ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2015年10月

17件の記事があります。

2015年10月13日広河原で秋さがし

南アルプス国立公園 大石佳織

みなさん、こんにちは。
富士山初冠雪のニュースを新聞で目にしましたが、南アルプスの北岳や間ノ岳も
この連休中に冠雪しました。山頂付近は冬です!

しかし、広河原周辺はまだまだ秋を楽しめますよ。
広河原は北岳などの登山口で、バスなど公共交通機関で入ることができるため、
登山をしない人でも北岳を間近に眺めることができる場所なんです。
(広河原から北岳を眺める。一番奥にある三角の山が北岳です。
 この日は雪をかぶっていませんでした。 10月8日撮影。)










日当たりのいい場所ではカツラが黄葉し、甘くていい香りがしています。
(カツラの木 10月8日撮影)










ヤマブドウも色づいて、緑の葉との対比がきれいです。
(ブナの木に絡み付いて紅葉するヤマブドウ 10月8日撮影)










黄葉・紅葉がもっと進めば、周辺の深い谷の景観はますます素晴らしいものになります。
私のおすすめは、山梨県南アルプス市芦安から広河原へ向かうバスの車窓からの景色。
絶景です。人によっては絶叫かもしれませんが・・・。
(南アルプス林道からの野呂川の深い谷。この写真では絶景っぷりを十分お伝えできません...
                                   10月8日撮影)














この絶叫もとい絶景は、バスの進行方向に向かって左側から楽しめます。
車高が高いので、スリル抜群です。見てみたいという方は是非お越しください。
(お天気が悪いと霧で真っ白になり、絶景も絶叫もなく、ひたすら白い世界を見るだけに
なりますので、天気予報はよくご確認の上お越しくださいね。) 

登山はしないという方も、秋の南アルプスの自然と絶景を楽しみにバスで来てみませんか?

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2015年10月08日天空の秘境 ー鬼怒沼ー

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 秋晴れの快晴の中、栃木の秘境、鬼怒沼へ行ってきました。鬼怒沼は栃木県の西端にあり、奥鬼怒温泉郷の先の山上にひっそりと佇んでいます。

 鬼怒沼登山口へのアクセスは、栃木県内からの場合、女夫渕で車両通行規制があるため、そこから徒歩となります。奥鬼怒温泉郷にはいくつか温泉宿がありますので、時間にゆとりのある温泉宿とセットというのがお勧めです。

 登山口は、日光澤温泉の敷地を横切りスタートします。登山道を歩いてすぐ目につくのは、たくさんの注意書きです。足を進めると注意書きの通り、確かに傾斜がきつく、ガレ場もあり、いつ落石があってもおかしくないもろい箇所が点在していました。そういう箇所は立ち止まらず、安全にできるだけ速やかに立ち去りましょう。

 特に登り始めは、地形図をみても等高線がぎっしり詰まっているように本当に急傾斜が続きます。無理をしないことが一番です。ゆっくり自分のペースを整えるか、Uターンする勇気も必要です。何しろ、ここは秘境。何かがあっては、街中のようにはいかない条件がそろっています。

 さて、紅葉している木々と針葉樹の樹林の中をひたすら登り続けると、少し傾斜も落ち着いてきます。周りを見る余裕もでき、そんな時発見したツキノワグマのツメの痕。そう、ここもクマの生息地。利用者数も限られる奥地なので、自身の存在をアピールしてきちんと入山するマナーを守らないと、ですね。道中、こんなシャレのきいた注意書きもありました。

 登り続けること約2時間(小屋までは2時間半)、樹林帯から一気に視界が開けます。そこは、標高約2000mの高層湿原地「鬼怒沼」が広がっています。頭では理解しても、あの樹林帯の山上にこんな世界が広がっているということが不思議に感じます。

 山上では、北は尾瀬の燧ヶ岳、南は日光白根山などが臨めます。ちょうど草紅葉の時期で、ひと味違った紅葉を楽しめます。山上の紅葉シーズンには限りがありますが、この景色は見る価値があります。秘境中の秘境へ来る機会があれば、是非足をお運びください。

 ちなみにこの日は、秋晴れで陽射しも暖かく樹林内では無風で穏やかでしたが、湿原付近では北からの風が冷たく、何枚も上着を着込みました。これからの時期は、ニット帽やダウンなどの防寒着の備えは必須です。

