ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2016年9月

26件の記事があります。

2016年09月15日平成28年度「国立公園・野生生物フォトコレクション」

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。



 平成28年度「国立公園・野生生物フォトコレクション」のご案内です。



 環境省関東地方環境事務所では、平成22年度から、管内のアクティブ・レンジャーが撮影した管内の動植物や風景の写真を紹介し、自然の素晴らしさ、大切さを伝え、自然保護や国立公園について普及啓発を行うことを目的に、巡回写真展「国立公園・野生生物フォトコレクション」を関東各地で開催しています。

 佐渡では、第7回目となる写真展を、9月3日(土)から9月25日(日)まで、トキの森公園資料展示館で開催しております。関東地方環境事務所管内の11の事務所で勤務するアクティブ・レンジャー合計15名が新たに撮影した写真計45点を展示し、活動現場からの雄大な自然や活き活きとした生き物の姿をご紹介します。


 佐渡自然保護官事務所からは、トキの写真3点を出品しております。

 トキの森公園へご来場の際は、トキ資料展示館へも足を運んでみてはいかがでしょうか。

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2016年09月14日開山二百年

南アルプス国立公園 大石佳織

こんにちは。

みなさん、こちらの山はご存知でしょうか?
綺麗な山だと思いませんか?こちらは『南アルプスの貴公子』なんて呼ばれること
もある山です。
(南アルプスの貴公子。9月2日小仙丈ヶ岳付近から撮影)

この山の名は『甲斐駒ヶ岳』。
南アルプス北部、長野県伊那市と山梨県北杜市にまたがる山で、標高は2,967mです。
長野県の伊那地方では『東駒ヶ岳』とも呼ばれています。

山頂を見ると真っ白ですね。この白い部分は何だと思いますか?
初めて見る人は「雪が積もっている!」と驚きます。
しかし、雪ではありません。

白色の正体は『花こう岩』。
南アルプスでは甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山などで見られる岩で、これらの山では白い岩と
青い空のコントラストを楽しむことができます。
(甲斐駒ヶ岳の白と青のコントラスト!)


さて、この甲斐駒ヶ岳は今年、開山200年を迎えています。
延命行者小尾権三郎が、文化13年(1816年)に現在の山梨県北杜市側から黒戸尾根を
登る道を開いたそうです。開山後は甲斐駒ヶ岳講が生まれて多くの人が登るようになり、
現在でも黒戸尾根の登山道では信仰にまつわる石碑や石仏などを見ることができます。
しかし、この黒戸尾根は標高差約2,200m(登り始めの場所によっては標高差2,500m!!)
のとても厳しいルートです。北岳に登るよりもキツイでしょう。

現在は北沢峠(長野県伊那市側)からの登山道もありますし、北沢峠から片道1時間半ほどの
仙水峠から甲斐駒ヶ岳を間近に眺めるだけにするという選択肢もあります。標高約3,000mの
高山なので、自分の体力や時間に合わせて計画を立て、安全に楽しく登山してくださいね。
ちなみに仙水峠では、大小の岩がゴロゴロと広がる『岩塊斜面』という面白い地形を見ることも
できますよ。
(仙水峠の岩塊斜面。2014年9月下旬撮影)


【 東駒ヶ岳について 】
長野県の伊那谷では西側に中央アルプス(木曽山脈)の木曽駒ヶ岳が、東側に南アルプス(赤石山脈)
の甲斐駒ヶ岳がそびえていることから、木曽駒ヶ岳を『西駒ヶ岳』、甲斐駒ヶ岳を『東駒ヶ岳』と呼ん
でいます。伊那市の情報などをチェックすると『東駒ヶ岳』と載っているのを発見できます♪

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2016年09月13日天城山 上り御幸歩道巡視

富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光

天城山の上り御幸歩道の巡視に行きました。

最近雨が多かったので登山道の状況確認です。 

 

上り御幸歩道で八丁池に向かい、下り御幸歩道で帰ってくるルートです。 

 

 

2016/09/09 上り御幸歩道)  

 

何カ所か、雨の影響で土が流れて、足場の狭いところがありました。

歩く際は、十分に気をつけてください。 

 

 

2016/09/09 八丁池) 

 

 

