2016年10月21日
3件の記事があります。
2016年10月21日黄葉を見に広河原へ来ませんか?
南アルプス国立公園 大石佳織
みなさん、こんにちは。
北岳の登山口である広河原(山梨県南アルプス市)も秋が深まり、紅(黄)葉シーズン
となっています。
(10月20日のアサヨ峰。広河原の吊橋から撮影)
広河原は標高日本第三位の間ノ岳(3,190m)を源流とする野呂川がつくる白鳳渓谷に
位置しており、標高日本第二位の北岳(3,193m)を間近に見ることができる場所です。
(10月20日の北岳。広河原の吊橋から撮影)
周辺にはカツラ、ハウチワカエデ、ウリハダカエデなど多様な樹木が生育していて、
紅葉・黄葉を楽しめます。山の上の方にあるダケカンバやカラマツの黄葉を眺めるのも
いいですね。
バス乗り場前にある「野呂川広河原インフォメーションセンター」では、2階にインフォ
メーションコーナーや休憩スペースもあるので、周辺の情報を聞いたり、お弁当を食べたり
ゆっくりすることもできます。
吊橋を渡った先には山小屋があり、ここではランチやコーヒーもいただけるので散策後、
ちょっと一服ということも可能です。
また、広河原と北沢峠(山梨・長野県境)を結ぶ約10㎞の区間を走る南アルプス林道バスに
乗って、車窓から白鳳渓谷を眺めるのもおススメです。
ちなみに北沢峠行きのバスでは、左側の座席に座ると渓谷がよく見え、右側に座ると北沢峠近くで
甲斐駒ヶ岳がよく見えます。渓谷か、甲斐駒ヶ岳か、どちらを取るかはあなた次第!
今年は紅い葉が少ないのかな?と感じますが、それでも南アルプスの秋の景色は格別です。
南アルプス国立公園で秋の景色を楽しんで、帰りに周辺エリアの温泉に寄る...なんていう
週末の過ごし方はいかがでしょうか?
(広河原のハウチワカエデ。10月20日撮影)
【 ご注意 】
広河原へはマイカーで行くことができません。
山梨県南アルプス市芦安、または山梨県早川町奈良田からバス・タクシーをご利用ください。
また、長野県伊那市長谷から南アルプス林道バスを乗り継いでアクセスすることも可能です。
アクセスやバス運行について詳細は下記ホームページをご覧ください。
アクセス :南アルプス国立公園
バス運行情報:山梨交通ホームページ(芦安~広河原、奈良田~広河原)
南アルプス市マイカー規制・登山バス・乗合タクシーのページ(広河原~北沢峠)
伊那市南アルプス林道バスのページ(長谷仙流荘~北沢峠)
2016年10月21日放鳥トキ、本州に飛来!
佐渡 近藤陽子
皆様、こんにちは。
<10月1日 佐渡市外海府の枯木にとまるNo.247>
佐渡では、稲刈りも終盤を迎え、山々は紅葉で色づき始めています。
さて、先月9月23日~24日にかけて、第15回目となるトキの放鳥が佐渡で行われました。オス5羽、メス14羽の計19羽が飛び立ちましたが、このうちの2羽が、佐渡から海を渡った新潟県弥彦村と長岡市でそれぞれ確認されました。
10月10日、新潟県弥彦村で2014年生まれのメスのトキ(個体番号269)が、
<9月23日 放鳥直後の269>
10月13日、新潟県長岡市で2015年生まれのメスのトキ(個体番号276)が確認されました。
<9月23日 放鳥直後の276>
放鳥当日、この2羽が野生下へと飛び立って行く様子を観察していた私にとって、本州での確認は嬉しいニュースでした。
放鳥直後のトキたちは、新しい環境に適応するため、早朝から長時間飛び回ります。どこが安全なねぐらなのか、どこが良い餌場なのか、あちこち飛び回って一生懸命情報を収集します。飛び疲れて止まりたくても安心して休める止まり木がどこにあるのか分かりません。分からないことだらけの新しい「野外」という環境は、運が悪ければ天敵に襲われてしまう場所でもあります。放鳥直後から一度も確認されないトキや放鳥数日後に死体で確認されるトキもいます。
順化ケージという守られた環境とは異なる厳しい野生下で、環境に適応し逞しく生きる新規放鳥トキたちを確認できた時は本当にホッとします。
No.269、No.276、よく生きていてくれた!10月20日現在も本州で確認されているこの2羽。今後も継続して観察されることを願っています。
来年は、本州でのトキたちの繁殖にも期待できるかな...?
<2016年生まれの幼鳥。佐渡にて。>
① トキに近づかず、やさしく静かに見守りましょう。
② 地域に迷惑をかけないようにしましょう。農地へ無断で入らないようにしましょう。
③ 車から降りずに観察しましょう。
④ 大きな音や光を出さないようにしましょう。
⑤ 繁殖期間(2月~6月)は、巣に近づかないようにしましょう。
こんにちは。
第6回目となる尾瀬・日光シカ対策ミーティングが、先週の10月12日~13日に
日光自然環境事務所主催のもと開催されました。
シカ対策の取り組みの現場・戦場ヶ原を会場に、
尾瀬・日光地域のシカ対策に関わる、国・県・市町村・調査業者など担当者が集まり、
情報共有や現場視察をしました。
初日は、各機関のシカ対策の取り組みや捕獲の実績などについて情報共有し、
意見交換を行いました。
その後、辺りが暗くなる頃、マイクロバスに乗り合わせて、ライトセンサス調査※に出発!
さすが、日々シカに関わる担当者の目が多かったせいか、みなさん次々とシカを発見!
【ライトセンサスで見つけた立派なオスジカ】
二日目は、小田代ヶ原周辺のシカ対策の取り組み現場を視察しました。
シカ侵入防止柵の人の出入り口部分が、ワンウェイドア(柵外からは引かなければ入れない)であったり、
くるくる回る回転扉だったりと、工夫が凝らされていました。
【柵出入り口の回転扉】
柵の解放部(シカ侵入防止柵を閉じることが出来ない箇所)には、
シカ侵入防止のための超音波装置(参加者の中で聞こえる人と聞こえない人に分かれ、聴力検査みたいでした。キーンと頭に響く不快な音です。)が設置させていたり、
蹄のあるシカが歩行を嫌がるグレーチングと合わせて、道路にグレーチング模様をつけ、
侵入意欲を喪失させる作戦などなど、ユニークな取り組みを見る事ができました。
【グレーチングと超音波装置】
モニタリングのセンサーカメラの画像によると、効果は発揮されているようです!
最後に湯元ビジターセンターで、シカ対策の展示や関連資材の見学をし、
内容盛りだくさんのミーティングは終了です。
奥日光での取り組みが、全ての地域にそのまま適用できる訳ではありませんが、
取り組みを行う上での良いヒントになったのではないでしょうか。
なにより、各地域でシカ対策に真剣に取り組んでいる担当者が顔を合わせ、意見を交わし、
対策の現場を訪れ体感したことは、今後の対策を行う上で励みになります。
なかなか思うように対策が進まなかったり、効果がすぐに現れないなど、課題の多いシカ対策ですが、
今後も関係者で情報共有を図りながら、一生懸命取り組んでいかなければいけないと思わされたひとときでした。
※ライトセンサス調査
夜間、低速走行の車からスポットライトを照らして、シカの数をカウントする調査。