ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年1月

11件の記事があります。

2018年01月30日南アルプス国立公園ってどんなところ?

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

これまで、シーズン中は巡視のようすを中心に、ニホンジカ対策の取り組みや高山植物などをご紹介してきましたが、今回は、そもそも南アルプス国立公園ってどんなところ?という、キホンについて振り返ってみたいと思います。

南アルプス国立公園全景

(南アルプス国立公園全景)

南アルプス国立公園は昭和39年(1964年)61日に全国で23番目の国立公園として誕生しました。赤石山脈の稜線部を中心として3000メートル級の高峰10座以上を有する山岳公園です。面積は35,752ヘクタールで、山梨県、静岡県、長野県の3県にまたがり、東西約15キロメートル、南北約50キロメートルに及ぶ、南北に長い国立公園です。

「南アルプス(赤石山脈)」は、甲斐駒・鳳凰山系、白峰山系、赤石山系の3つの山系から構成されます。日本アルプスの中では最も南に位置し、夏に雨が多く、冬は雪が少ないことから「雨の南アルプス」と言われています。大量の雨が引き起こす河川浸食作用によって深く切れ込んだV字谷が多く見られ、また積雪量が少ないことから森林限界が高く(2500から2700 m)、稜線付近まで森林に覆われています。

南アルプス国立公園は、三伏峠を境として北部と南部に分けられます。

南アルプス国立公園北部、南部

(南アルプス国立公園北部、南部)

【北部エリア】

二俣分岐から見た北岳  「南アルプスの女王」と呼ばれる仙丈ヶ岳

(二俣分岐から見た北岳)           (「南アルプスの女王」と呼ばれる仙丈ヶ岳)

日本第2位の高峰北岳、日本第3位間ノ岳、農鳥岳からなる白峰(しらね)三山をはじめ、山の形がユニークな仙丈ヶ岳や鋸岳、花崗岩で知られる甲斐駒ヶ岳(東駒ヶ岳)や鳳凰三山、双耳峰(2つの頂をもつ山)の塩見岳など変化に富んだ山容を楽しむことができます。北部エリアは山深い南アルプス山域内では比較的アプローチしやすく、初めて南アルプスに登る方にも挑戦しやすいコースもあり、シーズン中は多くの登山客で賑わいます。

【南部エリア】

赤石岳を稜線から望む  東岳(悪沢岳)、中岳、前岳からなる荒川三山

(赤石岳を稜線から望む)           (東岳(悪沢岳)、中岳、前岳からなる荒川三山)

赤石岳や荒川三山、聖岳、上河内岳や光岳などの大きく魅力のある山が連なっています。アプローチが長いことに加え、ひとつひとつの山がとても大きく小屋の間隔が離れているため、登山者には相応の体力・装備が要求されます。反面、南アルプスの山域の中でも登山者が少ないため、静かな山歩きを楽しむことができます。

南アルプスの深い山並み、大自然のなかでゆったりと過ごす時間は何にも代えがたいものがあります。自分だけのお気に入りの場所を見つけてみてはいかがでしょう。

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2018年01月26日オガサワラグワがシンボルの森を目指して

小笠原国立公園 古田貴士

こんにちは。小笠原の古田です。

先週の20日、小笠原村主催のイベント「オガグワの森(仮称)の地図づくり」に

スタッフとして参加しました。

オガグワとは小笠原固有種オガサワラグワの略称です。

オガサワラグワは、戦前に有用な材として伐採されたため、めっきり少なくなってしまいました。

環境省のレッドリスト2017で最も絶滅の危機にある、絶滅危惧ⅠA類に分類されています。

このイベントは、返還50周年を記念した小笠原村事業の一環です。

村民の方々が小笠原の自然を身近に感じることのできるよう、

住民参加・協働の森として父島の村有林を整備しています。

オガサワラグワは、この森のシンボルとして今年11月に植栽される予定です。

当日のイベントの流れです。

最初に、オガサワラグワの説明がありました。(中央に写る苗木がオガサワラグワです)

次に、村民のみなさんに林内を歩いてもらう中で、

どういう森にしていきたいかを考えてもらいました。

その後、A0サイズの地図に付箋で色々アイディアを張り付けていき、発表しました。

滑り台、ツリーハウス、炭焼き・ピザ窯、案内解説版、休憩用のベンチを作りたい、

今生えている果樹を有効利用したい等といった沢山のアイディアが出てきました!