「天城の瞳」と呼ばれる八丁池は、ずれた断層のくぼみに水が溜まってできました。 

雨の後は、池が増水して、歩道まで水が上がることがあるので注意してください。 

昔は、凍った池をスケートリンクとして利用していたのですが今は行っていません。 

 

 

2016/09/09 下り御幸歩道) 

 

 

帰りの下り御幸歩道は、アセビの木でできたトンネルを通ります。  

 

アセビは馬酔木と書きます。読んで字のごとく、食べると馬を酔わすほどの毒を持っています。 

アセビは、鹿や虫にも食べられません。動物は、毒があるって知っているんですね。 

 

食べなければ害はないそうなので、安心して通ってください。

 

 

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2016年09月09日あかね色に染まる場所

尾瀬国立公園 野原英廣

皆さんこんにちは

尾瀬国立公園の尾瀬沼周辺では、

秋の風物詩である草紅葉が始まりました。



実は湿原にシーズン始まりからずっといた
ヤマドリゼンマイも秋色に染まってきました。



ヤマドリゼンマイ【Osmunda cinnamomea L.

シーズンの始まりから終わりまで、

ずっと尾瀬を彩ってきた名脇役。

湿原の縁などにまとまって生息している。

しかしその地味さ故に、

多くのハイカーの目にとまることのないシダ植物です。



尾瀬の最終走者であるエゾリンドウも

最後の力を振り絞っているようでした。

これからますます秋が深まり、

木々の紅葉も始まることでしょう。
短い夏は足早に過ぎ去り、静かな尾瀬を取り戻したのでした。

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2016年09月08日ミクロの世界へ

尾瀬国立公園 野原英廣

皆さんこんにちは。

この度、尾瀬沼ビジターセンターに顕微鏡が設置されました。

尾瀬国立公園外での採取ですが、
尾瀬にも生息する動植物のあれこれが観察できます。


※ミズゴケ

スマートフォンでの撮影にも対応しておりますので、
尾瀬に立ち寄った記念に撮影してみて下さい!


※カケスの羽根

そして話変わって

皆さんのお力添えのおかげでビジターセンター内では
折り紙のニッコウキスゲとミズバショウが
増えてまいりました。

ありがとうございます!



今シーズンの終わりにはどれだけ増えているのか・・・。

楽しみです。

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2016年09月07日オガサワラハンミョウを知ろう!!

小笠原国立公園 田谷以生

みなさん、こんにちは。

突然ですが、この虫が何かわかりますか??

オガサワラハンミョウという小笠原にしかいない固有の昆虫です。

かつては父島にもオガサワラハンミョウが生息していましたが、

グリーンアノールやオオヒキガエルなどの外来種に食べられてしまったり、

生息環境が悪くなったりしたせいで、父島ではもうオガサワラハンミョウは見られなくなってしまいました。

今は兄島の1部にだけ住んでいます。

兄島のオガサワラハンミョウも近年減少しており、絶滅が危惧されています!!

そこで、兄島に残っているオガサワラハンミョウの一部を捕獲し、

内地の伊丹市昆虫館と橿原市昆虫館、父島の3か所で保護増殖に取り組んでいます。

そんなオガサワラハンミョウについて、もっと多くの島民に知ってもらおう!!!

ということで、先日、父島でオガサワラハンミョウの飼育に携わっている

TEAMハンミョウの方々と一緒に小笠原小学校に出前授業に行ってきました。

対象は3年生の子ども30名。



オガサワラハンミョウの一生やオスとメスの見分け方、どんな場所に住んでいるのかなどクイズを交えながらの説明を聞いた後は、
実際に飼育している首都大学東京小笠原研究施設に移動して、オガサワラハンミョウの観察も行いました。

ルーペやマイクロスコープで体の細部もじっくり観察できました。

ハンミョウの幼虫は裸地にきれいなまん丸の巣穴を作ります

2時間の授業が終わるころにはみんなオスとメスの見分けもばっちりできるようになっていました!!!

足の先の太さと毛の量が見分けるポイントなのですが、これが非常に小さくて難しいのです。

子ども達はすごい!!大人はみんな感心していました。

TEAMハンミョウの方々が前々から入念に準備してくださっていたので、とっても充実した内容でした!!
私は何をしたかというと、導入のあいさつとして5分ほどお話ししただけで、

その後は子ども達と一緒に楽しんでしまいました。



子ども達はとっても元気で、積極的に発言していて、楽しんでくれているようでした!!!

