ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年5月28日

2件の記事があります。

2019年05月28日芦安 大石山の神で安全祈願祭

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

芦安周辺では新緑が色鮮やかになっています。深い緑、少し薄い緑など、同じ緑でさまざまな色を楽しむことができますよ♪

5月26日に芦安の大石山の神にて、安全祈願祭が行われました。大石山の神には「大石の車地蔵」と「白根御池大龍王天女」が祀られています。どのような信仰があるのか、みなさんに紹介したいと思います。

■ 大石の車地蔵


毎日、峠超えをして働かなければならない芦安の人々の足腰が丈夫であることを願って、山で働く芦安村の村民が箱根の底倉から歓請した地蔵。この地蔵は足腰の強化はもちろんのこと、雨乞いの地蔵としてもしられています。

■ 白根御池大龍王天女


白根山は昔から信仰の山として、北岳山頂には大日如来が安置され、白根御池には大龍王天女(権現)が奉祀され、霊験あらたかであるとして信仰者の登山参詣が多かったそうです。しかし、その登山道が大変険しい道であったため、芦安村の熱心な信仰者が、白根御池の大龍王天女(権現)までの登山参詣祈念して、その分霊を奉持して帰り、大石山の神が乗ってきたという大石の上に大龍王天女(権現)の分霊を安置したといわれています。

参考:南アルプスの里山「芦安」 南アルプス市郷土研究部、南アルプス市生涯学習課

「大石の車地蔵」と「白根御池大龍王天女」は芦安の文化財としても知られています。

大石山の神は南アルプス市営芦安駐車場のそばにある、山の神ゲートの脇道を進んだところにあります。先には林道ができる前まで、夜叉神峠までのメインルートとして利用されていた旧道があります。現在は、多くの方がマイカーや交通機関を利用されているので、利用者は少なくなっていますが、地元の方によって整備が行われています。旧道のため、地図によっては記載がないものもありますので、利用する際は時間に余裕を持つようにしてくださいね!

あと少しで広河原までの交通機関の運行が始まります。広河原、北沢峠へのアクセス情報をお知らせします。

山梨県側【甲府駅-芦安駐車場-夜叉神峠登山口-広河原】【奈良田-広河原】【広河原-北沢峠】

通行期間:6月21日(金)から11月4日(月・祝)(期間・曜日により運行ダイヤが異なりますのでご注意ください) 

→ http://yamanashikotsu.co.jp/route_bus/route_sp_info/hirogawara/

長野県側【戸台-歌宿-北沢峠】

4月25日(木)から6月14日(金)までは戸台-歌宿までの運行となります。6月15日(土)から北沢峠までの運行が始まります。(期間・曜日により運行ダイヤが異なりますのでご注意ください) 

→ http://www.inacity.jp/kankojoho/sangaku_alps/minamialps/minamialps_jikokuhyo.html

今年は開山してからもルートによっては残雪を楽しむことができそうです。開山が待ち遠しいですね!!

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2019年05月28日トキの巣の下に落ちているもの

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

新潟県佐渡市では、田植えが行われ、美しい田園風景が広がっています。

この時期、トキたちは子育てに大忙し。多くの巣でヒナの誕生が確認されています。

<巣で親鳥の帰りを待つヒナ2羽>

その一方で、巣作りしていたのにやめてしまったペア、卵を温めていたのにやめてしまったペアなども確認されるようになりました。このようにトキが繁殖を中止した場合、トキがいないのを確認してから、巣の下へ行き、落下物の回収を行います。

巣の下には、繁殖に関わるたくさんのヒントが落ちています。今回は巣の下に落ちている落下物3つをご紹介します。

1.卵の殻


巣の下に行くと、多くの場合、卵の殻が落ちています。卵の殻を用いて、トキが何個卵を産んだのか(産卵数)、卵は有精卵だったのか(有精卵率)、などを調べます。

有精卵を調べるためのルミノール反応検査の様子。検査液に卵殻を入れ、有精卵だと青白く光ります。

(※トキの卵の大きさ:6.7×4.5㎝、69gほど。ニワトリの卵よりも少し大きい。)

2.巣材

巣の直下は、巣材となる枝や枯草が落ちています。場合によっては、強風などで落下した巣そのものが落ちていることもあります。

3.ヒナの死体

できることなら発見したくない悲しい落下物がトキのヒナです。運悪く巣から落ちたのか、捕食者から逃げるうちに落ちたのか、または捕食されて落ちたのか、落下の要因はヒナの状態を確認して検討されます。ヒナの脚や翼の一部、骨しか残っていないこともありますが、体の一部でも残っていれば、落下原因や死因、捕食者の解明に役立ちます。

現在、佐渡で確認されているトキのペアは80を超えますが、例年繁殖を成功させ無事にヒナを巣立たせることができるペアは半分にも及びません。1巣1巣の状況を確認するモニタリングを行う中で、ヒナを巣立たせることがいかに難しいかを思い知らされます。多くの困難を乗り越えて巣立つトキのヒナたち。巣立ち後もたくましく生き抜いていってほしいと願います。

※巣から落ちたトキの卵の殻やヒナを見つけた場合は、佐渡自然保護官事務所にご連絡ください。

 電話:0259-22-3372

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