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2015年10月07日第13回放鳥

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。


<シラサギやアカガシラサギもトキの群れに交ざって探餌:9/14撮影>

 佐渡では9月25日(金)に、第13回目となるトキの放鳥が行われました。

 第13回放鳥では、1歳から5歳までのオス2羽とメス17羽の計19羽のトキが、3ヶ月間の順化訓練を経て、佐渡の空へ放たれました。今回放鳥された個体の中には、佐渡市のトキ公開施設の「トキふれあいプラザ」で飼育されていた「ゆるり」(5歳メス)と、同プラザで昨年に誕生した「つなぐ」(1歳オス)も含まれています。

<順化ケージから飛び立ったトキ4羽>

 放鳥後のモニタリングにより、佐渡島の各地で第13回放鳥個体が確認されています。「つなぐ」は放鳥地点から約30㎞離れた羽茂地区にて、既存の群れに混ざって探餌している様子が確認されています。

<羽茂地区の枯木にとまる「つなぐ」:9/29撮影>

 朝晩は10℃を下回るようになった佐渡。新たに放鳥されたトキたちが、佐渡の厳しいけれども豊かな自然の中を逞しく生き抜いていくことを願っています。


■第13回トキ識別表


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2015年10月06日荒川岳での冬支度

南アルプス国立公園 大石佳織

みなさん、こんにちは。
肌寒い日が増え、ニホンジカのオスの求愛の鳴き声(ラッティングコール)が
夜な夜な響き、事務所のある芦安も秋の深まりを感じられるようになってきました。

秋が深まると、南アルプスではやらなければならない作業があります。
それは、防鹿柵の冬支度です!

南アルプスでは、数の増えたニホンジカから高山植物を守るために防鹿柵を
設置していますが、冬には多くの雪が積もるため、設置したままにすると
雪の重みで柵が壊れてしまうんです。
そこで、冬が来る前に柵を片付ける作業を行っています。

今回は7月にも紹介した荒川岳の防鹿柵の、冬支度の様子をお届けします!
※7月の作業の様子はコチラ
(秋深まる荒川岳 10月3日撮影)










作業は10月2日から4日の日程で行われました。
南アルプスの秋は深まっており、草黄葉が見事です。また、朝は冷え込み、防鹿柵の
設置されている標高2800m付近へは霜柱を踏みしめながら向かうことになりました。
(写真左:登山道上にできた霜柱 10月3日撮影)
(写真右:荒川岳の防鹿柵と赤石岳 10月3日撮影)


防鹿柵の冬支度はネットを支柱から外して地際にまとめ、支柱を倒して雪で
流されないように固定する作業です。
(作業の様子 10月3日撮影)





















今回もスタッフの皆さんは、地下足袋など植物を傷つけにくいものに履き替えて
作業をしてくださいました。

冬支度した防鹿柵は、来年の雪解け後、再び立ち上げる作業が行われます。
増えすぎたニホンジカの問題が解決するまで、年2回の作業は続けていかなければ
なりません。

今回の作業では、種子や冬芽をつけ、次の春への準備をする高山植物の姿に出会い
ましたが、この命の営みがいつまでも続くように、今できることに取り組むことの
大切さを感じました。そして、バランスの崩れた自然と向き合うためには、そこに
関わる全ての人が根気強く協力していくことが必要になるんだとしみじみ感じました。

(種子をつけた高山植物 10月4日撮影)














【秋山登山をされる方へ】
気温が低くなっています。陽射しがあっても風が強い日はあっという間に体温を
奪われるため、低体温症等に注意が必要です。風や寒さに対応できる装備を持ち、
適切に使用することが大切です。
また、夏季に有人だった山小屋も、無人の冬季小屋となっているところも多く
なっています(トイレも閉鎖されています!)。最新の情報を収集して計画を
立て、安全に秋山を楽しんでくださいね。

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2015年10月06日「バリアフリーで楽しむ秋の箱根」開催されました!

富士箱根伊豆国立公園 箱根 後藤香奈

10月3日(土)
箱根で、大人気のバリアフリー観察会「バリアフリーで楽しむ秋の箱根」が
箱根ボランティア解説員連絡会と環境省箱根自然環境事務所の共催にて開催されました。
【協力:箱根リハビリテーション病院、一般財団法人自然公園財団箱根支部】

今回の自然観察会「バリアフリー観察会」は、
からだの不自由な方、高齢の方、小さな子どもなど全ての人に楽しんで頂くことを目的として、
毎年箱根で催されております。


今年度は数日前までの豪雨と強風により、開催が多少心配されておりましたが、
当日は雲もほとんど無く、晴天に恵まれ気持ちよく観察会を行うことができました!



