2019年6月12日
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2019年06月12日尾瀬 燧ヶ岳の登山道状況のお知らせ
尾瀬国立公園 細川有希
みなさんこんにちは!
檜枝岐自然保護官事務所の細川です。
尾瀬沼近くの長英新道から燧ヶ岳を越えて見晴新道を通りましたのでその時の登山状況について、お知らせします。
日にち:6月10日(月)
ルート:尾瀬沼→長英新道→俎嵓→柴安嵓→見晴新道→見晴
(燧ヶ岳地図)
(俎嵓手前の登山道:地図番号①)
俎嵓より手前は残雪がありますが、傾斜が急ではないので山頂まで行くことができます。
俎嵓から柴安嵓に行く際の上りは残雪が多く、ほぼ直角な箇所があるため、ピッケルとアイゼンを使用しても安全に登れる保証がありません。(地図番号②)
雪解けを待ち7月頃の燧ケ岳山開き後に登ることをおすすめします。
(柴安嵓から降りる見晴新道:地図番号③)
柴安嵓から見晴新道に降りる間にも残雪があり、注意深くピンクテープや看板を探しながら歩きましょう。
見失ったまま歩いて行くと沢に降りてしまうかもしれません。
(見晴新道から外れやすい沢:地図番号③)
ピンクテープが見えなくなったらそれ以上進まず、一度引き返して元の場所からもう一度ピンクテープや看板を探してみましょう。
見晴新道は倒木が2本程ありますが、木の下をくぐったりまたいだりして進むことができます。
登山道は雪解け水や雨の影響でぬかるみ、水が流れています。歩く際は長靴かカバーを着用することをおすすめします。
柴安嵓と俎嵓の間は危険な箇所ですが、それ以外であれば少しずつ雪も溶けてきているので、しっかり注意しながらであれば登山することができます。
安全第一で楽しい登山にしてください。
(田代山・帝釈山のオサバグサ)
箱根の仙石原湿原で青草刈りをしてきました。
すっかり春の陽気に照らされて湿原の植物はグングンと成長しており、ちょうど梅雨入り直前のタイミングとなり、青草を刈るにはベストな時期でした。
青草刈りは、仙石原湿原の希少な植物(ノハナショウブ、スズサイコ等)の維持管理のために行います。
草刈りをしておかなければ背丈の高い植物に囲われ、日光が届かなくなり希少植物が成長できなくなります。そのためススキやヨシなど背丈の高い植物を選択的に刈って、背丈の低い明るい湿原を維持しています。
青草を刈る際には基本は足下で刈りますが、ノハナショウブがある場合などは傷つけないように地上高50㎝くらいで刈ります。
刈り取った草は一握りを輪ゴムで束ねて、袋に詰め込んでいきます。
刈る対象は、ススキやヨシになります。
作業する際は、花を咲かしていない湿性植物はよーく見ないと誤って刈ってしまうので、少しずつ慎重に草を刈っていきます。
今回は、植物に詳しい専門家などからレクチャーを受けながらの作業を進めました。
またアザミなどが生えていてトゲに手を傷つけることもあります。
現在では刈り払い機などでひとまとめに刈ることはできますが、湿原の植物群落を維持するためには、選択的に刈っていく必要があります。この手法は江戸時代から続く伝統的な管理手法として今でも例年行われているのです。
今年も沢山のススキとヨシが刈り取れました。
地元の沢山の方が関わり仙石原湿原の植生が守られています、苦労の甲斐もあって今年も希少な湿性植物が花を咲かすことができるのだと感じると、とてもやりがいがありますね。
いつまでも変わらない自然美あふれる風景を維持していきたいものです。