ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年9月26日

3件の記事があります。

2016年09月26日自然がつくる芸術

富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光

今回は、伊豆半島の南に位置する下田の田牛サンドスキー場と竜宮窟をご紹介します。 

 

 

 

(2016/9/21 田牛サンドスキー場) 

 

 

これが田牛サンドスキー場です。巨大な砂の山は、想像以上に高く、上に登って下を見下ろすとちょっと怖いくらいです。この砂の山は海風が吹き上げた砂でできており、傾斜の角度は、いつでも30度。 

 

安息角というもので、砂が崩れないギリギリの角度です。ここの場合は30度が安定で保たれているそうです。近くに斜面30度とだけ書かれた看板が立っていました。 

 

 

 

(2016/09/21 竜宮窟) 

 

サンドスキー場の隣にあるのが、竜宮窟です。

海によって削られて、洞窟ができ、天井が落ちて、このような状態になったそうです。 

そしてこの竜宮窟は、上から覗くと 

 

 

 

(2016/09/21 竜宮窟) 

 

ハート型になっています。 

自然は、なかなかオシャレなものつくりますね。

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2016年09月26日雨の日

南アルプス国立公園 大石佳織

みなさん、こんにちは。

秋雨前線と台風の影響を受けたシルバーウィーク前半、南アルプス中部に位置する
塩見岳(長野県と静岡県の境)では、植生復元活動が実施される予定でした。
しかし、作業現場近くまで行ったものの雨、風ともに強く危険な状況となったため
撤退を余儀なくされました。本当にお天気が安定しませんね。

作業ができなかった上、天気が悪くて景色も見えない...。残念な日。
でも、嘆いていても仕方がない。上が見えぬなら下を向いてしまおう!
ということで、足元に目を向けてみました。

(ダチョウゴケ 小河内岳近くにて9月17日撮影)


これはダチョウゴケ。立ち上がって枝を広げる姿は可愛いものです。
ダチョウの羽に形が似ていることからこの名が付いたそうです。
「ダチョウ 羽」と検索して写真を見比べてみてください。
確かにダチョウの羽に似ています。

(ミヤマスナゴケ 9月17日撮影)


こちらはミヤマスナゴケ。
烏帽子岳から小河内岳の間の登山道沿いでは、他の種類のコケとともに黄金色の
大きな群落をつくっている様子を見ることができます。尖った葉先が霧などの水分を
集めやすいようで、雫をたくさんつけていました。

さらに、亜高山帯の針葉樹林では冷たい雨の中、こんな生きものとの出会いが...。
(登山道わきに現れた生きもの。9月18日撮影)


アズマヒキガエルと思われる個体です。
頭からおしりまで15cm以上の巨体です。この種は水辺でなくても生きていけるので、
こうして山で出会うこともあります。一見するとイボだらけなので「気持ち悪い」と
感じる人もいるかもしれません。

しかし、よくよく見るとキレイな目をしています。
(「伏し目がちな潤んだ瞳」は言い過ぎ?)

まるっと開いた鼻の穴、ゆっくりした動き、ぽってりした体型...見ていると可愛いと
思えてきますが、みなさんはどうでしょうか?

視点を変えれば、雨の日は雨の日なりに楽しめますね♪
ただ、秋山の風雨は冷たく、少し立ち止まっただけで体温がぐんぐん奪われます。
みなさんも装備をしっかり整え、防寒具など適切に使って秋山に臨むようお願いします。

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2016年09月26日崩壊斜面モニタリング調査【大島】

富士箱根伊豆国立公園 森山希美

夏も終わりかな?と思いはじめた頃から台風に関連するニュースを
よく耳にするようになったように思います。
伊豆大島では2013年の10月、台風26号の影響により三原山の外輪山中腹が崩壊し
土石流が発生し、多くの尊い命や島民の生活基盤が失われる被害を受けました。
犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

こちらは災害発生から約半年後、2014年5月11日の写真です。

2014/5/11 三原山・外輪山

(2014/5/11 三原山・外輪山)

茶色く山肌が見えている部分が崩壊した部分です。
斜面の植生回復を促し更なる土壌浸食を防止するため、2014年11月、東京都により
こちらの斜面に外来種を含む緑化植物が航空実播(ヘリコプターから種子を散布すること)
されました。

こうした背景のもと、伊豆大島ジオパークでは2015年3月より崩壊した斜面における
定期的なモニタリング調査を開始しました。
伊豆諸島自然保護官事務所もジオパーク推進委員として参画しています。
1・2か月に1度、植物の種類・樹高といった植生の回復状況の調査、風速や雨量等の
観測機器からのデータ収集などを行っています。

こちらは第1回調査時の写真です。

第1回調査 2015/3/15

(第1回調査 2015/3/15)

航空実播されたホワイトクローバーが調査地全面で観測されました。

現在は3メートル以上に成長したヤシャブシやニオイウツギが全体を覆うようになっており、
ホワイトクローバーは日の当たる場所にわずかに残るのみとなっています。

こちらは今年9月調査時の同じ場所の写真です。

2016/9/6

(2016/9/6)

斜面全体の写真がこちら。

2016/8/4 三原山・外輪山

(2016/8/4 三原山・外輪山)

災害の爪痕は完全に消えてはいませんが、着実に緑化が進んでいることが分かります。
また、こちらの斜面をとおって三原山の登山道へアクセスする「御神火スカイライン」も
この9月に開通しました。自然も人もたくましく復興へと歩んでいます。

本調査は、自分たちが暮らす足元の変化に意識を持ち、大地や森は長い歴史の中で独自の
変遷を重ねて今の姿にあること、今後も変化する可能性があり、
時にそれが災害をもたらしうることを知ることを狙いの一つとして行っています。
今後も地域の方々と共に学びながら、自然の回復を見守続けたいと思います。

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