さらに、この森の名称が「仮称」だったので、森の名前総選挙を行いました。

いくつかアイディアは出ましたが、「オガグワの森」に決定しました。

シンプルな名前なので、分かりやすくて良いですね。

参加者もスタッフもイベントを大いに楽しむことができました!

来たる24日(日)にはオガグワの森にて、近自然工法の専門家を呼んで歩道整備を行う予定です!!!

AR日記をご覧の方で興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご参加下さい!

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2018年01月25日明神ヶ岳の植生復元

富士箱根伊豆国立公園 宍戸弘城

前回の日記で明神ヶ岳からの富士山の景色をお伝えしました。

今回は明神ヶ岳の植生復元について書きたいと思います。

明神ヶ岳周辺の稜線付近は、昔から自然の崩壊地が存在していました。

しかし、ハイキングコースとして人気の高い明神ヶ岳において、展望も良く、休憩地として使われる山頂部付近は、踏圧等による土壌浸食が発生し、裸地の拡大、またそれによる植生の劣化や景観の悪化が懸念されていました。

そこで2009年に、南側の一部斜面でボランティアの方々の力を借りて、「ササ束による土留工」、「周辺の種子を含む土を詰めた土のう」を設置し植生回復を図りました。

200910

2009年秋~冬撮影

201710

施工した箇所のササ束は消失しましたが、一部の植物が根付きました。現在では、施工初期に被度が高かった12年生草本(コブナグサなど)が減少し、多年生草本、木本類(フジアザミ、ササ類など)の被度が高くなってきています。

また2011年には南側の別の斜面で、「ササ束+土のう」、「緑化ネット+播種」など複数の手法で植生の回復を試みました。


200910

20114

201710

この斜面では、緑化ネットによる植生回復はうまくいきませんでしたが、周辺の種子を含んだ土のうから成長したススキやリュウノウギクなどの植物が残りました。

また2014年には、尾根平坦部の登山道の整備、緑化ネット張りなどを行いました。人の立ち入りの制限により、ササ類などが順調に回復してきました。

20107

20177



20107

20166

数年ぶりに訪れた登山者の中には、山頂の変化に驚かれる方もいます。

年々変わっていく山頂の様子もあわせて、明神ヶ岳登山をお楽しみください!

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2018年01月24日【富士山がある風景100選】だるま山高原・金冠山・古稀山(伊豆半島エリア)

富士箱根伊豆国立公園 沼津 三上和希

今回は『富士山がある風景100選』に選定されている「だるま山高原」・「金冠山」・「古稀山」をご紹介します。

いずれも伊豆半島の西側を縦に延びる「伊豆山稜線歩道」上にあります。

だるま山高原・金冠山・古稀山の位置図

だるま山高原レストハウスから眺める富士山(MAPの①)

だるま山高原(だるま山高原レストハウス)からは富士山やその前方に広がる愛鷹山、丹沢山地や箱根山、さらには駿河湾に浮かぶ淡島も眺めることができます。

他にも玄岳や発端丈山、毛無山なども見ることができますが写真の中には納まりきらないほどなので、実際に足を運んで見るのがおすすめです。

レストハウスから金冠山への道は綺麗に整備された広い芝生の歩道で、思わず寝転んだり、走りたくなってしまいます(MAPの②)。

片道30-40分程度なので、レストハウスからの眺望を楽しんだ後は金冠山へも立ち寄って見てはいかがでしょうか。

金冠山から眺める富士山(MAPの③)

金冠山からもレストハウスと同様に富士山や淡島等を望むことができます。

山頂の北側が開けているため、その風景は開放的です。

金冠山から徒歩で古稀山へ向かう場合は、少し距離があり、また小達磨山や達磨山といった小さいピークを越える必要があるので多少労力は必要ですが、その労力に見合うような素敵な景色が伊豆山稜線歩道には広がります。

金冠山~古稀山間(MAPの④)は、クマザサの間を伸びる歩道が長く続きます。

周囲に遮るものが無い中、眼前に長く続く一本の道を歩くのは爽快で、疲れを感じずに歩くことができると思います。

達磨山から眺める戸田港(MAPの⑤)

