2018年8月 3日
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2018年08月03日夏休みは世界遺産センターに行こう!
小笠原国立公園 小笠原 田谷以生
みなさんこんにちは、小笠原自然保護官事務所の田谷です。
本州は連日の猛暑と聞いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
小笠原は意外にも朝晩は涼しく爽やかな夏をエンジョイしています。
8月に入り、サマーフェスティバル関連のイベントで盛り上がりを見せています。
そんな中、小笠原世界遺産センターでは今年も夏休み企画として2つのイベントを開催しています。
特別企画その1【クイズラリー】
小笠原にの自然や生き物に関するクイズが7問、展示ルーム内に設置されています。
クイズの答えやヒントが展示の中に隠れています。
よーーーく展示を見ながら回答して下さい。
全問正解者にはステキなプレゼントを用意しています。間違えても参加賞がもらえます。
ぜひチャレンジしてみてください!!
解答用紙の裏には小笠原世界遺産センターオリジナルスタンプがおせます。
(なんとこのスタンプ、アクティブレンジャーの手作りです!)
特別企画その2【観察お絵かき】
小笠原世界遺産センターの目玉であるカタマイマイ属とオガサワラハンミョウの生体展示。
本物のマイマイやハンミョウを間近で見ながらスケッチできるようになっています。
絵を描いてくれた方にはささやかなプレゼントもあるので、来館記念に描いてみませんか?
夏休み特別企画は9/2(日)まで開催しています。
涼みに、遊びに、学びに、ぜひ小笠原世界遺産センターにお越しください!
みなさん、こんにちは。佐渡の原です。
佐渡の野生下では今期60羽の幼鳥が新たに巣立ちました。
今では、親から離れて幼鳥だけで行動したり、30㎞近く離れた場所に飛来している様子が確認されています。
▲田んぼでエサを探す今年生まれのNo.B52およびB53
トキは動物食で野生下ではドジョウ、カエル、バッタ、サワガニ、ミミズなどの田んぼにいる生きものを好んで食べることが観察されています。
▲佐渡にしかいないサドガエルを食べるトキ
▲ドジョウを食べるトキ
トキが1日に必要なエネルギー(232kcal)をドジョウに換算すると、50匹程度になります。
1羽のトキが1日50匹のドジョウを食べているとすると、現在佐渡には約350羽のトキが生息しているので、なんと1日で、50(匹)×350で17,500匹!!!のドジョウが必要との計算になります。
※野生下のトキは、上述のとおりドジョウだけでなくさまざまな動物を食べており、ここで紹介させて頂いた例はあくまでも全てドジョウに換算した場合の数です。
佐渡の田んぼは私たちにおいしいお米を供給してくれるだけでなく、たくさんの生きものの生活を支えている場所なのです。
では飼育下のトキはどのようなものを食べているのでしょうか。
野生下のトキのように生きたドジョウもあげます。
しかし、それだけでは栄養に偏りがでるため、トキのために考えられた馬肉飼料をあげています。佐渡トキ保護センターの馬肉飼料作りをご紹介させていただきます。
▲馬の肉を使ったトキ専用の特別なエサ(馬肉飼料)
栄養バランスのとれた馬肉飼料は月に1~2回飼育員さんたちが手作りします。原材料は馬肉、にんじん、たまご、魚粉やトウモロコシなどを合わせたトキ専用の粉末飼料です。にんじんはヘタをとり、ゆでてつぶします。たまごは鳥インフルエンザの懸念から生卵ではなくゆで卵にしたものを購入し、殻ごとつぶします。
▲馬肉を入れる前の材料
材料を混ぜたものをミンチ機にかけて、粗挽きのひき肉になったら完成です。
▲馬肉を混ぜてミンチにする様子
飼育下では1日にドジョウ50g(40kcal)、ペレット30g(122kcal)とこの馬肉飼料50g(90kcal)を与えています(ペレットとは魚粉を主にした乾燥飼料です)。
今の時期は育ち盛りの幼鳥がいるため給餌量は少し多くなっています。
エサを盛り付ける時も、馬肉飼料のこのひき肉状の形がくずれると食いつきが悪くなるため、つぶさないように扱います。
このまま焼いたらおいしいかも、、、と思わず考えてしまいました。
この馬肉飼料のレシピはもともとスイスの動物園でトキの近縁種を対象に考案されたものを参考に、トキの獣医さんがトキの栄養面を考慮し、試行錯誤して考え出したものなのです。
「飼育はエサが命。どんなに良いケージにいてもエサが良くなければ健康なトキは育たない」とエサの重要さについて佐渡トキ保護センターの山本飼育員に教えて頂きました。