムシやオオヒラタシデムシ、
ルリハムシ、コクワガタ、クロスジギンヤンマなど今の時期に
見ることができる綺麗な昆虫をたくさん見る事が出来ました!
富士箱根地方で見られる「フォッサマグナ要素」の植物、
カナアジサイも開花が見られました。
実際の花をルーペを使って観察すると、とても綺麗ですよ。
自然の中の範囲内に人工物を置き、見つけるネイチャーゲーム
「カモフラージュゲーム」では皆さん真剣に探しましたが、
全てを見つけることが出来た人はいませんでした。
見つけることは難しいかもしれませんが、人工物はいつまでも残ります。
ゴミを捨てるのはもちろん駄目ですが、
ゴミを見つけることが出来たら、積極的に拾ってください。
また、自然界の中では、擬態している生き物がたくさんいます。
この写真にも虫が隠れています。見つけて見てくださいね。
また、次の自然観察会でお会い出来ることを楽しみにしています!