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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年6月11日

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2019年06月11日南アルプスユネスコエコパーク、5周年!!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんは「ユネスコエコパーク」をご存じでしょうか。

ユネスコは国際連合教育科学文化機構の頭文字からとった名前で、ユネスコは1976年に「生物圏保存地域(通称:BR、ユネスコエコパークと呼ぶのは日本だけ!)」の指定をはじめました。ユネスコエコパークの目的は「生態系の保全と持続可能な利活用の調和」であり、「保護・保全だけでなく自然と人間社会の共生」に重点が置かれています。現在、ユネスコエコパークの登録件数は122カ国686件(2018年7月現在)で、日本での登録数は9件です。

南アルプスユネスコエコパークは山梨県(北杜市、韮崎市、南アルプス市、早川町)、長野県(伊那市、富士見町、大鹿村、飯田市)、静岡県(静岡市、川根本町)の3県にまたがっています。2014年6月に制定され、今年で5年目を迎えました!南アルプスユネスコエコパークは日本国内で登録されているユネスコエコパークの中でも最大面積で、指定されている地域に12万人もの人が住んでいます。

南アルプスが抱える多様な問題を解決するために、構成市町村及び関係機関で8つのワーキンググループ(WG)を設立しています。主な取り組みを紹介したいと思います。

■ライチョウ保護WG

静岡市が中心となって、平成28年度から昨年度までライチョウサポーター制度を設けました。ライチョウサポーターの養成講座の開催、ライチョウサポーターの認定や認定されたサポーターを対象に、フォローアップ研修を行いました。認定されたサポーターは南アルプスに登った際に目撃したライチョウ発見情報を事務局に報告し、集まった情報を元に生息状況の把握などに活用しています。現在は954名の方がライチョウサポーターに任命され、発見情報は136件にものぼります。(昨年度、養成講座(山梨県会場)についてはコチラ!!)

■登山道誘導標識WG

伊那市が中心となって行っています。南アルプス登山道カラーをオレンジとし、南アルプスユネスコエコパーク地域の登山道を対象とし、統一を進めています。

  

△北岳・池山尾根分岐標識            △北沢峠標識

南アルプスへの登山経験がある方は見たことがあるかもしれません。南アルプスのカラーはオレンジ!と覚えていただけるような標識ですね!

■看板表示WG

北杜市が中心となって行っています。登山道誘導標識だけでなく、南アルプスユネスコエコパーク内の公共標識もオレンジになっています。車道や遊歩道散策などで目にしたことがある方も多いと思います。あちこちにあるので、ぜひ、探してみてください!

このように各関係者が主体的に課題の進捗状況などを把握し、適切な見直しを行いながら取り組んでいます。WGの他にもユネスコスクールへの登録や櫛形山や甘利山などのモニタリング調査や自然保護活動など、地元の小中高学生や各団体がそれぞれに頑張っています。

6月23日(日)には静岡市にて「登録5周年記念イベント 南アルプスうまいものフェア」が開催されます。


イベントでは南アルプスユネスコエコパークに登録されている10市町村が集結し、地元ならではのグルメを楽しめるほか、ワークショップの開催や抽選会が行われます。イベントや各団体の取り組み、このアクティブ・レンジャー日記などを通じて、南アルプスユネスコエコパークを多くのみなさんに知っていただければ幸いです。静岡市にお住まいの方、お出かけ予定の方!ぜひ、足を運んでみてください!!

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