ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2017年9月29日

2件の記事があります。

2017年09月29日【富士山がある風景100選】三原山山頂口(伊豆諸島エリア)

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 椋本 真里奈

富士箱根伊豆国立公園80周年を記念して選ばれた"富士山がある風景100選"!

伊豆諸島地域からは大島の3箇所が選定されました。今回は、『三原山山頂口』をご紹介します。

("富士山がある風景100選"については富士五湖小西アクティブ・レンジャーの日記をご覧下さい。

http://kanto.env.go.jp/blog/2017/06/100-1.html

こちらのスポットは、島中央にそびえる三原山の北西部に位置しています。

路線バスを利用すれば港から直行できますし、車があれば元町集落から開放感のある『御神火スカイライン』を登っていくのがオススメです。

大島から見る富士山は他の地域に比べてどうしても遠くなってしまいますが、広大な相模灘を挟んで望む富士山もまた格別です。

むしろ、広角から眺めることでその他の山々まで見渡せて富士山の壮大さが感じられます。

三原山山頂口は登山遊歩道の起点なので、富士山の景色を楽しんだ後は今なお活動している火山の様子も体感できます。

三原山は大島の自然環境の基盤です。繰り返す噴火と再生が造った景色を堪能しましょう!

三原山の標高は764m。

遊歩道を歩けば登山初心者にも優しいカルデラ火山です。

遊歩道からでもスコリアなどの火山噴出物や溶岩の流れが造り出した景観が見られます。

【地表から吹き出た溶岩が冷えて固まったもの】

【カルデラ内の東部に広がる火山荒原(砂漠)】

今の季節なら熱すぎず寒すぎず比較的軽装でも問題ありませんが、山頂の火口周りは一部で舗装道路が途切れて足場が悪くなるので、適切な履物を選んでください。

蹴り跳ねたスコリア(火山噴出物の粒)が靴に入ったり足首を傷つけたりするので、スニーカーよりは丈のあるトレッキングシューズがおすすめです。

霧が出ると水分で体が冷えるので、ぱっと羽織る物があれば安心ですね。

なお、三原山山頂口から内側(カルデラ内)は全域が「特別保護地区」に指定されています。

貴重な自然景観を保全するため、車両(自転車含む)の乗入れや動植物の採取は禁止されています。

持ち込みや持ち出しはせず、そこにあるものを五感で楽しみましょう!

++++++++++"富士山がある風景100選"とは +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100選"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。
http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html






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2017年09月29日オガサワラハンミョウ「再導入」

小笠原国立公園 古田貴士

こんにちは。小笠原の古田です。

ハンミョウという昆虫をご存知でしょうか。ハンミョウは、空き地や未舗装路等に居る甲虫の仲間です。日本では26種程が確認されています。人が近づくと飛んで逃げて数m程先に着地し、更に近づくとまた飛んで逃げて数m程先に着地するといった行動を取ることがあります。道案内をしてくれているように見えることから「道しるべ・道教え」という愛称で呼ばれることもあります。

小笠原にもオガサワラハンミョウという固有のハンミョウがいます。成虫は体長約10-15mm。過去には父島にも生息していたそうですが、生息環境の悪化などにより、現在では兄島の限られた場所でしか見られなくなりました。数が非常に減ってしまったため、国内希少野生動植物種に指定され、保護増殖事業が実施されています。兄島では、過去の生息地において、外来植物の駆除や外来植物の落ち葉の除去などを行い、環境改善を進めています。

つい先日、保護増殖事業の一環として、人工飼育により生まれた成虫を、環境改善した兄島の裸地に放虫する事業を行いました。

以下は放虫時の様子です。

  1. 1. ハンミョウの入ったケースをハンミョウが産卵に好みそうな裸地に置きます。

2. ケースを開けます。

3. ハンミョウが出てきます。

4. しばらくするとハンミョウは飛び立ち、周辺に分散していきました。

今回は合計57匹の成虫を、かつての生息地2箇所に放しました。背中についているピンクや緑色は、放虫時期や場所、性別などを識別し、行動を観察するために付けたマーカーです。

無事に定着し、増えてくれることを願っています。

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