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2016年09月07日火山の足跡

富士箱根伊豆国立公園 下田 吉川貴光

初めまして。

9月から下田自然保護官事務所に着任しました吉川と申します。 

 

今回は、須崎御用邸で有名な下田市の須崎・爪木崎灯台の西側にある俵磯をご紹介します。

伊豆半島は、約1000万年前に火山が本島にぶつかりできた半島で、火山が作り出す自然を見ることができます。 

(2016/09/07 俵磯 柱状節理) 

 

柱状→柱のような、節理→規則正しい割れ

溶岩が冷え固まる際、均等に収縮してひび割れ、このような状態になります。 

 

(2016/09/07 俵磯 柱状節理 上から撮影) 

 

上から見るとクッキーみたいです。

(2016/09/07 俵磯 柱状節理) 

 

 

おそらく柱状節理の一部

こういった岩が俵みたいだから俵磯になったそうです。

伊豆半島の玄武岩は、江戸城の石垣に使われていたのですが、ここ爪木崎の柱状節理の岩は、この風景を残すために使われなかったそうです。 

 

(2016/09/07 俵磯) 

 

 

最後に柱状節理のとなりに、ひょっこり立っている岩、何に見えますか?

プレーリードッグらしいです...

ご覧になる際は、足場の悪いところも多かったのでお気をつけください。

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2016年09月07日交流の輪

尾瀬国立公園 野原英廣

皆さんこんにちは。

先日、福島県は檜枝岐村と大熊町の子供たちの交流事業に
尾瀬のガイドとして参加してきました。

檜枝岐村と大熊町の子供たちが交流を深める一環として
尾瀬国立公園を散策するプログラムが組まれています。

尾瀬を散策した後は檜枝岐村内に戻り、
イワナの放流とつかみ取り体験!


尾瀬沼ビジターセンターのスタッフも放流のお手伝い。






子供たちは目を輝かせていました。


捕まえた魚は、自分たちの手で処理していただきます。

会話が尽きない、にぎやかな交流事業でした。

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2016年09月07日自然観察会の下見に行ってきました!

富士箱根伊豆国立公園 箱根 後藤香奈

少しずつ涼しくなってきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか?

先日、9月10日(土)に開催される
「箱根ジオパーク 初秋の箱根の滝を巡る」
◆主催:箱根ボランティア解説員連絡会の【下見会】に参加してきました。

※箱根ボランティア解説員連絡会は箱根地区パークボランティアで構成されている団体です。

【小涌谷駅~千条の滝~鷹巣山~飛龍の滝~畑宿寄木会館】を進み
滝を巡るコースで、定員50名近くまで集まる、箱根で人気な観察会の一つです。

どの観察会でも毎回行っている下見会では、
当日皆様にお伝えする植物の開花状態や安全確認、コースの最終確認をしております。

(下見の様子)

今の時期はヤマホトトギスが綺麗に咲いており、
いたる所で見る事が出来ました。



鷹巣山山頂まで登り、終盤で見られる「飛龍の滝」は大迫力で、
微細な水しぶきが火照った顔を冷やしてくれました!


当日、台風の影響で雨天中止にならないことを祈っております!
また皆さまの箱根での観察会参加を、心よりお待ちしております。
案内は箱根ビジターセンターのホームページをご確認くださいね!

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2016年09月06日フサフサ危険

秩父多摩甲斐国立公園 野崎 拓

8月末に登山道沿いでツノハシバミの実が落ちているのを見つけました!


実は産毛のような白い毛が生えフサフサしています!

一見肌触りが良さそうですが・・・

触ると刺さります。


初めて見つけたときは知らずに素手で掴んでしまい、指先が剣山のようになっていました。

毛が刺さっても痛みはありませんでしたが、刺さっていることに気付かず手を握ったり物を掴んだりすると、歯痛のようなするどい痛みが走ったのを覚えています。


面白い形をしているのでつい拾ってしまいそうになりますが、

みなさんも得体の知れないものを触るときは十分注意しましょう。

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