途中の達磨山からも富士山が見えますが、個人的におすすめなのは山頂から眺める戸田港です。

海流に運ばれた土砂によって形成された砂嘴(さし)と呼ばれる地形が特徴的でおもしろいです。

古稀山から眺める富士山(MAPの⑥)

古稀山はクマザサと富士山、青空のコントラストが非常に美しい場所です。

また伊豆山稜線歩道に沿って伸びる西伊豆スカイラインもその風景に調和しており、最高のパノラマが楽しめます。

絶景を求めて「だるま山高原」「金冠山」「古稀山」をぜひ訪れてみてください。

++++++++++"富士山がある風景100選"とは +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100選"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。
http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html






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2018年01月24日箱根の雪景色

富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈

氷点下の気温が続く箱根ですが、天気の良い本日の様子を少しだけお届けいたします。

先日22日の降雪の様子です。

本日24日の積雪の状態です。

積雪は17cmほどで、私の手で測ると、手首まですっぽりと雪に埋まってしまいました。

箱根ビジターセンターの周りでは、飼い犬やお子さんと一緒にソリ遊びを楽しむ声が聞こえてきます。全員、全身真っ白になりながら、顔を赤くして見通しの良い傾斜を滑っています。長距離下るにはテクニックが必要ですね!箱根ビジターセンターでは無料でソリを借りれますので、お近くを通った際は是非寄ってみてください♪

また雪が降った時の醍醐味の一つ、「動物のあしあと探し」を今年も実施しました。今年は野鳥の足跡が多く、雪の中キラキラと光っていましたよ。

防寒と足元をしっかり確認して、皆さんも今しか見られない景色を見るために、是非外に出てみてください!

それでは、箱根の今をお届けいたしました。皆さんがまた箱根に来られるのをお待ちしております。

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2018年01月24日伊豆諸島とツバキ

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 椋本 真里奈

伊豆諸島地域、2018年最初のAR日記です。

みなさま、本年もよろしくお願いいたします。

年も明け、伊豆諸島から最初に紹介しなければならないのは、なんといってもツバキです!

伊豆諸島地域では年間を通してさまざまな植物が見られますが、その中でもツバキは特に島の人々の暮らしに深く結びついてきた重要な花樹です。花を愛で、実から油を絞り、幹は燃料や工芸品に利用されてきました。

現在でもツバキは集落のいたるところに防風林として植えられています。

(大島 岡田地区の防風林)

8世紀ごろの日本ではツバキへの信仰があり、室町時代には園芸としてツバキの栽培が始まりました。

現在ツバキは鑑賞樹として海外でも広く注目され、品種改良によって無数の園芸品種が存在しますが、伊豆諸島にもともと自生するツバキは、それら園芸品種の掛け合わせのもとになった「ヤブツバキ」のみです。

一口にヤブツバキと言ってもその花色や花形はさまざまで、例えば三宅島ではたくさんの白色や桃色の花が見つかっています。野生のツバキは通常花びらが5-6枚ですが、大島では大輪や八重化したものも確認されています。また、花だけでなく枝葉の形や模様(斑入りか否か)も変異するそうです。

ツバキはもともと香りの少ない花ですが、伊豆諸島の野生ツバキは日本各地と比べて香りのあるものが多いのが特徴です。

香り成分の科学的分析によって明らかにされたヤブツバキの香り構成は以下の円グラフの通りです。

「爽やかですっとした、甘く漂う香り」と表現されています。

(参考:椿資料館

伊豆諸島のツバキといえば大島が有名ですが、利島ではツバキが土地の8割を覆っており、その総数は約20万本とも言われています。

江戸時代、真水が湧かず平地も少ない利島では、年貢として米の代わりに椿油を納めていました。

利島は土壌が肥沃なため樹木の生育に適しており、他の島に比べて実が大きく育ちます。

そこから絞り出す椿油はオレイン酸含有量が約85%(オリーブオイルで約75%)という高品質で、江戸時代から現在まで絶えず続いてきた椿油の生産量は全国でも1,2を争います。

(利島のヤブツバキ)