参加された十九名の方は、箱根パークボランティアの案内のもと
箱根ビジターセンター周辺のバリアフリー観察路や



芝生の上を進みながら、五感を使って箱根の自然を楽しみました。


紅葉した落ち葉を使ってのネイチャーゲーム「落ち葉のステンドグラス」も大好評でした!
穴の空いた台紙に落ち葉を貼り付け、空に透かしてみると...!
是非皆さんも身近な葉っぱで試してみてくださいね!


4時間時間をかけて、ゆっくりと歩きながら、
きっと参加された皆さんに秋の箱根を感じて頂けたかと思います。
今回のバリアフリー観察会、秋晴れしたこの日に開催できてよかったです。



今年度の自然観察会も残りわずかとなりました。
それでは皆さま、次の自然観察会でお待ちしております!!
是非ご参加ください!



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2015年10月05日「国立公園・野生生物フォトコレクション」開催のお知らせ

富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城

10月2日(金)から10月25日(日)まで箱根ビジターセンターにおいて「国立公園・野生生物フォトコレクション」が開催されています。
















この写真展では関東の国立公園・国指定鳥獣保護区で働くアクティブレンジャーによる、その地域の魅力が詰まった動植物や風景の写真が展示されています。

現在、関東地方環境事務所管内には6つの国立公園(日光・尾瀬・秩父多摩甲斐・南アルプス・富士箱根伊豆・小笠原)と14の国指定鳥獣保護区(小佐渡東部・佐潟・福島潟・瓢湖・谷津・涸沼・渡良瀬遊水地・祇苗島・大野原島・北硫黄島・西之島・鳥島・西之島・小笠原群島)があり、16人のアクティブレンジャーが活躍しています。

アクティブレンジャーは主に野外の業務を担っており、そんな彼らが目にした美しい光景を写真という枠に切り抜きました。

佐渡の雪景色の中のトキや、小笠原の南国の風景、南アルプスの山々など、箱根にいながらにして様々な場所へトリップしたような気分になる、そんな写真展です。

もちろん、現在は立ち入り規制で入れない大涌谷付近の景色など箱根の美しい写真も沢山あります。

ススキ観光の折にはこちらのほうにもぜひお立ち寄りください。












開催場所

箱根ビジターセンター

(神奈川県足柄下郡箱根町元箱根164)

開催期間

平成27年10月2日(金)から平成27年10月25日(日)

入場料

無料 ※駐車場あり













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2015年10月05日木の葉の衣替え。紅葉はじまっています。

日光国立公園 櫨木 めぐみ

 奥日光の紅葉情報(10月2日付け)をお届けします。

中禅寺湖畔(標高約1270m)では、湖畔沿いの一部で色づいている木々があります。湖を囲む周りの山々は、まだまだこれからといった様子です。

 そして奥に見える男体山は、よく見ると山頂(2486m)付近で緑地の木々の中に黄色の黄葉がパッチ状に広がっていることが確認できます。

よくよく見ると黄葉が!

 竜頭の滝ではこのような色づき具合でした。

着々と見頃を迎えている竜頭の滝

 竜頭の滝から戦場ヶ原までの国道120号線は、このような色づき。黄色のミズナラのトンネルにはまだ早かったようですが、これからが楽しみですね。

黄色のトンネルになる日も間近

 そして戦場ヶ原はというと、湿原では金色の絨毯が広がり、湯川沿いや泉門池などではカラマツやカエデ類が黄葉・紅葉している樹木もあれば、まだこれからというものまで様々です。ちょうど木の葉も衣替えといった時期のようで、緑色から黄色、紅色、金色、茶褐色と様々な色が楽しめます。

秋へ衣替えの時期。様々な色に出会えます。

 10月3日、戦場ヶ原では初霜と初氷が見られたとメディアで報じられました。これから秋が深まり、紅葉のピークを迎えていくことでしょう。

 奥日光は標高1200m以上あるところなので防寒対策をしっかり備え、また多くの方が散策に来られますので山のマナー(例:戦場ヶ原8箇条)もしっかりおさえて、秋の奥日光を楽しみに是非おいで下さい!

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