ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2015年9月 9日

2件の記事があります。

2015年09月09日植生回復作業@至仏山

尾瀬国立公園 柳澤美果子

こんにちは。

9月5日に、至仏山の東面登山道(山ノ鼻~至仏山間)の植生回復作業に参加してきました。

毎年沢山の登山者が訪れる至仏山。

しかし、長年の登山の影響によって、登山道周辺の植生が踏みつけなどによって荒廃し、
裸地化(植物がなくなり土壌や岩がむき出しになった状態)が進むなど、深刻な問題を抱えています。


群馬県では、平成4年から群馬県至仏山保全対策等事業により

裸地化した個所の植生回復や登山道の荒廃防止対策を実施しています。


当日は群馬県・尾瀬保護財団・ビジターセンター職員、尾瀬ボランティアさん等、
総勢15名で作業を行いました。


まず、作業用資材の荷上げという大きな仕事が待っていました。












麻袋にササを詰めたもの(土のう代わりに使用)を背負子に背負い、いざ出発!

(これがなかなか重かった・・)

肩にずっしりとした重みを感じながら、ようやく至仏山中腹の作業現場に到着。

今回の作業現場は標高1900m付近の裸地化した山腹です。
作業内容は、これ以上土壌が流出し、水道(みずみち)化するのを抑えるため土のうを設置し、
さらに緑化ネットを敷いて植物が生育しやすい環境を整えることです。












作業中の様子

緑化ネットで地面をおおい、ネットを竹串や石で固定します。












緑化ネット設置後の様子

こうすることで、土壌の流出を防ぎ、土を安定させ、植物が生育しやすくなります。


以前、緑化ネットを敷いた箇所や、人が立ち入らないようロープを張った場所では、
植物が成長し、少しずつ成果がでているとのこと。
私は今回が初参加でしたが、地道に継続することの大切さを感じ、なんだか嬉しくなりました。
今回作業した場所が、この先どのように変化していくのか、楽しみに経過を見ていきたいです!














少しずつ植物が回復しつつある過去の作業現場


残念ながら、今でも時々、登山道を外れて歩く人が見られます。

一度荒廃してしまうと、復元するまでに多大な労力と時間がかかります。

至仏山の美しい自然をこの先も残していくために、登山道からは決して外れないようにお願いします。














作業現場から見えた尾瀬ヶ原と燧ヶ岳

ここからの眺めは最高です!

ページ先頭へ↑

2015年09月09日富士山の登山者カウンターとデータ回収

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

富士山の夏山シーズンが、間もなく終了となります。(静岡県側は9月10日、山梨県側は9月14日)

環境省では、富士山の開山期間中(静岡県側:7月10日~9月10日、山梨県側:7月1日~9月14日)の登山者数を把握するために、各登山道八合目付近に赤外線カウンターを設置しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(富士宮口八合目池田館脇に設置中のカウンター)

 

このカウンターは、赤外線センサーの前を人が通るとカウントされるものです。

もちろん、右から左、左から右へ行く人をカウントしますので、登山者と下山者それぞれの人数がわかります。

充電はソーラーパネルでおこない太陽電池に貯蓄されるので、曇りや雨の日でもきちんとカウントすることができます。

カウントされた数値は、赤外線センサー内に保存されるので、そのデータを回収するためアクティブレンジャーは定期的に富士山に登ります。

お天気の良い日は気持ち良く回収に向かえるのですが、悪天候の日はできれば登山を控えたいのが正直なところです。(あまりにもひどい天候の時は日を変えて回収に行きます)

実際、今回は9月1日に回収する予定でしたが、その日の富士山は普通に歩けない程の暴風雨だったため、9月3日に変更しました。

 

9月3日に回収した時は、朝からどんよりした空模様で、五合目に着いた時には富士山頂付近に笠雲が出始めていました。

登山道を登っている最中も、その笠雲は富士山頂から少しずつ標高を下げ、元祖七合目に到着した時には、自分が笠雲の中に入っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(富士宮口元祖七合目付近にて)

 

笠雲の中はとにかく強風です。

時には、右から左から下から上からと風や雨が吹き付けてきて、立っているのがやっとという状況になります。

バランスを崩して転んでしまうこともあるので、強風・暴風の日は登山を控えていただきますようお願いいたします。

 

この日は、何とか耐えられる程度だったため、カウンターに保存されているデータを回収することができました。

そのデータは、9月11日に環境省関東地方環境事務所・富士箱根伊豆国立公園のホームページで公表となります。(7月1日~8月31日の登山者数)

関東地方環境事務所:http://kanto.env.go.jp/topics.html

富士箱根伊豆国立公園:http://www.env.go.jp/park/fujihakone/

 

<おまけ>

宝永火口周辺で、立派なフジアザミに出会いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

富士山の登山道(御殿場口・須走口・吉田口は五合目~山頂、富士宮口は六合目~山頂)は閉鎖されますが、五合目までは行くことができます。(富士宮口は六合目まで)

これからどんどん寒さが厳しくなる富士山ですが、装備を整えて散策を楽しむのもオススメです。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