大島は、日本で1番早くにヤブツバキの開花を迎える場所です。

その温暖な気候から、夏の涼しさで花芽が促進され秋の暖かさで開花が早まるためだと言われています。

極早咲きは9月末から、遅咲きのものは5月中旬まで開花しているため、1年の大半ツバキを見ることができます。

見頃は本州より1ヶ月以上も早く、2月頃...そう、まさにこれからの季節です!1

さらに、大島ではすでに寒咲大島(オオシマザクラの花期の早い品種)がちらほら開花しています。

2018年初最初の旅行は、伊豆諸島でお花見を楽しむのはいかがでしょうか。

1/28(日)からは第63回 伊豆大島椿まつりも始まりますよ。

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2018年01月18日圧巻の300万本!! 伊豆下田の水仙

富士箱根伊豆国立公園 吉川貴光

伊豆下田の冬の主役といえば、爪木崎に咲く水仙です。現在、見頃を迎えている水仙をご紹介します。

(下田市須崎 爪木崎海水浴場)

爪木崎に足を踏み入れると、辺り一面を白く染める綺麗な水仙が飛び込んできます。

周りに咲くアロエの花や青い海がさらに水仙を引き立てます。

 

(下田市須崎 爪木崎海水浴場 水仙)

近くで見ると白い花びらと黄色いラッパの様な花びらがなんともかわいらしいです。

風が吹くと水仙の甘い香りが漂います。

 

(爪木崎灯台)

爪木崎の見所は、水仙だけではありません。丘を上がっていくと、立派な灯台が立っています。

真っ白で、すらっとした爪木崎灯台が青空に映えます。

 

(柱状節理)

海辺では、特徴的な形をした岩を見ることができます。

これは溶岩が冷え固まる際に、縮んで柱状に割れた柱状節理です。

綺麗な風景だけでなく地球の神秘を感じることができます。

 

(下田市須崎 爪木崎海水浴場)

約300万本もの水仙が咲き誇る下田爪木崎水仙まつりは2月10日まで開催しています。

見頃は1月中旬~2月上旬となっております。

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2018年01月17日トキと佐渡の野鳥の写真展 開催中!

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

<朝日... ではなく、加茂湖からの夕日と大佐渡山脈>

 今回は、写真展のご案内です。

 2018年1月17日現在、新潟県佐渡市両津港にて、トキと佐渡の野鳥の写真展を開催しています。車が行きかう道路の横を飛翔するトキや、佐渡に飛来した珍しい渡り鳥など、佐渡の豊かな自然を垣間見ることができる貴重な写真が盛りだくさん!ルアー釣りをする鳥や最大70mまで潜水する鳥など、プチ解説も見どころのひとつです。佐渡にお越しの際は、是非お立ち寄りください!


 

【開催期間】2018年1月15日(月)~3月14日(水)

【場所】佐渡汽船両津港 お食事とおみやげの館シータウン佐渡 

【料金】入場無料

【お問合せ】環境省佐渡自然保護官事務所 TEL:0259-22-3372(土日祝日除く)

主催:環境省佐渡自然保護官事務所
共催:日本野鳥の会佐渡支部

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2018年01月10日こめどころの別の顔

佐渡 原奈緒子

皆さんこんにちは

普段は佐渡島でトキのモニタリングを行っていますが、今回はなんと海を越えて新潟に上陸しました。

新潟県内にある佐渡島外の国指定鳥獣保護区について

野鳥の飛来状況や観察施設の管理運営状況について調査を行うためです。

米どころとしても有名な新潟は越後平野という名でも知られています。

信濃川や阿賀野川などの大きな河川によって運ばれた土砂がたまってできた平野のため、

もともと水をためやすい性質を持っていて、新潟市内だけでも16もの潟があります。

今回は、冬鳥の大切な越冬地になっている「佐潟(さかた)」、「福島潟」、

そして阿賀野市にある「瓢湖」の3つの国指定鳥獣保護区に行ってきました。

▲佐潟水鳥・湿地センターからの眺め 望遠鏡を自由に使うことが出来る

佐潟には「佐潟水鳥・湿地センター」があり、観察機材も充実しています。

潟に面したガラス窓からは備え付けの望遠鏡でカモ類などを観察することができます。

▲ビュー福島潟の屋上から見た福島潟

福島潟にある全面ガラス張りの「ビュー福島潟」からは福島潟全体を見下ろせ、

潟際に設置したカメラの映像をのぞけば施設の対面にある野鳥の姿や声も聞くことが出来ます。

手前の緑色をしている草地は春になると一面菜の花畑になるのだとか。