ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2018年1月24日

3件の記事があります。

2018年01月24日【富士山がある風景100選】だるま山高原・金冠山・古稀山(伊豆半島エリア)

富士箱根伊豆国立公園 沼津 三上和希

今回は『富士山がある風景100選』に選定されている「だるま山高原」・「金冠山」・「古稀山」をご紹介します。

いずれも伊豆半島の西側を縦に延びる「伊豆山稜線歩道」上にあります。

だるま山高原・金冠山・古稀山の位置図

だるま山高原レストハウスから眺める富士山(MAPの①)

だるま山高原(だるま山高原レストハウス)からは富士山やその前方に広がる愛鷹山、丹沢山地や箱根山、さらには駿河湾に浮かぶ淡島も眺めることができます。

他にも玄岳や発端丈山、毛無山なども見ることができますが写真の中には納まりきらないほどなので、実際に足を運んで見るのがおすすめです。

レストハウスから金冠山への道は綺麗に整備された広い芝生の歩道で、思わず寝転んだり、走りたくなってしまいます(MAPの②)。

片道30-40分程度なので、レストハウスからの眺望を楽しんだ後は金冠山へも立ち寄って見てはいかがでしょうか。

金冠山から眺める富士山(MAPの③)

金冠山からもレストハウスと同様に富士山や淡島等を望むことができます。

山頂の北側が開けているため、その風景は開放的です。

金冠山から徒歩で古稀山へ向かう場合は、少し距離があり、また小達磨山や達磨山といった小さいピークを越える必要があるので多少労力は必要ですが、その労力に見合うような素敵な景色が伊豆山稜線歩道には広がります。

金冠山~古稀山間(MAPの④)は、クマザサの間を伸びる歩道が長く続きます。

周囲に遮るものが無い中、眼前に長く続く一本の道を歩くのは爽快で、疲れを感じずに歩くことができると思います。

達磨山から眺める戸田港(MAPの⑤)

途中の達磨山からも富士山が見えますが、個人的におすすめなのは山頂から眺める戸田港です。

海流に運ばれた土砂によって形成された砂嘴(さし)と呼ばれる地形が特徴的でおもしろいです。

古稀山から眺める富士山(MAPの⑥)

古稀山はクマザサと富士山、青空のコントラストが非常に美しい場所です。

また伊豆山稜線歩道に沿って伸びる西伊豆スカイラインもその風景に調和しており、最高のパノラマが楽しめます。

絶景を求めて「だるま山高原」「金冠山」「古稀山」をぜひ訪れてみてください。

++++++++++"富士山がある風景100選"とは +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100選"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。
http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html






++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

ページ先頭へ↑

2018年01月24日箱根の雪景色

富士箱根伊豆国立公園 後藤香奈

氷点下の気温が続く箱根ですが、天気の良い本日の様子を少しだけお届けいたします。

先日22日の降雪の様子です。

本日24日の積雪の状態です。

積雪は17cmほどで、私の手で測ると、手首まですっぽりと雪に埋まってしまいました。

箱根ビジターセンターの周りでは、飼い犬やお子さんと一緒にソリ遊びを楽しむ声が聞こえてきます。全員、全身真っ白になりながら、顔を赤くして見通しの良い傾斜を滑っています。長距離下るにはテクニックが必要ですね!箱根ビジターセンターでは無料でソリを借りれますので、お近くを通った際は是非寄ってみてください♪

また雪が降った時の醍醐味の一つ、「動物のあしあと探し」を今年も実施しました。今年は野鳥の足跡が多く、雪の中キラキラと光っていましたよ。

防寒と足元をしっかり確認して、皆さんも今しか見られない景色を見るために、是非外に出てみてください!

それでは、箱根の今をお届けいたしました。皆さんがまた箱根に来られるのをお待ちしております。

ページ先頭へ↑

2018年01月24日伊豆諸島とツバキ

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 椋本 真里奈

伊豆諸島地域、2018年最初のAR日記です。

みなさま、本年もよろしくお願いいたします。

年も明け、伊豆諸島から最初に紹介しなければならないのは、なんといってもツバキです!

伊豆諸島地域では年間を通してさまざまな植物が見られますが、その中でもツバキは特に島の人々の暮らしに深く結びついてきた重要な花樹です。花を愛で、実から油を絞り、幹は燃料や工芸品に利用されてきました。

現在でもツバキは集落のいたるところに防風林として植えられています。

(大島 岡田地区の防風林)

8世紀ごろの日本ではツバキへの信仰があり、室町時代には園芸としてツバキの栽培が始まりました。

現在ツバキは鑑賞樹として海外でも広く注目され、品種改良によって無数の園芸品種が存在しますが、伊豆諸島にもともと自生するツバキは、それら園芸品種の掛け合わせのもとになった「ヤブツバキ」のみです。

一口にヤブツバキと言ってもその花色や花形はさまざまで、例えば三宅島ではたくさんの白色や桃色の花が見つかっています。野生のツバキは通常花びらが5-6枚ですが、大島では大輪や八重化したものも確認されています。また、花だけでなく枝葉の形や模様(斑入りか否か)も変異するそうです。

ツバキはもともと香りの少ない花ですが、伊豆諸島の野生ツバキは日本各地と比べて香りのあるものが多いのが特徴です。

香り成分の科学的分析によって明らかにされたヤブツバキの香り構成は以下の円グラフの通りです。

「爽やかですっとした、甘く漂う香り」と表現されています。

(参考:椿資料館

伊豆諸島のツバキといえば大島が有名ですが、利島ではツバキが土地の8割を覆っており、その総数は約20万本とも言われています。

江戸時代、真水が湧かず平地も少ない利島では、年貢として米の代わりに椿油を納めていました。

利島は土壌が肥沃なため樹木の生育に適しており、他の島に比べて実が大きく育ちます。

そこから絞り出す椿油はオレイン酸含有量が約85%(オリーブオイルで約75%)という高品質で、江戸時代から現在まで絶えず続いてきた椿油の生産量は全国でも1,2を争います。

(利島のヤブツバキ)

大島は、日本で1番早くにヤブツバキの開花を迎える場所です。

その温暖な気候から、夏の涼しさで花芽が促進され秋の暖かさで開花が早まるためだと言われています。

極早咲きは9月末から、遅咲きのものは5月中旬まで開花しているため、1年の大半ツバキを見ることができます。

見頃は本州より1ヶ月以上も早く、2月頃...そう、まさにこれからの季節です!1

さらに、大島ではすでに寒咲大島(オオシマザクラの花期の早い品種)がちらほら開花しています。

2018年初最初の旅行は、伊豆諸島でお花見を楽しむのはいかがでしょうか。

1/28(日)からは第63回 伊豆大島椿まつりも始まりますよ。

ページ先頭へ↑

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。

ページ先頭へ