2017年11月 2日
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2017年11月02日倒木処理
日光国立公園 太田祐司
みなさん、こんにちは!
奥日光は紅葉がいろは坂を下り、30日には湯元温泉から中禅寺湖にかけて積雪がありました。秋もまもなく終わりになります。湯元温泉ではまだカラマツの紅葉が残っていますが、それより上の日光白根山方面は白くなっています。
【湯元温泉から日光白根山方面を見る】
週末に2週続けて台風が来て、せっかくの紅葉シーズンが残念なことになっています。台風などの強風が吹けば避けられないのは、倒木です。奥日光には環境省の管理歩道が約8kmありますが、そのうち約5kmは整備された木道で平坦で歩きやすいため、多くの小学生が修学旅行で歩きます。このため、倒木が発生したら速やかに処理しないと困ってしまう子供達がたくさん生じます。
この秋にあった倒木処理作業をご紹介します。
【小田代原の倒木】
小田代原では、強風で幹に腐朽の入っていたシラカバが幹折れし、木道をまたいで反対側の樹木にかかり木になりました。難しい伐採作業で木道の破損を覚悟して、専門業者さんに伐採撤去をお願いしました。幸い無事に除去することが出来ました。
【戦場ヶ原の倒木】
次いで台風21号の風雨で戦場ヶ原の歩道に、立ち枯れ木が倒木しました。台風明けで多くの修学旅行の生徒達が通ります。業者さんに依頼する暇も無く、チェーンソーを借りて切断して片付けました。子供達が待っていたように通過します。
【湯ノ湖の倒木】
台風22号は日光にはあまり影響が無く終わったかと思いましたが、東京で木枯らし1番が吹いた日は、奥日光は吹雪で強風が吹きました。これにより湯ノ湖の西岸の山沿いの歩道に、倒木が発生しました。まだ雪が残っている歩道を多くの人が通行しているようで、これも急いで切断処理しました。待っていたように外国人カップルが通過していきました。
【霜で輝く戦場ヶ原】
紅葉のピークが過ぎた戦場ヶ原ですが、霜の降りた早朝に白く輝く戦場ヶ原を見ることが出来ます。
遠くには金屏風と言われるカラマツの黄葉が連なって見事です。
気温が上がる8時過ぎにはすぐに溶けてしまいます。
日光国立公園の紅葉はいろは坂を下り、平地にたどり着きました。東照宮周辺や竜王峡などがまだ見頃です。ぜひお出でください。
皆様、こんにちは。
環境省 佐渡自然保護官事務所がある、
新潟県佐渡市では、紅葉が見ごろを迎えています。
9月22日に放鳥されたトキたちは、佐渡の自然に馴染み、元気に過ごしているようです。
今回は、「放鳥されたばかりのトキ(以下、新規放鳥トキ)」か、「野生下での生活が長いトキ(以下、野生下トキ)」かを見分ける方法についてお話しします。
この見分け方は、トキの観察を日々行っているモニタリングチームのメンバーが使っている方法で、正式なものではありません。また、すべてのトキに当てはまるわけではありません。
こんなことを知っているのは、相当なトキマニア。トキマニアの第一歩を踏み出したいとお思いの方は、是非読み進んでいただきたいと思います。
さて、新規放鳥トキか、野生下トキか。
識別のポイントは「目」です。
この2枚の写真のトキの「目」にご注目ください。
何かお気づきになられたことは、ありますか?
トキの目(成鳥)は、虹彩がオレンジ色、瞳が黒色をしています。
しかし、放鳥されたばかりのトキは、虹彩にほとんど色がありません。
先ほどの写真をもう一度見てみると、左のトキの虹彩には、ほとんど色がなく、ほぼ透明です。
右のトキはオレンジ色の虹彩をしています。
新規放鳥トキ 野生下トキ
よって、左が「新規放鳥トキ」、右が「野生下トキ」です。
では、次の2枚の写真をご覧ください。どちらが「新規放鳥トキ」でしょうか。
虹彩にほとんど色がないトキ。
正解は、右のトキです。
すべての新規放鳥トキの虹彩に色がないわけではありませんが、多くがこのような傾向にあるようです。
放鳥されるまで飼育下にあったトキと、佐渡の自然の中で生きているトキとでは、目の色に差が出るようです。理由ははっきりしていませんが、エサがある程度影響しているのではないかと考えられています。
飼育されているトキたちは、馬肉が主な成分である飼料や、ドジョウを食べています。野生下のトキたちは、ドジョウやミミズ、ザリガニやバッタなど様々なものを食べています。
放鳥されたトキたちは、野生下のトキと同様のエサに切り替わります。新規放鳥トキたちも、野生下で暮らす時間が長くなるにつれて、虹彩の色が濃くなっていき、いずれ目の色をもとに識別することができなくなります。
9月に放鳥されたトキの多くが、現在でも薄い色の虹彩をしています。
環境省 佐渡自然保護官事務所が毎週更新している ☞「放鳥トキ情報」HP には、最新のトキの写真が掲載されています。HPをご覧いただくときに、目の色にも注目していただくと、新規放鳥トキの識別ができるかもしれません。
新規放鳥トキ 野生下トキ