関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
1件の記事があります。
みなさん、こんにちは。 南アルプス北部では、6月25日の山梨県側の林道バス全線開通に向けて、関係者が着々と準備を進めています。私も22日に展示物の掲示や登山者カウンターのメンテナンスで広河原や北沢峠に行っていました。
大樺沢沿いなどでは、タカネグンナイフウロなどの花が咲いていましたよ。 (右上:ミヤマカラマツ、左上:タカネグンナイフウロ、 右下:バイカウツギ、 左下:クルマバソウ ) 広河原では、数日前に状況確認に行ったインフォメーションセンタースタッフや下山してきた北岳山荘の方から、北岳周辺の最新の花の状況を聞くことができました。それによると・・・ ●草すべり上部ではシナノキンバイが既に満開(!!) ●北岳周辺ではミヤマダイコンソウやミヤマムラサキなど夏の花々が咲いている ●北岳のトラバースルート(八本歯のコルから北岳山荘へのルート)は来週半ば くらいが見頃 ということです。また、キタダケソウもまだ少し咲き残っているようです。 高山植物はますます開花が早まって、例年よりひと月ほど早いとか...。 さて、皆さんの中には、高山植物の写真を撮るのが好き!という方がいることでしょう。そして、高山植物の麗しいお姿を見つけたら「ああ!美しく撮りたい!」という熱い想いが生まれるのではないでしょうか。私はそうです。(なかなか美しく撮れませんが。) (麗しのハクサンイチゲ 北岳山荘周辺にて。6月8日撮影) ほとんどの方はマナーを守って撮影していますが、中にはこんな方もいるかもしれません。 『より美しく撮れるポイント、アングルを求めてうろうろ...』 でも、ちょっと待ってください。 ここは自然の中。撮影スタジオではありません。 皆さんの足やカメラの三脚の下には、厳しい自然環境の中で懸命に生きる植物がいっぱいです。 これから麗しい姿に育たんとする芽生えや、目立つ花はないけど自然の中で重要な役割を果たしている植物があります。 (「よーし、育つぞ!」と聞こえてきそうな小さな芽。北岳にて。6月6日撮影) 美しく咲き誇る花を求めて登山道をはずれ、ガッチリした登山靴で斜面を踏みしめて歩けば、植物は傷つき、土壌は削られます。削られた土壌が雨で流れてしまえば、植物が育ちにくくなり、ますます土壌が流れ、さらに植物が育ちにくくなるという悪循環に陥ります。そんな場所が南アルプスには残念ながらあるんです。
(踏み込みが原因で土壌が流れ出てしまっている斜面) 山では登山道沿いに綺麗な花があるとは限りません。 でも、離れた場所の花をアップで撮りたいことってありますよね。そんなとき、私は望遠レンズやズーム機能を使っています。ズームすれば登山道から外れなくても、大きく写すことができます。 (ズーム機能を使って撮影した例。左:ズーム前、右:ズーム後) もしかすると最高の写真は撮れないかもしれません。でも、南アルプスの自然を大切に思うからこの写真なんだと思えば誇らしくなりませんか? 今シーズンも南アルプスの自然を一緒に守りながら、高山植物を楽しみましょう♪
ページ先頭へ↑
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、日光、尾瀬、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、南アルプス国立公園があります。
みなさん、こんにちは。
南アルプス北部では、6月25日の山梨県側の林道バス全線開通に向けて、
関係者が着々と準備を進めています。私も22日に展示物の掲示や登山者カウンター
のメンテナンスで広河原や北沢峠に行っていました。
大樺沢沿いなどでは、タカネグンナイフウロなどの花が咲いていましたよ。
(右上:ミヤマカラマツ、左上:タカネグンナイフウロ、
右下:バイカウツギ、 左下:クルマバソウ )
広河原では、数日前に状況確認に行ったインフォメーションセンタースタッフや
下山してきた北岳山荘の方から、北岳周辺の最新の花の状況を聞くことができました。
それによると・・・
●草すべり上部ではシナノキンバイが既に満開(!!)
●北岳周辺ではミヤマダイコンソウやミヤマムラサキなど夏の花々が咲いている
●北岳のトラバースルート(八本歯のコルから北岳山荘へのルート)は来週半ば
くらいが見頃
ということです。また、キタダケソウもまだ少し咲き残っているようです。
高山植物はますます開花が早まって、例年よりひと月ほど早いとか...。
さて、皆さんの中には、高山植物の写真を撮るのが好き!という方がいることでしょう。
そして、高山植物の麗しいお姿を見つけたら「ああ!美しく撮りたい!」という熱い想い
が生まれるのではないでしょうか。私はそうです。(なかなか美しく撮れませんが。)
(麗しのハクサンイチゲ 北岳山荘周辺にて。6月8日撮影)
ほとんどの方はマナーを守って撮影していますが、中にはこんな方もいるかもしれません。
『より美しく撮れるポイント、アングルを求めてうろうろ...』
でも、ちょっと待ってください。
ここは自然の中。撮影スタジオではありません。
皆さんの足やカメラの三脚の下には、厳しい自然環境の中で懸命に生きる植物がいっぱいです。
これから麗しい姿に育たんとする芽生えや、目立つ花はないけど自然の中で重要な役割
を果たしている植物があります。
(「よーし、育つぞ!」と聞こえてきそうな小さな芽。北岳にて。6月6日撮影)
美しく咲き誇る花を求めて登山道をはずれ、ガッチリした登山靴で斜面を踏みしめて
歩けば、植物は傷つき、土壌は削られます。削られた土壌が雨で流れてしまえば、植物
が育ちにくくなり、ますます土壌が流れ、さらに植物が育ちにくくなるという悪循環に
陥ります。
そんな場所が南アルプスには残念ながらあるんです。
(踏み込みが原因で土壌が流れ出てしまっている斜面)
山では登山道沿いに綺麗な花があるとは限りません。
でも、離れた場所の花をアップで撮りたいことってありますよね。
そんなとき、私は望遠レンズやズーム機能を使っています。ズームすれば登山道から
外れなくても、大きく写すことができます。
(ズーム機能を使って撮影した例。左:ズーム前、右:ズーム後)
もしかすると最高の写真は撮れないかもしれません。でも、南アルプスの自然を大切に
思うからこの写真なんだと思えば誇らしくなりませんか?
今シーズンも南アルプスの自然を一緒に守りながら、高山植物を楽しみましょう♪